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2021年3月29日 (月)

音楽備忘録592 録り方の問題 エレキBass編③

前回時点でエレキBassの原典サウンドって、かなり電気的には歪んでる事も多いのを記した。
だったら録音でMicやMixer卓で少しぐらい歪んだって平気、なんて思ったらとんでもないのよ


えで何でそうなるかってば、Micや卓は「楽器じゃない」からだ。(何だそりゃ!?)
これは近年みたいに直にPC等へ取り込むとより明確化するが、オーディオ側に所属する機器に歪んだ状態は想定外設計なのだ。

昔の一部の業務用には許容範囲が広目のもあったが、その領域の本来の目的は「事故軽減対策」である。
生本番時に想定外で一寸オーバーしちゃっても、なるべく音色変化を起こさず「聴こえの劣化」を避けようとしてだ。

これRock系のMixingでメータが振切れる位の方が迫力がなんて変な慣習もあったが、それが度を越して’60年代後半から’70初期に掛けて望まぬLo-Fiになってた失敗作もそこそこあった。
これには幾つかの原因が想定されて、最初の成功例は
上記みたいに安全マージンを多く取られてる機器だった可能性がある。

アナログシステムでは音を限界迄大き目にしといた方が、相対的に雑音が小さくなってHi-Fi化する。
これが所謂S/N比って訳だが、一寸音量を上げて聴くと必ずハッキリ聴こえる程ノイジーだったからだ。

具体的には電気的にOutになるより3dBとか6dB、「先に警告を発する」なんてのだ。
なのでマージンの大き目機種でだと最高運な場合、一瞬メータの針が振切れたりピークインジケータが点灯しても電気的にはギリギリセーフだったなんて状況もあり得るのよ。

音楽のピーク成分って耳には一寸でも、電気的には何倍もとなってる場合が多い。
概述だがそんな「性質差」からの使い難さをを解消する為、ボリウムポットにわざわざ非リニア変化なAカーブ特性なんてのが作られた位だ。

更にもう少し時代を遡ると殆ど全てが真空管となるが、球は石より「歪み始め」がかなり早い。
その分レベルを下げて使えば確かに歪みからは開放されるが、そうすると只でさえ通常石より大き目な雑音が酷く目立って辛くなる。

のでその時代は歪みとS/N比の悪化を両睨みし乍ら、最適値を探るってな按配で行くしか無かった。
要するに一面で機器の進化に人が追付けて無かった、ってのが上記例みたいな悲劇を生んでた訳だ。

故に楽器側はそこそこ逝っちゃってもOKで、音響側だと一切駄目なんて不文律みたいな事となっている。
この点でBass録音で例外となるとしたら、トランス式Direct Box位がほぼ唯一だ。

それも使用されてるトランスがなるべくなら真空管全盛時のだとの話しで、それより新しいトランスはこの用途には半端に高性能化しちゃってるからこっちの思惑に充分には応えてくれない。
「トランスの受け」が球から石に変わると、従前のままの特性ではトランスが先に歪み出す。

それじゃあ「何だよボロいなぁ」なんて思われて売れないし使い難いから、意図的に「石へ性質を寄せた」のだ。
実際には幾ら頑張ったって原理的に追い付けないんだけど、性質が正反対過ぎたら不便だしね。
因みにトランス進化の主役は加工精度や技術もあるが材質の進化で、しかしオーディオには良くてもそんなのは楽器には残念なのも少なく無い。

Mic(エレキのPickupも含む)やスピーカの磁石にもこれがあって、強磁力・小型・軽量の最新のネオジウムマグネットもこの面での音色には異議も多く聞かれる。
何れもオーディオ的にはより良いのが楽器には不都合な場合も出てるが、求められるものに違いがあるからだ。

オーディオでは限界はなるべく高く、到達する迄は性質変化の少ないのが望ましい。
が楽器では性質変化の特性が急激なのが駄目で、寧ろ緩やかなら常に変化がある位の方が向いているのだ。

それが強くとか速く弾いたのとそうじゃないのの違いをより鮮明化してくれ、弾き方に依る音色の違いをちゃんと出してくれるからなのよね。
しかしLine録りだと今は普通はトランスもスピーカも入らないんだから、弾き方の違いから来る表情の差を出すのがかなり難しくなっている。

これ等に対し現代一般的にはすぐコンプと連呼されるだろうが、何に依って何処で変化を得るかの差ってのは縮小は可能でも無くすのは無理だ。
それよかそもそも「原典システム」で拾ったのにコンプされちゃってるのに対抗して、「2度掛け」したって太刀打ち出来ないと思うんだけどなぁ。

<つづく>

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