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2021年8月13日 (金)

音楽備忘録729 楽器と収録Micの世代の話し③

ここ迄の処何のお断りも無しに殆ど生太鼓の収音時の話しに終始しちゃったが、アタック音が高速なのは他にも生楽器を中心に幾らでもある。
にも拘らずDrumsetを代表に据えてるのは、やはり発音材が大抵は1番硬いと思われるからだ。

厳密には「爆速の音色」を作りゃデジタルシンセの方が速くはなるが、殆ど作った通りには聴こえなくなるのとニーズが無いので実例が少ない。
何故そうなるかったら音源が実在する物質か唯の電気かの違いが原因で、良質な電子回路なら入って来なくなったら即座に出さなくなるのが…。

例えば太鼓の皮だったら押されたら戻って振動が収まる迄の間は動いてるから、完全ミュートをしない限りは何らかの音が少しは出続けるからなのだ。
因みにここでの完全ミュートとは皮の可動部全域の動きを止める事で、バチはおろか両手を使ったって全面完全接触は不可能に近いぞ。

その代りっちゃ何だが音の出始めを拾い損ねてもその時の速さ次第で「その後の様子」にも違いが現われるから、生で体感出来るのとは別物になるものの何かが違ったってのは残ってくれてる。
これは以前述「拾い切れないローエンド感の再現」と近似で、仲間の足跡から真犯人を割り出すなんてのと似た様な戦術だ。

そんな想像領域が多目に残ってる方が好きな人が居てもご尤もで、差し詰め実写ドラマにするよりアニメの方が良かったなんてのはままあるさ。
但しこれが成立するには実写映画で背景そのものをド下手な落書きみたいなのにしちゃってたり、その逆でデフォルメ度の高いアニメで背景だけ実写の写真なんかに出て来られちゃブチ壊しだ。

音でMic選択でそれが起きるのは、俺言いにすればクジラや58は古いっても中途半端なのがよろしくないのだ。
今だってポピュラー系の歌をOnで拾う分には性能的に合格圏に入ってるから、その部分だけ今の音・それ以外の部分だけ昔若しくは変な音に分断されちまうんだよ。

もし卓や録音機も往時のだったら上記の今の部分はそれらが昔に変換してくれるから、トータルでは何ともラフな結果オーライだがちゃんと足並みが揃ってくれるんだけどね。
近年若年層の一部を中心に何度目のブームか分からなくなったが、カセットテープが好まれるのにこの件も含まれてるのは確実だ。

それからすれば妙に古いMicに気が惹かれるってのは、ホントはMicじゃ無くて録音機の方なんじゃないかとずっと思ってんだよね。
従兄の場合たまたま前職のお陰で手持ちがあったから先ずはクジラ・58でってなってるだけで、もしAbbey Road Studioが今迄ずっと使ってたのさしあげますなんてったら瞬時に今迄のを放り投げちまうに違いないんだから。😃

今敢えてこの業界の皆さんに問うておきたいのは、どの位「オープンリールを使った事がありまっか」だ。
俺のはこの件については全くの偶然だが世代と興味を持つ時期が早かった関係で、かなぁ~り順を追った体験を持っているんで脱線するけど列記してやるぜ。

電池駆動も可能なトランジシタの最大3号リールのポータブル→最大5号リールの全段真空管式→最大7号リール迄の新型トランジスタ式、とここ迄のが一般用のモノラルのだ。
この5号球の途中から音楽を自分でも演る様になってモノラルでは困るので、中古で22-4→新品で33-8(何れもTASCAM:TEAC)の遍歴を辿った。

因みに○号リールってのは日本式のリールサイズの分類で一般に流通してる最大のは10号、俺がそれを使えたのは最後の33-8のみだった。
一歩間違うとこんなのは過去自慢の典型になっちまうが、ある程度タイプ違いので台数をこなしてないと「オープン特有」の性質かの判断が付け辛いからモロ出ししてみたんだ。

アナログテープ式には他にカセットや最早忘却の彼方のカートリッジ式等他にも幾つかあったから、それ等とテープ巾・速度の3大要素のどれのせいでどう違うかが体験不足だと明確に出来ないよ。
この先は例に依って別項へ譲るとして、完成作品の再生ならメタルカセット・録音だと速度38cmのオープンじゃ無いと「普通の感じ」にならなかったとだけここで告っとくわ。

’70年代迄に登場したMicってその当時は皆テープに収めてたんで、幾ら何でも録音機と半々位で判断して欲しいんだけどさ。
今じゃテープの方の体験が困難極まりなくなったから仕方無いんだが、せめてもしかしたら位には思っといて欲しいんですよ。

<つづく>

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