音楽備忘録715 魔修理の記憶⑧
では例に依って時系列に従って、「泣き別れ→明後日向いて反り上がり」を直した段階での様子から行っとこう。
この修理後のテスタ当て検査でも問題無かったから、予定ではこれでバッチリ点く筈だったんだけどねぇ。
又もや新たな怪奇現象が勃発し、5レーンある内の3レーンだけ正常点灯って…益々難解になって来やがったぞぃ。
前回書き漏らしてたが泣き別れ発見は、各レーン駆動トランジスタの詳細状態確認の為に折角付けたのを再度取り外した後だったのよ。
なのでその時点では余計な事してたんだけど、棚ボタで全部健全なのがしっかり確認取れてたからこうなるのは全く異常事態なんだ。
仕方無く兎に角もっと細かい症状の把握に努めてみた処、不点灯の残り2レーンも電源のOn/Offの瞬間だけ良く見りゃ何だか瞬いてたんだわ。
って事ぁ不具合は断絶では無く、何処かの接触不良の線が濃厚になって来た。
部品が無事と分かったのは安堵したけど、この期に及んで今更工作の不備があったらしきはかなりショックでしたですよ。
手前勝手だがこちとらこの道50年以上、プロになってからでももうすぐ40年になろうってんだから凹みますわ。
しかし何時迄嘆いてても「直れば使える」のを放っとけもしないんで、先ずはテスタの測定レンジを従前とは変えて再検査してみる事にした。
普段頻繁に扱う音響物より今回のは電流量が多目なので、テスタが流す電流も増やしてみようって作戦だ。
前の導通試験では最低電流量になる「×1kΩ」を使ってたのを、手持ちテスタでは一等小抵抗を測れる「×1Ω」にすれば最大に流せる。
したっけ今迄は何処も同じ反応だったのが、不点灯2レーンの駆動部へのGrand(⊖)側が途中から何だか抵抗値が大きくなってるじゃありませんか!。
これの事後分析に依ると1レーンにつき220mA流れる途中なんで、仮にたった10Ω増えただけで電圧が2.2Vも下がるのよね。
それが発熱量を下げる為に供給電圧が結構際どくしてあったもんだから、一寸の抵抗増だってそりゃ点かなくなっても可笑しかなかったのねーっとね。😅
そこで付いてるハンダを再加熱して修正したら、いとも簡単にアッサリと復旧しただよ。
さてここからが本題の「敗因」であるが、手古摺らされたのも想定外が2つもあったからだ。
試験方法については上記の通りだったが、より気掛かりなのはハンダ付け不良をどうして起こしちまってたかだ。
要約すりゃ部品の熱破壊を恐がり過ぎて加熱不足だったんだろううが、何時もよりは部品がどれも大き目だったのもあったのかな。
なまじ特定サイズのへ慣れ過ぎてると、つい無意識の内に「何時もの加減」が勝手に出ちゃってたのかもね。
更にその根本として考えられるのが視力の老化・劣化で、泣き別れ発見が遅れたのも恐らくこのせいなんじゃないかな。
スポーツ選手じゃ無いからまだ引退必至には至ってないけど、ある意味老いを痛感させられる出来事ではあったッスね。
或は作業の取り組み方が若過ぎたのかもだが、今後は一寸注意点をズラしてかなきゃ駄目なんだね。
今になって思い返してみると泣き別れ箇所の様子、完成時のと今回修理時では何となく景色が違った様な気もすんだ。
従前は熱不足で辛うじてくっ付いてたハンダがあって切れる寸前でも一応電気的に繋がってた上に、足の不適切変形も隠れて見えなくなってた可能性が芽生えちゃったよ。
ちょいとワイルドだけどもう少しハンダ付け後に突っついてみたりしときゃ、取れる物はその時点で剥離してたかも知れないや。
ストンプみたいに揺さぶられると分かってたらきっと色々弄ってただろうに、固定設備だからと油断したでもあるまいが…。
かつて抜群に視力が良かったから、視覚に頼り過ぎる癖でも付いてた様なら修正しとかなくっちゃね。
だとすりゃ肉体の方も医者に頼れない部分の修理(修正)、そっちにももっと精出さんとアカンのかいな。
<つづく>
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