« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月28日 (日)

音楽備忘録563 失敗って①

俺みたいなのが扱うのは少々役不足かもだが、音楽の世界ではより失敗に対する考え方の影響が大きいと感じたんで。
昨今は「○○警察」なんてのがお流行りだが、その呼称は内容からしたら偽りアリだ。

ジャンル的にも個人的にも警察とはどっちかったら敵対勢力の俺だが、それですら「○○警察」なんて表現には辟易させられる。
関係者には申し訳無いが現実の警察にも問題は多いし、それが職務とは言え法律に間違いがあってもそのまま履行するのなんかは本来の趣旨からは逸脱している。

そんな警察の負のイメージだけからだと「○○警察」と呼びたくなるのも分からなく無いが、幾ら我儘が押し通る政治家や警官だって決して「本来は」無制限では無い。
これ正義感の押付けもだがそれ以上に、現況で蔓延ってるのの殆どは結局単なる上げ足取りなだけだからねぇ。

さて嫌いは嫌いだがここではそれを単に弾劾しようってんでも無きゃ、嘆いて賛同を得ようとも思って無い。
それよりどうしてそんなのが巾を利かす様になったのかで、結局は失敗を嫌がり過ぎる処が発端なのではと思ったのだ。

実際に失敗すると予定が狂ったり、分野次第じゃ命にも係わっては来る。
だからなるべく減らそうってのは当然なんだけど、何時から頑張れば根絶できるなんて勘違いされる様になったんだろう。

そうして事故る可能性が無くなったなら車にベルトやエアバックは要らないし、保険なんて全くの無駄出費だ。
煽り運転が社会問題化したのだって、一面では普通に真面目に運転してりゃ事故なんか起きないって思い込みに対するアンチテーゼの側面だってあるのではないか?。

ここで私的に甚だ疑問に感じるのが上記両者を、一般世間的には別扱いされてる処。
全く正義感が無かったら煽るって行為になんかならなく、いきなりぶつけた方がよっぽど簡単でんがな。

強いて仕分けするなら○○警察は口だけなのが煽りとは違ってるが、言葉だって度が過ぎりゃ立派な暴力だ。
して結局の処は一般庶民が巻き込まれたのは世相、それも失政が原因の根本にあるんだろうけどね。

それでも間違ってても現況の会社や学校のシステムでは、失敗した時のリスクを肥大化させ過ぎだがや。
んがだからってそれを音楽の世界へそのまま持ち込むのは無理があり過ぎで、特に生身で奏でるのに対してそんな真似をするのは百害あって一利なしなのだ。

そんなにミスが嫌なら、今となってはもう打込んじゃえるんだからさ。
それ以前から疑問を感じてた何でも必ずClick常用も同じで、一見その方が楽そうなのへの依存心が皆強過ぎんじゃねーのかよっと。

今呼称Click君、その昔にだって「ドンカマ」なんて名前で既に存在も使用実績もありましたよ。
尤もこれはリズムマシンとかリズムボックスとしての用途を念頭にしての物で、マルチ録音時のメトロノームの代用にされたのはそこそこ後になってからだ。

それも主に非リズム楽器を先に録らなきゃなんない時限定とかで始まって、末期にだって曲終端まで鳴らしっ放しなんてのは稀だった。
ポピュラー系の録音StudioにはPiano教室みたいに必ずしもメトロノームは常備されては居らず、♪=125って実際どれ位だったっけなんてなった時にやはり代用してたってのが主だった。

今だとよっぽど風変りなハコじゃ無い限りPCが必ず置かれてるし、スマホを持ってる方が当り前だからテンポ確認器具が無いなんて想像し難いだろうけど。
だから駆けっこで言ったら位置について・ヨーイ・ドンをしてただけで、マラソンのペースメーカみたいな使い方してた訳じゃ無いのよ。

そりゃ切り貼り編集するんなら全部同じテンポになってる方が良いけど、それならサンプリングやループで構築してくのと実質的に同じだよね。
その際問題にすべきなのは、せめて奏者自身でやんなきゃ駄目って処ですぜ。

そうじゃ無いならソースは達人のの方が良いに決まってんのに、何でヘボい演奏自体ををロクに改善しないで他所の誰かが無理に整えなきゃなんないのかワシャさっぱり分からん。
もしヨレが嫌なら仮に結構叩けたりしたとしても、もう打込みにしましょうや。

<つづく>

2021年2月27日 (土)

音楽備忘録562 魔改造悲喜こもごもⅢ-⑧

先ずは不運なHDD故障が発端の、災い転じて福と為す作戦!?の続報から行こう。
これ関連でまだ試運転には全然至って無いが、後半に球ポプリの新構想!?もプチ披露しちゃおうかな。

さてHDDの方は最低限のData引っ越しと、PC本体への換装が何とか終了した処だ。
これで少し勉強になったのがローコスト大容量HDDの実態で、一度に大量の書込みをするとかなり時間が掛るのを知った。

量が膨大なら時間もってな当然だがその事じゃ無く、従前の2~4Tのと一寸違う挙動が見られた件についてだ。
どうも基本設計は従前のと大差無いせいか、コピーや移動の途中で「息継ぎ」みたいなのを要求されるのだ。

たった1年で壊れたばっかりだし、それの初期段階と凄く似てるもんだから当初はかなりひやひやさせられた。
いい加減で勘弁しとくれと半分祈る様な気持ちで様子を伺って、最終的に無事完了して漸く少しは信用出来た様な感じだった。

要するに「壊れて無くてもそんなもん」ってのを学ばされた訳だが、今迄未経験の現象だったからタイムスケジュールは想定から大巾に狂ってしまった。
もっとつぶさに監視して転送Dataでも記録すりゃどうか分からんが、今迄のと違ってペースが不安定なのだ。

PC・OSが提示する残り時間の表示は純粋なリアルタイムでは無く、その時点だけのに基づいたのが一定時間そのまま表示されている。
なのでペースが一定ならかなり信頼性もあるが、見る度に極端に違ったんじゃ皆目見当が付けられない。

最初から極力就寝中や非利用時間帯で済ませられる様に算段したんだけど、ちっとも思い通りに行かねえでやんの。
そんなこんなで容量増加のご利益を発揮させる作業の手前で中断しちゃってて、取敢えずトラブルからのみ漸く開放された様な現況だ。

その関係は例えば回路シミュレータ等他のソフトの動作にも影響があり(ホントは非推奨な使い方だが😓)、HDD間の転送だけとは云えやはりそれなりに速度低下や反応が鈍くなったりがあった。
こうなると変なエラーになっても嫌と思うと、他の全ての作業にも波及するのである。

そこでそんな状況下でもそれなりに進められる作業として、球ポプリの方は回路構成の模索とその学習の時間となった。
個人的な要望としてはローエンドの充実がテーマになってるが、やはり手持ちジャンク部品の事情等で所謂アクティブ回路を組むのは無理そうなのが分かった。

ここでのアクティブとは欲しい周波数帯域だけを純粋に増幅させるのの事で、増幅素子の如何に関らずその手のを組むには帰還形の回路にしなけりゃならない。
この場合の帰還回路は性能向上や欠点緩和では無く、音声信号を増減の両方が任意にさせられる様にする為に用いられる。

具体的には減らしたい時ゃ負帰還を、増やしたい時ゃ正帰還を掛ける様にする訳だ。
本来だとこれが狙った特性を得るには最善の方法なんだが、シミュレーテッドインダクタって擬似Coilを使わない限り結局部品が無い。

実際に今世間で流通してるEQの殆どにこれが使われてるが、それを球で組むとなると本数が足りない。
そこで一寸邪道な次善策ではあるが過去例から見つけたのが、一旦盛大に増幅しといてそこから不要部をカットするってヤツだった。(不要部の方がだいぶ多いんだが😅Ⅱ)

実際の効果の程が不明瞭なのが難点だが、かつてそれが搭載されて人気を獲得してたブランドもあったのだ。
それはAmpegの業務用タイプのBass Ampで、グレード次第で回路方式は大体3種類位ある様だ。

一時期よりはSVTの再ブーム以降それなりに居場所が最低限確保出来たみたいだが、かつてあれだけ名声を博したのがすっ飛んだのは効率の悪さのせいだろう。
この効率には理論の他コストやサイズも大いに含まれてて、商業的には他の「最低限で上手い事やった」!?のと比べるとかなりな差がある。

それこそ昔の大排気量のアメ車みたいなもんで、しかし快適さ等では今だってリムジンにだけはそんな構成が残っている。
残念乍ら俺は今迄の処Ampegとは縁が薄いらしく、実体験を持てていない。

が過去の名作の多くでは想像以上にAmpegは頻用されてて、「音色の高級感」みたいなのでは他の追随を全く許してない感じだった。
それからすれば以前吠えだがもしかしたら楽器音響理論としては、他よりAmpegのがより正しかった様な気もしてならないのだ。

<つづく>

2021年2月26日 (金)

音楽備忘録561 パートのリズム調節㉜

今回は癖のある若しくは癖の強いリズムの功罪を考察してくが、合せる楽さからしたら癖は無いに越した事ぁ無い。
けれど単調な曲中で今どの辺かなんてのは、案外癖のある方が分かり易かったりもしたな。

さてではこのお題の基準を先ず明確に定義しときたいんだが、一応人間が奏でる方を主体としとくよ。
安定度抜群に聴こえる機械の醸し出すのだって、厳密には癖皆無なのは殆ど無いんだ。

これに気付くには分析もせず「機械は癖無し」って既成概念に捉われちゃ不味く、良く云や自然と機械を差別しないって事。
只機械のはズレ巾が小さいから多くの場合、一々意識しなくても合わせられちゃうのは確かだけどさ。

でこのリズムの癖って民謡とか土着系では今も保ってるのが多いが、ポピュラー≒分かり易さとするとこの要素の比重はかなり重いのだ。
音階やリズムパターン自体が複雑だと理解に時間が掛り、さりとてお馴染みのを人並みに奏でるだけじゃあ個性が発揮し辛い。

とは言え癖はある程それと波長が合う人が減るだろうから、私的には特にDrumで少し前迄自分のそれを気にしてた処もあった。
特に打込み物も日常茶飯事となって来ると、癖が強いと何か古めかしくて恰好悪そうに思われるんじゃないかってね。

そのせめぎ合いから色々考えて見ると、恰好悪いのは癖に問題のある場合なんじゃないかと気付き出した。
Drum観点でフレーズ毎のベストタイミングを探って行けば、物にも依るが大凡で7割方は達人が演ったのの方が機械のよりバッチリ嵌って決まっている。

勿論機械だって最適化の微調整を施してきゃかなり良い線には近付けるが、1つも洩らさずそれを凡人がするのは至難の業だ。
俺は昔から機械とか打込んだりする際に、聴いてあんまりおかしかったら微調整は何時もしている口だ。

理屈ではそのままで良い筈ったって、特定の雰囲気や味も求めてのフレージングだかんね。
例えば「ここでタラコトンって入れりゃGoddっぽくなりそう」とか思ってたりもするから、「そう云う感じ」にならなかったらじゃあフレーズ変えてみますかと。

もし単に隙間が埋まりゃ良いんならテキトーに探すかもしんないが、それでは先ず当初抱いたイメージは再現出来ない。
ってんで分かる範囲は手を加えられたけど、微調整のベストタイミングが見付けられない事もあったし出て来ちゃった。

えでどうしてそうなるって考えたら先ずはバカだからなのは確かだが、どうやら「知らない」とか充分に理解し切れて無かったのが原因みたいなのよ。
例えばタッラコトンとかタラコットンとか色々やってみんだけど、どれ位のがベストか今一判定出来んかったんだ。

そんな時思い出したのが’70年代後半当時、打込み太鼓の最名手だったのはJeff Porcaroって話しをさ。
良く良く考えてみりゃ良く知ってる奴程、それへ機械操作さえマスターすりゃ最強になって当り前だわね。

それからすると癖無し若しくは僅少の方が事故率は低いが、その代り成功率は低くなっちゃうんだね。
してこの現象!?自体を分析してくと、多分「音色とセット」でフレージングされてたからなんじゃないかな。

達人Drummerの場合もし太鼓の音色が少し違ってたら、「聴き味が同じ」になるように無意識で微調整してそう。
これって例えば実際のピッチより低くしてる印象があるDrummerが居たりすんのと同じで、僅かなタイミング差で音程の印象は結構左右されるもんね。

これが日本的思考だと先ず兎に角大失敗を無くしてってのが人情だけど、それって一歩間違えたら傲慢にもなり兼ねんのよ。
失敗レスだけで通用するのって必ず「聴いては貰える」前提に立った考え方で、面白い処が1つも無かったら誰がわざわざ聞き耳立ててくれんのさってよ。

勿論Ⅱで幾ら面白くったって間違いだらけじゃ草臥れてとっとと離脱されちゃうだろうが、第一歩としては完全に聞き流されるよりゃそれでもまだマシだっしょ。
それには幾ら失敗を減らすにしても、成功を犠牲にしちゃホントは意味が無いんだよね。

先ずたった1ケ所だけでも良いから見せ場を用意して、失敗を心配するのは飽く迄その後じゃないとね。
分野次第で優先順位や比率にそれなりに変動はあるだろうが、これって何でも本当は一緒だと思うんだ。
この先は次回別項を設けて深堀りすっけど、特に社会的必需度が低い世界では大切なのでは。

<つづく>

2021年2月25日 (木)

音楽備忘録560 魔改造悲喜こもごもⅢ-⑦

製作中の球ポプリが中々進展しないから誤魔化してると思ったアナタ、半分は正解どす。😢
でも発表出来る段階のが無いだけで、これでも日々着々と進展はあんのよ。

っと非を認めた!?から堂々と行っちゃうが、楽器用Preampじゃ無く球EQを作らないのは何故って思うかな。
いや実は何度も画策はしてるんだけど、部品の事情で現況はかなり遠いのだ。

その正体はって別に隠しても居ねんだが、容量の比較的大きいCoilだ。
今の球ポプリでもジャンクをくまなく探したが、超低域に使える大きいのは唯の1つも遂に見つけられなかった。

スイッチング電源って半導体式のが主流となってトランスやCoilのニーズは又減ったが、実はそれ等にも全く入って無いのは極稀だ。
それがトランスが入ってるとは思えない程軽く小さくなってるのは、それ等に要るトランスやCoilがとても小さいので良いからだ。

その小型化出来た理由が扱う周波数が高いからで、お陰で低周波用のは一気に生産量が激減している。
これ素人解釈としてならスピーカと同じと思って貰って良く、低音には例え電気に姿を変えてもやっぱり大柄なのが必要なのだ。

回路が複雑化・大規模化するのを許せばCoil不使用でも組めなく無いが、大柄な球でそれをするのはとても大事になってしまう。
加えて集積回路やデジタル全盛の中今時わざわざ球を持って来るのには、原始的で単純なのでもそれだけで賄える部分があるからだしねぇ。

