音楽備忘録755 ジャンク部品の話しⅤ
今回は電子部品の採収に特化してお送りするが、昔比だと年々作業に難しさが伴って来てはいる。
その原因の8割方は小型化・機械製造に依る事情で、残り2割は専用集積半導体化だ。
又デジタル回路の割合が増えたのも汎用ICの減少に繋がってて、タバコの値上げみたいに年々厳しくなってるのは残念だ。(後生だからお前だけとは言わへんといてーな)
売り値が下がっても処分費がかつてより上がってるのを含めれば、これは由々しき問題だが俺如きでは社会的には殆ど無力に近かろう。
こんな状況下ではジャンクって今更感がかなりになってそうだが、敢えて取上げるのにもそれ相当の理由があるからだ。
その際たるのは「ネットで誰でも調べられる様になった」ので、次点はディスクリート部品販売が暫時減ってるのだ。
かつては真空管機器のだと壊れてるとハッキリしてるの以外全部バラしてとっといたり、逆に期待薄な石のだと知ってるのだけ取外したりなんてしてたんだけどね。
正体不明のままでは何時までもタンスの肥やしになってたり、逆に当時知らなかっただけで惜しい事をしてたなんてのも少なくなかったな。
その他にも一般では入手難のが採取出来たりってのがあって、私的には小型の抵抗器がその筆頭だ。
因みに抵抗器って単機能な代わり比較的数を使うもんだからか、纏め買いに依るコスト圧縮率が高い口だ。
それが超小型のとなると電力容量も小さいんで、何処にでもは使えない分大量買いに難がある。
半導体だったら100コ程度で最高割引になるのも少なくないが、抵抗器みたいな雑魚(おっと失礼)ともなると1000を越さないとそうならないのもザラ。
なので比較的壊れ難く健康診断が外見や抵抗値測定で簡単なのは、所望数が半端なのだとジャンクの方が遥かにお得になるのだ。
これの具体的ご利益としては楽器内蔵回路等で、現況ではまだ割高な表面実装タイプにしなくてもかなりそれに接近したサイズに纏められる。
因みにⅡでデジタル回路なら大抵のは面実装の方が有利だが、アナログ回路では銅箔パターン面積等の「狭過ぎ」が音質劣化の源となるケースだってある。
加えてクドくも再出させとくが面実装の氾濫は製造工程の事情が主で、パートのオバチャンのハンダ付けに頼らず機械で一気に行けるってのが真相!?だかんね。
全く同じのを1000コ作るんなら機械の圧勝だが、たった数個しか作らんとか後でどっか変えるかもなんてのには今だって面実装は不向きなままなんだ。
ここから若干ヲタ度が上がるが本件で最重要なのは製造中止部品のニーズで、一例として楽器関係で最も有名なFETの2SK30を取上げとこう。
この石ってそもそもが最もベーシックなヤツだから、過去には「取敢えずFETが要る」って処には何処にでも使われてたんだ。
現時点ではまだ代替品は何とか入手可能だが、それでも完全な互換性があるじゃ無し音色にも少し違いがある。
これが過去には凡そ30年の長きに渡って定番だったんで、15年以上昔のからだったら発掘が比較的容易なのだ。
個人的には球と違って石には無頓着なんで固執はして無いが、最も汎用性に富んでるのは確かだ。
なのでわざわざジャンク機器を買って迄とは思わないが、たまたま家に何か転がってたりする様なら中を覗いてみる価値はあると思うんだ。
何しろかつては定番だったんだから、オークションとかで必死に少しでも安いのを探したりするより当選確率が高い筈だ。
こんなケースも内包してるんで、直接携わる気が無くても方法論の1つとして知識に加えとくのがお勧め。
以前述と重複するが「弄れる」のと「見付けられる・持ってる」は、共存して無い方が多いんでね。
<つづく>
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