音楽備忘録600 録り方の問題 エレキBass編⑦
前回はMicで拾うの一苦労迄行ったが、その補填策として思い浮かび易いのはLine録りとのMixだろうか。
洗剤や薬品よりゃ混ぜるな危険では無いが、そう簡単には上手く混ざってくれないのが現実だ。
今回はその前提として一面で録音が昔より難しくなってしまった原因を体験から提示しとくが、録音・再生両方の機材の性能が上がったのも大きかったな。
周波数特性やS/N比も然る事乍らダイナミックレンジの拡大とリニア化は、かつて期待してたのと少々違った結果を招いちまった。
これ特に記録媒体がアナログのテープだと、何をどう頑張っといても必ずある程度「潰れ」ちゃってたから。
それを当時は潰れなくなったらきっともっとパワフルになると思ってたっけ、実際はクリアにはなっても却って大人しくしかならなかった。
でも今になって冷静に検証してみれば、電気楽器って元々慣れ親しんでた音は電気的にはちっともリニアじゃ無かったんだよね。
これを周知徹底させたくてお題から少しズレるのに初回の方等で、原典サウンドがどうの球がこうのなんてひとしきりやっといたんだ。
して今回のとの関係はってぇとMicの方は例えAmpが石のになっても、「らしく聴こえる」様に作られてるのだったら程度差こそあれそんなに今だって電気的にはリニアになってないままだ。
アナテー時代と大きく変容したのはLine録りの方で、オーディオ的には大躍進も楽器的には一面で肝心な部分が退化しちまったのである。
具体的には性質が殆ど正反対って位掛離れちゃったんで、混ぜるのがとっても大変になっちゃった。
ではその内容へ進めてくが先ずは音量バランスで、最大時はLineのが最小時は殆どMicのしか聴こえない様な事が起こる。
Lineの方のダイナミックレンジが広過ぎて、若しくはMicのの方が狭過ぎるからだ。
それがもたらす結果は理想に対しては正反対に近くて、普通だとワイルドな方が良いフォルテ時にLineからのがメインになってしまう。
オマケに綺麗で繊細な方が良いピアノ(強弱の)の時に限って、今度はMicからのの方がメインになるとは最悪やんけ。
そうなると普通はLineのへコンプを噛まして整合させようと考えるが、それぞれに微妙に違ったりしてる楽器Ampの「非リニア」を再現するのは困難且つ中々厳しい。
とは言えプアなMicしか無いけど「生の表情」だけでも欲しいなんて時だってあり、どうしたら少しでも改善出来るかは考えなきゃな仕方ない。
そんな際私的に鍵になると思ってるのは帯域分割で、最初の内は「どうしても足りなくなっちゃった箇所」を補うだけからやってみるのがお勧めだ。
多くの場合要るのはローエンドになると思うが、「足すのは最低限」に留めるのがコツだ。
その第1目的はLineのがフォルテ時にMicのより大きくなって、音色急変から別楽器にすり替わった様に聴こえたりするのを避ける為だ。
が第2の目的も案外大切で折角Lineの方ではボーンと大きく拾えてるのを何故ケチるったら、平均的なエレキBassの音はシンセのとかより格段に倍音含有率が高いからだ。
シンセのだって音色や弾き方次第では良い線迄持ってけるが、只弾いただけで存在感がエレキの方が勝り易いのはこのお陰なのだ。
これって良く云や色々入ってて賑やか・悪く云やバッチイとなるやもだが、その方が他の色んなのと一緒になった時被らずに「単独で残る」部分が多くなり易いからだ。
なので私的にも気分的には惜しくて仕方無いが、混ぜてるどうか分からない程度でなるべく我慢するのだ。
勿論だからって控え過ぎたら他パートと混ざると聴こえなくなっちまうが、Bass単独で聴いてこれ位が良いにしとくと大抵は今度はアタック音等が全部埋もれてしまったりする。
とこの様に全く手立てが無くはないにしても面倒なので、現況の俺は収音方法のハイブリッドからは逃げ捲っている。
尤もそれ以前に不要部屋雑音の退治がまだだし、現用Ampのプリ段がICのなのも理想と違ってるしね。
けどもし球プリを自作不能だったりしたら、真っ先にこの方法に挑戦してたんじゃないかと思うよ。
<続く>
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