それでも万一チャンス到来の暁にはとは思っちゃ居るが、性能も含めて汎用のをこしらえるのは厳しい。
更に付加えると生楽器の場合「後から弄る」点に限るとそれが球でも石でも同じで、生の時点でナントカしてそれをなるべく洩れなく拾ってと比べると無力だ。

そこで端っから「電気で必ず弄る」つまり電気楽器用に特化させ、用途を限定してどうにか対処させようとした結果が球ポプリとなってるのだ。
因みにデジタル楽器にだって球を使って無駄って事ぁ決して無いが、「最初から石が入っちゃってる」部分で電気楽器より効力が弱い。

これがエレキ系の場合Ampのスピーカ迄とかMixer卓へ入る前迄だったら、石の完全排除はそんなに大変じゃ無いからね。
と書いてたら先日保証対象でメーカへ送ったHDDの代替品が届いたので、試運転も兼ねてDataの大量コピーを実施中だ。

こうなる確証があったら買わんで済んだ気もするが、返送料は規定で取られたしマトモには使えない期間が結局2週間となった。
コロナ禍真っ最中にしては決して遅くは無かったが、物が8Tと大容量のだっただけに宅内では疎開先が無かった。

こうなったら思い切ってメインPCの今迄3Tだった2つと挿げ替えようと画策し、その第一歩が今の作業なの。
なるべくなら故障等以外でDataの引っ越しはしない方が安全なんだが、現況は3T〜8Tのの混載状態で余裕が少なくなっている。

ストレージは外付け若しくはアダプタ接続にせよ外部にも併設しとくのがData保全には鉄則だが、外だと速度が遅いから大容量のは不向きってのもある。
手が離せんよりゃマシだが「残り時間: 約5時間15分」なんて出てるから、寝てる間に頑張って貰おうか。

と思って今見返したら何時の間にか「2日以上」とかなってるけど、細切れDataのせいで一時的になってるだけか何だか一寸心配。
尤もこんないい加減な表示はHDDじゃ無くOS側の責任だが、トラブルの把握にはとっても不向きなスタイルだ。

今迄の苦闘体験から今回はやっと完全に逝かれちまう前に手が打てたが、パーソナル≒素人含むを標榜するからにはもう少し何とかならんもんかねえ。
まるで下手な演奏しか出来ないカスBandと、大した技も持って無いヘボ音響技師が責任の擦り合いしてるみたいじゃないの。

<つづく>

2021年2月24日 (水)

音楽備忘録559 パートのリズム調節㉛

今回は奏者集団のレベルについてだが、大体同じ位で揃ってると合せ易いのは誰でも知る処。
でも聴者にとってその方が良い感じかっつうと、必ずしもそうなってなかったりもする。

演る側と聴く側には相容れない条件ってのもあって、稀に両方が満たされる事もあるけどさ。
これって両者間で情報流通量が正反対なのも注意点で、Bandを聴きに来るのは必ずしもグループ客じゃ無い。

例えホントはどんなに核心を突いてたり貴重なのだったとしても、一個人顧客の意見が後迄残る確率は非常に低くなる。
少しでも意見を漏らすまいとアンケートを取ったりしても、答えるの自体を嫌がる人だって居るしね。

そんな分からんのなら気にしたってしゃーないったらそれ迄だが、どっかで「勝手に思われてる」事実を無きものにするのも不可能だ。
そこで両面から考察してくとして、チームプレイとか共同作業をするにあたっては共通項が多い程有利なのは不動だ。

いや音楽の場合は有利と云うより楽って言った方が正しそうで、気楽な方が能力を発揮し易いのも確かだ。
だがその面々の全員が苦手なのに出くわしたりした時、打開策に困窮するのは仲良しグループの方なのだ。

聴く側の場合独りではLiveへ行く勇気が湧かない人も居るだろうが、Bandみたいに○人居ないと演奏出来ないなんて制約は皆無だ。
独立してるお客さん達は気に入らなかったら無視したり、随時会場を後にしたりも出来る。

更には会場外へ漏れてるのが気に入って、途中から入れる場合すらある。
これ等からすると複数演者側は気持ちや意識の共有は大切も、都合の良し悪しは半々位と思っとくのが良さそうだ。

けど結構レベル差があったらどうすりゃ・どうなっちゃうのってったら、正直揃ってるのと比べたら最低1つ制約は増えちゃう。
難易度で誰かに無理をさせ過ぎれば辛うじて何とかなっても、変な緊張感を追加しちまう。

しかぁしかかぁし、ポピュラー系のだったら普段どれ位小難しいのが要るんだかあるよ。
近年本邦では妙に見た目も腕も揃い目の集団ばかりだが、それで大成するのを見た試しがねえぞ。

って言っとき乍ら過去に大成した本邦のに対して、足りない部分を最も嘆いたりしてたのは俺なんだけど…。
それが体験量が増えてったら一寸変化し出しちゃって、揃える方に力を入れ過ぎたのはそれ以前よりつまらなくなったのばかりなのに気付いたんだ。

本日の生贄は飽く迄独断ではあるが甲斐バンドで、甲斐よしひろ氏の気持ちは何となく分からんでも無いけど近年は方向性を誤ってるとしか感じられない。
彼はプロバンドマンの一般レベルからしたら、歌唱力は○で楽器奏力は△と云ったらファンには怒られそうだが。

取敢えず異論はあってもお待ちになって頂くとして、全盛期は少なくともどれもが同レベルに揃ってる連中じゃあ無かったよね。
んで曲や歌のレベルにバランスさせるのを考えると、創業メンバーではLead Guitar以外は同レベルとは言い難い組合せだったんじゃないかな。

今となっては脱退したり亡くなっちゃった人だって居るから補充しなきゃなんなかったが、それで前より腕利きを集めたのはそれだけだったら自然・当然な発想だった。
けどそしたら私見だけどちっともらしくなくなっちゃって、昔より上手だけど味の無いのに成り下がっちゃった。

昔の彼等の演歌チックなのとか日本の地方の場末感はどっちかったら格好悪くて嫌いだったけど、どうやら減らし過ぎるといけない要素だったみたいなのよ。
昔と違って色んなのが出揃ってみると俺には変だったけど、あれは地方出身の昭和の日本人にしか出せないテイストだったのよ。

彼等みたいに大ヒットを持ってるってな俺等みたいなのと違って、お客さんに全く只の普通の人がもっと多いって事だよね。
その中には音楽知識や音楽趣味の全く無い人だって大勢居るだろうから、「聴こえただけで分かる味」ってのが何より大事だったんじゃないかな?。

んでそう云うのって一般論での楽器の上手下手とは別物じゃん、仮に当時仕方無くそうしてただけでも半導体内の不純物みたいに必要悪同然だったんだろうね。
因みに半導体より電気が流れやすい導体にしちゃうと、増幅作用が
得られんのと何だか似てると思うのは俺だけ!?。

<つづく>

2021年2月23日 (火)

音楽備忘録558 魔改造悲喜こもごもⅢ-⑥

俺が真空管教の信者なのはかつては嗜好的側面からだったが、今は必要に迫られてそうなってるだけなのだ。
そのニーズの中に前回述のも含まれてるが、正直な実感しとちゃ普段は大して分からない。

当初は石で懲りて駄目だったから、期待を掛けた程度だったかも知れない。
処で「石で懲りた」ってのは半導体でもNeveみたいなのを使ってたらセーフだったんだろうが、それだと安い球のより遥かに高価なんでね。

それでも大昔のいい加減なのみたいに酷いのはもう無いから、普段に一聴して球の方が素敵と思える様なのはやはり価格的に縁が無い。
けれどEQでもコンプでもアナログでもデジタルでも、時々何処をどう弄っても望む音にちっとも近付けなくなる事がある。

そんな際に球を通したらたったそれだけで、大して何もしなくても解決する様な場面を体験して来た。
先ずは「聴いた感じの硬過ぎ」を何とかしたい時で、この硬いは楽器自体が出してるそれとは異質のだ。

毎度お馴染み「空気の魔法」のお陰っぽいが、生でどんなに硬い音を出しても3秒と耐えられんなんてのは滅多に無い。
なのに増幅であれ録音であれひとたび電気力に委ねると、聴こえてたのより妙に硬くなる現象ってのがあるのだ。

その理由は後述としてここではスルーするが、兎に角一度そうなっちゃうと元に戻すのが不可能に近いから最も厄介なんでごわす。
近年本邦の一般基準では少々硬かろうと明瞭なのが優先されてるが、是又過去述の如く真の明瞭には硬さなんて一切含まれちゃ居らんのどす。

少なくとも「電気に通して硬くなる分」、なんてのはね。
世間でこれの誤認がまかり通ってるのは、恐らく楽器の段階で電気のお世話になるのが多数派だからなのかな?。

近頃じゃClassicオケでもTVやCDでの感じを再現しようとしたのか、MicとAmpとスピーカを介したのしか聴けない時もあるからね。
我Rock系でも末端では悲劇的なケースも日常茶飯事で、楽器が良くてPAが悪い時でもDrumを中々PA抜きにして貰えないとか。

ここで一寸思い出して頂きたいのがコンプとエキスパンダで、基本的にはこれ等は全く同じ回路で逆の使い方をしてるに過ぎない。
ので必要なら何時でもどっちでもする筈なのが、後者は器楽音と背景雑音の音量差を増やす位にしか使われていない。

今本邦では聴取環境と流行のせいで仕方無いとしても、過去の他所でもやはり上記の使い方しかされてない。
曲中一番フォルテになる処で一寸しくじって出し足りなくなったりしたら、よっぽど使いたくなりそうなもんなのにね。

なんなんら実際試すと良いが、理屈では合いそうなのが実際はちっとも上手く行かないからだ。
これは弄れるのが音量のみで音色が足りない時のままになるのが主因だろうが、こと音楽とくっ付くと理論の内の片方が無効になるのがとっても多いもんなのだ。

ここらで電気で硬くなる訳へ行っとくと、概述込みだが負帰還回路等の「時間的不誠実」が主犯だ。
これだって空気(音速)より電子の方が高速だから変な話しなんだが、ホントのリアルで所謂「テープの逆回転サウンド」が出せない様なもんだと思って貰って結構よ。

今はストンプでそんなの出てるけど、あれだって「先に弾いといてその後」でしか出せないっしょ。
せやさかいDelayみたく遅らせる方はなんぼでもセーフなのに、覆水盆に返らず宜しく音も既に出っちゃったのを早めるのは無理があんねん。

例の如く比喩するなら身長・体重等スペック的には掛けた方がかなり元のに近いが、顔を見たら別人のになってたみたいな…。
あの人誰って判別するのは顔だけじゃ無いけど、例えば再会が数十年振りで齢取ってたら少し背が縮んでたりしても普通だしょ。

故にスペックだってトータルで判断するし、その他にも仕草だの口癖だのもっと色んな要素が絡んでるのは音楽でだって一緒なんで御座居。
けどそうは言ったって現況では負帰還の完全回避なんて殆ど幻想で、作る側だけ尊守したって聴く方でそれではとっても非実用的になっちゃうからね。

あり得んけど管球式ipodを胸ポケットに入れて聴いてたら、アチチチ乳首を火傷したなんて…。
しかしだからこそ後で硬く為らざるを得ないんだから、作った時点でもう硬目だったら何だか余計恐ろしいじゃん。

処で何で魔改造でこんなのが続いたかったら、売って無くは無いけど買うのがチトしんどいから。
高価格に泣かされたり選択肢が少なくてドンピシャのが見つからんとか、オマケに球の真の威力を知らなかったら安くて小さくて便利な方へそりゃ皆吸い寄せられるもんね。

<つづく>

2021年2月22日 (月)

音楽備忘録557 パートのリズム調節㉚

前回の話しも無フォローだと誤解されそうなんで、その補遺と取上げた意図を一寸挟ませて貰っとこう。
あんな風に愚痴っぽく記してても、一向にコンビ解消の気配すら無いのが唯一の現実でゲス。

したらば何で毒廃棄みたいな真似するかったら、従兄が今一「波に乗り損ねて」迷ってる感じを受けたからだ。
彼は生真面目だから気付けてないのかも知れないが、俺だったら乗り損ねたら全然演れなくなってる処あるよ。

人を乗せるのにはそこそこ自信があるけれど、実は本質的には独りでは乗るのが下手な俺。
それが何とか手に負えてるのは無駄な想像力と、ビジョンが割と鮮明に見えてたりするからだ。

例に依ってヘンテコ比喩をするなら、俺には一面で天然マトリョーシカ人形みたいな処がある。
自分の内面に勝手に色んな奴が住み着いてて、そいつ等と合奏してる様なイメージだ。

これはアンサンブルを構築しようとする時は便利だが、個人の失策に気付くのは遅れ気味になる欠点がある。
何となく自分のを無視して人のばかり聴き入ってる様な状態に陥ってるからなんだろうが、チャレンジをするだけならその方が困らない。

少し昔は自己分析の下手さを嘆き、その後は性質を受容れる様に務めている。
嘆きの原因はキャリアの割に進歩が少なかったり、単体としての腕が低目だったからだ。

それが加齢が進んで進歩より退化の方が増えて来てみると、普段独りで演ってる事の方が多くても「合せられる」有難さが大きくなって来たって訳だ。
より上手に越した事ぁねぇが、上手くったって合せられる機会が少ないんじゃ完全なソリスト以外は苦しい。

これは相手の有無についてじゃ無くて、誰か居たらどれだけ合奏出来るかって各個人的な問題の方ね。
最初から恥かくのを嫌って自分でハードル(完成度)を上げちゃうと、知らないとか苦手な曲は演らず仕舞いになり易いでしょ。

確かに個人的な自信ってのも少しは無いと厳しいが、個人だけで上手くなったのを活かすには必要そうなのは全部自前で弾けなきゃ披露出来ない。
現に俺の場合はそっち寄りの道を来てるんだけど、それだって誰かと一緒になったら全然駄目じゃ百年の恋も一日で覚めるも同然。

最終的には特異なスタイル以外では、独りでも大勢でもある程度は行けないと音楽に没頭出来なくなるずら

因みにここでの特異とは無伴奏のソリストとかの事で、ソリストだって楽曲次第じゃ盛大な伴奏が付くからねえ。

まだまだ俺自身大したレベルに到達なんて出来てないが、全部独りで演っても合奏能力ってかなり必要なのを思い知らされてるよ。
同一人物なんだから楽器が変わったってってのは机上の空論で、恐らく誰しも手にするのが違えば少しは人格にも影響を及ぼしてる筈だ。

外からは全く伺い知れなくても幾ら訓練してても、多少の得手不得手意識ってな中々払拭し切れんもの。
するとパート次第で弱気や強気からのムラが出ちゃって、ある意味パートなんて超越しないとキレイには揃えられないんですわ。

この手の案件に対しては一番「外側の枠組み」を意識するのが有効みたいで、例えば「何かチンドン屋みたいなの」って位迄広げてみるのさ。
取敢えずの目標は曲・客等次第で変動はあるが、兎に角笑わせようとかどうでも泣かせてやるみたいな原始的レベルが良い。

