音楽備忘録610 残響考Ⅶ
今回は今従兄が研究中のリアルReverbについて言及するが、本邦の一般的環境からするとそんなの極一部の恵まれし者限定の案件だ。
でもだからって迂闊にあっしにゃあ関わりのねぇ事で御座んすなんて思ってると、意外な処で怪我したりするのよ。
普段の音楽環境がライブな従兄・デッドな俺ってある意味両極端なコンビだからこそ、この件で貴重な実体験が持てたと勝手に自負しちゃってるんだ。
こんな場合2者間比較をしたら響く所の奴の方が「不要混入残響」を気にしそうなもんだが、現実は真逆だった。
毎度の如くそれは下らない原因でもたらされてたんだが、従兄は何時も響いてるからそれが当たり前になっちゃってた。
一方響いた様には聴こえて無い俺にだと、宅で録ったのへ何か楽器以外の「響きらしき物」が聴こえると一騒ぎになってたと。
厳密には無響室じゃ無いんだから少し「何か」が加わっても当然なんだけど、爆音のOn Mic収録なんだからってさ。
これには伏線ってのもあって部屋を使い出した当初と、色んな楽器を沢山押込んだ今では部屋の響きが変ったように感じてた件があった。
当初は自分さえ大人しくしてたらすぐに「し~ん」となってたのに、最近じゃそうならなくなっててどっかイカれちゃったのかと一寸心配にもなっていた。
けど軽く調べた限りではおかしい処も無かったんで「他をあたって」みますれば、押込まれてる楽器(生のが中心)が共鳴してプチエコーになってやがるじゃありませんか!。
又これが一番問題になりそうなのが生ピでClassic系のを録る際で、SnareのスナッピーやHi-Hatの共鳴が僅かでも入ったら変だからねえ。
でこれスナッピーの方はバネが伸びるとヤだから叩き終わったら毎回Offってたんだけど、Hatの方はStandのバネヘタリを避けたかったからTop Hatのネジを緩めといたのよ。
それだとHatのTopとBottomは接触状態になるけど、叩いたり爆音で揺さぶりゃせんのだから平気だと思ってたんだ。
処がどっこい確かに生ピはパワー自体は大した事無くても、たまたま共鳴する周波数のを弾いたら少し震えちゃってたんだなぁ。
と言ったってそれ等さえ無きゃ自分の呼吸や鼓動以外が無音になるから気付けたんだけど、近所のお年寄りが幼稚園の開設に反対するのもこんな面があるからかもと思ったね。
活動的だった若い頃と比べるとやたら静かに過ごしてるもんだから、バランス的に子供達の歓声とかが実際より大きく感じられたんでしょう。
ご年配だって何かする時は寧ろ近年の子供や若者よりけたたましいんだが、じっとしてる時間の割合が高いせいで「デフォルト環境騒音」が低い方へきっと偏っちゃってるんだわ。
せやから開設当初はウルサく感じたとしても、暫くして慣れて来たら文句付けたのが恥ずかしくなるの間違い無いんだけどね。
何れにしても音量って普段一般人は感覚のみの判断で、外出前に天気予報見るみたいに逐一騒音計眺めたりなんて誰もしないでしょ。
結果的に本来なら問題視すべきのが放置され、全くそれに値しないのにばかり気が行ってしまい易い状況が根底にあるだすよ。
これがこっち方面にどんな悪影響を及ぼすかってぇと、良く響く環境に居る程「不要残響」に鈍感になっちゃうのね。
それでも「その場所の響き」だけで行くんならそんなに問題無いんだけど、一寸前の従兄がそうだったみたく今はデジリバ全盛でしょ。
本人無意識でもRoom Echoが入っちゃってるのへ、全く質の違う響きのデジリバ足してぬか喜びしちゃったりしてませんか?。
稀には偶然上手く行ったりもすっけど、不要残響レスのと比較したら明瞭度その他に明らかな劣化が見られる事間違い無しだからね。
本件で多くが見落してるのがデジリバ普及黎明期の業界環境で、マルチトラックの普及からとてもデッドなハコが多かったし流行ってもいたんですよ。
そんなのが普通だったもんだから誰かから訊かれた際に、「只録って掛けた」ってしか答えないのが殆どだったんだ。
業界さん自身はもし部屋がデジリバ使うのにライブ過ぎたら、至極当然の如くその対処もするんだけどさ。
雑誌とかで読んだ素人さんは↑迄は大抵記事に載って無いもんだから、「そおかそーか、只掛けるだけであんなに素晴らしくなっちゃうんだ」って悲劇の一丁出来上がりで御座んス。
<続く>
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