音楽備忘録772 楽器の明瞭度の話し⓭
今日は「On Micに依る明瞭度の阻害」ってシュールなのに挑んでみるが、内容へ進まないと随分矛盾した感じをきっと受けるだろうさ。
確かに大枠としては近い程「拾い漏らし」は減るんだが、近いのにもそれなり弊害ってのが実は色々あるんでやんす。
この件は先ず出す側と受ける側を分けて考えてく必要があり、しかもこの2つを絶妙にバランスさせないとベストに届かないんだ。
詳細は後日別項を設けてそっちでやるとして、狭い日本だとある程度以上「離れて聴く」機会はどうしたって乏しいよね。
Classicのオケにでも参加してたらそうでも無いが、今時のポピュラー系じゃ一寸遠ざかりゃすぐPA様がご登場しちまう。
それプラス個人的に痛感してるのは見栄え意識が過ぎるからか、例えば21世紀初頭にBass Ampで猫も杓子もAmpeg SVTなんてトンチキなブームがあったわね。
確かにサイズと金額が問題にならなきゃ、性能も音質もそりゃ「Ampだけを眺めてたら」間違い無く安心の最高峰だ。
けどあれってそもそもはStonesのLive用に設計した代物で、ホントに持っててマッチするのは最低でも既に武道館への出演予定が入ってる人位なんだよねぇ。
この際だから徹底的に追打ちを喰らわしといてやりゃ、それも「PAレス」(基本あるのはVocal Ampのみ)での想定だったんだ。
実際には若干開発に手間取ったかPA常用とほぼ同時期の登場になっちゃってたが、それだって現代みたいに全個別奏者用コロガシ(モニタ)なんてのはもっと後になってからだよ。
だから広さと設備の2つの面でミスマッチになってるのが大多数なんだけど、それだけじゃ無く「SVTの本当の音」を拝めるチャンスも得られて無いんじゃないかと思うんだ。
「何でもPA」の害とミスマッチAmpは今となっては鶏玉子話し化しててどっちが真犯人かもう分かんなくなってっけど、「上手に鳴らせたらこう云う音」ってのをそもそも知らないんじゃマトモな話しは始められんのですよ。
単に趣味で欲しくて買うなら否定しないけど、実用道具として縦横無尽に使いこなせるかったら全く別なのよ。
それでPVには映ってるが実際の録りはLineばっかになったかどうかはワシャ知らんが、同じAmpegのでもずっと旧式で非力なB-15Sの方が録音現場で長く重宝されてたってきっとこう云う事だったんだよ。
えっ何だって、欲しいのに何時までも手が届かないから愚痴ってるって!?。
それも皆無とは申せませんが、現所持のLive対応のAmpですら我が狭室じゃかなり苦闘させられてんのよ。
貧且つ狭隘なればこそ用途別に揃えるのも苦しいし、中古で性能・機能の割に安価なのったら日本だと「無駄に場所取る」のになっちゃう。
こう云うのは得てして遠距離用なんで、狭い所で拾うのは苦手なんですわ。
只ずっと大昔にはなるが不幸中の幸いか貧のお陰で、Vocal Ampしか用意出来ないケースが何度かあった。
その際最高で15m位離れたAmpだけの音を聴く機会があって、その時初めて思ってたよりずっと良い買い物が出来てたのを思い知ったんだ。
距離の他その時点迄はずっと騒音規制でフルアップも出来なかって、それ迄はやっぱ昔のだと寝ボケた音しか出てくんないわーなんて勝手に思ってたんだけどね。
たまたまそれが響き過ぎない会場なのもあったんだろうし、大昔のだから最近のみたいに対応力が上がってるのだとそこ迄極端にはならないかも知れないけどね。
けどある程度以上のパワーが持たされてるAmpなら、狭いのより広くても大丈夫な方へ設計が振ってあるのは間違い無いですから。
それがClick前提の各パート個別収録には又不向きで、宅でもBass Ampでは長年悩まされてるよ。
この件からすると1970年代に入ってBoogieのAmpが持て囃されたのって、歪みの自由度の他スピーカが単発で録り易かったのもあったのかな。
単なる偶然か分からんが、マルチトラックの多重録音が一般化した時期と見事に重なってたからねえ。
<つづく>
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