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2021年3月25日 (木)

音楽備忘録588 録り方の問題 エレキBass編①

現在悪戦苦闘中の球ポプリのキッカケだったんで、今回からBass録音の色々についてもちゃんと書いてみよう。
この手のは他所様にも沢山公表されてるが、実体験からの実用度等は掘れるだけ掘るのがここの特徴。

さて本件に関しては敢えて本邦中心で述べてくが、その最大理由は海外との環境差だ。
幾ら方法として知ってても使える機会の少ないのは、「創るのがメイン」の人には非実用的だからだ。

当然中には時間や手間を厭わず凝る方も居られるが、デフォルトになるのは作品数の多い方になりがちだからね。
それからすると最早Bassパートなんて、Line録りでも実演したのだったら御の字なのが当世なんじゃないかな。

ソロパートが常に出て来る類のと比べると、どうしたって裏方物は普通は個性を出し難い。
トランプの普通の数字カードみたいなもんで、それがJokerになってはゲームが成立しなくなっちゃうもんね。

中にはどっかのクソオヤジみたいに強烈なのも居たりはするが、主役の個性が弱いとそんな劇薬は使い辛い。
んでそうなると録音環境や機材的にも優先順位は下げられ気味で、かなり妥協してもエレキBassなら一応「その音」にはなってくれる。

これが例えばDrum Setとかだと今の普通の音にするだけで大事で、一部Lo-Fiが許されるの以外でそれをしたら周りと合わなくなっちまう。
こうして全体事情からしたら仕方無い面が多いんで、一面で「孤独な闘い」をして行くしか無い。

続いてリアルAmp収録での条件を提示するが、聴くだけと録るではかなり厳しさに差があるもんなのだ。
その内特になるべくOn Micにしたい時が最難関で、近年売られてるAmpにLive・録音(Mic収音)両対応
のは殆ど見当たらないのだ。

①密閉型エンクロージャ
②スピーカはフルレンジで帯域分割無し
③完全真空管式

唐突に主条件提示したがこれにはMicの本数・位置や歪んだ場合の都合が含まれてて、歪みについては球の方がその成分の分離や悪目立ちをし難いからだ。
非密閉型や帯域分割型だと音域に依って「出る場所が違う」んで、Mic1本で全てを拾うには最低でも遠目にせねばならない。

で距離を必要とするとなると部屋の広さが要るし、それでいて残響がかなり少なく無いと定在波の悪影響を受け易くなって難儀させられる。
因みに定在波とは特定の音程だけが他より良く響いちゃって、ある音だけ音量が大きくなったり余韻が長くなるなんて状態を引き起こす。

帯域分割型よりゃ後面開放型の方が1本収録の可能性の芽はあるが、最適な状態とするにはそのAmpに適した「程々の残響」具合が必要とされる。
ホントなら幾ら大変だって上記のがエレキBassの音の真の姿だからそうするべきだが、スペースの他に機材が超低域対応なだけにコストも大変だ。

現にかなりな「リアル主義」の俺でさえ条件を未だ満たせず、結果現実的にはリアルだけを追い求めるよりLine録りの質を上げるのが効果的となっている。
にも拘らずLine録りの方でも過去より劣化させる原因があって、それはDirect Boxに使えるトランスが僅少となったりした処だ。

録り場所の狭さの他にこれもあるから国内限定としたんだが、そもそも本邦じゃトランス全盛期ですら本国より流通量等「絶対値」が圧倒的に少なかったからねぇ。
昔はだった「新しい録り方」に対しても本国より消極的だったし…等諸々で、特に過去物頼みとなると圧倒的に弱いんで御座んす。

なのに場所や使われ方はかなり違うが、エレキBassの原典サウンドは必ず「トランスを通した音」だ。
音響物理的にはどっちかったら問題児のトランスだが、俺言い「電気楽器理論」としては不要時が稀な存在。

闇雲に「元がそうだったから」と迄は言わないが、「その様な反応」って要素は重要だ。
生楽器では重力や空気が理想の動作の邪魔をするが、それで空気を無くせば今度は音が聴こえなくなる。

依って「邪魔が入る」のを前提に生楽器は設計・製造されてるが、それがエレキ系では主に電子回路部分が相当する。
中にはLine録りにかなり特化したBassもある様だが、試奏時にAmpを使わない人はかなり少ないでしょ。

だいいちLine録りの頻度が日常的なのったら、プロの超売れっ子位しか居ないじゃん。
となりゃ少なくとも俺が買える程度の範囲に、そんな数の出ないのなんて作って売れったら拷問になっちゃう。

そう来てトランスすら僅少・超高価と来りゃ、残る頼みの綱はもう真空管位しか無いから絶対的な程拘っちまうのだ。
Guitarみたいに歪ませないんだからどうって事無いって!?、いやいや却って聴感上は露骨に歪ませない方が本当は大差があるんですよ。

<つづく>

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