それからすると以前述と重なりがあるが、練習時は個に・本番時は環境一辺倒に近いのが相応しい。
ここでのⅡでその環境ってな天気とかそんなんじゃ無く、音が流れたらどんな空気になるかってな類のの事よ。

何処の世界でも技が無い頃は志だけは素晴らしかったりするけど、専門スキルが上がるにつれ志はどっかへ消失させ易い。
それって仕方無い現象ではあるが、合せるとなるとテーマがしっかりしてないと偽物しか作れないから。

<つづく>

2021年2月21日 (日)

音楽備忘録556 魔改造悲喜こもごもⅢ-➄

毎度の如く逆順ぽくて済まないが、前回のに関する楽器音の歪み詳細を一寸記しとこう。
今のテーマでの歪みって所謂Distortionとかじゃ無く、電気物理的には歪み出してても耳には一応生音サイドとして聴こえるのの事ですからね。

楽器は生・電気・電子等を問わず、弾く強さで音量の他にも音色が変化するのが普通だわね。
ってか多彩な表現力の為に、寧ろなるべく変化が出る様に作られてるのすらある。

ので取敢えずは生楽器で説明してくけど、これの音色には若干のOverdriveはあってもDistortionは無い。
のでⅡでそれ故ニュアンスは巾広くとも、DistortionやFuzzみたいな露骨な音色変化は無い。

けどだから歪んで無いと思ったら大間違いで、耳にセーフでも測定分析したりすると物理的には結構見事に逝っちゃってたりするですねん。
ある意味ここが楽器とオーディオの基準の最大相違点で、その手の歪みは表現力の為には必須な事も多いんだス。

楽器毎にアタック音とその後の音の長さ・音量等のバランスは様々だが、その内の大きい方は音量増加が頭打ちになって歪み始めると鈍り出す。
それに対し今迄小さかった側はまだマージンがあって直には歪まないから、結果的にトーンバランスが変化する事となる。

又アタック音が短い物の場合だと音量変化面でそこが歪み始めると、コンプを掛けたのに似た状態に近付く。
すると耳にはアタック音の鳴ってる時間が伸びた様に聴こえるから、従前より目立つし認知し易くなって来る。

コンプでも高等技として特定周波数帯域だけ敏感化させたりするのがあるが、なるべくアタックにだけとか基音にだけ反応させてニュアンス変化を強調しようなんて際に使われる。(逆の場合もアリ)
尤もそれが例えばピック弾きのエレキBassだったとして、ピックの当てる位置や角度を変える様な分迄は非対応だ。

ほんでそんな違いをなるべく漏れ無く出せる様にしようとすると、電気物理物理的な多少の歪みは容認しないと達成困難なんすよ。
んでこれってEQの場合でも「例外無し」で、特に「元からそう云う音色」だった様に聴かせたかったら必須なんでごわす。

例えばとってもトレブリーなエレキGuitarだったら先に歪み始めるのは高域からになるし、凄く低音の強いエレキBassだったら低域からになる筈でしょ。
そんな音色設定をしてるのに違う処から歪み始めたりすると、わざとじゃ無い限り「何か少し変な感じ」がして当然。

更にこの現象を逆視点から眺めると、真っ先に歪んだ位だから「そこが強調されてたのね」なんてのにも繋がってるよ。
随時吠えの如く「音楽は比較芸術」なんで、電気物理的絶対値より「変化の仕方」が表現上は命なんですぜ。

そこであるルールみたいなのが見えて来るんだけど、後掛けEQはやっぱ飽く迄補填に留めないと危険ってのが出て来んだわさ。
掛けても平和なのは例えばアンサンブルの周りの音色との兼合いで、単体で聴いたのと違っちゃったり聴き取れ無くなった部分を復活させるとか。

それ以上或はそれ以外の部分を後から弄ると、奏者の意図や加減したのとは別物が出来上がっちゃうのよ。
せやさかい批難・炎上どんと来いで正直に吐露しちゃうと、「正しいEQの訓練」をするには「ちゃんとしたソース」でやらんとアカンぜよ。

この「ちゃんと」ってのはテクレベルとかじゃ無く、思った表現を一定以上出せてるとかそう云うのね。
尚且つその「思った」が楽曲に対して的確なのが必須で、この辺の事情から音響技術からだけで習得するのを困難化させてんねん。

Classicで生楽器の人だと音色の拘りを具体化するのは中々大変だが、電気・電子楽器だったら奏者本人の心掛け次第じゃかなり誰にでもある程度迄コントロール可能。
その代り全く何も考えないでツマミなんて分からんって手抜きすると、運が悪いと素晴らしく酷い音色になったりもしちゃうけん。

<つづく>

2021年2月20日 (土)

音楽備忘録555 パートのリズム調節㉙

Drumの録音ったら今俺は長~ぁく待たされつつ従兄が奮闘中だが、彼曰く今迄の殆どのは人が演ったのを勝手に変えられてたから✖なんて言ってたね。
じゃあ今回は自身で自由になるのに、何でそんなに掛るのって言っちゃぁオシマイ?。

個人ブログなので私感全開で行かせて貰うと過去のには、従兄自身の表現にも若干の不足はあった様な気はするけどね。
でも最近従兄が愚痴ってた「同意無しの改変」は問題外で、彼がかつては瞬時の発言力の弱さのせいで余計酷い目に遭ってたのは紛れも無い事実だ。

あちこちで訊いた処だと近年の方が無断改変が増えたそうだが、先ずは意思の疎通に問題が無いか気を付けてみよう。
録音も商売でやるとなると部外者の評判も無視出来ず、奏者側としても技師の立場をもう少し理解しないといけない。

一言でそれを言えば「意図無きLo-Fiは勘弁」ってなもんで、聴き取りの悪さは奏者より技師のせいにされがちだからだ。
俺が従兄に対して疑念を持つのもそんな部分で、本人は「隠し味みたいなもんだから聴こえなくても構わない」なんて言ってる。

だが隠し味ったってホントに全く聴こえなかったら無効化するんで、音源の特定は出来なくても何かが鳴ってるのはキチンと記録されてないとならない。
それには他のと混ぜて聴いてからじゃないと正確な判定が出来んので、単体で地味過ぎる様だと大抵は無意味なノイズとなってしまうんだ。

それが崇高なClassicやJazzだったら未だしも、気軽に聴けるポピュラー系では半ばご法度と思われる。
より興味を持ってくれた聴者に対して、聴き取るのに必要以上の負担を掛けるのは相応しく無いじゃない!?。

この面で私的に最も上手と感じられたのがRingo StarrやJeff Porcaroで、周囲音環境に応じて細かいのの入れ方を自在に加減している。
ともすればそのせいで実際よりシンプルにしか演ってないと誤解され易いが、自パートより曲全体を尊重した結果自然にそうなったものだ。

換言すれば先ずは「他パートに都合の良いDrummer」だが、そこで思考停止させちゃう人が多くて皆損してる。
「都合が良い」範囲内でならそのお陰でかなり自由に振舞える訳で、慌てる乞食は貰いが少ないとか急がば回れと同じなのよね。

従兄と俺のDrumフレーズの考えに少し距離が出来たのは、元はと言えば俺がテク僅少君だったからだろう。
今だって手に関しちゃかなり大きな差があるままだが、ポピュラー系への最適化としてのコツは経験からは「目立つ手は控え目に」だと思っている。

歌物の場合SnareやCymbalは歌声の基音もだが、子音部分とも音域が被ってて支障し易い。
それと比べるとバスドラはBass以外とは音域的に乖離してるので、Bassと喧嘩にさえならなけりゃかなり自由に入れても平気だ。

流石にどっかの気違いオヤジみたく節操が無いと落着かんかも知れんが、フルCrashの連打よりゃそれでも何がどう演ってるかがまだ分かる。
その意味で手が得意な人にポピュラー系は一寸意地悪な気もするが、曲やアンサンブルへのマッチ度合いはタイミングの計り易さや合せ易さとだって大いに関係がある。

それがより顕著になるのがLiveの方で、録音時だとマルチ収録されてればバランスをそれ用にして改善するのも可能だ。
尤も録る時平気でもそれでは混ぜる時に苦労が増え、スタッフ間でバランスに対する論争を引き起こしたりし兼ねない。

俺と違って従兄がそんな傾向のフレーズでも苦労しないのは、合せるスキルの高過ぎるのが却って仇になってるのかな。
単体パートの評価としてはRingoやPorcaroの演り方は一等「損なタイプ」だが、一緒に演る周りの連中の調子が一番上がる方法でもある。

素人でも即座に理解出来るのしか出て来ないと、どうしたってプレミアム感とは遠い。
だが全体としての仕上がり具合へ耳を向けると、大人数な程単体以外の調子の良さに左右される。

ノリに関してはこの影響は常に大きく出るもんで、ある意味「個人の良さ」と「集団を鼓舞する」ののどっちを取るかってなもんだろう。
そりゃ幾ら応援しても期待に応えられないのしか居ない場合は、孤軍奮闘して引っ張るしか無いのも又事実。
けれど所詮はそんなの多勢に無勢で、他所の集団パワーを前にしては埋もれるだけだ。

<つづく>

2021年2月19日 (金)

音楽備忘録554 魔改造悲喜こもごもⅢ-④

今回は関連案件でエレキBass EQの、掛ける場所に依る違いをひとくさりふたくさりみくさ…。
単純に音色だけにフォーカスしたらそんなに大差が付くでも無いが、ニュアンスやアンサンブル内でのバランスには稀に驚く程の違いが出るんでさぁ。

先ず先に(って先先でのっけからクドイね)幸運にもオール球EQを持ってたな
ら、本件はかなり緩和されるのをお断りさせといて貰いやす。
しかも一見変態的だが「歪み率の良く無いヤツ」だと尚結構で、これは元から電気楽器の歪み率が電気的にはかなり悪いのとも密接な関係があるん。

但しそれは「聴いた感じで如何にも歪んでる」ってのとは全然別で、それ故「全く悪意は無いが電気的には一寸歪んじゃった」みたいな代物で御座居ます。
これを得易いのは理屈より実質に重きを置いてる様なヤツで、極論したら測定なんて一切無しで耳だけで作れたら良いんだけどね。

なのにそれへ少し難があるのは、耳の聴こえ方がかなり十人十色だからなんよ。
そんで畳掛ける屁理屈みたいでインチキ臭く感じられそうだけど、バカ正直な素子や回路やシステムの場合程その危険度が高くなるんす。

無歪み時と歪み時のあらゆる差がハッキリしちまうからで、それであれば最新機器を駆使して例え人工的でも(ぅおっと失礼😅)物理的にもクリーンで押し通した方が潔い。
けれど多少猥雑でも生身感をしっかり出したいなら、機械も人間臭さの強いのの方がお誂え向きになるですねん。

好みのお姉さんが目に入るとどうしてもニヤける俺みたいに…はこの辺で、「何処で掛けるか」との関係へ進めまひょ。
既比較的冒頭に記した中に既にヒントが漏れてんだが、歪んだかどうかが耳に分り難いったら1等賞はスピーカね。

特に低域用ユニットは歪んで生じた高次倍音は音に変換出来ないし、それでなくても耳との間の空気で薄められてしまうだよ。
この空気には残響や室内の物の共鳴なども含めての話しだから、遠目から制服姿の集合写真の中の初恋の人を探すみたいなって又病気が…。

まあ兎に角そんなだと目立ち難くなるのだけは間違い無しで、軽く聞き流す程度だと問題にする人は殆ど居ないと思うな。
では2等賞はったら真空管・3位がトランス、その後表彰台圏外に回路方式だの何だのと続いてる感じでしょうか。

新しい設計のだと球やトランスだってかなり歪まなくなってるが、信号伝達途中で「変換プロセス」がある分それが無いのよりは何かしらの変身を伴うのだ。
って事ぁLine録りに限定して考察してくと、球やトランスに頼れないと苦しいってのがご理解頂けるでしょうか!?。

もしかしたら人に依っちゃ単体で聴いてたら違いが感じられんかも知れんが、「人間臭いアンサンブル」へそれを放り込んで聴いたら誰にでも必ず分かるの請合いまっせ。
過去反例ではKraftwerkやYMOは理想が完全機械でも、それが許さなかった当時にこの件を大いに逆利用したとも看做せる。

さて今の万人(っても音楽屋限定だが)にとって球やトランスは、楽器用のとかミニAmpみたいなのだったら誰でも何とか入手出来るし手に負える。
が録音用Effectorとかになると高価な上、「石が入って無いの」を探すのはかなり大変だ。

不親切なのになると内部非公表で不明なのすらあるし、いきなりではどうぞと回路図を渡されたって専門知識に長けてないとちんぷんかんぷんでせう。
これに確実性も加えて行くとマルチエフェクタとか使わない際は、必ず使うPreampが大きなイニシアチブを握ってる事になるだすよ。

ここでキーワードは「削るなら後でもOK」で、増やしたい側が問題なんス。
増やすとそれだけ歪ませちゃい易くなるっしょ。

<つづく>

2021年2月18日 (木)

音楽備忘録553 パートのリズム調節㉘

では告知通りってそのネタは別件で出してた気もするが、もしそうだったら観点が違う処でご容赦願い候。
それはヒーリングサウンド好きの素人さん向けの、Pianoの収音だったんだ。

これ迄は柔らかくするっても細やかさが
出せてれば、大昔のより若干硬くても概ねセーフだった。
アタック音でだったら長過ぎず主張し過ぎて無きゃ、多少現代的なシャープさが残っててもOKだった。

但し後になって今冷静に考察すると、従前の基準は音楽屋固有の範囲のだったかも知れない。
「Pianoって結構弾き方とかに依っちゃ鋭い音もする」ってな観念があっての事で、そう云うの抜きに誰が何処で何時聴いても硬く無いってのには足りて無かったんだろうな。

その素人さん達のを景色化するとしたら、例えば穏やかな時間・空間内で優しく弾かれた様なのって感じかな。
だからオリャぁと演りゃ突き刺さる様なのは無しで、聴者の重病人の症状が絶対悪化しない様に弾かれてるってのとか。

極論したら生より全然トロくても良い位なんだが、明瞭化至上時代の今の環境下ではとっても難しい。
現実的には極力生よりキツくならないのへ心掛けたが、効果があったのはMicのタイプと位置だけだった。

アタックの尖りを丸めるったら今時は先ずコンプとなるんだが、Classic系なのでダイナミクスが狭まるのは駄目。
それだって全く掛け様が無くもないんだけど、弱目に弾いた処のアタックの丸くする程度が小さくしか出来ない。

アタックだけ全部潰せる設定ってのもそれ自体は可能だが、そうすると不要な処へも少し掛って聴き味が今ご法度の密になっちまう。
要するに平均音圧が上がっちゃって、隙間が減って暑苦しくなるのがそっち系では野暮。

して次にEQで殆どがアタックだけの帯域を引込めて誤魔化そうとしてみたが、全体のトーンが籠るとそのせいで重くなるのが駄目だった。
高域がバランス的に少な過ぎると開放感がどんどん減ってって、室内では風の音は聴こえても低音だけになったりするみたいな感じに。

