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2021年6月21日 (月)

音楽備忘録676 そのEffector何へ繋ぐの?-④

続いてはEffectorのタイプ差に依る繋ぐ相手への影響を書いてくが、ここでのタイプ差は所謂歪み系か空間系かなんてのとはちょと違う。
何処迄そのEffector本体だけで音色創出をしてるかとかってので、信号規格の合致度以上に用途が違ってるのが問題になるパターンだ。

近年になる程 特にオールインワンマルチタイプのだとそれだけで全部やって貰えるのはとても便利だが、少し意地悪に見れば繋ぐ相手の個性を尊重して無いとも看做せなくない。
つまり大体常に同じ音が得られるのは良いが、例えば伝説級の名Ampに繋げられる好機が訪れてもそのご利益に幾らもあやかれなくなる可能性も持ってるのだ。

この関係で俺が最初に気付かされたのはJimi HendrixのFuzzとかで、歪みの質等はストンプ由来だがそれ以外は楽器やAmpの依存度が思ったより高かった件だった。
歪みだけに着聴すりゃゲルマニウムトランジスタの非常識回路のお陰そのものだが、当時の某国のGS連中のとかと比べると、随分本家のと「艶」だとかニュアンスに大差があった。(オッと失礼)

無論奏力の差だって歴然としてたにしても、観光バスで軽自動車の乗り心地にするみたいなのなんて不可能な筈なのにさ。
それが解明したのは後のチープな国産石Ampの体験で、無理に忖度表現するなら「Ampの個性がとっても強かった」なんてな。(連発失礼、でも昔それで泣かされたんだから…)

昔のチープなのの中にだってタイプは色々あって、決して全部が酷かった訳じゃ無いんだけどね。
けど少なくとも個人的にはどうしてそんなのが名器なのか、どうしても解せないのもそれなりにあったのよ。

今にしてこれを無理に理解しようと努めると、どうやらエレキGuitarの立ち位置自体が向こうとは違ったかららしいんだ。
要するに世間全体の認識としちゃ’80年代位迄は、エレキって普通の楽器より「色物」扱いされてたみたいなんだわ。

楽器らしく無い方が却って喜ばれるケースも多かって、その方が「飛び道具」としての効果は歴然だからねえ。
それに対し本家がFuzzを使ったのは音色のみならず、感度向上とか余韻延長が目的だったのが良く聴くと明確に伺われる。

代表イメージがギンギンFuzzでアームぐにゃぐにゃなのは不動だけど、実際色んな曲を聴き進めてくと案外登場頻度が低いんだ。
それ処か音色は過激でもストンプ単体での歪みは意外に浅く、それだけでは本家の様なFeedbackとかは殆ど得られないから試してご覧あそばせ。

これには当時のトランジスタの増幅率がプアって確たる原因があり、選別して頑張っても今のICオペアンプとは一桁違う差を埋めらんない。
結局は音色変更以外では、Ampだけじゃ足りない分のアシストをさせてたって按配なのだ。

それに対し本家の直の弟子格であるErnie Isleyの方は、Amp歪ませは敢えて使わなくして差別化を図っている。
要するにⅡで非イメージ依存のジミヘンサウンドって、FuzzよりStrat+Marshallの方が実態なんですわ。

因みに原形のはトランジスタ2石だけのとても簡単な回路なので、完成品を買っても良いが手の利く人ならお試しには中身だけの自作がお勧めだ。
Dallas Arbiter Fuzz Face」でググれば回路図は簡単に見つかると思うし、癖の強いストンプなんで現代の一般的ニーズでは使える場面も少ないしね。

それよかFuzzってどんなのってんだったら何でも良いけど、ジミヘンに拘るならトランジスタがゲルマニウムのであるのと繋ぐ先が3段積原型Marshallなのは妥協しない方が良い。
と言ってもAmpの方は気軽に試せないからこそ、買うか借りるか作るかは別としてゲルマにだけは拘るべきだと思うんだ。

CDとオールインワンマルチのブラインドテストで殆ど差が無く聴こえても、特に過去作品では現場と完成品の音に今よりゃ違いは多かったからね。
すると例えば
「違う弾き方で丁度同じ音色になる」なんてのも大いに考えられ、本家に近く弾けるようになった暁になってそれじゃあ駄目なのが始めて知れちゃったりしてな。

<つづく>

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