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2021年8月24日 (火)

音楽備忘録740 テープレコーダ⑥

今日は音楽に与える影響に絞って、テープレコーダの纏めへ入らせて頂こう。
今でこそノスタルジーも含むものの独特な雰囲気への憧憬も中々だが、それしか無かった当時には有難さより厄介者だったんだ。

音以前に「音楽をする」のに邪魔だったのが、状態を維持出来る時間がとても短かった件だ。
メディア品質が末期にはかなり向上しはしたものの、オープンリールは10回程度録音で回したら清掃が必須だった。

50回とかにならなきゃ誰が聴いてもって程酷くはならないんだが、性能が不充分な以上は最善の状態にしときたいと思うとね。
で具体的な症状の出方は高域から順に扱えなくなって来るんだけど、目立ち難いが籠るよりもっと後で困るドロップアウトってのもあったんだ。

それがたまたま超短時間だと通常速度で掛けてたんじゃ気付くのに凄く時間が掛り、後でEffectorを掛けてみたらどうも反応がおかしいぞでやっと気づくなんてのもさ。
要するに大丈夫そうでも保証が無いから神経質にならせざるを得ず、間髪を入れずやり直したいと思っても頻繁に横槍が入っちゃってたのよ。

録音じゃ無く再生時であればメディアに損傷が無きゃ「ハイもう1回」で済ませられるし、テープ速度が速い程汚れも増えるからカセットの再生とは結構状況が違ったんですよ。
因みにカセットの巾3.81mm・速度4.76cm/sに対し、オープンは巾6.35mm(¼インチ)・最も多用された速度が9.53cm/s。

この差は直接記録容量に繋がってるから広く速い程高音質になり、業務レベルでは速度は38.1cm/sが多重録音等では巾が最低½インチがデフォルトだった。
単純な物量作戦でも性能が上がるのは助かったが、そんなに膨大な錆粉を擦り付けりゃ瞬く間に汚れが溜るのも無理からぬ事。

俺が思い付く比喩じゃ現代には不足かも知れんが、差し詰め「埃っぽい部屋でLPレコードを掛けようとする」方がカセットを掛けるより遥かに近かったと言っておこう。
その他デジタル比だと巻き戻し・頭出し等の作業も結構な手間になり、今の環境しか知らなかったら「やたらと一々待たされるヤツ」と感じそうだ。

なので過去の音楽への絶大な貢献に対する敬意は今も全く揺るぎはしないが、道具としての使用者への仕打ちはかなりブラックそのものでしたよ。
心理面についても俺様の崇高で正しい分析!?に依れば、他機器の俺言い「テープレコーダ忖度設計」の方が現況の元凶なのだ。

売りたい欲と折角手に入れた明瞭度に縛られて、最早本質的には不要となってるのへまだ執着してるってのがね。
もし俺が独裁者だったら未だにそんなのしか作って無い会社なんてぶっ潰す処だが、自由主義下ではあちらさんの立場ってのも無視出来ないしね。

となりゃ足りない分は各自で補うしか無く、並行してやってるMicとか多少なりとも選べる処で対処するのが推奨なんですよ。
単発的になら敢えてLo-Fiを看過して実際にテープでやるのもアリだけど、超金満君以外だと本来の状態を維持して実運用するのが不可能だ。

実際テープンオンリー時代に貧な俺とかは大事な仕事には新品テープを使ったが、必要グレードに応じて再生品や死亡寸前のヨレヨレのを当てがったりもしてた。😅
そもそもこの暴露自体凄く昔になって時効成立したから可能な話しで、そう云や普段使いのカセットだって目的に応じてグレードを上下させるのが当時は誰でも極当り前だったっけね。

デジタル主流の今だと記憶容量の都合で.wavを.mp3にしとくか位で、上記みたいな「変な加減」なんて何時の間にか殆どしなくなってたわ。

<本項一旦終了>

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