音楽備忘録476 魔改造悲喜こもごもⅡ-⑭
又してもの過去ネタになるが、最近別項でも取上げたオーディオAmpの話しを少々。
お題からしたら製作記事となる筈がこっちに来てるって事ぁ、そうです色々紆余曲折がやっぱりあったんです。
いきなりだが念の為誤認回避で付記しとくけど、幾ら勢い中心の昭和のオッサンでも普通に作ったらこんな騒動にはなんないんだからね。
どうしてもの際以外ジャンク部品の山から、半ば無理矢理捻り出そうとするからなだけですから。
さて今回は何か過剰防衛っぽく見えるかも知れないが、そのジャンクのネタ元にも触れとこう。
昔は稀に捨てられてるのを拾った事も皆無じゃないが、基本的には宅や身内の処でオシャカになったのから抽出したのばかりだ。
なのでその内容に偏りも結構見られ、楽器とか高級オーディオに最適なのなんて残念乍ら殆ど採れない。
私的に特に残念なのはディスクリート(ICとかLSIじゃ無く所謂トランジスタとか)のが、形がバラけ過ぎて滅多にマッチングペアを組めない処だ。
それで本件でも当初はMOS FETのパワーAmpを画策したが、手持ちのだと最大出力が15W程度以下に制限されてしまうので断念している。
これも近回概述だが例のスピーカ補填EQ等と並行して作業してたので、補填量の多いTANNOYでも足りさせたいのもあったからだ。
再出になるがスピーカの場合たった3dBの低下でも、耳に聴こえる音量は半分となってしまう。
依って例えば特定帯域だけ+15dB増し盛りするには、他が1Wの時にそこだけ何と30Wものパワーが必要となってしまうのだ。
非防音室でサブオーディオ用のだから滅多に1Wすら要る事も無いだろうが、実際幾らでホントに足りるか判明して無かったからマージンは多い程良かった。
因みに小型スピーカの代表的能率は87dB位だから、Amp出力が0.25W程度でも80dB位とかなり叱られそうな音量が得られている。
のがTANNOYの測定グラフからすると最低でも21dBも盛りたい箇所があり、全体が1W時にその箇所には126W無いと足りないと計算では出て来る。
無論耐入力が100Wしか無いんだからもうこの時点で無理だが、全体0.25W時なら30Wで足りるから少しは現実味もあった。
上で第1候補をMOS FETのディスクリートとしたのも、聴取距離の近さからも極力柔らかい音質になるのを狙ってみたのだ。
最終的にはTANNOYはウーハStrokeが原因で挫折ってるが、たればこそ余計柔らかさに執着しといて良かったよ。
何れにしても仕方無く第2候補の探索となったが、そこで浮上して来たのが所謂パワーアンプICってのだ。
俺が若者だった頃にその手のにはロクな音質のが無かったが、近年では下手なディスクリートなんか遥かに上回るのだって一杯ある。
寧ろそのお陰でこっちとしちゃ欲しいディスクリート部品がジャンジャン廃版になってってる位だから、頭ごなしに否定してらんない。
とは言え比較的低経年でのジャンクなんて殆ど無かったから、量がそこそこあった割にゃ候補になりそうなのは少なかった。
してその中からST MicroのTDA7265とTDA2009Aってのが生き残ったが、前者はミニコンポ後者は何とブラウン管式TVから採れた代物だ。
所詮マトモなディスクリートのには敵いっこ無いが、そのマトモってな実はかなりハードルが高い。
この件は長くなるから次回送りにするが、それでも後者は当時普通のTVにしちゃ何だかヤケに気持ちの良い音だなと感じられていた。
前者の方はデジタルコントロールとプロセッサ部分が逝かれてたから、事前にその音は分からなかった。
がDataシートをWebから掻き集めて比較すると、明らかに他のより突出した性能だった。
処でこんな昭和のオッサンでもネットがあって助かってるのがこう云うので、大昔みたいに部品数が少なかったなら兎も角今は本なんかの実像の形で入手するのは先ずもうコストからして非現実的になっちまったよ。
<つづく>
« 音楽備忘録475 スピーカ低音補正の仕方③ | トップページ | 誤った合理性③ »
コメント