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2020年10月13日 (火)

音楽備忘録433 魔改造悲喜こもごも⑮

今回はTO-2の改良に際し「付いた知恵」で、真空管回路に必要な電灯線より高い電圧を得る方法について記す。
これも理論のみなら他所様の電気ヲタ系ブログ等
でしばしば散見されるが、実使用例やその実態に触れた物は少ないので。

前述の如くTO-2ではわざと容量不足気味のトランスが使われてたが、それにしてもTD-1に比べて妙に小さいのが気になっていた。
それを可能としたのが所謂「倍電圧整流回路」ってので、最終的な回路への供給電圧は大差無いのにトランス自体の出力電圧は何と100Vのまんまなのだ。

それならトランス要らんだろって話しだが、実際に過去の普及版ご家庭用真空管機器にはそんなのも多かった。
一寸待った球だってヒータ用の電源はもっと電圧低いんじゃってその通りなんだが、昔のそれ等は球のヒータ全部を直列にしそれでもし合計が足りない時は抵抗器を入れて対処されていた。

これは道路上を走るのしか無かった時代の電車等でも一緒で、車上のあらゆる電球を全て直列にしてなんて調子で。
それだとたった1つが切れたらもう全部消えちゃって不便なんだけど、それ位インバータなんて無い昔は電圧変換は大変だったのだ。

感電の危険だってそれじゃ高まるのにそっちを選んだのは、やはり高価で重たいトランスを電車に乗せたく無かったからだ。
モータの力だってその頃のには全然余裕が無いってか、そもそも理想通りの力強いのなんて夢の話し・動いてくれさえすりゃ御の字状態だからね。

この辺で戻すがそんな太古の裏技!?が、ストンプには意外と有効手段だったとな。
TD-1の頃だってもうそんな需要は他に皆無だったが、最初は余計なリスクを避けるのに特注でトランスを作って貰ってたんだろう。

ではトランスって別名に「電圧変換器」ってのがある位なのに、何故100V→100Vのなら今でもニーズがあって割安に入手可能なのかだ。
それは雑音や雷が直接回路へ入ってしまうのだとか、極性不一致に依る感電事故を無くす用途があるからだ。

実例としては以前述の管球式一体型ステレオ等が該当し、単体だと問題無く使えるのに繋ぐ相手に依っては動かなくなったりなんて体験がある。
そして危ないからお試しも禁じた上で話すがコンセントは両方繋ぎ両機器間は何も繋がず、両方を同時に触ったら見事に「ビリッ」と来てくわばらでしたよ。
(なので相当前述の通りそうならない様に改良した)

尤も折角この部分で秀逸設計でもこっちのニーズに対しては、これの改造にはどちらかってぇと障害になっちまった。
しかし後になってこの方法とそれで実用になるのを知ったのは、魔改造道には大変役立っている。
厳密には改造ってよりゃ作り直しとかそう称した方が相応しいかもだが、何てったって球用じゃ無いジャンク部品で球回路を組める様になるのだ。

近年は一段と電子部品の一般販売自体が希少化しつつあるが、球用となれば限られたオーディオヲタ様用の以外特に新品は手に入らなくなった。
すると電圧増幅のみでもオーディオ用Preampみたいなある程度以上の規模のだったらトランスもまだ僅かに残ってるが、ストンプみたいに「ほんの一寸だけ欲しい」のに向いてるのなんて既にとっくに絶滅してるのよ。

加えてヲタ様用のは価格を筆頭に、こっちの用途にはオーバースペックで敵わんがな。
これも低圧駆動移行の一因なんだろうが、音質や音色が問題になる分野では最も不向きな方法なんだ。

だいいち球本来の持ってる性能を著しく低くしか発揮出来なくなるので、今では割高な真空管への費用対効果は最悪。
それを今でも何とか出来るこの昇圧整流方式は、とても大きな意義を持っているのだ。

私的には貧対策としても効果絶大で、全然違う用途の機器に入ってたトランスを球のへ転用出来ちゃうのがミソなのだ。
壊れた機器の生き残りを使えば手間は食っても出費¥0、特にお試しの際にはこれは生死を別ける位重大だ。

<つづく>

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