音楽備忘録706 録り方の問題 機材の使い分け①
昔だったら録音機自体がとてもかさばったから設置されてる処でしか中々録れなかったが、今なら各パートの収録とMixを分けて良きゃ随分自由になったもんだ。
仮にネットはあっても録音機の小型化が無かったら、リモートなんてのも金満メジャー系ミュージシャンしか出来なかったろうね。
とは言えグループでの一発録りには人も道具も一通り揃って無きゃ無理なままで、しかしその場合は費用や場所よりスケジュールを合わせるのが一番大変なんじゃないかな。
それでも収録とMix分離のご利益は無くならず、自分達でMixするつもりだったら却って増える位なのだ。
徹底的に音質に拘れば今だって例えばAbbey Road Studioなんかに依存するのが最高だが、余程じゃ無い限りご縁が無きに等しい。
そうなると例えMicだけ同じのがあったとしても、本家比では劣ってしまうのも仕方無い処だ。
だからって幾らでも妥協しろとは決して申さぬが、実質に影響の少ない部分を真似ても効果に乏しい。
そこで僭越ながらそれなりに色々体験した中から、具体的には何処がどの程度で事足りるかを提示してこうと思う。
1.録音機
拘りゃデジタルだってそれなりに差はあるが、アナログと比べたら無いに等しいと思っても構わない。
但しこれは純粋に記録する部分限定の話しで、Mic入力等のPreamp部に至ってはかなり何でもアリだ。
2.Mic
これは録るに際しては心臓部そのものなんで、死なない程度に無理してでも頑張っとくれ。
又単なる性能の他に音色もかなり支配されるんで、性能以上に好みのタイプかどうかが問題になる事も少なくない。
3.インターフェイス
現代の収録ではMicと双璧を為す最も音質の鍵を握ってる部分で、しかし呼称と機能が違えど昔から一部のコンデンサMicには専用電源ユニットなんて似た存在のがあったんだ。
これ自体はMic内部のHead Amp等の駆動電源を供給する他は指向性の切替程度の役目しか持たされてないが、Head Ampから設計通りの性能を引き出す点では音質に直接深く関わっている。
4.Mixer卓
近年ではバーチャルが主流で性能的にはデジタル優位で且つどれでもほぼ一緒だが、音楽的な面を気にすると代替の利かない箇所がまだ残っている。
実機の機種差がかなり大きいので全てでは無いが、Preamp部やEQ部の「音色」だ。
続いて4つに大別したのの詳述へ進むが、どれもアナログ主体の昔とデジタル主体の今では選択の根本的な理由が大巾に変わったと考えるべきなのだ。
かつては全体としては理想に程遠い低性能だったから、どの箇所でも一部金満氏を除けば性能最優先で良かった。
多くの場合その元凶は録音機にあったから他のに罪は無かったりもしたが、録音って機器的にも立派なチームプレイですからねえ。
ヘボピッチャーしか居なくても勝ちたかったら、打ちまくって点取るしか無いみたいな按配だ。
それが今では多くが平均点以上となったので、今度は音響的性能より音色の方が問題になってんだ。
同じ高打率の4番バッターでも勝利打点に差がある様に、いざって時にどれだけ「音楽的に高性能か」が大問題だ。
これが惜しい事にどの機器でも音響性能が上がるにつれ音楽性能は低下傾向にあり、そうなってしまったのにも一応背景はある。
下らんっちゃ下らん理由なんだけど、昔は性能足りないのを音色で補おう(正確には誤魔化し!?)としてただけなんだけどさ。
作る側もビジネスとして成立させるには短期的には仕方無いんだけど、恐らくそんな過ちが専門系ブランドの衰退を招いちゃった気がするな。
それで非専門の割合が増えりゃ余計に音楽寄りじゃ無くなっちまって、今の方が買う時に気を付けなきゃなんなくなってるよ。
機能・性能:価格には問題無い処かお得になったけど、そんな音色しか出せないのかよって処では要注意だ。
のでもし自分の欲しい音が具体化して以降だったら、もう殆ど楽器みたいに選んだ方が良いかも知れないよ。
<つづく>
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