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2021年4月17日 (土)

音楽備忘録611 魔改造悲喜こもごもⅢ-㉔

では具体的に進めてくとして一応企業秘密!?も含むが、この際だから包み隠さず披露しちまおう。
長年の研究と俺のBassでのニーズからは、大体4kHzより上をCutするのが良いのは分かった。

これは色んなBass用スピーカの周波数特性グラフから導き出した値だが、しかし下手に完全にCutするとどうもリアルのスピーカのよりも籠った感じにしかならなかった。
近年流行!?の10inch×4のとかツィータの付いてるのだともっと上迄伸びてるが、これ等は一面で「Line録り」の再現の意図も感じられるので本件では対象外だ。

そう云う話しならこっちはモノホンLineであるから、単にSWでフィルタをOffりゃ良いんでね。
わ兎も角スピーカはどんな急峻な減衰特性でも、デジタルフィルタみたいに完全にバッサリ切り落とす様な鋭さは持って無い。

とは言え20dB以上も落差があったりするから単独でならまだしも、他の周波数と一緒に鳴ってたらマスキングされて出てるのなんて全く聴き取れ無くなってるもんだ。
だがスピーカの箱が鳴った音かコーン紙の振動から生じた「風の音」か分からんが、実際にMicで拾うとユニットの特性より少しは上の成分も入っててそんな音に聴こえる。

これからするとターゲット周波数を上にシフトすりゃ良いんだが、下手に単純にそうすると音楽的には不要で邪魔な雑音が増加し易い。
楽器本体等のコンディションが最高な上、とても丁寧に弾けばこの帯域の雑音は幾らも出さないのも不可能じゃ無い。

でもそれじゃあワイルドなジャンルで無遠慮に思ったままには掻き鳴らせないし、楽器音自体への貢献度は元々低い帯域だ。
ここで一寸音の豆知識を参考提示しとくと、人耳に自然な感じで聴こえる音にはある共通の性質がある。

大凡音程若しくは周波数が1オクターヴ上がる毎に、その音量は半減してるってのだ。
これの音響測定用のが所謂「ピンクノイズ」つてヤツで、こうなる原因は過去述「音波の振幅の大きさと一定時間内の密度が反比例」してるのに依る。

単純にピーク時の音量だけ見るとオクターヴ下のは倍の音量になってても、その山が来る頻度(数)は半減している。
要は間隔を置いて大波が来るか比較的連続して小波が来るかってなもんで、トータルでのエネルギー量はそれでイーヴンとなってる訳だ。

んで俺の過去作も含めて従来の殆どのは理屈に縛られてCut周波数が低過ぎるか、その逆に慎重になり過ぎて不足してるのが殆どだった。
その結果只Direct Boxに繋いだのよりゃマシでも、何だか籠った感じかLine臭さの抜け切らないののどっちかにしかなってなかったのだ。

んでⅡでそれを今回どう料理したのかったら、削り始めるのは4kHzでもフィルタの定数はそのオクターヴ上の8kHzにしたらいい塩梅になったのだ。
尤も所謂アクティブタイプの回路とかPC内のでデジタルでやったら、より理論値に近い動作をしてくれるからこの限りじゃ無いけどさ。

今回のこっちのは基本的にコンデンサたった1個でなんとかしようってんだから、理論的計算値なんて目安程度にしかならないのもある。
音楽用で音響用じゃ無いから特性計測は面倒がって未実施だが、その分実験は一切惜しまずにやってみましたよ。

もう1つの目玉!?だったLCフィルタの効き具合は、色々捏ねてはみたものの予測よりはかなり薄かった。
それで一聴しただけでは幾らも差が無かったが、かと言って無くても同じじゃ無かったから実装させている。

多分再出になるがこれの目的も不要帯域の排除で、直接的に音色に関与するのじゃ無いののせいもありそうだ。
些細なのに違いは無いが、実際アンサンブルが完成段階になって影響するのは案外こんな部分なんでね。

これ迄に直面した事はまだ無いがもしダダ漏れさせとくと、例えばSnareのゴーストノートとBassの「カシカシ」がどっかで喧嘩したりする可能性がある。
それに少し歪んだ際にその「歪み成分」は高次倍音帯域から始まってるんで、リアルAmpでの同じ状況に対して悪目立ちし過ぎる嫌いがある。

この部分は「録り方」の方で詳細を記すが、幾ら録音とLiveには色々違いがあるったって度が過ぎちゃ楽曲再現に支障するんでね。
半グレ君でも神父様みたいに振舞わないとマトモな音に録れないってんじゃ、機器用途からしたらそんなの失格ですって。

<つづく>

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