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2021年3月14日 (日)

音楽備忘録577 魔改造悲喜こもごもⅢ-⑮

何とかトラブルの峠は越せた感じだが、本当の闘いは実はここからなのだ。
この程度の代物じゃ所詮本物のAmp収録に適いっこ無いのは分かっちゃいるが、Bassの場合はMic収音の条件がとても厳しいんでね。

「エレキBassのAmp録音は結構大変」については後で別項を設け改めて記すとして、次善策であっても確実性の高いのがLine録りだ。
一部には「それ用」のPreamp等も売られてはいるが、「Ampの代わり」を具体的に意識された物は少ない。

これには突詰めてくと技術・価格面でリアルとの差が縮まり過ぎるのもあるからだが、その結果表現面でのリアルさはかなり犠牲にされてると感じられる。
ではPreのみとフルリアルで何処が違っちまって困るかったら、パワー段の反応もあるが何たってスピーカの存在の有無だ。

楽器用スピーカのそれも原典的なヤツって「癖の塊り」みたいな処があり、その為に各種シミュレータが乱立している位だ。
尤も物理的反応に関しては電子回路のみではどうにもならんので、再生周波数特性へ特化させるのが常套手段で今俺が手掛けてるのだってそうだ。

その中で他所様と多分俺が違うのは、かつて強制弟子入りさせられた師匠が「スピーカ屋のオヤジ」だったからかも知れない。
「聴いた感じがワイドレンジ」でも実測してみると意外とナローだったり、その逆なんてのがスピーカでは日常茶飯事なのだ。

エレキBass用の場合オーディオ用比較だと、高域が途中から急激に出なくなってるのが主流派だ。
その具体値はBass用では大凡最低で1kHz、最高で5kHz程度が急減衰の境界となっている。

処で1kHzったら普通は中域でしか無いが音域の低いBassにとっては、楽器音的には高域側へ編入しといた方が音創り的に考えを纏め易い。
この思想には実際やってみて聴いた印象からが大きいんだが、電気的にスピーカと同等の急減衰回路をこしらえると何故かリアルより「籠って聴こえた」のに因んでいる。

その原因を分析してくと高域を高域だけでそう聴こえてたと思ってたのが敗因で、実際にはその「直下の周波数帯域の状況」に大きく印象操作をされてたからだ。
つまり境界域から上はバッサリ切り落とされちゃいるが、境界付近やそのすぐ下の帯域はかなり強調されていたのだ。

ここでそれが難しくて特異なのは実際突出してるのは中域なのに、聴こえた印象は高域となる様なのじゃないといけない処だ。
その結果巷に流通してる殆どのはAmpっぽいけど籠り気味のか、籠り感無くクリアな代わりリアルAmpじゃ無いのがバレバレのの2つに別れている。

現代環境からするとLine録りBassも多数出回ってて、リアルAmpのみの印象に疎くならざるを得ないのもそれを助長してる原因かも知れない。
この部分で俺はたまたま今となってはリアルAmp体験量が、他の追随を許さないかも知れないのを活用出来たらと目論んだのだ。

これの研究過程で更なる発見もあって、それは低域と中高域の音量バランスだった。
随時概述の如く音波は低域程大振幅となるから、低域バランスが一定値を越すと高域はマスクキングされてしまうのだ。

単純に不要部だけ忠実に削ったら籠り気味となるのは恐らくこのせいで、しかし球ので純粋に低域をブーストさせる回路方式のが巷で僅少だったのも敗因ではと思っている。
そこで過去希少例を参考に設計し、これは漸く狙った特性が得られる様になった。

増幅素子等の事情で純粋にブーストさせてたのは昔のFender Studiobass(200W)位で、他のはどれも中高域を減衰させて代用してたのばかりだ。
それでは非効率だしどう考えてもノイズ面で不利なんで、多分実使用体験者が減ってから俺も含めて皆忌避してたんだろう。

だが実際試してみるとそんなの全然気にならなくて、机上の杞憂だったのがハッキリ分かったでがんす。
近年本家(Ampeg)にも気付いた者が居たらしく、しかし半導体でそれをやっても原形のの深みが出せないのが惜しい。

<つづく>

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