音楽備忘録444 楽器の機械的雑音の話し⑨
では本題へ接近してくが、今回はストンプフットスイッチの方式案件だ。
これ雑音的に大別すると外部へのと、内部音声Lineへの2種類がある。
元は機械式のしか無かったのへ途中から電子スイッチが登場したが、機械式のでも外部雑音の大きさは様々だが限界値としては内部へのも含めて電子式には及ばない。
だが奏者の操作フィールの観点からだと、静かは良いが動作が分かり難いのは喜ばしくは無い。
インジケータランプ等で目だけでも確認可能な工夫がされたりしてるのも多々あるが、切替えたい時に見てられるとは限らない。
又僅かな変質をも嫌い絶対的必須では無い回路の追加をせず、電子式を避けた機器も散見される。
そうすれば機械式の接点部に依る劣化は避けられなくても、雑音が新たに付加されるの等は回避出来る。
けれど真の狙いはスルー(Effect Off)時の、インピーダンス変化が無い事だろう。
何れにしても最終的には用途次第で選択するしか無さそうだが、希望的には更なる機械的進化を期待したいが厳しそうだ。
デジタル化の進展に伴ってタッチパネル等、最早物理的スイッチの存在すら減って来てるからなぁ。
それと故障率でも電子式の方が低いんで、尤も分かり易さの為に電子式の癖にウルサスイッチを付けとくのは本末転倒だ。
ここで一旦両者の得失を深堀りしとくと、切替ショックの大きいのは振動に依る内部への影響も留意すべき点だ。
もし増幅素子等を一切含まない機器だったら影響は小さいが、感度の高い素子(増幅率)等は往々にして振動に弱いもんだ。
それでもドラムペダルなんかに比べりゃ影響は小ささそうな気がするが、必ずしも楽音とは同時ではないせいか結構目立つもんだ。
因みに操縦者本人は無意識な事が大抵だが、極僅かでも早目に操作し始めないと間に合わない。
コレってドラムペダルだって一緒なんだけど、タイミングの違いからスイッチのは割と楽音から孤立し易いのだ。
ペダルがバスドラのだったら、盛大に雑音を発して楽音はピアニッシモなんて事ぁ先ずあり得ない。
小さく鳴らそうとそっと踏みゃ、雑音だって大抵は小さくなるしね。
でもストンプの方ってば鳴らす方も様々な状況が考えられるし、スイッチ自体の雑音音量は殆ど加減なんて出来んのよ。
電子式でこれ等を凌駕する利点があるとすれば、ミクロFade In・Fade Out動作をしてくれる様なヤツだ。
だが残念乍らそれをしても諸事情で万能には出来ないので絶対的な存在では無く、これは詳しくは長くなるから次回にしとく。
して具体例を覗いてみると大音量・業務用のは機械式が、一般用のは電子式が主流になってる印象を受ける。
本格的なAmpのだと古めかしいゴツめのが未だ案外多いが、楽音が大きいのと緊急修理時の部品互換性等が原因と思われる。
楽音対雑音の比率が元から大きいのもだが、お客さんからの距離を取れるのもあるだろう。
但しそれを録音時にLiveと全く同じ様に使おうとすると歓声皆無で部屋は静かだし、収録時の残響を嫌って狭目の部屋だと厳しくなってしまう。
そんなで何故あまり文句が出ないかってったら、そんな状況下では殆ど録ってる最中に切替えなんかしないからだ。
コレ雑音だって困るけど別の懸念もあり、折角の名演が切替えタイミングの失敗で没になっては勿体無いとかそれで何度も録り直して時間や労力が増えるのは旨く無い。
なので即興の合奏等以外では、そもそも切替え自体を無くしてしまうのが得策な訳。
今の世相では昔より豊富な音色変化が求められがちだが、より演奏内容へ注力させるとか付帯ミスを減らすにはLiveは録音と別物とした方が潔いのは今もそのままだ。
別段切替えの早さ多さを売りにしても結構だけど、どうしても安全度が下がるのだけは覚えといた方が良いかもね。
<つづく>
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