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2021年5月 2日 (日)

音楽備忘録626 録り方の問題 エレキBass編⑭

さて強弱表現の話しが出た処で誤解も少なくないんで、もう少し詳しく掘っとこう。
近年本邦での大誤解は強弱レスで、嘘の音圧忖度し過ぎもこれに大いに貢献しちまってる。

これもクドイが比較に依って成り立ってる芸術である以上、全部ってのは芸術性を最低限でも尊重したらそんなの無いッ!。
パトカーや消防車のサイレンと一緒で構わなきゃ勝手にせいって、別に今日機嫌が悪いんじゃないのよ。

最近は救急車のとかだと頻繁に状況次第で鳴らしたり止めたりもしてるが、音量自体も数種類用意されてるみたいだ。
電車の警笛だって昭和の頃は運ちゃんの加減だけが頼りだったが、近年は殆どので叱るのと諭すのみたいな最低2種類の違うのが付けられてて使い分けられている。

そんな緊急用途のでさえ「加減がある」し「普段からしてる」のを思うと、最早駄目なJ-POPとサイレンの現況は目的からしたらあべこべに近いんじゃないの。
但しClassic系とポピュラー系の比較ってのは大枠・平均値を取ったらの話しで、インスト物の達人集団等では一応ポピュラー側でもClassicより音量の大小巾の広いのだって一部にある。

そしてそんなのの中には聴こえた印象だけだと、エレキBassにも音量巾の広大なのもあったりゃするね。
でも印象だけで勘違いしちゃ駄目で色んな楽器各々で
本気を出して極限迄追及すると、エレキ(電気楽器)のダイナミックレンジなんて狭小でみすぼらしい位のもんだ。

特に素手で演奏する生楽器なんかにゃ足下にも及ばず、けどそれが分り難い訳ってのも又あるのだ。
1に小音量過ぎて奏者以外には聴こえないとか、2に録る時それがちゃんとは拾えなかったりもするからだ。

リアルで演奏してる場所に立ち会えてたら例え楽音が雑音より小さかっても、視覚+例の人耳の弁別能の威力で奏でられた音として認識可能だ。
が録音機器にゃ弁別能なんて付いて無いから、録られたのを聴くと楽音か雑音なのかの判別からして困難だったりする。

だから今や旧式とも言えるエレキ屋だからってそんなに落胆しなくて平気だが、かと言って音量差に変に自信過剰になっても始末が悪いんだ。
Bassって大抵は他のそれより高い音域が出せるのと合奏になるんで、小音量側が単独時より数段埋もれ易くなるのだ。

オケ内のコントラバスって擦って弾くのの方が多いからこの面がそれでかなり補われてるが、エレキだとJimmy Pageのまやかしみたいなのすら誰もしないからそこへ配慮が要るのだ。
擦る場合高次倍音はずっと継続するが、はじいたり叩いたりだとそれはたちまち減衰する。

しかも強弱に依る倍音の含有量にも逆の性質があり、最弱時擦る場合は基音より倍音の方から先に聴こえる様になって来る。
のがはじき叩き側では基音ファーストで、寧ろフォルテシモ時に基音不足に悩まされる位だ。

これについて(強い方)は次回に譲るが、つまり楽器のダイナミックレンジ性能より他との組合せの影響の方が絶大って事なのよ。
アンサンブル内だと音量的にはこんな状況を背負ってるんで、それからすると大き過ぎるより小さ過ぎた方を問題視するのが向いている。

これは曲のその箇所のコード感にも直結してて、中域で複数構成音を鳴らしてるGuitarや鍵盤よりも意外と影響が大きくなったりする。
この件も単体と全体を同時に聴くので正反対になるが、特に顕著となるのは歌だろうと楽器だろうと主旋律が鳴ってる時だ。

分析しようとしてるならいざ知らず、普通に聴いてたらバックの音に幾らも神経を注げなくなるからだ。
その上主旋律は中域にある事の方が多いから、近い音域のだと隠れ気味となって聴き取り難くなっている。

又Rock系で逞しさやパワー感が欲しかったら低音程尊重すると有益なんだが、近年本邦では主旋律過忖でこれを控えちゃうから音圧無理盛りなんてしたくなるんだよ。
なのでどうにも邪魔で困らん限り、もっと他パートの人もBassが大き目なのの良さを分かって貰いたいねえ。

ここで敢えて低音過量の欠点にも触れとくと、そのパワーで他が掻き消されるなんて場合もある。
故に無制限に増やせるもんでは無いが、電気楽器登場迄はそこ迄増やせなかった事実を見過ごして欲しくないなぁ。

<一旦終了>

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