音楽備忘録458 魔改造悲喜こもごも㉓
昇圧整流回路のは努めてヲタ回の早期終息とすべく奮闘するで、非ヲタ読者様には後少しだけご容赦を。
その代り回路設計でフル模倣では無く、我流アレンジを目論む方には神回になるかも…なんて。
球用電源回路では個別適正化が必須ってのが現地点だが、それの具体的な方法がこれからの記述になるす。
ここ迄来て相変らず基本線は2パターンあるが、それは電流の平滑に使うのをコンデンサだけにするかどうかが第1ポイントだ。
所望出力電圧に対して余裕が少なきゃコンデンサ増し盛り一択だが、それは勿論電圧降下を避けたいからだ。
って事ぁ余裕があったら電圧下げてもリップル分を減らせりゃOKなんで、抵抗器を組合わせてフィルタ回路を形成するとか安定化回路の追設が可能になる。
このフィルタ回路とは抵抗器とコンデンサの組合せに依って時定数(Τ:タウ)が生じるが、電気的には時定数(Τ)=静電容量(F)×抵抗値(R)と掛算の作用をしてくれるお陰でコンデンサの容量を大胆にケチれる様になる。
尤も掛算だからコンデンサ小・抵抗大とすればその分電圧降下量は増えてしまうが、抵抗器の方がコンデンサより安価・小型・長寿命なのが着目点だ。
近年ではこれより特に趣味者間ではより高効率な半導体回路を利用して質向上を図ってるのもあるが、基本内容に対しては抵抗とコンデンサでも違いは無い。
差が出るのは安定度で、オーディオヲタ氏としては常に一定の性能を確保するのが目的で始まっている。
けれど楽器用となると時にその安定が却って邪魔になり、使われ方に依る反応の差が出難くなる。
望まぬ差はムラだがもし望まれてる差であるなら、電気的には落第生でも表現の世界では特待生なのだ。
このCRフィルタ方式の得失を纏めとくと、コスト・スペースでは有利・電圧の降下量や安定度では不利となる。
して実用的な線を狙うなら、コンデンサの方をケチる限界を知っとく必要がある。
それは電圧降下が大きいって事ぁ、その分低容量でもより高耐圧のが要る様になるからだ。
これって単に得られる電圧が下がるだけでなく、ピーク電圧はちっとも下がっていないのがミソ。
つまり抵抗器不使用時と全く同じ耐圧が必要になるんで、各々のケース毎に事前計算をして適正を見極めるのが必須だ。
参考に私的体験を述べとくが、少しでもハムノイズを減らすにはコンデンサは大容量な程安心だ。
そのうえ昇圧整流回路の効率的にも高耐圧のにしては大き目な、100μF以上のがどうせ複数個要る。
のでCRフィルタ方式の採用は最低限に留まってるのが殆どで、一般傾向とはどっちかってば逆となっている。
最後に別面でとても重要なのを提示しとくが、それは段数が奇数だと電圧が丁度良くなる場合だ。
その場合実際には本項⑱の図の丸囲み数字から上の不要部分は、丸毎一切無くなった状態となる。
図中aは昇圧では無く供給用なのでこれを除外して様子を眺めると、ダイオード2個に対しコンデンサ1個の法則があるのが分かるだろうか。
その為奇数段だと末端でコンデンサレス状態が発生し、その分リップル分が盛大に増加してしまう。
これ感覚的にはダイオード1個でもそこへコンデンサを並列にしときゃ良さそうだが、やっても駄目じゃ無いけどとっても効果が低くなる。
その位置に追加したんじゃホレ「直列」になっちまうわね、しかも抑制効果も他のは2段分だがそこだけ1段分。
実体験からするとそれでは埒が開かなかったから、別個に出力電圧とグランド間にコンデンサの追加が要った。
尤も録音用のプリAmpなんかだとどっちを選んでもそれだけじゃ全然不充分で、ってこれは普通の電源回路を使ってもそうなんだけどね。
<つづく>
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