音楽備忘録656 録り方の問題 加工度編⑩
ではリアルじゃ無いと苦しいのの続きと参るが、エレキGuitarの歪みに関しては「後になる程」その影響が大きくなるのが注意点だ。
近年の良く作られたEffectorは、特に聴き初めの印象は絶品だしノイズ面等では圧倒的優位にあるが…。
実は数年前に上記新世代歪み系を使ってる人達のを耳にして、暫く自分の旧態依然のシステムから変えようかと迷ったりしていた。
利便性や安定度も然る事乍ら、そのクリアな音色の誘惑に負けかけたのだ。
それが今になって個人的に新味に欠け発展性も乏しくも踏み止まったのは、それ等を「作品の一部として聴いた」ら魅力が随分アッサリと失われてたからだ。
つったって後で作品のボロに気付いたとかじゃ無く、音色の没個性さ等から来る飽きがパフォーマンスを上回っちまったかららしいのだ。
様々な使い方に対して音色が安定してるってな、使う側からしたら便利で安心なので一見頼れる存在だ。
だがこれ等利点も裏から見れば、何時誰がどんな風にどう演っても「大差無い音色」しか出て来ない側面がある。
確かにどんな音色だろうと好みは千差万別だし、飽きる時ゃ他の原因でだって飽きちゃうのだって幾らでもあろう。
けれど独自音色を音的「その人の顔」とするなら、顔を忘れるとか最悪だとあたかも「覚えられない」なんて事に繋がるのだ。
そうすっと一時でも気に入ったある人と後に折角再会した際に、素通りしちまう可能性が生まれるのよ。
って再会ったって音だけの話しなんだけど動画全盛の今だって顔(姿)で見つけられても、こんなのが続いた後だと以前より真面目に耳を傾けなくなったりはすると思うんだ。
これからすると美しさや整い度は今となっては高くないと苦しいが、だからって個性より体裁を重視しちゃ元も子もないのは変わっちゃ居らんのですよ。
もし超短期間だけなるべく大きな評価が得られりゃ良いんなら別かもだが、それだって「リンクし難い実績」となるから履歴書は薄っぺらになるですねん。
全く無評価よりゃ短期でも何かあった方がマシにゃ違いないが、それって商業的には有効でも音楽の実力としては無効なんでやんす。
その逆に全然知らなかったし今でも無名に近いけど、人知れずもそんなに結構良い音ずっと出してたんですかって。
いや俺みたいにずっと売れないと生活苦で大変だけど、世間様は音楽で大儲けしたって思ってる9割の稼ぎの源泉は実際は音楽じゃ無いんどす。
経済最優先だったら悪い事ぁ言わんから、音楽を少なくともメインの仕事にするなんて無茶はお止めなはれ。
若い時しか出来ないスポーツ以上に割に合わんし、潰しも利かないですから。
尤も誰もが経済さえ優先にすりゃ確実に食えるでも無く、適性の壁ってのもあらぁね。
けどまあ兎に角「音的プライド尊守」ってぇのかな、それが保てないとお金ばかりかやり甲斐を損ねるんですよ。
この件で上手く立ち回れてる人を良く聴いてみると、出だしは流行に上手に乗せてても徐々に我流にシフトさせてってんのよね。
これ等からすると音質偏重な方は何れは技師等へ、内容偏重(本来は最重要ですが)な方は何れは作家へとシフトしてくのが自然な流れってもんで御座居ます。
私的見解では意外だがこの件低音質しか存在しなかった昔の人程自覚があった様で、それは知る・広めるチャンスが今より断然少なかったからなのかな?。
次回に具体的指針を提示してくが、要は今やEffectと殆ど同化しちゃってても通常の歪みは楽器側音色なのを忘れるなって事ったね。
俺は一番やりたいでは無いにしても打込み肯定派で、弾くか打込むかの選択って実演時にStratにするかLes Paulにするかと同じ様に「考えてから」にするのがお勧めだ。
音楽自体より弾くのを常に優先したいんだと厄介で、そう云う方は作る方からは勇気ある撤退をされるのが是又お勧めだ。
適性に欠ける若しくはしたくない選択を無理に課すより、「上手に使ってくれる」人に委ねた方がやった事の価値を残して貰えるよ。
<続く>
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