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2020年11月20日 (金)

音楽備忘録471 魔改造悲喜こもごもⅡ-⑫

こっから暫くは別項で取上げた、スピーカ周波数特性「専用補正EQ」の製作記だ。
一応新製してるのに魔改造枠へ押込んじゃったのは、使用部品が90何%以上廃品回収品だったからだ。

ジャンク集めも無費用でこなすとなると、必要数が揃うのにはとても時間が掛る。
だからたまにしか作らない人だと考えものだが、何時も何かを画策してそうなら寧ろ上手に使い切る方が大変かも知れない。

何れにせよ一寸特異なパターンでも、お金が無かったら何も作れないと考えてるならそれは間違いなのを指摘させといて。
それはさて置き唯一でもPC内ソフトでデジタルバーチャル領域で処理可能となったのに、何故わざわざ作ったかから行っとこう。

実際にはその頃使ってたOSの賞味期限切れ(Win Xp)が迫ってて、当初は並行してやっていた。
それで目途が立ってたのもあるが他のソフト、特に音楽Liveの動画再生をする時の事等を考えて続行を決めたんだ。

では順を追って進めてくが、最初に考えなきゃなんないのは回路方式だ。
その中でも所望特性を得るのに、削るのか盛るのかどっちを主体とするかの選択だ。

新たに追加される回路が発する雑音を考えりゃ、削りメインの方が有利になる。
先にやるか後にやるかは別としてそうしとくと、増幅するのは1回だけで済ませられるから。

と理想としては削りなんだが測定したグラフの様子を見ると、どっちを主にしてもJBLでフラットにするには削り・盛りの両方が要りそうだった。
この面でも素直な性質(下が足りなくなってただけ)のTANNOYの方で行きたいが、悪い予感もあったので結局物試で両方のをこしらえといてSWで切替えられる様にするとした。

尚使用部品については兎に角オペアンプ(アナログ音声向け集積IC)だけはひたすら収集しといたんで、数だけは余裕があった。
あとで適正機種を選別してったら結構ギリギリだったけど、特別拘らなけりゃこれは買ったとしてもそんなに高くは無いし入手も簡単だ。

この時点での不幸中の幸いは増やさなきゃなんないのは低域だけだった点で、石の増幅素子の雑音は高域寄りに多いので助かっている。
他にも低域は高域と比べると波形が大柄なんで、スルーレート(Slew rate:反応速度→音の立ち上がりに主に影響)に優れて無くても影響の小さいのとか。

因みにオペアンプのグレードのメインはほぼこのスルーレートの差にあって、全帯域とか高域を増幅する際はかなり誰にでも聴き比べるとすぐ分かる差がありまんねん。
それでも理想よりはかなりショボイのしか採取出来て無かったから、出来上がる迄はそれなりに不安だった。

さてさてここから実際の設計計算に入って行くが、球やディスクリートのよりゃ大分マシだがやはりアナログ回路では結構計算値とは誤差が出たもんだ。
そもそもこれに使う回路はQ変更の可能なパラメトリックEQってのになり、計算の手間だけでもかなり面倒だ。

尤も用途が超限定なのでツマミは一切付けず、半固定抵抗も何かの拍子でズレたとか接触不良を起こしたりするからそれすら避けた。
けれど一度組上げたら全く弄れないってだけで、回路自体は普通のパライコとほぼ同じ。

なのに面倒かっつったらどれか1つのパラメータ変更が、相互に影響し合う処やねん。
せやさかいどれか1つ例えば作用中心周波数が僅か高かったって、そこを変えると全部やり直しになる。

これは部品の精度も大いに関係してて、抵抗器やコンデンサみたいに昔からあったヤツ程元から大雑把なのよ。
故にアナログだとこんな風に作り込み必須となるケースもあって、試運転し乍ら部品を足したり減らしたりなんかの微調整が延々続くんだす。

こんな場面に限っては理不尽がまかり通ってた昭和生まれが助けになってそうな気もすっけど、ホントにもう最後は根気・根性だけの世界ですねん。
それでも俺的にはデジタルパライコを買うのをあまりお薦めでけへんのやが、それは次回に宜しゅう。

<つづく>

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