音楽備忘録739 楽器の明瞭度の話し❷
物理的音量差に依る聴き取り限界はあっても、心理的影響がとっても大きいって処迄来た。
但しそれを有効化するには音楽的音の三要素、リズム・音程・和声が極力分かり易い状態になってなくてはならない。
この中でその昔は電気の力を借りると、足りるだけ拾って足りるだけ伝えるのが苦手な高域ってのがあった。
それで前回述の如くその解消に皆躍起になってたが、酷い方から順にその失敗例を提示してこう。
1.蚊の悲鳴!?(俺言い)事故
過去の仲間にこれの主役が2人居て、共通なのは高域の中でも超高域が過多だった処。
特に1人は激しいハウリングが起きても頑として直さず、休符はハウリングとでも思ってたのかってな按配だった。
これ主が又どっちもガリガリの痩身だったもんだから視覚的にも余計そう感じられたんだろうが、今良く考えてみるとその内の1人は難聴で高域の感度がきっと極度に落ちてたに違いないと思った。
もう1人の方は偶然かどうか分からないが、Liveでは酷くても録音ではそうでも無かった処からして多分ね。
前者で皆が辟易したのは刺激的に過ぎる音色以上に音程感と和声感に著しく欠けてて、リズムにしたって弾かなきゃ直ちにハウりだから普通より落差が無くて不明瞭だったよ。
具体的な害としては聴者以前で、一緒にアンサンブってる奴等に果たして合ってるかハモれてるかの判断が殆ど付けられなかった処だ。
後者については奏者の個性と音色がバッティングしてたってなもんで、折角の他より圧倒的に滑らかなスケール弾きの魅力がギスギスしちゃって損われてた処かな。
人には夫々向き不向きがあって同じスケールの速弾きでも、力でグイグイ引っ張ってくのと圧倒的な技術力で全く普通な感じのままで驚速が出せてるのへ大別出来る。
この人はピッキングは強い方では無かったのもあって、付け焼刃で音色だけ少々ワイルドにしたって意味が無かったんだけどな。
何れにしてもこんな度合いになってる人だと、どうしてって訊いても誰もが納得出来るような答えが返って来ない。
2.Line録り普及黎明期の某本邦有名スタジオベーシスト
これは事と次第に依っちゃ奏者よりプロデューサやエンジニアがタコだったのかもだが、低域量が不足して曲全体のコード感が希薄になっちゃってた件だ。
特に1曲中でチョッパー(=スラップ、敢えて当時の呼称で)と指弾きの両方登場するので顕著で、エレキBassを非楽器Ampへ直結させれば今でも簡単に体験出来るよ。
これって受け側がリニアだと必然の現象で、スラップると指より中低域が出難くなるのに由来してる。
なので単一のTone調整では両方を賄い切れず、スラップで低音が足りる様にすると指の時過多になったりするんだ。
単体で聴くと指時だけ倍音がガクッと減るからそんなでも取り立てて変に聴こえないかもだが、周りが色々入って来ると幾ら倍音豊富にしといたって所詮はBassの倍音。
Cymbalとかの前じゃ殆ど無力で、そうなると「他が出してない・出せない処」次第で勝負が付いちゃうのよ。
今なら普通はプリセットしといてToneを切替えるとか、何の疑念も無くアッサリ別録りしたりするんだろうけど。
昭和体育会式で時間も無かったのか、スラップと指の「どっちかが失敗サウンド」の作品が結構あったんだ。
これを弾く方で緩和するには意図的に拾える低音量を制限する、例えばピックアップはブリッジ寄り・弾くのもブリッジ寄りとか。
っともう1つはサムピングの低域量を増やすので、単に叩くんじゃ無く同時にえぐる感じにしてはじきもするってのだ。
Larry Grahamや俺は後者の方中心で攻めてるが、しかし複雑且つ大き目の動作が要求されるのでこの件以外の面では非効率で不利の多い方法だ。
尚且つこれ等で何とか補えるのはAmpスピーカ出し限定なんで、1つ目のよりゃ効果が強いってだけだ。
余談だが奏法違いの影響はピック使用時も又これ等と別で、常時どれもを併用したい俺はきっとこの件ではかなり詳しくなってんぞっと。
小細工はあまり好かん(ホントはそれ以上に貧でアホだから?)ので、それ用のEffectorとかで何とかするって発想すら天然では湧いて来ないんだ。
<つづく>
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