そんでそれなりに捏ねくり回すも潰す・削るは選外になっちゃって、もう収音を工夫するしか無くなったのよ。
結果的に真空管コンデンサMicを少し遠ざけて明後日の方向に向けるってのになったんだが、リビングで読書中に子供が微笑ましいのを弾き出された時とかってそんな空間状況に近そうなんだ。

昨日のレッスンの成果をママに聴かせてとかだったら、ママさんの耳はお子さんのPianoにだけ集中している。
が「勝手に聴こえて来た」だと、耳はあたかも省エネモード状態になってるんだよね。

依って実際出てるのの中で目立つ部分だけが即座に認知出来る程度になってる筈で、けれど意図的に耳を塞いだりしてる訳でも無い状態。
万一興味が湧いたらその時点以降に至って、漸く全部が聴き取れるモードへ移行する。

実はこんなのが制作側には最も難しい設定なんだろうけど、素人さんにすればそれこそが真の日常だものね。
この部分でつまり「Off Micの使い方」が、オケ系以外で未だ最秀逸なのはどうやらBeatlesっぽい。

中でも影響の大きいのは楽器の大柄なので、例えばDrum Setの全部のへ同時に耳をくっ付けるのなんて不可能だしょ。
叩ける範囲でったら幾ら頑張ったってせいぜい2個が限界で、Cymbalなんか叩くと動くしへばり付くとミュートが掛っちゃうからそもそも密着出来ない。

自戒も込めての話しになるが録音してもボケ無くなった今こそ、もっとOff Micの研究をしないといけないらしいよ。
邪魔が入らないから明瞭ってのは音楽的にはまやかし誤魔化しで、耳にだけなら未だしも訴求力等にには大きな差異をもたらしてる可能性大あるよ。

理想論に過ぎないが生より録ったらワイドとか、もっとHi-Fiってのはやっぱり幻想なのね。
故に今の仕事の都合等で録られた音の方が大事だとしても、生で良い音を目指す様に訓練してかないときっと後で困るんだ。

<つづく>

2021年2月17日 (水)

音楽備忘録552 魔改造悲喜こもごもⅢ-③

前回披露した経緯を経て、先ずは最近述のブレッドボードで電源部の設計に入った。
その成果が一旦パーになったのは実際は増幅回路側の問題のせいだったが、それが意外と発見し辛かった。

電源部に半導体に依る安定化回路とか
付けてたら違ったろうが、そんなに広く無いケース内なんで熱に弱い半導体は必要最低限にしたかった。
加えて高電圧となると適合する石がジャンクでは僅少だし、電流量が小さくても案外熱対策がシビアになる。

それでアナクロに行ったら回路全体がマトモに動いてりゃ実用上は全くOKなんだが、何らかの問題があると電圧変動が大きいので特定に手間取った訳。
いい加減で失敗の核心を暴露すると、球ソケットからの出力配線にシールド線を使ったのがイケなかったのだ。

数年前迄はそんな風にしてなかったが、予備用の石のAmpでBright SWをONにすると発振する事があったからだ。
球では石よりインピーダンスが高いんで、その分音声信号の漏洩や混入も多くなり易い。

のでそのリスクを下げたつもりが、実際はもっと気にすべきだったのがあったんだ。
それは相手が信号線では無く例えGrand(アース)だったとしても、高電圧な分じかに接して無くても飛んで漏出し易くなってた処。

要するに電源電流がその部分で「球よりGrandへ」流出させちゃってて、電流量がかなり増えてたせいで大胆な電圧降下が起きてたのよ。
これを見つけるのに丸々1週間が浪費されて、随分予定が狂っただよ。

その確認を兼ねてメーカ製Ampの内部画像を見てみると、どれもシールド線にしてるのは球への入力側だけになっとったで。(バイアス電流等を重畳させてる場合は除く)
って長年見慣れてた光景の筈だが、如何せん当り前過ぎて全く意に介さないで居たのが敗因の様だ。

大昔の初心者向け趣味誌とかにだったらもしかしたら記載されてた可能性もあるが、手持ち書籍にも今迄閲覧したWebにもそんなの無かったな。
半導体の方でなら「高感度なのでご用心」(電気的には増幅率が大きい)なんて、何処にでも書かれてるんだけどさ。

まあそんでも何とか切り抜けられたからスピードアップするかと思いきや、今度は早々にTone回路の定数に問題が発生。
これって少し前に休養中Guitarist君のの修理・改造時に使って、それで成功してる実績もあったんだけどさ。

尤も改めて振返ってみると使える部品の制約と用途違いのお陰で、今回のとはポットもコンデンサも値が違ったんだよね。
その他にも前後に繋がる回路は全然違ってたしで、考えが安易過ぎたと言われたらそれ迄だったかも。

けどこの段階位迄来れてると、余計な事を一切考えなきゃ手早く完成されられる。
のに変に粘っちゃってるのは、以前に自作したのとの差別化を謀りたいからだ。

過去作は据え置き2chで今回のはポータブル1chって違いはあるが、電池駆動が可能とかそう云った飛び道具がこのままでは何も無い。
そこで過去作の運用実績から私的には時々ローエンドに物足りなさがあったんで、Deep回路を搭載してやろうと画策中だ。

この手のは半導体使用だと簡単だが、球でアクティブタイプのEQとするには本数を増やさないと無理。
それには現用のトランスだとヒータ電源の容量が足りず、かと言ってトランスをスケールアップすると漏洩磁束雑音を退治するのが狭くて近いから厳しい。

尤もⅡでこんなので奮闘してこそ本来の苦労ってもんで、元々手間暇掛けるとしたらこんな部分になると予測していた。
と多少意欲が復活したからって結果は神のみぞ知るだが、録った後でEQするのとでは差異があるのも確かなのだ。

<つづく>

2021年2月16日 (火)

音楽備忘録551 パートのリズム調節㉗

では流れで前回チラ見せになったDrum・Bassの、音色とタイミングの関係性についてひとくさりさせて頂こう。
現代とか近代感に優れるのは、昔より細やかで素早いヤツだろうけどね。

その原因はとても単純で、昔は例え折角そう云う風に演奏出来てもそうは録れなかったから。
オヤジやオフクロの時代のみたいに眠たい呑気なのと違って、今の若者の俺やアタイのはもっとキレキレにするんだいって…。

その心意気はそれ位じゃ無いと未来が暗くて困るけど、人の耳はそんなに「新型」になんてなって無いんだよね。
全く無進化では無いとしてもそれが車だったら、ガソリンからディーゼルエンジンになって電気モータになったみたいな変化は全くしていない。

万一同じの聴いて比べてかなり違ったとしたら、年寄り側は加齢劣化・若者側は育成失敗か難聴の疑いが濃厚だ。
そりゃ同じに聴こえたからって人次第で持つ印象に差はあるだろうけど、短いのが長いとか高いのが低く聴こえるなんてな流石に無いですぜ。(※一般論での印象変化は覗く…じゃ無かった除く)

んでその昔の録音再生レベルは、人耳より全然遅かったからひたすら早めてりゃそれで良かった。
のがデジタル化して以降は言うなれば、ホントはもっと「スピード違反にご用心」に変化してるんですよ。

要するに楽器と録音機は間に合っても、人耳が追付けなくなってるんだす。
んでⅡでその高速限界は個人差も勿論あるが、何と言っても聴取環境の影響が大きいの。

その証拠ってのも何だが、今時CDよりLiveの方がHi-Fiに感じられるのって殆ど無くなってると思うんだよね。
聴き出したのが近年の人には何言ってんのオッサンかもだが、大昔はどんなにPAがボロかっても大抵はレコードより生の方が全体としては必ず良かったんだ。

んでⅢでそうなる原因は今のCDのが、言うなれば「聴取環境限定版」みたいになって来てるからなんだ。
全部が全部じゃ無いし近年本邦クソJ-POPのは、酷いのになると昔のAMラヂヲのよりダメダメなのも少なく無いけどさ。

どっちも分かり易さでは大したもんだけど、一々聴き手の自由に干渉するってのはプロの仕事としちゃ認めちゃいけないと思うんだ。
個人的にそれを最も実感させられたのがBeatlesの音で、どの時代に何でどんな風にして聴いても基本線が微動だにしない処。

それを客観分析すると当時としては最速で、今ではちっとも速く無い部類の方に属してるけどさ。
本件関連ではリズム隊のアタック音の状態が、時代に無関係に当初から最適値になってたのが勝因みたいなんだ。

後の回でDrumとBass夫々の視点からのを記してくが、オーディーオレベルが変わって影響を受け易いのは生楽器だ。
それを後追いでも確認し易いのが録音媒体がアナログかデジタルかとか、ダイレクトカッティングか音響操作の多いテープのか等だ。

昔は生楽器の出してる音をちゃんとは拾え切れて無かったんだから当然も、技術的に足りてからのの方が案外ヤバイのが多くなった。
確かにキレイで細密なのは結構なんだが、生耳のそれとはどんどん異質な方向へ行っちゃってるぞい。

それへ意外性とか遊びの自覚があったならまだ良いが、良けりゃ実際を上回っててセーフなんて勘違いするとロクな事ぁねえ。
現実より非力に聴こえたり存在感が希薄化する等、副作用の方にも気を付けなくっちゃ。

又拾い方の失敗をコンプで補うのが変に正当化しちゃってるが、先祖が生まれて無きゃ今のアンタは存在しないってのと序列は同じなんですよ。
要するにより影響力のある方をほったらかしにしすると、後からじゃ全部は庇い切れて無い訳ね。

音は見えないから分り難くて面倒だけど、生楽器だったらコンプやEQよりMicの位置が先ずは大問題なの。
これが録音レベルが上がる程シビアになってっから、俺たいなベテランでもえらい苦労させられてっけどさ。

例に依って私的だけど最近それで苦労させられたのを、次回例示しますわ。
まあ兎に角生耳と同程度に柔らかく聴こえさせるってのが、今の機材とか状況だと酷く大変になっちゃいましたよエエ。

<つづく>

2021年2月15日 (月)

音楽備忘録550 魔改造悲喜こもごもⅢ-②

では前回の続きと参るが現況で楽器用に向いてて入手し易い球を用いるなら、回路の合計段数は偶数が適している。
何だか昇圧整流の件と似てるが、この辺の制約みたいなのに関しては石でだったらあまり気にしなくて済む処だ。

とは言え現代標準のオペアンプICでも、サイズ観点からだと実際には近似な状況がある。
オペアンプにはもっと沢山入ってるのも一部にあるが、主流は2回路入りでそれに続くのが1回路入りだ。

この2つって外形は完全に同一で・価格的にも同じか、下手すりゃ2回路より売行きの悪い1回路の方が高価だったりもする。
そんな割の悪いのが何故未だに売られてるかったら、消費電力の制限が厳しい場合への対応等もあるからだ。

なのでコンセントから電源を取る様なのだと、余程の特殊事情でも無い限り1回路入りは大抵選外となる。
ではこれ踏まえて次に進めたいが、それに際し真空管増幅回路の基礎中の基礎となるのを一寸眺めて貰おう。

Photo_20210205015901
電気に興味のある人には物足りないだろうが、取敢えず絵面程度の理解で本件には足りる。
一応記号の簡易説明も付記しとくとギザギザは抵抗器で各図の一番下のがGrand(アース)、太短かい2本線の平行してるのがコンデンサだ。

コンデンサには2線間が空白なのと斜線と+の記号の付いてるのの2種あるが、後者オマケ付きのが所謂電解タイプので極性があるからそうなっている。
+Bってのは電源の事だが何でBかったら、球の場合ヒータ(フィラメント)用の電源が別途に要るからだ。(この図では省略している)

で「1.電圧増幅」って回路が第一歩で、球の機器の恐らく99%位のには何処かに必ず使われてる筈だ。
「2.電流増幅」ってのは楽器系での呼称なら所謂「Buffer」そのもので、具体的目的は「出力インピーダンス」を下げたい際等に使われる。

オーディオ系ではほぼ必須・楽器系でもMixer卓へ繋ぎたいとか、楽器Ampの内真摯な設計の
ならLine OutやEffect Sendの処で使用される。
真摯なんて書いたのは手抜きしてるのも多いからで、繋ぐ相手はどうせ殆ど石なんだからここから石にしたって良いだろうなんて浅はかなヤツだ。

それはさて置き増幅回路では±両電源を使うの以外では、普通は段間にコンデンサを入れて直流分(電源由来)を遮断しなきゃなんない。
そうしないと次段が正常動作されられなくなるからで、今主流の両電源タイプのオペアンプでなら殆どが省ける物だ。

石でだって音質やコスト的に入らん方が良いのは一緒だが、球の場合別面での負担がバカにならない。
通常動作時の電圧が高いので高耐圧のを使わなきゃなんないが、高耐圧のは少々値が張るのだ。

これの解消の為に考案されたのが「3.段間直結カソードフォロア」ってので、楽器用では初期型Fender Bassmanや典型的なMarshall等でお馴染みなヤツだ。
そしてこれを用いるのに一番向いてるのが、1本に2回路入ってる球なのだ。

上図3.で球の1番Pinと7番Pinはホントに直結だが、書き方のせいで分り難くなってるが1番に付いてる抵抗器の反対側は6番に繋がっている。
要するにこの2つは真空管ソケットの裏側だけの処理で賄える大きな副産物も持っていて、それが違う球を使うと無効化しちまう。

で製作中ので最低限必要なのが1.と3.の1つずつで、残りってか余りの1つをどうするかが初期の課題だった。
っと言いつつ最初は無駄覚悟で余らせてたんだけど、音色の悪戯を自在にするにはちょっとだけGainが足りなかった。

がGuitar用みたいに露骨に歪ませるニーズは少ないので、1+1+3とはせず後から3×2にしてみるか。
それで基本設計が終って組上げたは良いがトラブル続出で、そこそこ作り慣れてるし幾らも複雑でも無いのにいよいよ痴呆でも始まったかと冷や冷やもんだった。

<つづく>

2021年2月14日 (日)

音楽備忘録549 パートのリズム調節㉖

では予告通りアンサンブルでの「うわもの」と「したもの」のタイミング案件だが、ジャンル次第で序列変動はあるにせよその基本は「自然現象」だ。
ここでの自然現象とは誰でもその内トイレに行きたくなるなんて類のじゃ無く、空気の性質ですぜ。

別項で以前述だが音波の波長は音程次第で相違するから、全く同時に鳴らし始めても聴こえるタイミングにズレが生じる。
それは「最初の山の天辺」が来るのに、大波(波長が長い)な程大抵は余計に時間を要すからだ。

ブランコで同速で動いてたら、遠くまで行って帰って来る方が近くより時間が掛るアレと同じ。
そやかて弾き始めタイミングをレイテンシー分早めりゃ天辺は合せられるやんけなアナタ、一寸お待ちなはれ。

もし無倍音で演ってんなら別だけど、アタック部の倍音(つまり基音より高周波数)は触った途端に出ちゃいまっせ。
こんなの厄介っちゃそうなんだけど音程の高い楽器と違って、アタック部より音程部が後から聴こえて来るのは殆ど弄り様が無いねん。

