音楽備忘録798 他を出し抜く音創り④
個人の論法に過ぎないが、出し抜くには適切な差別化が最適と考えている。
好みが広大な分野では万人への理想を追求するには限界が低いんで、何等かの価値観で捉えた時の最高峰を目指すしか無いんじゃないかと。
何れにせよどっちを追及するにも創意工夫が必至になるが、楽器種次第でそれを出来る場所は大巾に違って来る。
中でも最も厳いのは打込み・それに続くのが個人で作ったり弄れる箇所の僅少な生楽器で、その場合奏で方と録り方主体で何とかするしか無い。
けど反面で聴者がそれを理解してくれてると、そうじゃ無いのよりゃ「僅かな違い」に敏感になって貰える部分はある。
それからすると自由し放題に見えるの程厳しい判定が下されるとも考えられ、電気・電子楽器担当者には辛い処だ。
門外漢が想像する程実際は電気の関わる物だって色々制約だらけで自由には程遠く、例えばエレキのPUとかデジアナ変換の半導体とかはそれ等の心臓部なのに一般個人では全く手に負えない。
とは言えそんなの「内部事情」でお客の知った事っちゃ無いんで、苦し紛れになろうとこっちで対処してくしかない。
具体的には個別機器と組合せの選択に集約されると思うが、突詰めて行くと自動車の変速機のマニュアルとオートマの差等と近似だ。
あらゆる状況にマクロフィットさせるにはマニュアルの一択で、ファミリーカーではほぼ死滅してもスポーツカーには残ってるのがその証だ。
只ここで考慮すべきが使用者のスキルで、最初から全てを意のままに加減しようってんじゃ課題が多過ぎる。
それが音楽ではお便利ストンプの方が好結果と見えたりする原因で、苦手な音創りだけに腐心してパフォーマンスへ悪影響だらけにしたって仕方無いってパターンだ。
しかし厳しい判決言い渡しみたいになっちまうが、もし10年以上もその方が好結果になる様ではアウトだで。
それがGuitarだったら止めちまえ…っとは言わず、もしかしたらエレキよりアコギの方が向いてんでねってね。
だどもそんなハッキリしてるのならまだ幸せで、罪深いのはそこ迄適性レスじゃ無いのに何時までも旧来のやり方を引きずってる連中や。
客観視したら移行タイミングを逃したとかその方法を知らんかったとかなんだろうが、大変な思いをして迄贅沢しようとは思わなかったなんて言われると何となく無罪な感じが漂うからねぇ。
今時はプリセットだけでも取敢えずは行けちゃうオールインワンタイプなんかが一杯あると、昔よりそれに惑わされるのもやむを得ないとは感じるよ。
でもそんなのってハッキリ言や機材を「売る為の方法論」なだけで、流行りの機材を使えば曲も売れるなんて事は全く無いんすよ。
確かにポピュラー系では時代との親和性とか「それっぽさ」は必要なんだけど、ホントにバカ正直に後追いしちゃったら何しろ作品寿命が酷く短くなるんですわ。
加えて余りにもその時代のっぽ過ぎるとその時点ではセンター取れても、少し時代が下ると新しい割にゃ随分古臭さが強く臭っちまうんだ。
それを長持ちしてるヒット作品の実例で見て行くと、印象は流行そのものの様でいて良く聴くと手法丸パクリのは皆無だったんだ。
機材の方で取り入れたのでは使い方や録り方はその人達何時もの・その逆も又然りで、流行取入れが最大でも49%って感じになってたんだ。
私的例では当時はギリギリセーフだからって安易に入れちゃったチープなシンセの音のせいで、今では恥ずかしくて他人に聴かせられなくなった自作曲とかが…。
尤も俺の場合はサウンドより雑過ぎたパフォーマンスの方がもっと問題化しちまってるが、何れにしても本人としては頑張ったのが無効化したのは淋しい限りで御座居ます。
<つづく>
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