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2021年4月14日 (水)

音楽備忘録608 魔改造悲喜こもごもⅢ-㉓

妙に手古摺った件の「球ポプリ」も、漸く何とか格好が付いて来た。
それにしても強く再認識させられたのが「実験」で、事前計算の不備を幾ら認めたってそんなもんじゃなかったですよ。

敢えてその計算の不備に触れとくと厳密な計算等を面倒がるのもだろうが、一番の問題は「かなり変動する」パラメータが多いせいだ。
基本的に使用者とその楽器がほぼ固定なので、それからしたら俺言い「普段の領域」って範囲がありはする。

けれど何時気紛れを起こすか全く分からないのも加味すると、良く使う処で最高を目指すより使えない領域が生じない様にしとくのが先決だ。
なので事前計算の主目的は普通なら「これで行けそう」になる処が、試す価値の高い部品(値)はどこら辺となっている。

こんな大ベテラン!?でさえそんな曖昧になるのは、好きな音とか良い音が理論値だけでは作れないからなのだ。
そうなってしまう原因の1つに、俺言い「基音と倍音の織り成す魔法」ってのがある。

今回のなんかで最も惑わされるのが「聴いた感じ」と実際の数値の違いで、例えば8kHz辺りがお邪魔と聴こえたのに実際過剰だったのはその半分の4kHzだったとかそんなヤツだ。
この現象で最も身近と思われるのは音程の凄く低いのとかで、例えばバスドラムなんかが典型的だと思う。

そもそも楽器自体が倍音キングだから元々超低域基音はちょっぴりだったりするが、その周波数帯を後でキッチリとリニアに再生するのは今もって非常に困難だ。
では再生も聴き取りも困難なそんなのをどうやって「感じさせてる」かったら、「それ固有の倍音」を活用させてるからだ。

例えば真実の音程は30Hzなのをそれより再生や聴き取りが楽な、60Hz(2倍音)や120Hz(4倍音)の音で感じさせている。
ここで重要なのは同一周波数でもそれが基音か倍音かで色々「違いがある」処で、ある意味聴き手の「想像力」に依存している。

つまり「60Hzの倍音が聴こえるって事ぁ、きっとホントは30Hzだ」、ってな具合だ。
これには基音と倍音の区別が付かないと効力が得られないが、只聴いて感じて想像するのに理論なんて一切不要。

基音の場合だったら「そっから下」は完全にお留守でスッキリしてるが、「どうもそれが一番下じゃないみたい」なのさえ感じ取れる位になってりゃ良い。
何か良くは分からんがもっと下の方に、ウンっとかモソッとか何か付いてるぞなんてので充分だ。

尤も今回作では他楽器が殆ど出せない・出さない音域は極力温存させようとしてて、「一番混雑すると分かってる日の外出を自粛」みたいな発想からだ。
しかしだからって倍音を減らし過ぎると何が出した音だか分かんなくなっちゃうから、音程に影響を与えにくい高次倍音でそれを補おうとした。

これは低音程の太鼓やエレキBassでは半ば常套手段で、そうしとくと例えばGuitarとユニゾンになった際に相手を邪魔するのを最低限に抑えられるからだ。
勿論状況次第ではわざとGuitarの基音と同じのを強調しといて、どっちが弾いたのか分からない様にする撹乱戦法とかもあるけどね。

処がどっこいエレキのその領域はかなり狭帯域で、出せるからって無制限に上を出しちゃうとそれも「非エレキ」の音になっちまうのよ。
それが一番厳しいClavinetと比べりゃ随分マシだが、参考にクラビのらしさの条件を付記しとくと中高域のみじゃ無いとそうならない。

音色の第一印象としては何だかカリカリで低音無いよで、確かにそれで合っちゃいるけどさ。
それプラス純粋な高域は僅かでも出てちゃ駄目で、それが聴こえると同じクラビでも「ネット」じゃ無く先祖の「コード」の様に聴こえてしまう。

例に依って変態比喩するなら、例えば風邪ひいて酷い「鼻声」になってるソプラノ歌手ってなもんざんしょかね。
なので出すには出すけど範囲は限定的にしなきゃなんなくて、その出し方・出具合とその直上の削り方が決め手になるんでおま。

と大分遠回りになったけど、「何処から削ると求める音」になるのかを実験するしか無かったのよ。
続きは次回として取敢えず分かったのは、計算値よりかなり上の方が試してみたら良かったんだわ。

かなりの低音程でも高次倍音ともなると、もうハッキリした音程なんて全然認識出来ないものさ。
中にはそれが可能な天才さんも稀にゃ居るだろうが、「このCymbalの音何Hz?」に対して即答出来る奴ぁ滅多に居ないじゃない!?

<つづく>

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