音楽備忘録549 パートのリズム調節㉖
では予告通りアンサンブルでの「うわもの」と「したもの」のタイミング案件だが、ジャンル次第で序列変動はあるにせよその基本は「自然現象」だ。
ここでの自然現象とは誰でもその内トイレに行きたくなるなんて類のじゃ無く、空気の性質ですぜ。
別項で以前述だが音波の波長は音程次第で相違するから、全く同時に鳴らし始めても聴こえるタイミングにズレが生じる。
それは「最初の山の天辺」が来るのに、大波(波長が長い)な程大抵は余計に時間を要すからだ。
ブランコで同速で動いてたら、遠くまで行って帰って来る方が近くより時間が掛るアレと同じ。
そやかて弾き始めタイミングをレイテンシー分早めりゃ天辺は合せられるやんけなアナタ、一寸お待ちなはれ。
もし無倍音で演ってんなら別だけど、アタック部の倍音(つまり基音より高周波数)は触った途端に出ちゃいまっせ。
こんなの厄介っちゃそうなんだけど音程の高い楽器と違って、アタック部より音程部が後から聴こえて来るのは殆ど弄り様が無いねん。
例に依ってもっと追及しとくとPianoとかで低音側程ハンマが重く大きくなる分は早めるにしても、それ以上やったらアタック音が揃わなくなって無駄にごっちゃりしちまうぞい。
ジャストタイミングで鳴らしたつもりが、一般聴者には単に手の左右がズレてる人なんて思われるだけ。
けれどコレって自然現象で楽器以外の例えば雷とか、どれだって何時もそう云う風にしか耳に届いて無いんだから「基音遅延」はそんなに気にせんでも平気なんよ。
気にするのはアタック音のタイミングの方で、それでいて過度の期待も掛けられないのがチト寂しい処だ。
ってのも低音程で高周波倍音の多いのになる程、アタック倍音と基音の分離が良くなるからだ。
それでも単体でだったら別なんだけど他のと一緒に鳴らすと、どのアタック音がどの楽器の出したのか分り難くなってまう。
処がどっこいだからって軽視するとロクなもんじゃ無く、アタックがヘタにバラけるとBeatが弱まってしまうのだ。
地味でもちゃんとしなきゃ駄目ってな厳しいが、アンサンブル全体への影響力は絶大なんですわ。
楽器奏者は自身の出音確認の為にも、どうしたって「誰の音」ってな聴き方ばっかしちまいがちね。
でも一般聴者にとっちゃそんなの知らんわいで、全体としてどうなってるかが最優先なのよ。
これで私的に最高貢献度なのはピック弾きエレキBassのアタック音で、全体として聴いてると何のだか良く分らんが何か時々コンとかケンとか鳴ってるのが入ってるねな感じのヤツ。
音程には無論の事普通のパーカッションみたいな効果すら無いんだけど、あると無しで全体のムードにはかなり違いが出るんざんす。
音色次第じゃDrumでも同じ効果が出てるのがあって一面でその為に音色事由で、今更のLudwig L-1286ビータを使ってる人もそこそこ居るんや。
理論的明瞭度では近年の新しいのの方が優れてるが、それ等は周囲の音次第で目立ち度が結構変わっちまう。
タイミング関連の音色は次送りとして、リズム隊の基音はかように元々他より後でが普通。
なので浮足立つより重たい方がマシで、その方が馴染め易いんだと思う。
決してそうじゃ無いのがあっていけなくはないが、少なくとも確固たる必然性が無いなら慌てる乞食は貰いが少ないだ。
それよか長さのある基音じゃ無く瞬間しか無いアタックを合せる方が大変で、しかしだからこそそっちへ重きを置いといた方がスキルも上がり易い。
けれど絶対に慌てないのに遅れないとか勢いがあるってなもっと大変で、でもそれが出来てこそホントにBand全体をドライブさせられるんだよね。
少しでもそんな理想に近付くには、一般論での演奏技術より基本への強い拘りが必要だ。
これを奏者限定で応援演説するならば、上手く行けば技なんか一切使わなくても絶大な効果を発揮出来ると吠えとこう。
技ってのも時に不便なもんで、楽曲や編曲が許してない処でうっかり繰り出せば唯の目立ちたがり屋になるでしょ。
で折角目立てはしたとしても曲とリンクしてねえから、その場限りの印象で終っちまう。
しかも聴く回数が増す毎に効果は失せてって、その内忘れられちまうんじゃないのかな。
<つづく>
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