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2021年4月25日 (日)

音楽備忘録619 残響考⑩

前回も再三の「エコーは必要最低限」を又吠えてたが、ならば掛けないと苦しいのはどんなのかが今回のお題だ。
俺の世代だと’60代初頭以前の洋楽とか、’80年代後半の邦楽っぽくするには掛ってた方がらしくし易いが…。

いきなりの但しが来ちゃうが、↑をホントに実現するには先ず録音方式にその時代のかかなり近いのが必要だ。
こんな処が誰でも失念したり見落とし易くて、最も印象深いのが最大要因とは限らないのだ。

一般人若しくは職業人でも後発だったりすると、当時の内部事情みたいなのの全貌は把握し難い。
どんな音にどんなの掛けてそうなったかの、掛ける前の分は普通外部非公開だからねえ。

言わば加工度の高い食品で、その中の材料の1つだけの味を想像するのは難しいってな感じよ。
なので本テーマからするとそんなのは一時預かりの類で、無いとお話しにならん筆頭は奏法自体とリンクしてるのなんかだ。

これの典型的なのは私的には古いのに多い気がするが、The Venturesのテケテケとかポピュラー系でたまに顔を出すオーケストラヒットみたいなヤツだ。
更に掘るとオケヒットの方は収録時や音源自体に既に含まれてる方が多いから、狭い場所とかたった1人でも演奏可能な楽器のに一番多いと考えられる。

大昔の作品にはソロパートにだけエコーが掛ってるのなんかが随分一杯あったが、予算の都合で伴奏の分迄掛けられなかったんだなんてケチつけてるのは誰だ?。
実際それもあったとしてもそんな音場からしたらいびつになりそうなのでも通用したのは、ソロパートだけが当時としては珍しく「Micが近かった」のも大いに関係があったんだ。

そのままにしとくとOn Micの分だけ、収録場所の残響含有率が少なくなっちゃってんのよ。
これを好意的に受け止めて貰えれば「貴方のお側に」となるが、画が無いから今の感覚だったら歌手だけ「高齢の為自宅からリモート出演」みたいにも捉えられちゃうかも知れない。

電気楽器のAmpに比較的早期から内蔵されたのも、Beatlesが出演する迄ポピュラー系は武道館出禁だったみたいなののせいもあったかも知れない。
只でさえ生楽器より「響く所」が少ないのに、その上良く響く場所で演っちゃ駄目なんてったらもう他に方法が無いからね。

それからすると今なら残響無添加の音源なんかが最右翼になるが、ご親切に最初から加えられてるのが多いから理論と実情に差がある。
尤も例えば葉加瀬太郎が国立第2劇場でStradivariusを弾いたのが欲しくなったと仮定して、そんな音源が手に入れられるのはとっても稀だ。

それ処か特に専門外の楽器だったりすると、そもそも自分の好みがどんな組合せのなのか分かって無い事の方が多い。
となると奏者・場所・楽器程度はその組合せを後から選べると良いんだが、パッケージング度の高いのだとそんなの受付けてくれない。

それでか近年のSynthe系キーボードでは内蔵されててデフォでは掛ってるが、必要とあらばOffれる様にしてあるのが主流だ。
これの使われ方としては特定時だけ切ってるのが多いみたいだけど、俺的にはそれじゃあ逆な気がしている。

それは根本的な音色選択を多少なりとも惑わされる危惧があるからで、いざ録る段になって初めて切ってみたらショボくて変とか余韻の長さがちっともマッチしなかったなんて…。
これは打込みの際にも掛った状態で完成させといて、録るのに邪魔になったから切ったらオリョリョとかね。

生より電気楽器の方が録る場所の残響が入り難いし、電子楽器に至ってはわざとしない限りはそもそもそんなの入らない。
だから残響を追加しなきゃなんないのがとっても多いが、折角自由度100%だからこそ先に決めちまったら勿体無いんだ。

大型生楽器だと色んな事情から制約が厳しく、理想通りの録り方が出来るのは稀だ。
そのお陰で追加残響の選択肢にも新たな制約が付いて回るから、全体の出来栄えを考えると融通の利く方で合せるのが利口なのだ。

なのでどっかのプロが「何時もウチはこれ掛けてます」なんてのへ、参考にするのは大いに結構だが安易に真似しちゃアカンのよ。
彼等には豊富な経験から録り方自体がある程度固定してたりしてて、「結果が読めてる」からいつもので行ける保証があるんだ。

<続く>

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