音楽備忘録512 魔改造悲喜こもごもⅡ-㉚
さてここからケースを魔転用する際のコツへ進めるが、今日のキーワードは「穴」だ。
その最たるのはツマミやSWの数が元のからは変わる事が多い点で、これには位置の変更も含まれて来る。
運が良い若しくは転用が秀逸だと変更は少なく済み、例えば広い間隔で3つあるのの間へ増やして5コにするなんてのは美しい。
が体験的には9割位の確率で、必ず何処かへしわ寄せが行くのが殆どだ。
そんな時大金持ちなら新調・小金持ちなら該当部分だけ新品を持って来れるが、赤貧にその道は残されて無い。
って経済だけに左右されるでも無いが、先ず考えるべきは「表面」だ。
もし元の材が穴だらけになっても部品保持に問題無いなら、表面にそれを隠す何かを追加して誤魔化す手がある。
気取った表現に置換すれば仕上げ材とか化粧パネルなんて言っても良く、目的はかなり違うが実際に多くの製品でも使われてる手法だ。
この手を用いる際追加材は低強度で構わないのが多いのもミソで、色んな面で自由度が上がる利点もある。
元のが金属の場合だと追加のにシールド効果は無くても平気となり、状況次第だが不要になった下敷きみたいなのですら候補に加えられる。
これ厳密には余計な穴は無い方が良いけれど、空中を飛ぶ電磁気は直進性に弱点があるのだ。
風や雨だったら僅かな隙間でも侵入しちまうが、電磁気→電波は近くに導電性の物があったらそっちへ吸寄せられる性質を持ってるからだ。
差し詰め誘惑に滅法弱いエロオヤジ(まさか俺??💦)みたいなもんで、キレイなお姉さんと出くわしたら絶対素通りはしないみたいな…。
今は令和だからこの辺で止めとくとして、それ故電磁シールドは膜でも良いが網で機能的には足りる事も多いのだ。
見えにくい場所にしか実例が無いのが難点だが、本体が木箱のGuitar Ampや所謂シールド線は正にそう云う状態になってるのが幾らでもある。
Ampの方は極薄金属シート若しくはテープが発展著しいんで、近年のに金網のは無くなりつつあるかも知れない。(放熱通気の為のは今回のと目的が違う)
がケーブルの方では今でもかなりな主流派で、その原因は柔軟性と変位許容だ。
元々金属は柔軟性を有してるのも多いけど、塊りの大きさ次第でそれは極端に変わっちゃうでしょ。
アルミホイルなんて紙より微風に反応したりするじゃん、そんな状況を意図的に作り易いのは板より網なんですよ。
もし2次元状態だったらどっちでも似た様なもんなんだけど、「包む」となると曲がりの内側のがつっかえ棒みたいな作用をしちまう。
それを避けるのに人間の皮膚みたくシワを付けとく方法もあるが、しかし金属にシワなんて癖を付けとくと「金属疲労」を促進させて寿命を極端に縮めちまう。
空調のダクトとかにはそんなのだってあるけれど、あれは常時曲げ伸ばしされるもんじゃないからセーフなだけ。
そこで面にせず網としとくとどんなご利益があるのってば、「横へも逃げられる」様になるからだ。
そう云う自由度を与えとくと特定箇所だけが変形するのを減らせて、その分長持ちするし曲がり癖なんも付き難くなる。
因みに高級な線材では膜若しくはシート状のも使われたりしてるが、それが完全に金属だけで出来てるのは殆ど無い。
フィルムみたいな何かの薄膜へ蒸着させたりしてて、万一金属にヒビが入ってもベースがあるお陰で泣き別れはしない様になっている。
更にそれ等の殆どはグランド(アース)ラインの伝達用に別に撚り銅線が併用されてて、両者はわざと剥き出しで接触する様に収められている。
なので線との接触が途絶えない限りは蒸着膜の途中が途切れても、線経由でシールド機能は維持される構成となっている。
これを応用すりゃ木やプラの板にだって裏面に金属の板かテープを貼ればシールド可能となるが、グランドラインと確実に繋がりを持たせるのに少し工夫が要る。
その内容は「ザグリ部…」の記事で概述なんでそっちを見て貰うとして、個人体験的には可能な際は今回述の逆パターンの方がお勧めだ。
楽器本体の場合それの音響的都合で木が必要な方が多いが、シールド機能必須の電子機器では金属ケースの方が工数や厚みが少なく済んで有利になる。
もしかしたら普段金属加工に縁遠いとそれを心配になるやもだが、金属ったって薄い板なら滑り易いの以外ではそんなに大変になったりゃせんですからね。
<つづく>
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