音楽備忘録449 楽器の機械的雑音の話し⑩
では予告の通り今回は電子式切替えスイッチに特化させてくが、無いよりあった方が助かるのは確かだ。
前回書かなかった中に必要配線の数の違いってのもあって、Ampみたいに本体とフットスイッチが独立してる場合は大きな影響がある。
先ず純然たるスイッチにしてしまうと、Ampとフットスイッチ間を音声信号を回り道させる事となる。
のでかなり昔のアナログ式のでも、極力そうならない様な工夫は既にされている。
しかし何を切替えたいか次第では個別に配線を設ける必要性が増えるので、切替え対象数も少な目になりがち。
それを電子式すると解消出来るのは、たった2本の線に幾つかの指令を同居させるのも可能になるからだ。
コントロール部がデジタル化すると飛躍的に指令数を増やせ、これは一部の宅内電話線とPC等のLANケーブルが外見上は同一なのからも察せられるだろう。
実際には線の規格に違いがあるからそのまま転用するなんてな無理だが、同じ4本線で通話だけなのとそれ以外の何でも出来るのの差は歴然だ。
けれど電子式にすると前述の如く経路が長くなるし、設計が杜撰だと俺言い類似クリックノイズが出易くなる。
ここで電気的に切替える際何が雑音をもたらすかを記しとくが、端的に言えば乗り物で急停止すると反動が来るのと同等な現象が起きている。
それがクリックノイズの原因だが、ここ迄は音が何も出て無い状態での話しだ。
オーディオ用の機械式のには「接点が開放状態にならない」タイプのも昔からあり、これから繋ぎたい方へ繋がってから今迄繋がってたのが途切れる仕組みのもある。
これが無音時であれば理論的にはどっちも0Vと同電圧なんで、差し詰め機械君には切替わったのが分からなかったと云った感じだ。
電子式でも基本的には上記を参考に、急激な変化(切替わり)にならない様にしてある。
それがどっちでも音が鳴ってるままで切替えると、もっと遅くしてやらないと段差感が残ってしまうのだ。
と云っても純然たる機械式でそれを可能化させられるとしたら、スイッチでは無くフェーダ若しくはポット2つにするしか無い。(これDJ Mixerとかではお馴染みの光景)
これ等はどっちも所謂ボリウムつまみだが、動く向きがフェーダは直線・ポットは回転と違ってるだけだ。
更に日本の部品名では可変抵抗器と呼ばれてるが、これで静かになるのは馬が蛇になったとでも考えて。
雑音を足音とすると馬はパカパカなるが、蛇には足が無いから足音が出ないってね。
けれど蛇だって枯葉の上なんかを移動すりゃ、足音は皆無でも葉っぱがカサカサいって動いてるのがバレたりもする。
これをスイッチの方へ戻すと鳴ってる音が枯葉に値し、かなりゆっくりにすると誤魔化せるのである。
何かが変化する以上決して不変では済ませられないが、カサカサが簡単に認識出来るのは連続して鳴っているせいもある。
最初の「カ」が鳴ってからもし次の「サ」迄1分とか間が開いて、更に次の「カ」迄もっと間隔が長くなったりしたらどうでしょう。
何か音がしたと思って暫く聞き耳を立ててもし~ん、気のせいだったかと余所耳してる内に次の「サ」が…。
これMixing観点からだとほぼ所謂クロスフェードで、その中の短い若しくは早いのに相当する。
それをストンプでは当然両手で弄ってなんていられないから、電子回路で自動的にやらせている。
処が切替えスイッチでは折角これが分かっても、常に「理想の遅さ」には出来ない事情がある。
曲のテンポや休符等の長さに際限が無いんで、どう頑張っても最大公約数止まりに大抵はなってしまう。
デジタル化以降ではモーフィングなんてのも開発されて、以前よりゃかなり使い易くはなった。
しかしそれでも状況対応が完璧には持ってけず、果ては人間様の気紛れには非対応だ。
なるべく雑音は出難く出ても小さいのが望ましいけど、結局は人の使い方次第なのだ。
その点普段静かなスイッチの方が一寸要注意で、慢心してると痛い目に遭ったりするかもね。
<つづく>
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