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2021年2月21日 (日)

音楽備忘録556 魔改造悲喜こもごもⅢ-➄

毎度の如く逆順ぽくて済まないが、前回のに関する楽器音の歪み詳細を一寸記しとこう。
今のテーマでの歪みって所謂Distortionとかじゃ無く、電気物理的には歪み出してても耳には一応生音サイドとして聴こえるのの事ですからね。

楽器は生・電気・電子等を問わず、弾く強さで音量の他にも音色が変化するのが普通だわね。
ってか多彩な表現力の為に、寧ろなるべく変化が出る様に作られてるのすらある。

ので取敢えずは生楽器で説明してくけど、これの音色には若干のOverdriveはあってもDistortionは無い。
のでⅡでそれ故ニュアンスは巾広くとも、DistortionやFuzzみたいな露骨な音色変化は無い。

けどだから歪んで無いと思ったら大間違いで、耳にセーフでも測定分析したりすると物理的には結構見事に逝っちゃってたりするですねん。
ある意味ここが楽器とオーディオの基準の最大相違点で、その手の歪みは表現力の為には必須な事も多いんだス。

楽器毎にアタック音とその後の音の長さ・音量等のバランスは様々だが、その内の大きい方は音量増加が頭打ちになって歪み始めると鈍り出す。
それに対し今迄小さかった側はまだマージンがあって直には歪まないから、結果的にトーンバランスが変化する事となる。

又アタック音が短い物の場合だと音量変化面でそこが歪み始めると、コンプを掛けたのに似た状態に近付く。
すると耳にはアタック音の鳴ってる時間が伸びた様に聴こえるから、従前より目立つし認知し易くなって来る。

コンプでも高等技として特定周波数帯域だけ敏感化させたりするのがあるが、なるべくアタックにだけとか基音にだけ反応させてニュアンス変化を強調しようなんて際に使われる。(逆の場合もアリ)
尤もそれが例えばピック弾きのエレキBassだったとして、ピックの当てる位置や角度を変える様な分迄は非対応だ。

ほんでそんな違いをなるべく漏れ無く出せる様にしようとすると、電気物理物理的な多少の歪みは容認しないと達成困難なんすよ。
んでこれってEQの場合でも「例外無し」で、特に「元からそう云う音色」だった様に聴かせたかったら必須なんでごわす。

例えばとってもトレブリーなエレキGuitarだったら先に歪み始めるのは高域からになるし、凄く低音の強いエレキBassだったら低域からになる筈でしょ。
そんな音色設定をしてるのに違う処から歪み始めたりすると、わざとじゃ無い限り「何か少し変な感じ」がして当然。

更にこの現象を逆視点から眺めると、真っ先に歪んだ位だから「そこが強調されてたのね」なんてのにも繋がってるよ。
随時吠えの如く「音楽は比較芸術」なんで、電気物理的絶対値より「変化の仕方」が表現上は命なんですぜ。

そこであるルールみたいなのが見えて来るんだけど、後掛けEQはやっぱ飽く迄補填に留めないと危険ってのが出て来んだわさ。
掛けても平和なのは例えばアンサンブルの周りの音色との兼合いで、単体で聴いたのと違っちゃったり聴き取れ無くなった部分を復活させるとか。

それ以上或はそれ以外の部分を後から弄ると、奏者の意図や加減したのとは別物が出来上がっちゃうのよ。
せやさかい批難・炎上どんと来いで正直に吐露しちゃうと、「正しいEQの訓練」をするには「ちゃんとしたソース」でやらんとアカンぜよ。

この「ちゃんと」ってのはテクレベルとかじゃ無く、思った表現を一定以上出せてるとかそう云うのね。
尚且つその「思った」が楽曲に対して的確なのが必須で、この辺の事情から音響技術からだけで習得するのを困難化させてんねん。

Classicで生楽器の人だと音色の拘りを具体化するのは中々大変だが、電気・電子楽器だったら奏者本人の心掛け次第じゃかなり誰にでもある程度迄コントロール可能。
その代り全く何も考えないでツマミなんて分からんって手抜きすると、運が悪いと素晴らしく酷い音色になったりもしちゃうけん。

<つづく>

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