音楽備忘録535 パートのリズム調節⑲
ではとっとと行かせて貰うが、Hard系のRock好きにはThe Yardbirdsが重要だ。
エレキの3大Guitaristが在籍してたのもあるが、核心はそこじゃ無くリズム隊だ。
彼等原形はVocal&Harmonica・Guitarx2・Bass・Drumの5人編成だが、失礼乍らGuitarの片方に独自性が乏しかった。
けれど却ってそれが新しいアンサンブル手法には好を奏してて、Soloの裏にも必ず伴奏があるのを常套化させたとも看做せる。
The Ventures等もこの点だけなら同じだが、基本インスト物で当時の典型的Rock Bandとはひと味違う。
又Main Vocalを取って無いのにGuitarはバッキングだけってのが、居たとしても希少だったと思う。
これより前のでも時々そんなのがあったが、彼等以降のは主に重ね録りでそうする様になったのが大きい。
つまりBandにGuitaristが独りしか居なくても、Guitarが最低2本以上常に入ってるのが普通になったと。
それでアンサンブル的にどんな効能を生んだかったら、Bassが裏メロ等を弾き続けるのが可能になった処だ。
更にその副産物としてBassにリフを任せられる様になり、Lead Guitarの自由度が一段と上げられる様になったのと密接な関係がある。
DrumにもRhythm Guitarがずっと入ってる影響は大きく、よりパーカッション任務に専念出来る様になった。
Rhythm Guitarの存在の有無で分かり易いのの1例として、Bo DiddleyやReggaeがある。
本来はDrumにだってそれ用フレーズはしっかりあるが、省ける或は片方がそうしなくてもそれに聴こえるのはどっちかって事だ。
TotoのRosannaでJeff Porcaroは Bo Diddleyを引用したのを明言してるが、曲調としてはそんな感じには聴こえない。
SoloになってからのEric ClaptonはかなりReggaeに熱を上げてたが、Drumパートは本式にはなって無く8Beatの派生形(シャッフル含む)のが殆どだった。
それ等に入れてあったHammond Organは結構それっぽく弾かれてるが、GuitarのCode Cuttingとこれ以外は殆ど普通のRockの弾き方しかしていない。
Reggaeはらしさに関してはリズム隊のフレーズのそれっぽさが最重要だが、編曲じゃ無くて曲を演るのに限るとGuitarやOrganの「刻み」の方がモノを言う。
Rosannaが追加も多いとは言えDrumフレーズに反し、そんなにBo Diddleyに聴こえないのは太鼓以外のパートは誰も演ってないのが大きいと思われる。
Beatlesと黒人歌物系を除くとその頃にリズム隊が「攻めてた」始祖として、Yardbirdsが他との差が当時のとしては大きく象徴的だったんだ。
因みにBeatlesと黒人歌物系は結果的には自由に演ってたが、Liveでの「演奏のインプロやアドリブ」は最小限の口だ。
これは楽曲由来なのと演奏主導との違いが原因で、Yardbirdsの方のだとどんな曲のどんな箇所でも遊べるのが違っている。
因みにⅡで自由なリズム隊ってばThe Whoの方が印象的だが、ハチャメチャな様で居て彼等のは良く聴き込めばアンサンブルのさせ方が風変りなだけなのが分かる筈だ。
その判別の1つとして8BeatでのHi-Hatの刻ませ方があり、8BeatなのにOpenで意図的に4つしか鳴らさないのが俺知りではJim McCarty(Yardbirds)が最初だ。
曲としてはStroll Onがそれで、まだ全面採用とはなって無いがバスドラのフレーズも含めてそっち系のでは始祖の1つだろう。
Hatのリズム刻みでOpenのはRingoの方が先だが、ハッキリとは聴き取れ無くても殆どで8つ叩いていた。
Jim McCartyだって上記の如く全部じゃないし、他のでも移行は徐々にだったけどね。
後のHard系やMetal系ではHatの4分音符でのシャンシャンシャンは半ば常識化してるが、他の大勢が8分音符を連打してくれてるからこそと考えられる。
これで一番助かるのは俺みたいな手遅君で、全部叩くのだと無理だった速いテンポのも演れる様になるからね。
Punkのみたいな真逆なのも無理ムリ感満載なのが面白いけど、手の速さが要るから誰でも取入れられはしない。
太鼓以外だとこれは逆転するしどれだって速くて凄いに越した事ぁ無いが、曲を演ってみられるかどうかに限定するとね。
って事ぁ裏を返せばそれが最低必要条件な訳で、○○にしたい際のコツの1つあるよ。
<つづく>
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