音楽備忘録551 パートのリズム調節㉗
では流れで前回チラ見せになったDrum・Bassの、音色とタイミングの関係性についてひとくさりさせて頂こう。
現代とか近代感に優れるのは、昔より細やかで素早いヤツだろうけどね。
その原因はとても単純で、昔は例え折角そう云う風に演奏出来てもそうは録れなかったから。
オヤジやオフクロの時代のみたいに眠たい呑気なのと違って、今の若者の俺やアタイのはもっとキレキレにするんだいって…。
その心意気はそれ位じゃ無いと未来が暗くて困るけど、人の耳はそんなに「新型」になんてなって無いんだよね。
全く無進化では無いとしてもそれが車だったら、ガソリンからディーゼルエンジンになって電気モータになったみたいな変化は全くしていない。
万一同じの聴いて比べてかなり違ったとしたら、年寄り側は加齢劣化・若者側は育成失敗か難聴の疑いが濃厚だ。
そりゃ同じに聴こえたからって人次第で持つ印象に差はあるだろうけど、短いのが長いとか高いのが低く聴こえるなんてな流石に無いですぜ。(※一般論での印象変化は覗く…じゃ無かった除く)
んでその昔の録音再生レベルは、人耳より全然遅かったからひたすら早めてりゃそれで良かった。
のがデジタル化して以降は言うなれば、ホントはもっと「スピード違反にご用心」に変化してるんですよ。
要するに楽器と録音機は間に合っても、人耳が追付けなくなってるんだす。
んでⅡでその高速限界は個人差も勿論あるが、何と言っても聴取環境の影響が大きいの。
その証拠ってのも何だが、今時CDよりLiveの方がHi-Fiに感じられるのって殆ど無くなってると思うんだよね。
聴き出したのが近年の人には何言ってんのオッサンかもだが、大昔はどんなにPAがボロかっても大抵はレコードより生の方が全体としては必ず良かったんだ。
んでⅢでそうなる原因は今のCDのが、言うなれば「聴取環境限定版」みたいになって来てるからなんだ。
全部が全部じゃ無いし近年本邦クソJ-POPのは、酷いのになると昔のAMラヂヲのよりダメダメなのも少なく無いけどさ。
どっちも分かり易さでは大したもんだけど、一々聴き手の自由に干渉するってのはプロの仕事としちゃ認めちゃいけないと思うんだ。
個人的にそれを最も実感させられたのがBeatlesの音で、どの時代に何でどんな風にして聴いても基本線が微動だにしない処。
それを客観分析すると当時としては最速で、今ではちっとも速く無い部類の方に属してるけどさ。
本件関連ではリズム隊のアタック音の状態が、時代に無関係に当初から最適値になってたのが勝因みたいなんだ。
後の回でDrumとBass夫々の視点からのを記してくが、オーディーオレベルが変わって影響を受け易いのは生楽器だ。
それを後追いでも確認し易いのが録音媒体がアナログかデジタルかとか、ダイレクトカッティングか音響操作の多いテープのか等だ。
昔は生楽器の出してる音をちゃんとは拾え切れて無かったんだから当然も、技術的に足りてからのの方が案外ヤバイのが多くなった。
確かにキレイで細密なのは結構なんだが、生耳のそれとはどんどん異質な方向へ行っちゃってるぞい。
それへ意外性とか遊びの自覚があったならまだ良いが、良けりゃ実際を上回っててセーフなんて勘違いするとロクな事ぁねえ。
現実より非力に聴こえたり存在感が希薄化する等、副作用の方にも気を付けなくっちゃ。
又拾い方の失敗をコンプで補うのが変に正当化しちゃってるが、先祖が生まれて無きゃ今のアンタは存在しないってのと序列は同じなんですよ。
要するにより影響力のある方をほったらかしにしすると、後からじゃ全部は庇い切れて無い訳ね。
音は見えないから分り難くて面倒だけど、生楽器だったらコンプやEQよりMicの位置が先ずは大問題なの。
これが録音レベルが上がる程シビアになってっから、俺たいなベテランでもえらい苦労させられてっけどさ。
例に依って私的だけど最近それで苦労させられたのを、次回例示しますわ。
まあ兎に角生耳と同程度に柔らかく聴こえさせるってのが、今の機材とか状況だと酷く大変になっちゃいましたよエエ。
<つづく>
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