音楽備忘録521 パートのリズム調節⑫
前回後部で必ずしも全員が本格派のノリじゃ無くてもと書いたが、そう云うのは一面でノリのハイブリッドとも看做せる。
これが近年はClick常用や機械の頻用もあってか廃れ気味だが、面白味が足りないと幾ら分かり易くてもその意義が薄れるのも確かだ。
処で上記ノリのハイブリッドの具体例としては、黎明期のRock’n’Rollは典型的だ。
これは概述だが「始めた人」以外はCountryやJazz等、それより前からあったジャンルしか演って無かったからだ。
なので今からしたらちょっと笑っちゃうかもだが、Guitar Vocalだけ8Beatで他は全部しっかりSwingしちゃってたりとか。
単なる偶然でしか無いにせよそれが原典に違いは無いんで、Rockはノリのハイブリッドの原点の1つだったとも考えられる。
対して私的にはEric Claptonのレゲエの大半は、本件では該当しないと考えられる。
それは曲やフレーズはほぼレゲエそのものだが、ノリ→リズムの刻みのタイミング自体は全く8Beat系(Shuffle含む)になってたからだ。
それだって1つの手法として大いに価値はあり、その後何でも強引に!?Disco Beatに乗せちゃうのなんかがシリーズ化して少し流行った事もあったっけ。
けど今回のお題とは逆から攻めたパターンで、こっちのは機械だけでも再現し易い処に差異がある。
何れにしても状況次第でアンサンブル内の誰か1人だけ刻みが違っても、平気な事があるのはこれで明らかになったと言え様。
当然何でも合う訳じゃ無いからそれなりに研究は要すが、これはアンサンブルの個性を編曲に頼らずに得られる手段としてかなり貴重だ。
これに関し現代で配慮の要りそうなのがClick使用時で、Clickに「細かい音符」を何処迄鳴らさせるかである。
正確さもだが全体の流れの掴み易さとしては、例えばそれが8Beatだったら裏の16迄鳴らしといた方が良い。
だがそれで裏のタイミング迄指定しちまうとどれかだけホントはSwingして平気だったとして、それを意図が無くても抑止しちまう可能性があるのよ。
それからすると練習時は細かく鳴らし本番時は粗く(少なく)鳴らせばとなるが、本番と明らかに違っては練習の成果が下がってしまいそうだ。
これって太鼓の訓練をするのに何か細かい方が良いなと感じて、従兄とかに訊いてみたらそっちの方が良いってなってたんだよね。
尤も録音する曲の練習時にそのままで良いかは未だ訊いて無く、本番がハイブリッドノリになるヤツは粗くしとけって言われるかも知れない。
しかしそうだとすればもうこの時点で2種類の練習方法が要る事となり、メトロノーム(Click)に過依存するのは宜しく無いってなるねぇ。
実際に現時点での奏者自身の精度を確認するにはメトロノームは重要だけど、飽く迄自身の感覚の傾向を知るのが基本的な目的と思っとくのが良い様だ。
クドイけど物理的安定度とか正確さでは機械演奏に人は及べないんだから、仮に追及するとしてもそれが「音楽的正確さ」じゃないとね。
少なくとも現行の機械には未だAIは非搭載なので、曲毎のベストタイミングって微調整を出来ないのが人間様に無い敵の!?弱点なのだ。
もし最低限のアンサンブルを組める頭数が揃ってるんなら、今はコロナで難しいけどそっちの研究に時間を費やした方が「人力」としては有効性が高い。
最近は人力がボカロに負けたりしてるけど、こんな側面が影響してそうだから勿体無い話しだよ。
<つづく>
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