音楽備忘録561 パートのリズム調節㉜
今回は癖のある若しくは癖の強いリズムの功罪を考察してくが、合せる楽さからしたら癖は無いに越した事ぁ無い。
けれど単調な曲中で今どの辺かなんてのは、案外癖のある方が分かり易かったりもしたな。
さてではこのお題の基準を先ず明確に定義しときたいんだが、一応人間が奏でる方を主体としとくよ。
安定度抜群に聴こえる機械の醸し出すのだって、厳密には癖皆無なのは殆ど無いんだ。
これに気付くには分析もせず「機械は癖無し」って既成概念に捉われちゃ不味く、良く云や自然と機械を差別しないって事。
只機械のはズレ巾が小さいから多くの場合、一々意識しなくても合わせられちゃうのは確かだけどさ。
でこのリズムの癖って民謡とか土着系では今も保ってるのが多いが、ポピュラー≒分かり易さとするとこの要素の比重はかなり重いのだ。
音階やリズムパターン自体が複雑だと理解に時間が掛り、さりとてお馴染みのを人並みに奏でるだけじゃあ個性が発揮し辛い。
とは言え癖はある程それと波長が合う人が減るだろうから、私的には特にDrumで少し前迄自分のそれを気にしてた処もあった。
特に打込み物も日常茶飯事となって来ると、癖が強いと何か古めかしくて恰好悪そうに思われるんじゃないかってね。
そのせめぎ合いから色々考えて見ると、恰好悪いのは癖に問題のある場合なんじゃないかと気付き出した。
Drum観点でフレーズ毎のベストタイミングを探って行けば、物にも依るが大凡で7割方は達人が演ったのの方が機械のよりバッチリ嵌って決まっている。
勿論機械だって最適化の微調整を施してきゃかなり良い線には近付けるが、1つも洩らさずそれを凡人がするのは至難の業だ。
俺は昔から機械とか打込んだりする際に、聴いてあんまりおかしかったら微調整は何時もしている口だ。
理屈ではそのままで良い筈ったって、特定の雰囲気や味も求めてのフレージングだかんね。
例えば「ここでタラコトンって入れりゃGoddっぽくなりそう」とか思ってたりもするから、「そう云う感じ」にならなかったらじゃあフレーズ変えてみますかと。
もし単に隙間が埋まりゃ良いんならテキトーに探すかもしんないが、それでは先ず当初抱いたイメージは再現出来ない。
ってんで分かる範囲は手を加えられたけど、微調整のベストタイミングが見付けられない事もあったし出て来ちゃった。
えでどうしてそうなるって考えたら先ずはバカだからなのは確かだが、どうやら「知らない」とか充分に理解し切れて無かったのが原因みたいなのよ。
例えばタッラコトンとかタラコットンとか色々やってみんだけど、どれ位のがベストか今一判定出来んかったんだ。
そんな時思い出したのが’70年代後半当時、打込み太鼓の最名手だったのはJeff Porcaroって話しをさ。
良く良く考えてみりゃ良く知ってる奴程、それへ機械操作さえマスターすりゃ最強になって当り前だわね。
それからすると癖無し若しくは僅少の方が事故率は低いが、その代り成功率は低くなっちゃうんだね。
してこの現象!?自体を分析してくと、多分「音色とセット」でフレージングされてたからなんじゃないかな。
達人Drummerの場合もし太鼓の音色が少し違ってたら、「聴き味が同じ」になるように無意識で微調整してそう。
これって例えば実際のピッチより低くしてる印象があるDrummerが居たりすんのと同じで、僅かなタイミング差で音程の印象は結構左右されるもんね。
これが日本的思考だと先ず兎に角大失敗を無くしてってのが人情だけど、それって一歩間違えたら傲慢にもなり兼ねんのよ。
失敗レスだけで通用するのって必ず「聴いては貰える」前提に立った考え方で、面白い処が1つも無かったら誰がわざわざ聞き耳立ててくれんのさってよ。
勿論Ⅱで幾ら面白くったって間違いだらけじゃ草臥れてとっとと離脱されちゃうだろうが、第一歩としては完全に聞き流されるよりゃそれでもまだマシだっしょ。
それには幾ら失敗を減らすにしても、成功を犠牲にしちゃホントは意味が無いんだよね。
先ずたった1ケ所だけでも良いから見せ場を用意して、失敗を心配するのは飽く迄その後じゃないとね。
分野次第で優先順位や比率にそれなりに変動はあるだろうが、これって何でも本当は一緒だと思うんだ。
この先は次回別項を設けて深堀りすっけど、特に社会的必需度が低い世界では大切なのでは。
<つづく>
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