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2021年2月 9日 (火)

音楽備忘録544 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊻

今日は箸休め的番外編として、大昔の子供用ブレッドボード的存在に言及しとこう。
社会的には知育玩具に分類される物で大御所としては2つあり、「マイキット」と「電子ブロック」なんてのがあった。

ホントなら現代にこそこんなのがもっとあるべきだが、少子化や子供騙しっぽさが嫌われて商業ベースに乗らなくなったんだろうか。
俺の子供時代はずっと昭和だった世代で、小学生当時に電気に興味がある男児の間ではこの2つは結構知名度があった。

リアル入門としてはこんなのの存在は大きいと考えられ、電子立国の自負があり乍ら今類似のが見当たらないのは教育の貧困の象徴だ。
これが無かったからって俺が電子回路に触れなくなってたとは思えないが、自分でやってみる時期が早まったのは間違い無いと感じている。

私的に一等貢献したのは所謂回路図に慣れ親しんだ処で、書物だけから学ぼうとしたら頭脳派じゃ無いタイプの人(俺)にはもっと遠い道のりになっていただろう。
この辺でこれ等の概要へ進めてくが、どっちも取敢えずはハンダ付けを省けるのが最大の特徴だ。

拘らなけりゃハンダ付けってそんなに難しくは無いけれど、火傷リスクの完全回避は不可能だ。
俺の場合はハンダ付けに携わり始める時期が家庭の事情で例外的で、幼稚園に通い出すのとどっこいどっこいだったけどさ。

普通は幼い子供には少し危ないから、それが不要で試せる意義は今だって変わっちゃいない。
この辺でもう少し中身へ迫って行くが、電子ブロックの方は名称から想像し易いかも知れない。

今よりオモチャとしての「ブロック」は当時ブームの真っ盛りで、日本でポピュラーだったのは「LEGO」と「ダイヤブロック」の2大派閥があった。
電子ブロックの実際の組立て方はそれらとは結構違うんだが、感覚的に近かったのは確かだ。

これは当時の親友が持ってたが、俺の方は試せる回路数がより多かったマイキット派だった。
名前は「キット」でも実情はこっちの方がバラック的で見栄えが悪く、手間的にも少し面倒な代り自由度は数段高かった。

ブロックの方ではブロックをフレームに押込むだけで配線不要なのが売りで、キットの方はバネの間に先がハンダ処理されたビニール電線を挟んで結線するシステムになっている。
因みにハンダ処理がされてたのはそれが無いよりゃ長持ちするからで、でもブロックのみたいに半永久的なのとは大違い。

但し基本的には「唯電気が通せれば良い」存在だから、後から幾らでも追加や補填が出来た。
ブロックの方はそれ自体完成品なんで、万一壊した際はそれっきりになり易い。

本家が売れなくなったら困るからそうしといたかどうかは知らんが、扱い易さや格好良さからブロックの方が未来感はあった。
それとブロックの表面に回路図が描かれてたのは、それで回路図の理解を早めてた可能性が高い。

但しⅡで実際に中に入ってる部品はその外観が必ずしも画と似て無いのもあるんで、応用力の獲得は遅れさせてた可能性が考えられる。
何れも一長一短がありつつも教材として充分合格レベルだったが、価格に関しては数量の都合があるにしても一寸努力不足なのが否めなかった。

後に出た復刻版の法外な!?高値設定よりゃマシだったけど、こう云うのにこそ国費を注込んででも興味のある子は必ず入手出来る様にすべきだったよ。
大学だけ除いて工業国の癖に、工業○校=ヤンキー校の図式になっちゃったのへ影響してる気がしてならないぞ。

それじゃ無くても実務スキルが年々低下してるのって、やっぱり体験量やその種類が減ってっちゃってるからじゃないかな。
キッザニアみたいな体験型テーマパークの登場は羨ましい限りだったけど、あんなに高料金じゃ興味の度合いより家柄で参加が決まってまう。

そうして本来は潜在能力に優れたダイヤの原石ちゃん達を、わざわざ振るい落しちゃってんだから馬鹿だよなぁ。
貧民の子息の方が同じ給料額だって有難がってくれそうだから、初期投資をケチらん方が企業的にも美味しいと思うんだがね。

<つづく>

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