音楽備忘録646 残響考⑲
こっちがLED復活にやたら手間取ってる内に、普段は待たされ気味の従兄から新曲の部分試し録りが送られて来た。
彼なりにかなりマイキングが定まったらしく、どうやら階段バーブの使用にスッカリ慣れた感じだった。
そんな中暫く経って俺の中で再燃したのが、他パートのEchoの問題だ。
従兄としては先ず太鼓とそのEchoが「彼の音」として重要だからそこだけに熱中するのも分かるが、ゼネラルプロデューサの俺としては「行き過ぎ懸念」が拭えない。
これに限ると全体的には世間より影響僅少なコロナ禍の煽りがモロで、俺が従兄宅で実演しないからどうしても失念気味になるんだろうな。
そう云や先月「他パートの階段バーブも試しといて」ってメール出しといたのにこりゃ催促でもしようかと思いつつ、大規模生楽器が一番録るのが大変なんだからと思い留まったり…。
してる最中に思い出したのが「全パートへ公平に都合良く」ってのがかなり大変で、妥協するとしたらどうするかってのでこれが本日のテーマだ。
基本は最重要パートを優先させるのだと思うが、更なる問題はそれと奏者の個性がバッティングするケースだ。
この件で最初に思い当たるのが奏者タイプと常駐ハコの関係で、昔になる程この影響は色んな制約から随分大きかったっけ。
私的には多重録音の可否も大きいと思え、今だってBand用狭小練習Studioでフルオケをリアルタイムで録るなんのは空間的に無理だ。
この面で過去から最も自由に振舞ってたのもBeatlesの面々と思うが、音場から録音方法迄ニーズに応じて開発した側なので例外の嚆矢だ。
真逆の私的最不幸例としては又してもの初期Creamの録音作品を挙げとくが、正確な理由は知らんが本来はとてつもないドンシャリなのが酷くカマボコ音質にされた上「遠くでたった3人だけ」って随分と非力で淋しげにさせられてたもんだ。
時代的に孤独な方が恰好良いとか遠い方が非日常っぽくて斬新とかあったかもだが、小編成Jazz Trio(JazzはJack Bruce談に依る)にお似合いとは思えない。
中でも一番割を食ってるのがGinger Bakerで、実音よりかなりショボく非力に聴こえてたと思われる。
これは概述解散後に出た音質無改ざん!?のLiveアルバムで俺も知ったが、それでか只の自虐ネタとしてか分からんが最晩年にかなりGinger Bakerは毒を吐き捲ってたね。
もしかしたら当時年少でイケメンで一般若者層に最人気だったClaptonを忖度したつもりで、それ迄「無かった音」なのと相まって「下手な売り方」でもしちゃったのかな。
それでも当時ポピュラー系は業界内じゃ低く差別されてたから、諦めの心境で録音途中で失踪したりしなかったのかなぁ。
特にこの件に限ると機材も技術も白よか冷遇されてプアだった黒の方に聴き処が多く、劣悪条件下でもキャラを損ねてる様なのは殆ど無かったからそこは大いに参考にすべしだ。
環境その他諸々が格段に良くなったのに、今の方が「上手く行きそうにない」と俺が感じるのはこの部分だ。
それは誰の音の何処だけは守る・守ろうとするかって部分で、時として明瞭度や体裁を潔く放棄しちゃう位の勇気を要する場合も出て来る。
この面では高度な機器や技術が足を引っ張る事もあって、技術的に比較的簡単に可能であるが為に個性を犠牲にして体面を保つ方向へ走りがちになってるのだ。
音楽界では世間以上に一部の達人が妙にビンテージに拘る中にこれが含まれてたりするが、音的なスタイルを堅持するのに必要だったりするからだ。
現実的にはアイテムの影響だって無視は出来ぬが、音楽で新しくするってのは「やり方主導」じゃないと少なくとも長持ちしないんですよ。
この辺は各自自己分析してメカと結果のヲタ度を再計測するのがお勧めで、経験豊富なベテランでも案外何時の間にかってのが体験からしても多いですねー。
それからすると家庭環境等の都合で今は無理だけど、早期に従兄宅へ行って階段バーブが掛った状態で試奏してみないとだわ。
現代の普通と真逆で「Echoが固定」になるから、楽器の音色調整の方で合わせてくには実地じゃないと苦しいよ。
実現場でしか録らんのならまだしも、少なくとも加減が分かって無いとこっちで録るのに悩みそう。
Echoの方で楽になると思ったしそれは確かなんだけど、差し詰めこっちのは生じゃ無いしリモートなのが裏目に出ちゃったかね!?。
<つづく>
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