例に依ってもっと追及しとくとPianoとかで低音側程ハンマが重く大きくなる分は早めるにしても、それ以上やったらアタック音が揃わなくなって無駄にごっちゃりしちまうぞい。
ジャストタイミングで鳴らしたつもりが、一般聴者には単に手の左右がズレてる人なんて思われるだけ。

けれどコレって自然現象で楽器以外の例えば雷とか、どれだって何時もそう云う風にしか耳に届いて無いんだから「基音遅延」はそんなに気にせんでも平気なんよ。
気にするのはアタック音のタイミングの方で、それでいて過度の期待も掛けられないのがチト寂しい処だ。

ってのも低音程で高周波倍音の多いのになる程、アタック倍音と基音の分離が良くなるからだ。
それでも単体でだったら別なんだけど他のと一緒に鳴らすと、どのアタック音がどの楽器の出したのか分り難くなってまう。

処がどっこいだからって軽視するとロクなもんじゃ無く、アタックがヘタにバラけるとBeatが弱まってしまうのだ。
地味でもちゃんとしなきゃ駄目ってな厳しいが、アンサンブル全体への影響力は絶大なんですわ。

楽器奏者は自身の出音確認の為にも、どうしたって「誰の音」ってな聴き方ばっかしちまいがちね。
でも一般聴者にとっちゃそんなの知らんわいで、全体としてどうなってるかが最優先なのよ。

これで私的に最高貢献度なのはピック弾きエレキBassのアタック音で、全体として聴いてると何のだか良く分らんが何か時々コンとかケンとか鳴ってるのが入ってるねな感じのヤツ。
音程には無論の事普通のパーカッションみたいな効果すら無いんだけど、あると無しで全体のムードにはかなり違いが出るんざんす。

音色次第じゃDrumでも同じ効果が出てるのがあって一面でその為に音色事由で、今更のLudwig L-1286ビータを使ってる人もそこそこ居るんや。
理論的明瞭度では近年の新しいのの方が優れてるが、それ等は周囲の音次第で目立ち度が結構変わっちまう。

タイミング関連の音色は次送りとして、リズム隊の基音はかように元々他より後でが普通。
なので浮足立つより重たい方がマシで、その方が馴染め易いんだと思う。

決してそうじゃ無いのがあっていけなくはないが、少なくとも確固たる必然性が無いなら慌てる乞食は貰いが少ないだ。
それよか長さのある基音じゃ無く瞬間しか無いアタックを合せる方が大変で、しかしだからこそそっちへ重きを置いといた方がスキルも上がり易い。

けれど絶対に慌てないのに遅れないとか勢いがあるってなもっと大変で、でもそれが出来てこそホントにBand全体をドライブさせられるんだよね。
少しでもそんな理想に近付くには、一般論での演奏技術より基本への強い拘りが必要だ。

これを奏者限定で応援演説するならば、上手く行けば技なんか一切使わなくても絶大な効果を発揮出来ると吠えとこう。
技ってのも時に不便なもんで、楽曲や編曲が許してない処でうっかり繰り出せば唯の目立ちたがり屋になるでしょ。

で折角目立てはしたとしても曲とリンクしてねえから、その場限りの印象で終っちまう。
しかも聴く回数が増す毎に効果は失せてって、その内忘れられちまうんじゃないのかな。

<つづく>

2021年2月13日 (土)

音楽備忘録548 魔改造悲喜こもごもⅢ-①

少し久しぶりでBass用球ポータブルPreampの続報へ戻るが、どうも下らない処でつまづいてばかりでイカンですよこれが。
折角電源案件をクリアしたってのに、それでもまだマトモに動いてくれない体たらくある。

漸くその原因が発見出来たので嬉しさのあまり書こうとしたが、回路自体の説明が無いままではどうにも表現のしようが無いのに今更気付いた。
ので暫くはついでのも含めて、楽器用増幅回路の話しをさせておくんなまし。

電気楽器奏者には未だ根強い真空管信奉者も少なく無いが、否定する者も居るのの最大要因は実は増幅素子自体の違いでは無いからなのだ。
それが過去述の「負帰還増幅回路」ってので、コイツは電気物理性能は優秀だが楽器用としてはニュアンス面で不向きなのだ。

幾つかの理由で真空管回路ではこれが必要最低限しか使われず、石系(半導体)の回路では一部例外を除くとふんだんに使われている。
その例外とはオーディオヲタ様向けの各部品迄厳選した様な逸品で、電気物理性能より音楽的性能に拘った部類のだ。

もう1つ上記のとは全然毛色が違うが、楽器用のにもそれに近い回路構成のが昔はそこそこあった。
半導体登場黎明期にオーディオ用のだったら、部品メーカ側から参考若しくは推奨回路の提示もあった。

が楽器用の方は全く手付かずだった為、取敢えず球の回路の素子だけ石に挿げ替えた様なので凌いでいたからだ。
これ迄に石のでも定評のあったAmpの殆どは、最低でもパワー段はそんな設計になっている。

それ等の印象が強く球のでも変に新しぶって音色を悪くしたのと比べちゃってたら、石に肩入れするのも自然ってね。
尤もそれって残念乍ら「球の真価」を体感し損ねてるんだけど、その人にとって石でも充分だったら他人が口を挟んでもしょーが無いかな。

続けて上述の理由に進めるが、その1は部品のコストとサイズだ。
球のでも過去には精密測定器等には負帰還は多用されてたが、石系より増幅率が小さ目な球で組むには数も規模も大袈裟になってしまう。

石系ではこの問題が無いので遠慮の要らないのは結構だが、楽器用や音楽用に限定すると弱点もあるのが理由その2だ。
黎明期のや極々一部のを除き素子開発時点から、石系では負帰還回路の使用が半ば前提となってしまった。

ってのも1つの素子に対する汎用性を追及すると、最大増幅率は大きい程良い。
球ではそれが困難だったのが石では可能化したのもあって、要らない時は負帰還を掛けて増幅率を下げれば済む。

具体例としては球では1発だと特殊回路にしないと極軽い歪みしか得られないが、オペアンプICならたった1つで普通のDistortionが作れちまうって具合だ。
故に特別な理由が無きゃ石の方が良いんだが、負帰還ってな「後から直してるだけ」って欠点があるのだ。

それが音楽的にだと主に「音色が源のより硬く」なって現れて、特に制作現場ではそれに大きく困らされるのである。
その「硬くなる原因」は極僅かでも時間的遅延が加わるからで、「出口で間違ってた」分を入り口に戻す際にどうしても発生してしまう。

性能的に時代遅れでも楽器用等で古い回路が重用されるのは、このリスクが最小限に出来るからなのだ。
なので球の回路でも下手に進歩的で小利口なのをやらかすと、この利点は弱まってしまう。

それに最初に気付いたのがあのBoogie辺りで、当時は最大手だったFenderやAmpegが衰退したのは「新しさの魅力」に負けた一面も大きい。
但し古典的にシンプルにするのにも限度があって、例えばPreampの場合出力インピーダンスをある程度以下迄下げなくてはならない。

もし楽器用パワーAmpにしか繋がない前提なら不要だが、一般的には寧ろ非楽器に繋ぐ場合の方が多い。
それに必須の電流増幅回路は電圧増幅のと比べると球でも硬目になりがちだが、出力トランスを用意出来なきゃ最終段だけは使わざるを得ない。

現代ではトランスが高価になった上希少用途のは選択肢も僅少なんで、俺みたいなのにとっては殆ど無い話しだ。
それで実際構成するのに何本・何段必要になるかがスタート地点だが、音色を弄るには通常電圧増幅が最低2段要る。

先ず楽器本体搭載のと「違うTone回路」とするのには、楽器とPreampのTone回路の間に1段入らないと駄目。
更にそのTone回路が所謂パッシブタイプなので、そのままじゃ低出力過ぎるし後と直結では繋いだ機器の影響を受けて音色が変わってしまう。

のでもう1段とこれだけで電圧増幅が2段になるが、前出のインピーダンスの事情で電流増幅もその後に1段要る。
のでⅡで都合最低でも3回路要るが、この手のに一般的に使われる球には1本に2回路入ってるからそのままだと余り1になるのが勿体無い。

<つづく>

2021年2月12日 (金)

音楽備忘録547 パートのリズム調節㉕

CCRの分と本題との関わりが残ってるんで、しつこいが続々編でごんす。
T・REXのが半分当人の個性依存とするなら、こちらのにはそんな成分が少ない分誰にでも優しいと言える。

その代り捉え様に依っちゃCCRの方がSoloist+Backband的でもあり、実際John Fogertyがソロになってからも変化が少ない。
どちらも編曲っても曲由来のや曲依存度の高いのは一緒だが、CCRの方が奏者を選ばぬ再現性があると思う。

T・REXだってLiveではStringsの入らない事の方が多かったが、それだと世界観の再現度は低いので「既にファンになってる人向け」って印象が強かった。
CCRの方は本人達だけでもその様な事が無いから、グループの活動方針が違ったかああ見えてMarc Bolanは作家的要素が強かったのかも知れない。

この相違は採り入れ易さに直結してるし、CCRのそれはどれもとてもベーシックな物だ。
なので現代本邦のJ-POPみたいなのには、ホントは最も良い参考になるんだよねえ。

そりゃ時代も国も違うから味比べしちゃったら古過ぎるけど、もしそんな理由で避けてるんだったらもうこれからはお米のご飯なんか絶対食べるんじゃねーぞってなもんだ。
米だって品種改良されてるし炊飯器だってどんどん進化したから、その点では昔と全く同じ味じゃ無いだろうよ。

けどお米を炊いてってのは変わって無くて、それをRock Bandへ置換したらエレキGuitarとコードカッティングってのが同意義になるやん!?。
んで楽曲でも素人向け汎用を狙えば編曲だってシンプルイズベストだから、それからしたら極力簡便な奏法で構築するのが適してる事になるだすよ。

かつては日本でもCharの「闘牛士」みたいに、GuitarのコードカッティングだけでIntroがちゃんと成立してるのもそこそこあったのよね。
この曲厳密に再現するにはかなり高度な小技もテンコ盛りなんだけど、曲としてそれに聴こえるのにはコードが大体合ってればOKってのが職人芸ですわ。

時代順からして妥当だろうが手法としては、差し詰めT・REXとCCRの良い処取りみたいになってんね。
って俺の感覚では結構時代が下ってるが、今から数えるとその差って10年にも
満たない位だったんだな。

まあ正直本当の核心をバラしちゃえば、殆どのあらゆる手法をBeatlesがとっくに演っちゃってんだけどね。
只Beatlesのスタイルの根幹はそのコーラスだから出来た芸当で、歌唱だけでそこ迄の独自性がない場合演奏面でパターン的スタイルがもっと要ったりすっからね。

その点に絞るとここ迄紹介したお三方辺りが、一応意図してやり出した最初の方の人達だったと思う。
してフレーズ以外で本件と関わって来るのがタイミングであるが、これ等の手法を使うならその大多数は遅刻厳禁って感じだ。

極端な話し少し突っ込んだり走っちゃってもOKで、株式会社アンサンブルの宴会部長みたいなもんだ。
例外になるとすりゃPunk系統ので演る時で、その方面ではどんな手法だろうと先ずDrumがイキリ勃ってないと始まらない。

それ以外では幾ら勢いが欲しくとも、リズムに安定感が足りないと聴くのに落着かない。
確かにリズム隊にだって勢いがある方が調子良くて快適だが、Guitarのカッティングを追い越す様な事がしばしばあってはなりませぬ。

これについては又次回にするけど、そこに居る宴会部長を押し退けて下の者が勝手に仕切ちゃっちゃ不味いでしょ。
言葉のアヤっぽくて何だけどこの手法時は「カッティングが伴奏のベーシック」なのであって、伴奏のカッティングじゃ無いんだからさ。

常に最新の注意を払って熟慮する程の事ぁねえが、パート間の組合せが一緒だからって無頭で行くのは流石に勘弁ね。
アイツは分かってるとかってのは、こう云うのの差だと思うんだ。

<つづく>

2021年2月11日 (木)

音楽備忘録546 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊼

今度は自作設計する際の支援グッズを、私的だが参考に記して行こう。
近年本邦では色んなのの内装・外装等はDIYもお盛んだが、直接は見えない所のに対しては随分衰退した感じがするな。

その昔はこの手のって趣味誌や回路図集等の紙媒体以外は、せいぜい電卓とメモ用紙程度しか無かった。
それ等は今だって俺だって勿論使ってるが、PCを利用出来るかどうかの差が当初予測よりかなり大きかった。

後になって呼称を掘ってくとその片鱗が覗けて、今はパソコンでも昔はコンピュータ・大昔は電子計算機とか電子頭脳だった訳だから。
何たってシミュレーションはコンピュータの独壇場で、これが試験部材の手持ちが少ない人に程有用性がある。

大企業の開発部門とかだったら資材も資金も潤沢だろうが、一個人の趣味レベルでは成功率の低そうな実験なんてやってらんない。
その資源の貴重さもだし作業人員だって本人1人だけだから、数種類を同時に並行して実施するより時間も膨大になる。

っとそれ位は俺も使い出す前から分かっちゃ居たが、意外と手間取ったのがソフト(アプリ)の選択だった。
中には端っから有償品で行く太っ腹な方も居ようが、自分にフィットするか不明なのへ課金するのは躊躇して然るべしだろう。

せやからソフトやアプリにはお試し期間の設定されてるのも少なく無いが、専門性が高く競争相手の少ないのになるとそんなのが中々見つからなくなる。
出た当時はそうなっててももう今は止めちゃったとか、それとWINDOWSだとxp以降のOS対応のになる程開発が鈍化して選択肢が少なくなってる。

これは他のでも同傾向にあって残念だが、古いOSを使うの自体が必然性の担保が無かったら無意味だしね。
宅界隈でxpを併用してるのも、音楽関係のソフトだとその方が使えるのが多いのを既に充分把握してたからだし。

けれどシミュレーションには規模が大き目だったり複雑目だったりする時、どう考えてもPC本体もOSも新しい強力なの程有利なのは明らかだ。
そこで俺現況では結果的にどの時代のOSでも割と使えるのが生き残ってるが、回路図描画と部品配置シミュレーションのがこれに該当している。

その一方で肝心のシミュレータの方は最早選択肢は皆無に近く、現行OSで無料で使えるのは「LTspice」のほぼ一択だ。
これは元は石屋(ったって庭とかお墓のじゃ無くて半導体の方ね)が自社製品の優秀性アピール目的で領布してるヤツで、同梱されてる部品データにこっちの使う古いのが入って無いのがご愛敬。

けどこれは「スパイスデータ」でググれば色々出て来るから、手間は掛るがどうにもならんじゃ無い。
但しシミュレータソフトの仕様がLTspiceだけ一寸特殊らしく、不足項目のありがちな上記のでやると若干精度が落ちるみたいだ。

xpでだったらもう1つ「QUCS」ってのがそこそこ行けるが、2017年頭で開発が止まってるのでこれから試すなら微妙だよ。
してこれの操縦が少々面倒ではあるけど、シミュレーションならどんなに壊しそうなのでも平気で行けちゃうから背に腹は代えられん。

