« 音楽備忘録614 残響考Ⅷ | トップページ | 音楽備忘録616 残響考⑨ »

2021年4月21日 (水)

音楽備忘録615 録り方の問題 エレキBass編⑪

折角だから前回提示の件をもう少し掘っといてみようと思うが、最近みたいにどれもが高音質になって来ると却って難しくなったかも知れない。
っとその前に生理的に歪みを受け付けない人へ、曲解されると絶望へ至るんで
一寸苦言を呈しとこう。

パート単体での明瞭度等の点では低歪みな程良いのも確かなんで、あらゆる「濁り」を拒絶したくなるのも分からなくはない。
しかし電磁Pickupの方式自体が電気的歪み率ではとても不利なんで、もし本格的に追及したいならせめて圧電Pickup(エレアコ)に変更するべきだ。

それも従来の「エレキっぽさ」からは距離を置いた様な設計・思想のが良く、本生のウッドベースでさえ音色的歪みは未だしも「音波のゆがみ」からの完全回避は困難だ。
先ずこれ等からして気に病んでも仕方無いとなってるが、より実践的にアンサンブル内へ入るとどっちかったら逆傾向に作用する。

但しここで語ってる歪みには条件があって、聴感上「如何にも」ってのは含まれていない。
音楽的に2つだけに分類したら無歪側に入り、物理分析的だと歪み側へ入る様な一面で「中間領域」のの事を言っている。

中間領域ってぇ位だからその範囲は狭目になり易く、もしかしたらそのせいでまだ気付けずにいる人も居るかも知れない。
特に機器類を極力リニアにしようとすると、限界域を押し上げる代りどうしたってピーキーな性質になっちまうからね。

それでも敢えて無歪・リニアを追及したい人向けにその適正セッティングを披露しとくと、何たって鍵になるのは尋常ならざるマージンを設ける事だ。
これは近年だったら生楽器のデジタル記録では当り前のお約束で、爆弾の直撃でも受けん限り絶対歪まない位感度を控え目としとくのだ。

尤もそれが生楽器の方で実現出来たのはMic等関連機器一切が高音質化したからで、機器の自己雑音が飛躍的に少ない必要がある。
それに対し旧来のエレキでは例えPickupをローインピーダンス化しようと、Buffer等Preampを付けてアクティブ化させようと原理のせいでたかが知れてるのだ。

只エレキは最早電気的には不利でも必要なだけ幾らでも爆音化可能なので、周囲のリアル環境雑音等に対しては生楽器より圧倒的に有利だ。(電磁波系にはとっても弱いが…)
小音量の生楽器だと奏者の動作や呼吸音すら、最悪時はとても耳障りになったりもするからね。

過去述だがこの点で俺が最不幸だと思ったのは、巨大ホールじゃ無い時のフルコンサートタイプのGrand Pianoの「ペダルノイズ」だ。
弾いてる本人には眼前のそれなりの大音響のせいもあって感知し辛い時もあるが、客席では楽に聴ける音量に下がってるからペダルの「ガッコン」なんてのがいとも簡単にバレちまう。

エレキだって無駄に爆音にしてると詳細の聴き取りは著しく阻害されるが、俺言い「楽器上での粗相」なら楽音と平等に爆音化されるから聴き逃す心配が随分少ない。
失敗してもクリーンだったらもっと良いがそれは虫が良過ぎるってもんで、上記の不幸例みたいに後からしか知れないのと比べたら贅沢なもんでっせ。

とまあ全体としてはこんな様相なんでどう追及するかはご自由ですが、もっと行けると勘違いしたまま困難な方へ行っちゃうと徒労感に襲われる事甚だしいよ。
私的にはクリーン・リニア追及派の多くで音響理論は足りてても、音楽音響理論の不足してるままの人が多いのも気になるし残念だな。

アンサンブルには一面で俗世間みたいな処があって、そこでだと単体時に構築しといた聖域がちっとも通用しなくなったりするんですよ。
故に俺の強力お薦めは先ずどんな音色が好きにせよ、その最終決定は必ずアンサンブル内でにするのが1つ。

それから一部分に拘り過ぎて他を疎かにし過ぎない、この2つは誰にでも必須だと思うんだよね。
もし一般人を顧客とするなら1点豪華主義でも、他が大体平均点に到達した上でじゃ無いと効力が発揮させられないよ。

しかもここでの一般は世間の他分野のよりかなり広範に及んでて、どんな変態音色にしといてもそれがBassだったらBassと思ってくれる人は一般側所属だ。
Bassは装飾だとかギミックだけでも構わない時がとても少なく、コードのルート音なり底辺部が何時も聴こえてなきゃなんないからね。

<続く>

« 音楽備忘録614 残響考Ⅷ | トップページ | 音楽備忘録616 残響考⑨ »

文化・芸術」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

PA」カテゴリの記事

電気」カテゴリの記事

ベース」カテゴリの記事

録音」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 音楽備忘録614 残響考Ⅷ | トップページ | 音楽備忘録616 残響考⑨ »

フォト
2023年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