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2020年11月10日 (火)

音楽備忘録461 魔改造悲喜こもごも㉔

さて前回到達した「電源のリップル」を考察するには、様々な整流や平滑の知識が必要だが原理についてだったら他所に沢山ある。
でも問題は具体的にどんなのがどれにどれ位要るかなので、石より格段に情報の少ない球のを中心に行ってみよう。

整流はここでも過去述なのと上記趣旨に従って理屈は最低限に留めるが、その代り簡便だが概念図位は奢ってしまおう。
図を見て貰う前に交流から整流した直後の直流の真実だけバラしとくと、極性が絶対に⊖にはならないだけで電池とかのとは大違いな所謂「脈流」しか得られていない。

Photo_20201001220101

んだばとっとと行くが①と②は平滑処理前の波形で、①が半端整流で②が全波整流ってのの波形だ。
そして③は①のへコンデンサを追加した平滑処理後の、④はチョークCoil通過後で⑤はそれへコンデンサ平滑処理したのの波形。

どれも凸凹だらけで直線(純粋な直流)には程遠いが、③〜⑤のは0V迄下がっちまう瞬間が無い。
何だか涙ぐましい結果ではあるが、電圧の低い方が底上げされてるんだからこれでも平滑効果があるとな。

ここから平滑とは波形の凸凹(電圧変動)を減らす事なのが分かると思うが、残念乍ら綺麗な直線にするのは増幅素子を使った回路でも用いない限り原理時点で不可能に等しい。
とは云えこんなのを直接スピーカへ繋いで音を聴く訳じゃ無いから、僅かなある程度だったら残り凸凹があっても聴こえる範囲からは遠ざけられるのだ。

何れにしても極力凸凹を減らしはしたいので、可能であれば整流の段階で②を使えたら少なくとも「谷の巾」は狭く出来る。
とは云えⅡでその「僅かにする」のがかなり大変で、②+コンデンサでも波形の基本シルエットは近似で山の数が倍増して細かくなるだけだ。

コンデンサ容量の増し盛りに依って波形直線部の位置を高めるのと傾きを緩やかには出来ても、昔みたいに大容量コンデンサが作れなかったらお手上げだ。
その救世主として考案されたのが所謂「チョーク」で実体は殆ど只のトランスだが、変圧作用不要の為巻線は1本しか無いし端子も出入口のみの2つだけなのが普通のとは違っている。

してCoilには波形の山の頂点を後ろへ(図でなら右へ)ズラす作用があり、ズレた分山の底辺が伸びている。
加えて山の形自体が丸っこくなったのと相まって、もうこの時点でコンデンサが無くても谷がかなり浅くなっている。

なので凹みを減らすの限定だと尤も効率の良い原理方式だが、トランスは大きく重いし特に近年では高価なので不使用一辺倒になっている。
しかしもし球の様な高圧で大きな容量が欲しいとなると、幾ら割安になったコンデンサでもコスト面の利は減るし場所を盛大に取られるのが避けられない。

楽器用球Ampでも典型的な(若しくは古典的な)反応に拘らなきゃ、第3の手段としてアクティブリップルフィルタなんてのもある。
これ端的には高耐圧トランジスタで、コンデンサの平滑作用を増幅するってのだ。

今は高耐圧のでも石はお安いから場所を取らぬのと相まってご結構ではあるが、抵抗器・コンデンサ・トランス等受動素子と比べたら能動素子故の弱さがある。
この用途では受動軍団に対してどうしても余裕も小さ目になるし、壊れた時にもし短絡(ショート)すれば電源トランスを「道連れ」にしちまう事だってある。

最終的には状況次第で選択肢は異なるし、可能なら複合更には全部盛りなんてのでも良いだろう。
只「苦労してやっとの思いでそこ迄昇圧させた」を尊重すると、この中では過去の遺物みたいに見えるチョーク活用も電圧降下の少なさから候補から外せない。

現に俺はチョークに使えそうな古いのを偶然持ってたが、当初はそれ等の計測や耐性テストが面倒で使わないつもりでいた。
何分40年以上昔の多分TVに入ってた代物であるから情報皆無だし、テストして無事かそれをパスしたって何時迄持つかも分からんからね。

処が幾ら何でもこん位テンコ盛りにすりゃ大丈夫だろうと思って、ありったけの抵抗器やコンデンサを繋いでみても「ブーン」は幾らも小さくなってくれなかった。
そうして手持ち品だけで試せる範囲の限界に達して、万一「買わずに済んだら儲けもん」ってんで仕方無く漕ぎ出したのだ。

実際やってみるとチョークの効果は想像より遥かに強力で、扱う電流が小さければトランスったってかなり小さくて済んでしまった。
コンデンサがどれだけで足りるか試せてないからコスト面は微妙だが、
空間占有率に関しては明らかにチョークを使った方が有利なのが確定したのである。

俺みたいな人生の半分以上を既に消費した様な奴が、しょっちゅう古臭い事を言い出すとノスタル野郎と思う人も居るかも知れない。
でもねぇ「新しいのだけに範囲を限定して検討する」ってのが、ホントはもう時代遅れなんじゃないすかねぇ。

<つづく>

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