勉強不熱心な怠け者なのと相まって未だ全貌把握すら至って無いが、構想初期段階で思い付いたのの実験価値の有無等がこれだけで済ませられるのは大いに助かってる。
この他私的に一番役立ってるのは部品配置シミュレーションソフトで、「PasS」ってのだ。

これは失礼乍らそんなに高度なのじゃ無いけど、後から個人で自由に部品を幾らでも追加出来るのが素晴らしい。
巷には想像を絶する様な珍部品も意外と多いんで、回路用のでも部品配置用のでもソフト制作時にその全てを網羅しとくのは不可能だからね。

こちらは基板から部品迄全てを既に持ってたら現物合わせでも行けるが、これから買う時には効果絶大ってか場合に依っちゃそうしなきゃどれ買って収まるかが分かんない。
そうじゃなくても現物合わせにも盲点みたいなのがあって、見る角度等のせい等で行けるのが無理そうに見えたりその逆も結構起こる。

残りの回路図描画は「bsch3v」ってのを使ってるが、それで作った図は既に皆さんここので見てまっせ。
回路図は手書きでも充分行けるけど、紙媒体の実物では散逸等させ易い。

それを整理保存させるのにデジタルデータ化して取込むのって意外と面倒で、かと言って汎用お絵描きソフトでは手描きより案外難しい。
手描きなら微妙に波打ったりしても直線は直線として扱えるが、バカ正直な汎用PCソフトでは却って曖昧な表現になったりしちまう。

そして何より修正や改変時の差が大きく、消しゴム不要は相手が活字じゃ無いだけに結構大きかった。
これ等は使わなきゃ駄目ってもんでも無いけれど、現代特有の文明の利器ですんで。

<つづく>

2021年2月10日 (水)

音楽備忘録545 パートのリズム調節㉔

前回提示した2組にもコードカッティング以外のもあるんで、続編としてそれにも触れとこう。
こちらでは両者に少し違いがあって、T・REXの方は他パートに委ねるケースが多かった。

本邦ではT・REXのMarc Bolanに対して根強い「下手っぴ説」もあったが、それが理由で簡単なのしか弾かないと何時迄も信じ込んでては核心に迫れない。
かなり何時も変ちくりんな音を出してたのが誤解の元らしく、実際ソロパートでの音使いにも理論を無視した様なのも散見された。

だが理論にも段階ってのがあって汎用なのの他アブノーマルなのもあり、深読みすれば
必ずしも知らなかったから間違えたからそう弾いてたなんて簡単に断定しちゃ拙速だ。
なのにそう思われたのは曲がとてもPopだったからで、俺言いすれば「お子様ランチにタバスコ」状態だったからと思われる。

T・REXの編曲はCCRのより実は大編成や外注のも多かったが、聴いた印象がシンプルなせいで本人が関与してないと勝手に思い込んでんだろう。
この誤認は正確にコードを拾おうとすると解消するんだが、彼のコード使いの特徴に「意外な処でマイナーコード」ってのがある。

それを明確化させるのにStringsに意図的に短3度音を弾かせてるのが多く、こう云うのは作者主導じゃ無いと中々実現出来ないもんなのだ。
かつて数曲位俺は「T・REX風サウンド」にしようと画策した際、彼等のには上記の意外な処でマイナーコードと Stringsの存在が鍵を握ってるのに気付かされた。
 
ノリの良さではかなり高得点でも、弾いてる内容はたった1つの変態を除いてシンプル且つ在り来りなのしか無い。
そのノリにしたって種類的にはちっとも珍しく無く、例外の変態は時々しか顔を出さないからそれらしさとして依存するのは不可能だ。

これ等からすると作者は当初から、Strings込みで作ってったと考えるのが妥当じゃないかな。
あとStringsの音使いが編成の大きさに対してかなり限定的で、音使い的に近いので俺が思い出せるのったらHi-Recordのとかかな。

Hi-Recordのは金管も入っちゃいるものの、管も弦も和音構成上最低限の頭数しか居ない。
T・REXのStringsで重複メンバーを多くしてるのは、そのサウンドに雄大さ等スケール感を求めた為の様だ。

処で上で「例外」と書いたのはアンサンブル内での「Joker役」の事で、これは基本的にMarc Bolan本人だけが担当する様に決められてた様だ。
俺がクソガキ当時リリースされて瞬時に嵌った曲でこれを例示してくが、「Solid Gold Easy Action」ってので私的には今でもおバカRockの最高峰と感じている。

Introからいきなり奇妙なVibratoを掛けGurissandoも使われた「和音弾き」が登場するが、スーパーヘビーリスナー且つ感性派の俺が50年近く経っても完コピ出来ん代物だ。
これが難物なのはニュアンスだけで再現しなきゃなんない処で、それが本人の個性のみで出来上がってたからだ。

この方面ではローリー氏がかなり良い線迄行けてるが、本家と違ってマトモな音に聴こえちゃうから至難の道かも。
総括するとMarc Bolanって奏者は、地味だかとても堅実な伴奏と怪奇音発生装置の二重人格みたいなのだったらしい。

その2極間が中抜けで完全分離してるもんだから、得体の知れない存在扱いされちまったんだろうな。
しかし「曲を正しく伝える」のを主眼に据えると、これは最も理に適った手法だ。

他所で類例が目立たないのは恐らく「類は友を呼ぶ現象」のせいで、生真面目グループ・ヤンキー軍団みたいな固まり方をしたがる人が多いからだろう。
その場合Joker役が持ち回りになるんで、各々のマトモ弾き対変態弾きの時間的割合で変態のが激減する。

故に「Marc Bolanの味」を獲得出来るのは、元から似た個性を持ってる者に限られてしまう。
んが枠を広げてT・REXみたいなアンサンブルってんなら、前述のツボを押さえられれば誰にでも取入れられる筈だ。

<つづく>

2021年2月 9日 (火)

音楽備忘録544 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊻

今日は箸休め的番外編として、大昔の子供用ブレッドボード的存在に言及しとこう。
社会的には知育玩具に分類される物で大御所としては2つあり、「マイキット」と「電子ブロック」なんてのがあった。

ホントなら現代にこそこんなのがもっとあるべきだが、少子化や子供騙しっぽさが嫌われて商業ベースに乗らなくなったんだろうか。
俺の子供時代はずっと昭和だった世代で、小学生当時に電気に興味がある男児の間ではこの2つは結構知名度があった。

リアル入門としてはこんなのの存在は大きいと考えられ、電子立国の自負があり乍ら今類似のが見当たらないのは教育の貧困の象徴だ。
これが無かったからって俺が電子回路に触れなくなってたとは思えないが、自分でやってみる時期が早まったのは間違い無いと感じている。

私的に一等貢献したのは所謂回路図に慣れ親しんだ処で、書物だけから学ぼうとしたら頭脳派じゃ無いタイプの人(俺)にはもっと遠い道のりになっていただろう。
この辺でこれ等の概要へ進めてくが、どっちも取敢えずはハンダ付けを省けるのが最大の特徴だ。

拘らなけりゃハンダ付けってそんなに難しくは無いけれど、火傷リスクの完全回避は不可能だ。
俺の場合はハンダ付けに携わり始める時期が家庭の事情で例外的で、幼稚園に通い出すのとどっこいどっこいだったけどさ。

普通は幼い子供には少し危ないから、それが不要で試せる意義は今だって変わっちゃいない。
この辺でもう少し中身へ迫って行くが、電子ブロックの方は名称から想像し易いかも知れない。

今よりオモチャとしての「ブロック」は当時ブームの真っ盛りで、日本でポピュラーだったのは「LEGO」と「ダイヤブロック」の2大派閥があった。
電子ブロックの実際の組立て方はそれらとは結構違うんだが、感覚的に近かったのは確かだ。

これは当時の親友が持ってたが、俺の方は試せる回路数がより多かったマイキット派だった。
名前は「キット」でも実情はこっちの方がバラック的で見栄えが悪く、手間的にも少し面倒な代り自由度は数段高かった。

ブロックの方ではブロックをフレームに押込むだけで配線不要なのが売りで、キットの方はバネの間に先がハンダ処理されたビニール電線を挟んで結線するシステムになっている。
因みにハンダ処理がされてたのはそれが無いよりゃ長持ちするからで、でもブロックのみたいに半永久的なのとは大違い。

但し基本的には「唯電気が通せれば良い」存在だから、後から幾らでも追加や補填が出来た。
ブロックの方はそれ自体完成品なんで、万一壊した際はそれっきりになり易い。

本家が売れなくなったら困るからそうしといたかどうかは知らんが、扱い易さや格好良さからブロックの方が未来感はあった。
それとブロックの表面に回路図が描かれてたのは、それで回路図の理解を早めてた可能性が高い。

但しⅡで実際に中に入ってる部品はその外観が必ずしも画と似て無いのもあるんで、応用力の獲得は遅れさせてた可能性が考えられる。
何れも一長一短がありつつも教材として充分合格レベルだったが、価格に関しては数量の都合があるにしても一寸努力不足なのが否めなかった。

後に出た復刻版の法外な!?高値設定よりゃマシだったけど、こう云うのにこそ国費を注込んででも興味のある子は必ず入手出来る様にすべきだったよ。
大学だけ除いて工業国の癖に、工業○校=ヤンキー校の図式になっちゃったのへ影響してる気がしてならないぞ。

それじゃ無くても実務スキルが年々低下してるのって、やっぱり体験量やその種類が減ってっちゃってるからじゃないかな。
キッザニアみたいな体験型テーマパークの登場は羨ましい限りだったけど、あんなに高料金じゃ興味の度合いより家柄で参加が決まってまう。

そうして本来は潜在能力に優れたダイヤの原石ちゃん達を、わざわざ振るい落しちゃってんだから馬鹿だよなぁ。
貧民の子息の方が同じ給料額だって有難がってくれそうだから、初期投資をケチらん方が企業的にも美味しいと思うんだがね。

<つづく>

2021年2月 8日 (月)

音楽備忘録543 パートのリズム調節㉓

続いてはGuitarでの伴奏時の重要性を吠えとくが、本邦ではどうもソロパートにばかり力を入れてる奴が多くていけねえ。
確かにメロディを弾いた時にその位ナルシス君じゃ無いと説得力に欠けるキライもあるが、そんなの「そこまで聴いて貰えたら」の話しなんだけどなぁ。

最ブーム時のFusion系とかのにはかなり技が無いと弾けないリフもあったけど、ポピュラー系の曲でそんなのの出て来る頻度はとっても少ない。
それからすると先ず興味を持って貰うにはどうでも良い位のを弾いた時でも、最低でもソロ時と全く遜色無い魅力を発揮出来るのが鍵なのよ。

ハッタリ効かせるのにいきなり超絶速弾きから始まるのも無くは無いけど、それを活かせるのはよっぽど高級に仕上がった曲じゃないとさ。
カッコイイGuitarの後で歌い出してショボかったりしたら、ギャグにしかならんですから。

演奏力に長けてても曲が書けなかったりすると、どうしたって凄いのだって演れるのをアピールしたくなる心情は良く分かります。
けどお客さんを増やすには「今迄聴いた事が無い人」が最上客はんでっから、誰が何処をどう演ってるかなんて知った事っちゃ無いんざんす。

それには全パート共音色の魅力も大事だけど、主役か脇役かで入れ込み度が違ったりしてはボロをダダ漏れさせるってなもんよ。
中には今迄音楽自体に無興味だったお客さんだって居る訳で、予備知識ゼロだとこっちが想像も付かない様な処へ聞き耳を立てられる可能性が大アリや。

そんな観点から秀逸と感じたのに、T・REX(英)とCCR(米)って2つBandが印象強い。
両者共Tyrannosaurus RexとCreedence Clearwater Revivalが正式名だったが、前者の方は暫くして通称の方を正式名にしちゃった。

後者は改名こそしてないが、やはりヲタ自慢的な局面以外では略称でしか滅多に呼ばれていない。
これからしても素人客が多かったのの一面を示してるが、どちらにもリフがあっても短くて簡単なのが殆どなのが共通してる。

それ処か「只のコードカッティング」が主流で、しかしそんなで僅かに聴こえただけで奴等だとハッキリ分かっちゃうんだから凄い事ってすとばい。
その原因が奇特ってば奇特でフレーズは前述の通りで音色も大して特別でも無く、リズムの刻み方とそのタイミングしか残ってるのが無いのだ。

一聴してノリや調子が良いのはすぐに分かるけど、取り立てて変な取り方してるでも無いから具体内容がとても分り難い。
そんな五里霧中から探して行くと、曲との一体感が半端じゃ無いのにその内気付ける筈だ。

Guitarを弾いてるのが作曲・歌唱者本人なのも見過ごせないが、他人の曲を演っても全く変わらないから立場のお陰でそうなれてる訳でも無いみたいよ。
日本で近いのったら路線は異なるが、Charの代表曲のSmokyなんかも同じ部類でもっと分かり易い。

Introや歌間で登場する「ンつ・クチャッ・チャッ・チャッ…」がこの曲の決め手で、しかしⅡで技術的には唯のコードカッティングでしか無い。
だがテクレベルで舐めて掛るとお終いで、これがどれ位バッチリ決められるかで良否判定が下てってしまう。

要はテクレベルとか自担当の目立ち度なんて無視して、どれ位曲をちゃんと表現出来てるかに拘れると近付けるのである。
ヲタの中にだと演奏力を先に聴いてくれる人も居るだろうが、聴く人の基本概念は殆どは先ず「どんな曲か」となるのが自然で当然。

故に例え演奏面で主役を張っててもそれが特に歌物だったなら、伴奏の方がソロパートなんかより遥かに重要なんですよ。
そしてこの考え方で有利になるのが演奏に疎いお客さんに対してで、誰でも知ってる豚に真珠・猫に小判と同レベルの本来とてもベーシックな案件なんですわ。

自分の流儀を仕上げるには少し時間が要るけれど、もし「そうだった・そうなんだ」と思えたなら今この瞬間から即実行するあるね。
演奏に対する基本概念が是正されるだけで、間違ってたらその頃のとはかなり途端に違いが出ますから。

<つづく>

2021年2月 7日 (日)

音楽備忘録542 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊺

さてさて球ポプリの方は進展したら続きをとして、今回から暫くは私的だが電子回路の実験に使ってる道具等を紹介してみよう。
未だに経歴等からしたら俺は最小限度に近い口だと思うが、全く道具レスでは流石に幾らも試せないんでね。

かつてハンダ付けグッズとしてアルミ放熱クリップなんかを紹介したが、この手の物が汎用性を伴ってお求め易くなったのは主に21世紀に入ってからだった。
これには部品規格も大いに関係してて、昔のは今より大きい他まちまちなのが多かった。

