音楽備忘録644 録り方の問題 加工度編⑥
さて数回前に触れた「元から上下にズレてる波形」とか、「上下の片方だけ大きい波形」の音ってあったのねの巻だ。
録音時の取込み機器がPCになってからハッキリと気付いたが、正直正確な理由は分かっても居ないしさして追及する気も無いのは杜撰大王ならではか…。
私的に最初におやっと感じたのはエレキBassので、球プリは使いつつPCサウンドカード入力でAudacityで多重してたらそんな波形画像になってたんだ。
最初はDC Offsetを疑ってMidiの打込みSynthe Bassの波形も、選択音色次第ではそんなのがあったが確認してみた。
が波形の始終点はどっちもキッチリ0Vになってて、どうも何らかの音色の都合でそうなるらしい。
処でアタック音の部分に限りゃ他のでも「偏り」があるのも普通で、しかしアタックが終っても暫く続いてるのは今の処生楽器ではお目に掛っていない。
何れにしても取敢えず音自体に何ら不自然さは無かったので、次にBassで俺はピック弾きが多いのを良い事にアップとダウンでどう変わるのか一寸試してみた。
したっけ正に絵に描いた様にそのまま波形に反映してて、位相反転が無い場合ホントにダウンだと下から・アップだと上から始まり且つ割と最後の方まで偏ったままになってやんの。
それで思い出したのが音色都合で意識的に、擦る様にとか擦り付ける様な弾き方があるってのだ。
指弾きの場合音色太さは指と弦の接触面積に左右され易く、実質的には「同じ人の同じ指」なら当てる角度を寝かせて面積が増すと太くなる。
ピック弾きでも面積は関係あるものの指程の変化量は得られないし、特に同じピックで部分的に太さを変えるのは困難だ。
それが上述みたいな弾き方をすると太くも出来るし、細くなり過ぎるのを防ぐ事も出来るのだ。
その原因はそうしてるとアタック時に弦がPUのポールピースに近付くかららしいが、試した様子からするとどうも波形が偏ってないと却って音色が駄目になるみたいなのだ。
んでこんな話しを何故「加工度」の処へ持ち込んだかってば、音圧稼ぎ等で偏ってる分振幅が最大に取れて無いのを下手に弄ると不味いんじゃって思ったからだ。
自分としても一寸妙な気分だが、上手く意図した通りの音色が出せてる時程偏ってたのよ。
こうなってみると近年本邦のって無理くりコンプで異常な程高音圧にしてる割にゃ、何だか過去作の加工度の低いのよりBassがちっとも太くないじゃないのさ。
俺が理系で音響屋だから視覚に捉われ掛けたのかも知れないけど、簡単に波形が見られる様になったからって聴こえた音の方を優先しないと危険な事もあるんだわねぇ。
して本項により関わる部分で配慮してくとすると、偏りを無き物にしちまう様なコンプを迂闊に掛けたりしちゃ却って細らせるかも知れないって処。
所望より肥満してるのをダイエットさせるんなら別だが、殆どのケースではこれするとマイナス方向に作用する公算が高い。
因みにⅡで他楽器だとどうかは現況殆ど試しもして無きゃ感知もして無いが、波形やメータの振れより聴こえた音を重視しないと危なさそうなのには変わりない。
ではこの件の最後に聴き分け方を少し伝授しとくが、好みの方向へ音色を変化させる自体は別に遠慮したり躊躇しなくて良い。
但し例えば太さであるとかが音色的に重要なファクターを握ってる際、そこが痩せたりする様だったら弄り方を一工夫しないとイカンぜよ。
時には弾いたのと全く別物になって面白いってのもあろうが、それ以外の場合元からあった長所を犠牲にするのはどうかと思うな。
だったら極端な話し他の誰かに弾いて貰うとか、変化より安定(一定な)を望むなら打込んだ方が確実だし高品位になるっしょ。
結果オーライは否定処か俺なんて代名詞に近そうだけど、だからって全く無神経・無配慮にやって得られるもんでも無いんですよ。
寧ろ本人無自覚でも何らかのツボを押さえられてるから、テキトーにやったってどうにかなっちゃってんのよ。
<続く、かも>
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