音楽備忘録665 録り方の問題 加工度編⑬
ぇさて加工度編でベーシックがどうのこうのって又々変だが、状況に依っちゃ録る前に「作り切れない」ケースだってあるからねぇ。
私・技師的には極力避けて頂きたい処だが、駄目政府のお陰で貧困・狭隘・無理解・分断がこんなに進行しちゃうとね…。
但し先にお知らせしときたいのは、ベーシックが自己完結出来ない際の欠点だ。
初心者だったりすればその道の達人に作って貰った方がその時点での出来栄えは良くなるだろうが、暫く後になってもしあんなの求めて無かったってももう後の祭りだ。
自分の音≒誰が聴いても良い音が理想ではあるが、少なくとも挑戦初期段階では逆になる方が圧倒的に多いもの。
旧知の者より初対面の人に親近感が持ち辛いのと同じで、認められる迄堪えられないとこの方面では厳しいし向いて無いかも知れない。
近年本邦のたった一度の失敗も一生もの的世相はとても邪魔で、それに真っ向から逆らわなきゃなんないんだからきっと昔より大変になってる。
だが個人的には印象依存と同調圧力でフラットに物を判断出来んそんなアホ共何ぞは放っといて、チビッと私的な昔話しを参考にひとくさりさせといとくれ。
かつてプロになりたくてまだなれて無かった頃、アメリカのオーディション事情を聞かされた当初は背筋が寒くなった。
実際芸術の他スポーツ方面を眺めても、メジャーリーグはこっちより直にクビにしたり移籍させられたりしてたししてる。
そうかだからこっちはグダグダで向うは凄いのかと勘違いし掛った処で、自身の音楽ルーツ探求の一人旅から帰って来た親友にあちらの実状を指摘されたんだ。
実際ちっともなーなーじゃないしその時駄目ならスパッと切るが、後でバッチリになったら恰も掌返しかの如く大歓迎・称賛してくれるんだって。
それどゆ事ってすかったら、基準は絶対曲げないがチャンスも半永久的に奪わないんだってさ。
こっちじゃ今なら大学新卒の就職で失敗するともう結婚無理かもみたいな境地へ貶められるが、あっちだと今年は一寸残念でしたってそんな感じだったんだってさ。
要するに裏金やコネだけで何とかするのは無理な代わり、実力さえ備われば何時からでもスタート可能と色々と「挑戦し易い」環境らしいのだ。
全体としちゃ必ずしもどっちが勝るってもんじゃないんだけど、「らしさの醸成」にはそんな方が適してるのは論を待たない。
わこの辺にしとくとして環境(主に収録場所)その他諸々の制約から、例えばエレキでは俺言い「Ampドカン鳴らし」は勘弁してなんてのはありがちだ。
生楽器だとサイズやモデル迄は妥協出来ても太鼓や金管の人力演奏なら防音室必須だが、エレキ以降のなら絶対条件(理想を度外視すりゃだけど…)じゃないからね。
処がどっこい普段ドカンでしか演ってないからマッチしたストンプ持って無いとかで、録ってから何とかしてくれなんて事も排除出来ない。
そんな際技師が困るのは奏者本人が自らの音色の条件みたいなのに疎い時で、そうなると中々「その人の音色」を創出するのが難しくなる。
なのでもし「何でも出来ますよ、してあげますよ」と言われても、最低限の道具か足りるだけの「その人の音色概念」のどっちかは持っといてくれないと「自分の音色」が得られる保証は出来兼ねるのだ。
と言ってもそんなに難しくは無く例えばパーでんねん(おっとぉ失礼)の普段ドカン君だったら、その普段ドカンのをメモ録しといたのがあるだけだって大違いだ。
ペンキで云う処の「色見本」とかと似た様なもんで、言葉が達者だったら「風邪ひきのClapton」とかで通じるかも知れないけどね。
けど解釈に巾があるのだと核心からズレる可能性もあるから、色なら色・音なら音の方が安心確実。
何れにしても加工の上手下手やピントの合う合わない以前の段階でコケちゃ勿体無く、こんなのが一面で依頼する側に必要な準備なので御座居ます。
例えお代はツケが利いたとしてもでっせって、全然関係無いか…。
<つづく>
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