故に少しはそれなりのが売られてても使える範囲がとても限定的で、庶民素人にとっては縁の薄い存在だった。
のでかつては仮組みでもある程度以上の部品数になれば、一々その都度ハンダ付けをしたりもしてたっけ。

そのある程度ってのが「豆電球と乾電池の実験」程度の迄で、そんなのには両端にミノ虫クリップの付いた電線なんかを使っていた。
このミノ虫クリップコードは世間でも俺の処でも 未だ現役バリバリだが、クリップの小型化に実用上の限度もあるから半導体等の間隔の狭い足には使えない。

ってか何とか上手く挟めても隣の足とショートしちゃったりするから危険極まり無く、コードの位置を僅かにズラした程度でさえそれが起こるからね。
又繋げられたとしても各部品は全く固定されて無いんで、その面でも安定度が確保出来ない弱みがある。

今ではある程度以上の大きさと重さのあるの用な存在で、では細かいのはどうするのかったら「ブレッドボード」なる物を使っている。
これは言うなれば「ソケットの団体さん」ってなもんで、外見は部品の足を挿せる小穴が沢山並んでる。

穴の下には金属板バネが入っていて、それが適宣個数毎に繋がってるって代物だ。
その中でポピュラーなのは俗に「ICピッチ」と呼ばれる、穴間隔が2.54mmのヤツだ。

その名の通りIC(オペアンプ等)やトランジスタとかを、そのまま挿しせるしそれだけで仮固定して電気的にも繋げちゃう便利グッズだ。
俺は回路規模もだがジャンクだと大柄な部品が多いんで大き目のを買って使ってるが、それでも10年位昔で¥3,000弱位だったと思う。

その際ここなんで魔界!?特有のコツも付記しとくと、ジャンクってのは殆どがハンダ付けされてたからハンダが足に残ってるのが普通だ。
それも一様に平らになってるのなんて稀なんで、ボードに挿すにはある程度それを削ぎ落さないと後が厄介になったりする。

その筆頭は穴より太くて挿せないに始まり、強引に押込めても抜けなくなって困るなんてのだ。
それをクリアしてもまだ油断しちゃ駄目で、ハンダのかけらが内部に落ち残って変な処で接触しても困る。

尤も蛇の目基板に後で付ける時にそんなんじゃどうせ穴に挿さらないから、使うなら必ず1度はやらなきゃならない作業だ。
又取り外してからの時間経過が長いと、足の表面が酸化して導電性が低下してる事も多い。

更にそんな状態だとハンダも上手く乗らない・付かないんで、実験結果の精度の為にもこれは仕方無いプロセスだ。
只そんな按配だから「ブレッドボード専用の作業」としたら、足の曲がりを真っ直ぐに戻すとか短過ぎたら継ぎ足す程度だけで済む。

買った当初は若干の疑念も残ってたが、実際使い出したら試す頻度もペースも飛躍的に増加した。
因みにかつての「一々ハンダ付け」には事故危険性の他にもリスクがあり、部品だけじゃ無理で基板を使う場合に銅箔を痛めたり劣化させるケースがとても多い。

銅箔はその名の如く薄いんで、そんなのに強度なんてもんは無きに等しい。
ブレッドボードレス時代は何か作ったのの端切れ基板を使ってたが、どう頑張っても10回位やると銅箔は全部取れちゃって唯の穴開き板に皆変身しちゃったよ。

実験には失敗や改良等で数回やり直しも付き物だが、そんな事しなきゃ楽器内蔵Bufferみたいなちっこいのには端切れだって立派に使えるかんね。
なので実験で毎度潰してちゃ勿体無いし、足りなくなって買えば結局費用だって嵩んでくですよ。

恒例の人次第案件ではありまするが、貧から来るドケチの体験談で御座居ます。
因みにⅡで小規模でも構わなかったらどの位安価なのか見てみたら、¥200位から出てましたよ。

<つづく>

2021年2月 6日 (土)

音楽備忘録541 パートのリズム調節㉒

今度はBassistの「出来る範囲」に依る影響についてになるが、小規模編成になる程これは一種深刻と思われる。
前々回に提示したYardbirdsの曲に、その典型例があるのでそれから行ってみよう。

それはLost Womanってのだが、私的推奨はアルバム「Over Under Sideways Down」に入ってるのの方だ。
上記の米版と通称「Roger the Engineer」の英ので内容的に大差は無いが、後者のはモノラルのもあるのでご注意ね。
例え「擬似ステレオ」のでも、少しでも音が分離してる方が聴き取りには有利だと思うんだ。

さてこの曲では大胆な処が3つあるんだが、先ずはDrumとBassだけのIntroだ。
ここでの太鼓はかの有名なSwing,Swing,Swing(Gene Krupaが叩いてるバージョンの)とかなり似てて、Bassが無かったらとてもじゃ無いが英国Rockには聴こえなさそうだ。

曲想としてはこの部分は近似なので土人っぽくなって然るべしだが、それをJazzや民族音楽じゃ無くしてるのはBassのお陰だ。
次に特異なのがサビ部でBassに和音弾きがある処で、最有名なWhile MY Guitar Gently WeepsでMcCartneyが演ったのよりこっちの方が2年も早い。

そしてトドメはって相応しいかどうかは意見が割れそうだが、この曲ではリフを弾くのは最後迄Bassだけなのだ。
これが特に’60年代中頃では希少に感じられ、どれか1つだけってんならGuitarやPianoが担当するのが普通だった印象がある。

ここで少し考えると効果的なのがリフの内容で、複音になってたらBassには不向きだ。
前述ジョニルチャのユニゾンのでもそんな場合Guitarの出す和音に依存してるから、途中でGuitarがソロやインプロへ行っちゃうと一寸淋しくなってる事もあった。

けど裏を返すと単音リフだったらこれ等の心配は一掃されるんで、わざわざ同時発音数の多いのに演らせるのは勿体無いし他で大差の出る可能性がある。
その中で今回はお題に沿ってリズム面だけに留めとくが、リズム隊以外のパートはリフの邪魔さえしなきゃOKって事ぁリズム的に相当やりたい放題をしても平気になるのだ。

それが実際にこの曲で反映されてるのが刻みの細かさで、普通なら所謂「うわもの」の方が細かくなるのが逆転している。
但し実現するにはリズム隊の技量がそのグループ内で平均を上回って無いと厳しく、普段は伴奏の方が多くてもメロディもすぐに弾けないとそうは行かない。

Drumに対してメロディって言うとSteele Drumねってなりそうだが、ここで言いたいのはそっちじゃ無いよ。
一般的な音階とは違っても構わないが、そんなのと同等に聴けるフレーズって意味でっせ。

噛み砕きゃすぐに覚えられて口ずさめる様なタイプので、それにパターンがあったらもう立派なリフの1種だって訳だ。
但しⅡで覚え易いソロとは若干の相違があり、こっちのは他のと合奏可能でそうなっても訴求力が落ちないの限定だ。

ポピュラー系のでBassのメロディ弾きが出て来るのってぇと、指弾きのではStevie WonderのSir Dukeとか位でピック弾きのの方が多数派だ。
そのせいもあって近年減少傾向が伺えるが、ピック弾き=BassのGuitar弾きと忌避するのはもういい加減に止めて貰いたいもんだ。

或は劣等感の塊りからメロディ弾くのを取られるのが嫌で、そんな事をほざいてるか知らんがね。
何れにしてもだったら正式名称「Bass Guitar弾き」をメンバーに入れたのがそもそも間違いで、従前のウッドベースよりそんな使い方がし易いからこその命名ですんでね。

少な目編成で様々な曲に最適なアンサンブルとするには、なるべくどの楽器ででもどんな役割も担当出来る方が断然有利ですから。
今度もしそんなのに出逢ったらもういっその事、オクターバーを繋いだGuitarで弾き捲ってやろうかいな。😵

<つづく>

2021年2月 5日 (金)

音楽備忘録540 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊹

何だか漸く本筋へ帰れた感じだが、作業をし乍ら予想以上の大胆な電圧降下の原因を考えてみた。
それに際し「昇圧整流」方式の性質から始めるが、構成回路部品よりトランスって物の性質が大袈裟になって出て来ると思うと良い様だ。

基礎的な処から順に行くとこの方式では、総電力量はロス分を除けば不変なのが第1ポイントだ。
送料じゃ無かった総量不変って事ぁ、電圧を倍にすりゃ電流は半分になる。

どうも望まぬ購入にまだ囚われてるのが露呈したがそれはさて置き、電流が減少すると本回路つまり送出し側だけの変質に留まらない場合も多いのだ。
供給を受ける側の電源ラインインピーダンスが相対的に低目だと、圧より量を欲しがったりして余計電圧降下させちゃったりがあるのよ。

無理に空腹を我慢させといたら普段より慌てて食べたみたいなもんで、例えば溢す量が増えてその分口に入る分が普段より減ってるみたいな…。
何か又分かる様な分からん様なのを書いてるが、要するに常に出す側受ける側の両方が影響し合って変化するのである。

供給大元が半導体回路だったらもう少し安定度も上がるが、最もアナログ体質全開のトランスとなるとこれの変化が又凄い。
のでトランス使用上の基礎知識にも触れとくと、ある程度スペック通りに働いてくれるのは容量の70%位迄ってのがある。

つまり例えば15V・1Aとなってても、確実に15Vで取り出せるのは0.7A位ってな按配なのだ。
それでも減るだけならまだ手懐け易いが小容量のになる程僅かしか使わないと、今度はスペックより思いっ切り高電圧を出してくれたりもするから面倒だ。

重さ・大きさ・曖昧な性能と来りゃ設計サイドから嫌われるのも当然で、しかし状況次第じゃそれをも凌駕する大きな利点だってあるのは見逃すべからず。
それは壊れ難さと寿命の長さで、適正環境下で使われる分には寿命は無いに等しいと思って貰って結構なのだ。

それでジャンクを貯めといて何か作ろうとしたりしてると、近年取れ高が激減してても旧式なトランス君がご登場したりするんですわ。
因みにこの球ポプリのトランスだと、元は’70年代のオーディオ機器の残骸だ。

確かFMチューナーかカセットデッキのだったと思うが、それ等に使われてた他の電子部品は生存率が全然低い。
元々短寿命のでそれが原因で本体機能がオシャカになったのを除いての話しで、数十年死蔵してる内に何時の間にか逝ってたのがあった。

もう1つは魔活用では結構重要なんだが、「唯のトランス」であるだけに応用範囲に限定の無い処だ。
勿論作りたいのと合わなきゃ又今度にはなってしまうが、例えばオーディオ用のを照明に使ったりも全く問題無い。

限度はあるもののおおらかな作りのお蔭で、今主流のスイッチング電源より壊す心配が少なく済む。
さっき上で「表示の70%」位しかちゃんと働いてくれないと書いたが、その結果元々余裕のある使い方しか出来ないのも功を奏してる訳だ。

して今回のもちゃんと事前計算はして適正範囲内には収まってるんだが、それをしといても実際は相手が相手なだけに「壊れない保証」とかにしかならなかったね。
その筋では所謂「スパイス」と称す回路シミュレータも使ったが、如何せんトランスのデータってのがとても入手難。

だし古いのだと実験確認はしっかり取れてても、そもそも未測定だったりするからね。
予測のし辛さからしたら今他で残ってるのだと、それこそ音楽位かね。

変な類似だけどそれだから、案外楽器系とは相性が良いのかも知れないな。
ってもしかしたら散々Cut&Tryしなきゃなんないから、それやってる内に音の変な処も一緒に直ってってるのかもだが…。

けど実用上からだとすぐに作れても使えなきゃ無意味になる訳で、物理的な方に気を取られてたら満足出来るのはきっと仕上がらないよ。
なので電源の目途が付いたからって、真の戦いは寧ろこれからなんだよね。

このプロジェクトでは色んな横槍も普段より多過ぎて、宇宙旅行並の準備の面倒さだ。
かと言って発射成功しないと、先には進めんからしょーがねーや。

<つづく>

2021年2月 4日 (木)

音楽備忘録539 パートのリズム調節㉑

何だか事後承諾要求みたいで何だけど、前回のみたいなフレーズの組合せとか割振りもノリに対してかなり影響力があるもんなのだ
そんで前回のは夫々が違うのを演るパターンのだったんで、その真逆のユニゾンのについて記しとこう。

Rock系の特徴の1つとも言えるユニゾン伴奏だが、案外小規模なアンサンブルに多いのも考慮点だ。
大規模ユニゾンったら何たってBeethovenのが有名だが、壮大さでは嚆矢な代わり各パートのノリの自由度は著しく限定される。

大人数になると膨らみは素晴らしいものの、例えば49:1とかで1人だけタイミングが違うと通常は失敗にしか聴こえなくなる。
なので最速・最遅の人は当然居るだろうが、タイミング差が大きかったり孤立気味のは無しとなる。

それからするとオーケストラのは奏者よりノリは指揮者依存とも看做せ、あんな大人数で演ってる割に一定区間で同時に味わえるノリの種類は少ない。
勿論楽団次第で軽目・重目等の個性はあるが、例えば水色と紺はあっても小人数Bandの青と赤の同居みたいなのは困難だ。

この差が小人数だと一段と音の種類が減るのにユニゾンが行けちゃう秘密!?で、一塊に聴こえる範囲って限定こそあれノリの自由度の高さで救われてると考えられる。
俺個人は音やアンサンブルはカラフルな方が好きで、それからするとユニゾンには興味を持ち辛いのが当然な筈だった。

せやさかいRoy OrbisonのPretty WomanやCreamのSunshine Loveに出逢っても、曲が良いからマスターはしたがそんなに入れ込みはしなかった。
のがJohnny,Louis&Charの際は覆り、物の見事にド嵌りして今に至っている。

彼等の凄いのは太鼓迄完全にフレーズや要所のタイミング合わせてるのもある処で、普通だったらわざわざ音数を少なく聴こえさせてるんだから淡泊にりそうなのがそうなって無かった。
メンバー各自の個性は結構掛離れてるのを、グループの個性として一体化させてたのが面白かったのかも知れない。

只それが生きたのも他の部分ではかなり各自が自由に演ってて、これとのコントラストの強さがあったのも重要そうだ。
尤もそれで各自の個性を殺してたかったらちっともで、余韻の処理や鳴らし方に関してはかなりバラバラなまま。

要所のタイミングだけをピッタリ一致させた例で、一般的には逆のの方が多いと思う。
但し何時もピッタリとか許容範囲内だが一定のズレ方しかさせないしないとなると、それに依って表現巾に制限が掛るのは確かだ。

これの影響の大きいのが「演れる曲」の種類等で、節操無く色んなのを演りたいと思うなら外せない手法だ。
今時は目立つ技にばかり走る奴が多いが、音楽的に効力の大きいのはこんな地味な方なのだ。

私体験からだとジョニルチャでこれを知って以降以前にも増して、その時演りたくなった本来の自分のジャンルから掛離れた曲でもアッサリ演れる様になったなぁ。
それでもグループではやり過ぎては他メンバーの負担が大きいから、自重して限定させるようにはしてるけどね。

