音楽備忘録655 残響考㉒
今日は音源とMicの距離差から来る残響混入率の違いと、音源の種類次第での混入し易さについて記そう。
本来は別項「録り方の問題」へ入れた方が相応しそうだが、残響部分だけって事で今回はこっちに入れさせとくれ。
このお題で影響度の大きいのは生楽器の印象と、後で残響を追加するかどうかだ。
では前者のから進めてくがある程度以上の大きさの楽器や音源は、普通On Micならぬ俺言い「On耳」で聴くなんて滅多に無い。
私的体験で印象深かったのは若かった昔の自分の歌で、それも朗々と歌い上げたヤツだった。
普段はVocal用ダイナミックタイプに張付いて歌ってたのを、気紛れで普段より少しだけ離れて録ってみた時だ。
すると十二分な声量で遠鳴りさせる歌い方をしてるのが、何時も通り歌ってたのに何時もより良く分かったってかしっかり記録されていたのだ。
早速プチ分析したんだが、そうなった原因は「部屋中に鳴り響いてる感じ」が拾えてたからだった。
無響室でないならば実際にはささやきにだって、空間由来の残響はほぼ同じ割合で付いて来てる筈だ。
けれど聴き取り限界に近い小音量になる程聴く方は大抵「聞き耳を立てる」もんで、ここではお馴染みの弁別能も自然と高まってる。
そのお陰で残響を無視して直接音だけ意識してるし、内緒話し等「耳打ち」ってのは俺言いⅡで「On耳」な訳だから残響は普通より聴こえなくなってる。
上記2つの記憶とか印象からか特別良く響く場所以外で響きが聴こえたのは、音量が大きいからそうなったってパブロフの犬的反応が起きてたらしいのよ。
太鼓でもBONZOのなんかは広さよりそれを狙っての措置だったんだが、理屈ではOn Mic+それらしいReverbで同じ感じが得られる筈がどうも中々上手く行かない。
特に明瞭度を一切落さずにしようとすると全く駄目なんだが、要は直接音にも日常と非日常的至近距離のでは音色が違うかららしかった。
これで問題になりそうなのは爆音なのが良く分かる上で、バーチャルで更に広大な場所で演ってる感を出したい際等だ。
馴染む保証の無い異種残響を共存させなきゃなんないって、これ迄に綴って来た如く危険だし成功率が極端に低いからねえ。
それをもしどうしてもってんなら今俺が思い当たるのだど、無響室でOff Mic収音にしとく位だろうか。
尤も爆音が許されそれも録れる無響室となると存在自体が希少だし、借りるのだって特殊設備故にかなりお高いのは間違い無い。
となればもし録音頻度が低いなら実際に構想に合った広々で、ドカンと鳴らせる場所を借りるだけの方が良いんじゃないのかな。
ここで少し整理し直しとくとデジリバ自体はとても汎用性が高いが、それには充分見合った収録音質の音源が要るって但し書きが付いてたんだよ。
そりゃ嘘臭かろうと子供騙しでも結構ってんなら、変な混ぜ方・掛け方したってどうにもならなくはないけどさ。
不自然さに目を瞑っても「音量のスケール感」とかはそれだと必ず劣化させちゃうから、「気にしなきゃ無傷」とは思わん方がええんでないかのぅ。
はそれとして種類次第の混入度合いについては、大凡だと「生度が高い」の程混ざってい易い。
その原因は主に音の指向性で、特殊な楽器以外は特定方向にだけ爆音が届く様な設計になんてなってないかんね。
それに対しスピーカは少なくとも単体で360°(つまり所謂無指向性ってヤツ)カバーするなんて無理で、その代り指向性を鋭く(狭く)する方は得意だ。
なのでLine録りが無混入なのは当然として、スピーカを使うだけで混入率はかなり下がるんだす。
依って一寸不公平になっちゃうけど、爆音自慢の生楽器奏者程この件へ配慮しなきゃなんないのよ。
んな位だからアンサンブルとして考えるんなら、当事者以外の皆も良く分かっといて協力してあげた方が全体が良くなりやす。
因みにここでの協力とは資金や場所選択も含むが、合う合わんを無視して「どうしてもこのEchoじゃ無きゃ嫌」なんて我儘を周りが出さんのが第一歩。
自パート単体ではそれがベストと思えててもそんな無理があったらば、一般聴者にはどうせそうは聴こえないんだし。
<つづく>
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