音楽備忘録500 魔改造悲喜こもごもⅡ-㉔
ではお待ちかね!?エレキザグリ部のシールド施工の件だが、その前に一応「ザグリ」なんてヘンテコな単語の意味から行っとこう。
コレって他の表現が不可能では無いけれど、それだとかなり長くなっちまうからなんだよね。
エレキ(電気楽器:電磁Pickupの付いてるの、広義には圧電Pickupのも含む)には、その殆どのに簡単或は原始的な電子回路が搭載(多くは内蔵)されている。
具体的にはボリウム・トーンポットやPU切替SW等と出力Jackで、概述の如く通常はハイインピーダンスだ。
これ等部品を楽器胴体内に収めるのに胴体に空洞の無いタイプのだと、収める為の掘り込み・削り込みが必要となる。
それの形状が千差万別な為単に丸穴・角穴とか言えないし、空洞って言うにも元からあるヤツのと紛らわしい。
海外では○○キャビティなんて称すのが多いみたいだが、こっちでは木や金属加工の用語!?として既にあった「ザグリ」(座繰り)を使われる様になった。
本来なら「パーツ穴」とでもしときゃ分かり易かっただろうけど、木工しか担当しない業者には後で付けられる部品の事とか良くは分からなかったりしたからだろうか。
因みに本来の「座繰り」の翻訳!?もしとくと、皿ネジの頭を出っ張らない様にするためにその分掘ったり削ったりしとく事だそうだ。
だけじゃ皿ネジって何?ともなりそうなんで更に付記しとくと、ネジ頭の形状が一番ノーマルなのと反対にドライバを挿す表面側が平らでその裏がテーパー状になってるヤツの事。
ここで今一度念のためにハイインピーダンスの説明もしとくと、ここでのインピーダンスとは交流信号の電圧と電流の比率から来る抵抗値の事だ。
それが「ハイ」(高い)ってのは電流量が極端に少ないのを指してて、それに依って電力量(=電圧×電流)も極僅かしか無いのを表している。(エレキのは低電圧なので)
もっと噛み砕いて言やハイインピーダンスだと、電気の量がとっても少ないのである。
そんなひ弱な存在だと一寸した妨害にも簡単に屈しちまうが、それの主役がこれ等では所謂「外来雑音」なのだ。
その代表が所謂ハムノイズ(流石に長くなるからこっからは各自で必要ならググってちょ)等で、それをガードするのが所謂「シールド」だ。
エレキの黎明期のには世に存在する電気・電子機器が今よりとても少なかった等で、敵が少ないから中にはこの件が無配慮のも散見される。
それがその後製作者の皆が知って気付く様になると、一旦はどれにもキチンとシールドが施される様になって行った。
処が段々商業化するにつれこれをするのはコストでも作業でも楽じゃないんで、悪意に捉えりゃ「外から見えないから」と段々端折る様になって行った。
流石に完全省略すると最高環境下で弾かない時も「ブーン」と出るんで、粗悪な安物でも部分的には施されてるがね。
尤も直接人が手で触れられる様な場所に無いんで、完全では無くても昔は最低環境以外ではそれでも事足りるケースが多かった。
それが主に’70年代以降になって、環境以外の要因でやっぱちゃんとしとかんとキツイわ~な状況を迎えた。
その最大のが意図的に歪ませて使う等で、AmpのGainが高まる→高感度のへ繋げるのが常態化した処。
こうなって来ると「入り込む余地」がある状態のでは、そこから紛れ込んだ雑音迄盛大に増幅されるんで看過出来なくなって来た訳。
ってBassでは歪ませないのの方が今では多いけど、昔より高域迄出す出せる様になってるのとAmp出力が増大したのに依っている。
出力を倍にすればそれが信号源に含まれてるのだったら、雑音だって倍の音量になる。
それで従前は他のに掻き消されたりしててセーフだったのが、隠れ切れてくれなくなったりとか。
なので本来ならシールドは必須事項なんだけど、初号機開発時期の古いのだと敢えて不完全な状態のままで今でも売られてるのが多い。
何故ってばシールドすると元のと微妙に違うって文句付ける奴等も居るからで、俺からしたらそんなの一寸笑止だけど一部にはそう言い切れないのもある。
歪ませないしそんな爆音になんかしないもん、だったら確かに音色が僅かでも変わらない方が良いだろうからね。
尤も使用者がそんな印象を持ったとしても、その8,9割以上はホントは「気のせい」なんだけどね。
その殆どのはシールドしたら籠ったとかじゃ無く、雑音が減ったせいで違って聴こえたのが真実なんだけどさ。
何れにしても作ったり売ったりする側にすりゃ省けるに越した事無いんで、結局はニーズのある人が自分で対処するのが常態化しちまったんだ。
<つづく>
« 音楽備忘録499 パートのリズム調節① | トップページ | 音楽備忘録501 パートのリズム調節② »
コメント