しかし考え様に依っちゃ寧ろこれがあればこそレパートリーを増やせるってもんで、各自のジャンルの定番タイプの曲だけで行けるとしたらそんなのはとんでもない天才集団位のもんですぜ。
それが登場後間もないジャンルのだったら未だしも、歴史の長いのになると一寸やそっとの工夫じゃ過去に誰かが既にやっちゃってるのが多いからねえ。

又ヲタ様限定じゃ無く不特定多数を対象にしたいなら尚更で、珍しくするにも凄く簡単なのじゃないと聴いた途端に理解するのは無理だからさ。
現代本邦じゃClick常用の副作用でそんなのは滅多に耳に出来なくなってるけど、そのままってのは流石にもう限界なんじゃないのかな。

これとの関係性は不透明だがそう云や最近のって、伴奏のバリエーションがやたらと少なくなってないかい?。
リフの有無や最後迄それで押通すかどうかとか、逆に一切リフは使わないのとか…。

世間が不安定だからひたすら安らぎを求めて、定番頼みになり過ぎてるのかも知れないけど。
けど「暗い世相」にならBluesがおあつらえ向きで、それが主流化しないのはバブル期に繁栄した残像を追っ駆けてるからなのか!?。

<つづく>

2021年2月 3日 (水)

音楽備忘録538 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊸

照明修理断念の次は断念が無理なBass用ポータブル球Preampと、PCハードディスクの不調案件だ。
一難去ってまた一難ならまだ良かったが、自宅待機中に死亡みたいな恐怖にさらされている。

先ずBass用球ポプリの電源電圧不足だが、調査の結果2段階あった。
1つ目は下らんミスで、繋げるべき処を1ヵ所失念してたって超低レベルの失敗だった。

敢えて言い訳しとくとしたら、通称「蛇の目基板」を使う際の弱点とも換言出来るかな。
もし専用基板で銅箔パターンが予め決められていれば、気を付けるのはハンダ付けの不良や忘れだけで済む。

がパターン自体をその都度錫メッキ銅線等を追加して作るとなると、その順番に依ってはこんがらがって失念し易くなってしまうのだ。
ってのも電子部品には熱耐性に弱いのがあるから
、熱破壊防止にはなるべくそれ等は最後の方でハンダ付けしたい。

がⅡで先に付けといた錫メッキ銅線の固定はハンダだけだから、後の作業時にズレたり取れたりもし易い。
しそうならん様にハンダをテンコ盛りにしとくと、後付け部品の足が基板に挿せなくて不便になったりって。

因みにパターンの代わりにジャンパ線やビニール被覆電線にするのも可能だが、余計に場所を取られたり信号経路が遠くなったりする。
オーディオ周波数帯域のならそれでも高周波回路のみたいに発振現象等はそんなに起きないが、シールドされて無い等色んな点でリスキーだ。

尤ももうこの時点でそれが解消しても期待薄に気付いてた通り、やはりそれだけじゃ全然電圧が足りなかった。
それが見えて来たのはPCフリーソフトの回路シミュレータで計算したからだが、実際はそれよりもかなり電圧降下が大きかった。

そこで計算上だと遥かにオーバーしそうな位に設計を見直すとして、後から思い出した全波整流と併せて昇圧段数を2段増やしたのをベンチテストしてみた。
今回は他の部分は既に一応完成してるから、以前より具体的な判断が可能だ。

実際のやり方等は次回以降に詳述するが、少なくとも球が挿してある状態でなら計算上は法外な値のでセーフな処かやっと足りるのが分かった。
のでとっとと取り掛かりたいと思ったのが、HDDの看過出来ない不調が起こりやがった。

少し前に接続部を掃除して様子見と記したが、清掃直後から時間が経ったら状態が悪くなってしまった。
只掃除したのが完全に全部では無かって、HDDのソケット部はまだだからこれからやってみる。

けれど様子からするとHDD自体が又ハズレくじだったか、ATX電源のヘタリの方が疑わしくなっている。
これが何とも惜しいのは不調のが8T(テラ)と、持ってる中で最大容量で一番経年の浅いヤツだった処。

強引に客観視すりゃハイテクなのの程開発深度は浅いから、弱いのも仕方無いんだろうね。
しかし往々にしてありがちだが旧態依然で低性能などうでもいいのばかりが延々生き残り、頼みの綱から先に逝かれるってのは敵わんよ。

お陰で折角目途の立った球ポプリに待ったが掛って、それでいて最悪は又費用が掛かるなんて泣きっ面に蜂の典型かよ。
っと愚痴ろうと膨大なData尊守の為にはどうしようもないが、これだから金持ちと貧民の距離が拡大するんじゃい。

この件は一応周知だったから最近は、なるべくデータストレージは外付け主体にはしてんだけどね。
けどHDDは外付けより内蔵の本体だけの方が価格低下が先だし、伝送速度がUSB3になってもSATAより遅いんでね。

中々Data用でも全部外には出せなくて、現状ではこっちだけで解決出来る問題じゃ無い。
これを書きつつ色々テストも進めて未清掃部の掃除の他、SATAケーブル自体も別のと交換してみた。

がやはり駄目で該当機種の評判を見てみれば、どうやら他のよりハズレ率が高いらしい。
結局現在は辛うじて生きてるんで、息絶える前に次を買う決断に至る。

時期的には想定外だがそれを除けば覚悟はしてたものの、出費の痛さにゃ変わりは無い。
その代りこれで物が到着する迄は、球ポプリの方に少しは専念出来るのがお慰みか!?。

<つづく>

2021年2月 2日 (火)

音楽備忘録537 パートのリズム調節⑳

コロナ禍でリアルセッションが困難な中、個人で可能なトレーニング方法を記して行こう。
拙ブログにそんなニーズがあるとはあまり思えないけど、コロナ禍じゃ無くても近年は個人中心のご時世みたいなので。

と書きつつ昨日の失敗談につられたか、前回(備忘録535)のと今回のをあべこべに出しちった。
んで御免なさいの挙句、又しても事後承諾みたいになって失礼仕りまする。😓

Youtubeに上げるネタとして所謂「演ってみました」動画なんかが全盛だが、単になぞっただけとか当て振りみたいなのではノリやタイミングの訓練としては全然足りない。
手順だとか同じ音でも何処でどう鳴らすかには役立つが、発展途上の人にとっては画像の助けは
多過ぎても宜しく無いのだ。

このテーマには寧ろ奏者の静止画像と音だけで、それを聴いたら大多数に同じ状況の動画が思い浮かぶ様なのが望ましい。
もっと言うなら実際に動画に撮ったら全然違ってて、凄く地味だったりちっとも姿はそれっぽく無かったりしても構わない。

楽器や環境の本家との差もだが、人が違えば同じ音を得るのに方法や最適解だって違う位の方が自然だからだ。
では音だけバージョンの「演ってみました」にするとして、ネタは何でも良いかったらそうは問屋が卸さない。

特に録音技術に詳しく無いなら尚更で、なるべく加工度の低い物が必要だ。
面倒ばかりで済まないがその「加工度」の判別が意外と難しくて、例えば部分修正されてるか単純な挿し替えをされてるのかでかなり違って来る。

ってこれは主にLive音源の場合だが、上記前者のはこの用途には不適切で後者だと一応可になる。
とは言え普通一々そんな面倒で難解な分析なんてしてらんないだろうから、ほんじゃどーすっかだ。

自分のやってみたいのが古い音源の少ないジャンルのだと少々厳しくなるが、なるべく古~いのを選んで行くのがこの点では有利になる。
ロクに弄れなかった当時の物であれば、劣化は凄まじいかも知れないけど改変なんてしようが無かったんだからね。

それと自分の好みからしたら古過ぎと思ったとして、そこで慌てて候補から外すのは考えものだ。
誰でも各自にとっての目標本家を一番研究するの自体は妥当だが、そこから遡らない限り本家に並べる可能性が既に無くなるからだ。

今を生きる我々にとっては「過去の本家」に違いないが、その本家の人達は自分達が演り始める迄そんなのは世に存在しなかった。
中には偶然だけで突然出て来たのも少しはあるかも知れないが、開発前夜の本家の人達にだって大抵はそれなりの参考があった筈。

これは「聴くののプロ」の親友からかつて教示された知恵なんだが、そうして一歩深堀りした方が好みの音源が断然見付け易くなったんだそうだ。
要は時間の経過と共に「細分化」が進むのが殆どなんで、ルーツを先に押えといた方が辿るのが楽且つ確実になるんだと。

処で「聴くののプロ」なんてヘンテコな呼称だが、評論家とか著述業じゃないんだから全く収入には繋がらない。
けれど聴くのに全てのエネルギーを注げるのはそんなので、経済では無く内容面からしたらそれが最も本格派なのでそう命名してみている。

んで戻るがこれは演る側にとってもかなり貴重な思考方法で、例えばエレキのタッピングだったらどうして大変な苦労をしてでもそうしようと思ったのか等の理解に役立っている。
つまりその手段がそもそもは何の目的の為だったか等が見えて来るんで、必然的にその中で何処が何が優先順位を高くすべきか等が明確化するのだ。

具体例は次回に譲る(書いた時点じゃそのつもりだった…)として、中には無意識でも自然と「1つ前」のを好きになる人も居るかも知れない。
そんな人はラッキーだけど分析の為にはそうならなくても、敢えて意識をしっかり持つのも大切だ。

先ず知らないとどうしようもないが、知ってるのと分かってるのも是又段階に差が生じる事も多々ある。
例えば祖先と本家ので曲調は近似でもサウンドがかなり違った場合、貴方がそのどっちにより強い興味を持ってるのか等の判別に影響する。

それ次第で今後の研究対象も違って来るし、何処に重点を置けば好みに近付くのかも明瞭化して来る。
あと祖先を追及すると本家とはジャンルが違うなんて場合も少なく無いが、これにも大変な価値がある。

例えばサウンドはRockでもフレーズがJazz由来だったとして、Rockしか勉強しなかったら新規フレーズを編み出すのに難儀する。
なぞるだけならJazzのスケールを知らなくても可能だが、新しく作るには知らないと無理だ。

但し必ずしもキッチリ習得しなきゃ無理とは限らず、ここにこんな音程を挟んでも良いんだ程度で事足りる場合もある。
だからこそ個人的には「知らなきゃ損」との思いが一層強いのだ。

<つづく>

2021年2月 1日 (月)

音楽備忘録536 魔改造悲喜こもごもⅡ-㊷

失敗談も包み隠さないのがここの売りのつもりだが、それにしてもシリーズの次の回で断念するのは異例の早さか。😅
それでも諦めたのはLED照明の方だけだが、これには新たな発見が大いに影響している。

そもそもが杜撰大王だとは言え、今回のは流石に一寸想定外だった。
何がったら器具フレームのアルミ型鋼押し出し材の厚みが、驚く程薄いのが判明したからなのだ。

具体的には素手でいとも簡単に変形させられる程で、そんな変形し易いので良くも型鋼として作れたもんだ。
こっちの経験量の多さが仇となって既成概念に捉われたフシもあるが、放熱性能に直接響くもんだからこそ予測出来なかったね。

ここでプチ予備知識を付記しとくが、あまり薄いとすぐに熱が伝わってくれる代わりにどんどん熱くなって行っちまうだ。
かき氷とかとジュースに入れるの、果てはオンザロックに入れる氷の事を想像して貰えば分かるかな?。

かき氷のは口に入れて早目に溶けないと呑み込めないが、オンザロックのは飲み終るずっと前に溶けては温くなっちゃうでしょ。
んで半導体とかの放熱には氷ならオンザロック用のみたいなのの方が向いてて、連続稼働してる内に際限無く温度が上がったら困るからだ。

だからって全く板部分の無い塊では、表面積≒熱放散性能が不足しちまう。
が熱が①熱源→②放熱器→③空気と伝わるのに多少なりとも時間が掛るんで、②から③が済む迄の間極一時的だが蓄えていられる必要もあるのだ。

天井照明として軽いのは取付でも安全面でも有利だけど、この様子では少なくとも余裕なんて無さそうなのは間違い無い。
連続稼働させてても外部表面温度は素手で触れる程度だったんで気にして無かったが、電源基板の収納されてる内部温度は外よりかなり高かって早死に繋がったとも考えられる。

して詳細へ進めてくと手持ちで賄うには駆動電圧を下げたく、それには前述の如く素子基板の切断・分離が必須。
次にそうするとそれへ繋げる電線の通り道を確保するのに、アルミフレームに穴開けも必要となる。

それが元の状態で放熱がギリギリって事ぁ、小さな穴だろうと素子基板の絶縁の為の僅かな切り落しだろうとかなり危険な可能性が高い。
もしそうするなら追加の放熱策を講じねばならないが、それに適したアルミ材等が手持ちに無かったのだ。

魔改造だから継ぎ接ぎもアリとは云え、放熱性能にバラ付きが出てはいけない。
それには端材の集合体でも実質的にほぼ同一条件で、全長120cm・巾10cmを満たせないと始まらないんでね。

只不幸中の幸いとしては元が明る過ぎだったんで、半減でもどうにもならん程暗くはならなかった処。
尤も読書等を安全に続けるには追加照明が居るが、その手のは諸事情から割と手持ちに恵まれていた。

これ等から暫くは半減したままで諦めるしか無くなったが、それでも全く弄らないで済む訳には行かなかった。
それは構造上の都合からで、2本内蔵されてるLED素子基板の夫々が山形に配置されてたからだ。

こっからプチ予備知識Ⅱとなるが直管型蛍光灯等の細長い照明器具は、一般施工例だと部屋の長い方に器具の長い方を合せるのが普通。
見栄え的にもその方がしっくり来るが、しかし実用上の明るさムラからするとそれでは実はあべこべなのだ。

Photo_20210122144401
上図左が一般的な配置で右は見た目は変で落着かないが、部屋に出来る暗い処が少なくなるのは右の方だ。
俺がこれに気付いたのは防音室の蛍光灯具(今はLEDの球に交換してるが)で、部屋内の長手方向の照度低下がかなり大きかったからだ。

部屋の真ん中では充分明るいのに、隅に置いたDrumsetの足下なんて随分暗くなっていた。
斜め向きの影の出来易さでは確かに普通の位置の方がその領域は少なくなるが、灯具直下から外れればその限りでは無い。

結局は到達光量が少ない方が影も濃くなるんで専用のLEDスポットライトを追設したら、太鼓の練習時に今度は部屋の灯りが不要となった位だ。
なので今回案件の器具も健全時は上図右みたいに取付けてたが、素子山形配置で片方だけとなると切れてる側の奥が暗くていけない。

それよか従前が丁度頭の真上に器具が位置してたんで、視界の左右に常時明暗があると視力に悪影響したらおっかない。
普段壁の長い方を向いて座ってるんで、背後側が多少暗くなっても平気だし。

そこで折角発見した知見!?を敢えて反故にして、上図左の様に取付け向きだけ今回変更したのだ。
その結果は器具から遠い場所程以前より暗くなったが、もしかして普通の位置って光量不足のを念頭においてそうしてたのかなぁ。

<つづく>

« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

フォト
2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