音楽備忘録685 Mixer卓のルーティング②
では徐々に具体内容へ進めてくが、その前に音響業界の末端だが関係者としてお詫びしときたい。
Mixer卓等で使われてる「Sub・AUX・Effect」等に、キチンとした共通規格なんて殆ど御座居ません。m(__)m
メーカ単位程度でならそれなりの良心が垣間見られるのもあるが、使うには兎も角も説明に窮するのは何たってこれが最大原因だ。
けれどこんな風になったのは単に業界団体の怠慢とかじゃ無く、分かり易さより窮地に立たされた時に使える方を優先したのもあるんですよ。
俺自身卓の機種選定をする際は己の限界迄綿密に熟考してんだけど、「使い出してからじゃないと分からない」事がとてつも無く多いんだ。
それに充分に使いこなすには相当の習熟期間は要るし、最終的には実戦体験からしか学べない知れない事もやたらと多い。
なので現実的に事前対応可能な範囲ったら、Mic・Line等の入力数と録音機との入出力数を確実に確保する程度で精一杯だ。
尚悪いのはそんな「面倒な代物」なんで頻繁な買換えが、仮にどんなにお金が余ってたって厳しいのだ。
そうすっと機種別故障率や平均寿命等の関係から、卓より先に周りの機器が半強制お取替えになるのが多い。
卓だって不具合はそこそこ常々出はするが、他機器と比べるとかなり設計時点から「修理するのが前提」ともなっている。
それには色んな理由はあるものの、何たってデカい・重い・世の中での存在数が少ないの三拍子揃ってるからだ。
オマケに例えば24chある内故障が1chだけだったりすると、それがどうしても必要になりそうになる迄放置プレイされるとか。
なるべくなら完全状態の方が望ましいが、たった1chの有無より予定に穴が開く方が現場は圧倒的に苦しいしね。
っと大体こんな状況なんで、少なくとも俺は各ルートの呼称なんて実は幾らも覚えても居ないんですわ。
そりゃ正規に学んでも居るから全く分からなくはないんだけど、実用上は呼称よりスペックが遥かに大切なんよ。
その1は先ず信号基準レベルとバランス(平衡)・アンバランス(不平衡)のどっちになってるとかで、繋ぐ相手次第ではこれを合せないと正規の性能が保障されないのなんてのもあるんでさ。
体験からだと録音からは一寸外れちゃうんだけど、低価格に釣られて買ったパワーAmpの入力でこれが極端に出とりぁ~す。
PAスピーカ特性補填と保護の為にグライコとコンプを卓との間に入れてんだけど、これ等が旧録音用の転用品故入出力が非業務用規格のアンバラ且つ-10dBしか付いてない。
けど幸いAmpには-10dB Inputも付いてたからとそっちへ繋いでみたっけ、盛大にハムノイズが出やがるじゃないのさ。
色々捏ねたり試してみた結果、どうやら雑音嫌ならバランスの+4dBの方へ繋げって仕様になってるらしいん。
流石にこれ以外ではそんな妙ちくりんな目に遭う事ぁまず無いだろうが、結構「規格に頼った作り」になってる機器が多いのは確かなんだ。
この+4と-10の差がマイナス作用するのは個別の入出力調節ツマミのどれかが無い時とか、入力側の感度不足で基準レベル迄信号音量が上げられなくなったり等がある。
更に具体的にはオーバーレベルになって歪ませちゃうのとアンダーレベルでS/N比を劣化させるのの2つあるが、オーバーの可能性のある場合が要注意だ。
周辺機器側はまだしも卓の側は「規定レベルの信号しか来ない」前提で設計されてるから、その入力専用の個別のピークインジケータとかが殆どので付いて無い。
なので歪むのが一瞬だったり僅かだったりすると、歪んだ・歪んでるのを正確に把握するのが困難なのだ。
特に繋がってる相手が大胆な音色変化をさせてるのだったりすると、何か怪しいがEffectのせいか歪みのせいか釈然としなくなったりする。
これも理想からしたら本職なら全て耳で把握すべきなんだが、一般オーディオ機器の完成検査をしてるんじゃないからねぇ。
そう云う物理的な方面より芸術面の方に全集中すべきで、雑音チェック等と創作はどっちにとっても個別にやる方が向いてるよ。
<つづく>
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