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2020年10月19日 (月)

音楽備忘録439 魔改造悲喜こもごも⑰

さてさて「昇圧整流」なんて独自呼称にした訳を、これから紐解いてきまし。
色々欠点弱点も御座居ますが、昇圧する電圧をそこそこ選べるのが最大のメリットだからでごんす。

今日は欠点の方から始めるけど、それは普通の整流回路(交流を直流に変換)よりダイオードやコンデンサが沢山必要となる処。
なのでもしか大昔だったら、トランスの方が安かったりする事もあったかもね。

それが技術の進歩でダイオードやコンデンサは安く小さく出来たんだけど、トランスの方は原理的に無理があった。
部品点数の増加はスペースにも悪影響を及ぼしはするが、現実的には体積だけで考えちゃ拙速なんだ。

部品も細かくなると「並べ方」の自由度が高まるから、一塊の大きいのが減れば隙間へ納められるねん。
故にケースの絶対的体積が至上命題なら別だが、一般的には細切れになる方が小さく纏め易くなるのだ。

とは云え不必要に昇圧させる段数を増やすと色々と効率が落ちるんで、流石に12V→300Vなんてな幾ら奇特な俺でもまだ試した事無いけどね。
でももしそんなんしたら出力が12Vのだけしか無いトランスでも、電流容量さえ足りれば球用電源に使えちゃうんだ。

とは云えⅡでコレって魔法的だが決して魔法では無いので、電圧を倍にすると電流は半分に減る。
例えば4倍圧にすれば取り出せる電流は¼になるんで、電流が沢山要るヤツには向いて無い。

加えて「ブーン」って所謂ハムノイズの元凶の「リップル成分」が上記例なら4倍になるから、その分コンデンサの容量を増やさなくてはならない。
これ等から高電圧は欲しいが電流は僅かしか要らない、そんなのにしか向いてない方式だ。

それでもこれを筆頭に普通なら1個で済ませるべき部品を、複数の組合せで賄うのには色々な意義もあるのだ。
例えば設計計算から導き出された抵抗値のが売って無い場合、半固定抵抗器が使われる事が多い。

だが只の抵抗器よりゃ大抵は場所を取るし、動かせる物を使えば何かの拍子で値が狂う可能性もある。
又抵抗器の値の種類が高価なのは多いのに廉価なのだと少ないってのがあるが、所望値だけの為にオーバースペックなのを買うのは最善じゃ無かったりする。

性能が足りない訳じゃ無いんだから良いじゃんって、そっちはOKでも少し大きかったりする事もあるからね。
又Ⅱでこれがコンデンサなんかだと元々値の種類が少な目で、昔のラジオで使われてた値を自由に設定可能なバリコン(可変容量コンデンサ)には音声信号には値が小さ過ぎて代用が利かないとか。

勿論様々な面で部品点数を減らすべく、特に量産機では設計者は「ある物だけで回路を組む」努力をしてはいる。
しかしシンプル過ぎて古典的なのが多くなり易い楽器系のでは、僅かな部品の値ズレだって音を台無しにするのなら許すべきではないのだ。

この手のともすれば胡散臭い技は不格好で怪しげなんで、近年本邦の大手メーカ等はかなり嫌がってる様だ。
しかし一見小奇麗に纏まったのを喜ぶのは見当違いで、もっと「音だけ」に忖度しなかったら意味が無いのよ。

そんなの超イケメンの人殺しとか超美人の大泥棒と結婚する様なもんで、それでマトモに生活出来っかよっての。
とびっきりのブサメンやおブスさんは流石に一寸願い下げだけど、婚活サイトでそんなんしたら営業継続が困難になる処か裁判沙汰ですぜ。

まあアレだな、どうしても小奇麗なのだけで行きたいメーカさんは、だったらFuzz作って売るの禁止ね。
原形のFuzzって電気理論的には、禁忌事項だけで作られてる様なもんなんだから。

要は目的次第で敵味方は入れ替わるのが当り前ってなもんで、只のオーディオと楽器音響ではホントは正しい理論にかなり違いがあるってだけなんだよ。
これってそもそも聴く側と聴かせる側で正反対の立場なんだから、もっと誰でも簡単に気付けそうなんだけどなぁ。

<つづく>

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