音楽備忘録438 楽器の機械的雑音の話し⑦
楽器でも古典的なのの一部を除くと、今ではメカニカルな部分を持ってるのが普通だ。
そうなると雑音発生源を持つ事になるが、避けられない事情もある。
そこで今回は改善の可否の仕分けでもしてみようと思うが、Drumスローンの出すグググとかギシッなんてなとっとと駆逐すべき案件だ。
けどそれには調整の自由度を高く維持させようとすりゃ困難で、使用者側にも割切りが必要かも知れない。
只私的に残念に感じてるのは幾らこっちが妥協しても、近年だと「動く処が少ない」のが売られていない処だ。
尤ももっと追及すりゃ他用途のを転用出来る可能性もあるんで、これは一応改善可能サイドへ入れとこう。
そんなのより静音化が困難なのが例えばエレキのアームとかで、例としてStratのSynchronizedタイプので考えてみよう。
原形では木ネジとアンダープレートが擦れる仕様で、これは近年本家でも2点ナイフエッジ式等とされて改良されている。
だが私的にもっと問題にしてるのは、非フローティング設定にした時のアームが戻る瞬間の衝撃だ。
因みに何故それ↑なのに俺は滅多に浮かしとかないかってば、弦が切れた際のチューニングの狂いを最小限に留めたいからだ。
最近じゃスッカリ億劫がって弾き乍ら歌わなくなってるが、俺本来の基本スタイルとしては楽器と歌の掛け持ちだ。
すると歌ってる最中の弦切れに対しては、ズレた音程を手加減で合せるのの限界点が低くなる。
それに加え個人的に合計4音以上の同時ピッチアップをあまり必要として無いんで、上げる方は左手(右利き)で賄えるのでアームで出来なくても困らない。
そんでこの非浮かしセッティング、他のタイプのアームでだって戻る時は突っかえて止まるのは一緒なんだ。
が構造的な相違からかSynchronizedタイプのだけが、接触時の衝撃音が大き目になるのだ。
ブリッジ自体を動かしてんだから仕方無いっちゃそうなんだが、こう云うのは普通ならゴムか何かの緩衝材でも貼って軽減させるもんだ。
処がそれをやっちゃうとアーム非稼働時のサスティーンが劣化するから無理なんで、これは改善不可能側に分類される。
これアームのアンダープレートがボディから浮いてる限りは、基本的には支点部のネジだけで弦振動が伝達されている。
のが非浮かし非稼働時だけネジの他に、そのべったりボディへくっ付いたアンダープレートからも伝わってるからだ。
尚且つ緩衝材が押された時の縮み加減が厳密に一定でいてくれないと、それだけで毎回微妙に音程が変わってしまう。
因みにかつて日本等で金属バネを使ったストッパー等の付けられてるのがあったが、体験的には大した静音効果は無い上チューニングの安定度は付いて無いのより劣っていた。
将来何か革新的技術でも発明されたらどうか分からないけど、構造原理的には無くし難いのは変わらない。
なのでこの手のを使いたきゃ、使う側の工夫で対処してくしか無い。
これ慣れさえすりゃそんなに大変でもないんだけど、雑音を完全には無くせないのも確かだ。
けれど逆転の発想でこの弱点が魔活用される事だってあるから、「雑音も含めて」それが「Synchronizedタイプの音色」と考えた方が得策かも知れない。
もっと開き直りゃDrumスローンのギシッだって、そこに人が座ってる証拠の音と捉える事も出来る。
俺知りの限りでは打込み音源にそんなのは入って無く、エレキの弾いて無い時の「ジー」なんてのもそうだ。
雑音だけに耳を傾けりゃ無い程結構ではあるが、うっかり追及し過ぎるとそれはそれで不自然な音場の元にもなり兼ねない。
差し詰め「口の無い顔」みたいな様相を招くってもんで、あるべき物が無い弱点ってのもあるのだ。
例えば現状の生太鼓音色の電子Drumなんかが典型的で、本物の音を高度に収録してるのに残念な結果になっている。
それは生のDrumsetでの他太鼓の共鳴が省かれてるからで、明瞭度に優れる反面響きが単調になり過ぎて従兄なんかを筆頭にケチを付けられたりしている。
<つづく>
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