音楽備忘録777 風変りなMic位置➍
お次はエレキGuitar Ampの実例へ進めてくが、毎度の今更パターンだが何を基準に「風変り」と感じたり感じなかったりしてるかにも触れとこう。
これは狭隘過ぎて誤認の多い認識との闘いでもあり、ぶっちゃけ超専門的観点に立てば風変りなんてそもそも存在しないもんなんだけどね。
取敢えず本題から始めるが、先ずはエレキ(電気楽器)のMic位置だ。
近年はLiveじゃ無くても指向性の鋭いMicでも、最も異音混入確率の低い超Onがデフォになってるね。
加減するとしたらスピーカユニットの中心からのズラし加減程度で、これは低・中・高各帯域のバランスを取る為に行われている。
だがスピーカエンクロージャの設計からしたら超Onの方が本来はアブノーマルで、「設計通りの音」を得るにはもっとMicは遠ざけないと駄目なのよ。
Drum程では無いにしても完全なパーソナル向けの以外、楽器Ampは至近距離での聴取なんて前提にされてない。
ってこんなのそもそもスピーカ多数派の共通事項で、手が届く位の距離をデフォとしたのの一般化はかなり近年になってからなんだ。
但し生聴取時にGuitar以上の音域のだとその低域部分は、リズム隊等に負けてホントは出てたのが分からなくなってる事も少なく無い。
これがアコギなんかパターンは逆だがもっと顕著なもんだから、On収録時にそのMicに近接効果があったらLow Cut Filterを噛ます方が多い位だ。
なので半分は嘘の音でも適度に削れてくれた方が助かる様な際なら、スピーカ形式に不一致な超Onも裏技としてはアリってだけなのよ。
Bassと比べりゃそんなに深刻じゃ無いし、そもそも最近BassはLine録りデフォで体験機会が激減してるから気付け難いのも仕方無いんやが。
で Guitarの場合中域にも結構この「位置や指向性」の影響は及んでるんで、Mic位置に「近く」の選択肢しか無い状態でスタートすると「その先」を全て喪失しちまうん。
Guitarって独奏時以外はそんなにローエンドを必要としないのが多いけど、高いったってBass比で「たった1オクターヴ」だす。
この部分をもし気にしたらエンクロージャタイプや場所にも依るけど、最悪は「最も遠くなる位置」迄Micを離さなきゃ駄目な場合すらあるんだよ。
これが今でも一部のLiveや昔だと偶然救われてたのは、他楽器用Micへの回り込みで補われてただけなんだ。
と吠えつつ狭さもあって俺は普段は超Onばっかなのが毎度の微妙さだが、密閉型でダクトが無く容積が無駄!?に大きい癖に板厚が薄いエンクロージャを常用してるせいもあるんだ。
私的にはどっちかったらGuitarでもローエンドを欲しがる方なんで、もしもっと普通のタイプのを持ってたら多分超Onになんかして無いと思う。
処でここ迄の文面には実際には大きな影響を受ける残響の件が省かれてるが、それは無響室に迫る程響かないハコ以外じゃ超Onにしても混入排除が出来ないからなんだ。
ドライとウェット(実音と残響)の比率等なら距離でも加減出来るが、ハコのと全く違うEchoを後掛けするには一寸でも入られると明瞭度その他をかなり阻害してまう。
俺の環境ではこれの逆しか例示出来んが、最後に参考に付記しとこう。
ひょんな事情で録音に対応したGrand Pianoを置いた関係で、時々Classic系の録音をする事もある。
Classic時代には無響室なんて無かったから、どんなに狭くても部屋の響きはなるべく付加しときたい処。
だがどんなにMicを遠ざけても殆ど音が変わってくれず、かと言って同居してるDrumsetの共鳴もClassicじゃ利用したらおかしいから天然残響付加はお手上げだった。
因みにBeatlesのCome Togetherのみたいなのの真似はそれで少しは行けたが、広さ感は単にハコの寸法がゼロメートルじゃ無いって程度にしかなってくんない。
結局は響いても響かなくてもどっちかで制約が出るんで、ニーズ次第で場所を変えなきゃなんないのは同じだった。
のでアンビエント目的以外で安易にMic距離を選ぶのは愚ってもんで、利益より損失の方が多い場合だってあるのは知っといた方が良いと思うな。
<つづく>
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