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2020年10月

2020年10月31日 (土)

音楽備忘録451 魔改造悲喜こもごもⅡ-⑤

今度は法を上回るリライアビリティに言及するが、法を守るだけでは必ずしも幸せな日常を送れないのと一緒だ。
本邦系機器の場合随時述だが、何しろ熱対策がプア気味だったりするのだ。

これは恐らく理屈や法律は状況に依っては最低限の確保しかしてないからで、悪い意味でこれ等に律儀に従っただけでは実用安定度は足りなくなっても半ば当然なのだ。
こう云うのには実状への配慮が軽視され気味で、諸事情から理想とは程遠い環境下で使われる事も多いのが欠けている。

例えばステージ用楽器Ampだと近年はLEDのお陰でかなり緩和されたけど、照明等からの過酷な熱に晒される部分が普通とは大違いだ。
それに加え舞台上の景色の都合なんかで、放熱にはとても不利な配置にさせられたりするのも多いし。

又放熱不足若しくはそれが低性能だと直ちに壊れはしなくても、寿命を縮めるのに大いに貢献してくれちゃう。
なので取説等にどう書いてあろうと、そんなのを安易に鵜呑みにしていては埒が開かないのだ。

それも設計想定通りの使い方なんて出来る事の方が少ない場合だって多く、しかし誰もが必ず過酷な使い方をするでも無い。
すると楽な使い方をする人にとっては、更なる余裕の為のコストには大きな抵抗感を持たれる。

結果的に必要時だけ後付けしてもらう方が、メーカにとっては健全な考えとなってしまうのだ。
それに普通に考えて幾ら追及しても、使われ方の全てを完全に洗い出すのは不可能だしね。

して概述だが触って熱かったらおかしい場所がもしそうなってたら、暖かい程度へ緩和させるのがコツだ。
因みにそのおかしい場所とは通常手で触れる所とか、主に機器の外装部分を指す。

そこが高熱になり過ぎては例えば載せてる棚板が焦げるだとか、所謂2次災害をもたらす可能性があったらいけない。
これは部品や回路方式の種類等は一切不問で、それにしても最近は「柔軟なコーディネート」が随分廃れたもんだ。

製品の完成度が昔より格段に上がってるし、妙な事をされて不具合が生じては敵わんから「余計な事は一切するな」等と念押しされている。
だが飽く迄「余計な事は」なだけで、書かれて無くても状況次第で必要な事をしなくて良いとは書かれてない。

尤も現代人は自分からは何もしないのに慣れ過ぎてるので、その判断力がかなり衰えてるのかも知れない。
本来は良い意味での本能を心の奥底から蘇らせるのが良いが、それが不安ならマージンを大きく取るのも手だ。

例えば酷暑でも平気に対してだったら、炎天下でも全く動じないへハードルを上げとくとか。
但しコストは高く付くし、場合に依っちゃそもそもそんなのが存在しないケースもあるけどね。

なので一口に魔改造と言ってもホントに魔なのと、単なる改良のと根幹には2つがあるのだ。
改良のでも魔を冠する事があるのは、仕上がり具合や見てくれに難が残ってるのもあったりするからだ。

具体例示へ進めるとつい先日亡くなったEdward Van Halen、彼が昔やってた昇圧駆動はメカ的には純然たる「魔」の方だ。
何しろ極端に部品寿命を縮めちまうんだからさ、けどそれでも音的音楽的には決して魔では無い。

逆に冷却ファンを見苦しい追設したのなんかはメカ的には非魔でも、例えばそれだけ突出し過ぎてたりすれば取り回し等にも悪影響を及ぼすからそこが魔なのだ。
尤もそのせいでノイズが乗ったりするようなら、魔を超えて失敗でしかないけどね。

何れにしても変な言い草だが「真っ当な魔」ってのは、飽く迄何かの目的の為にある程度の犠牲を許す様な範囲の物。
必然性が無いのに変に弄ったりした様なのは、時間と資金に恵まれた人だけの悪戯だろう。

念の為付記しとくがEddie氏が昇圧駆動をやり出した当時、今の俺程じゃ無いにしても彼も貧しかった。
何処かの凄腕技師に頼めるお金があったなら、あんな真似はせずに済んでた可能性も大いにある。
只それで直ちに同じ音色が得られたかってば、多分無理だったろうとは思うけど…。

<つづく>

2020年10月30日 (金)

音楽備忘録450 魔改造悲喜こもごも㉑

今回は何時にも増してヲタのみになってしまうのを、お許しお頼み申す。
詳細未説の本項⑱の昇圧整流回路のは、回をバラし過ぎると訳が分んなくなりそうなので。

ご面倒だが本項⑱の概念図の3.を参照し乍らの前提で進めさせて頂くが、横にダイオードが並んでくっ付いてるからって昇圧整流回路のだってコンデンサは直列になっている。
それからしたら高圧を扱う事でもあり、前述の「分圧抵抗」が付いて無いのはまるで書き漏らしたみたいな感じだ。

のに無くて平気なのは、電流のやって来る向きが違ってるからだ。
その為各段毎の耐圧を守るのは大前提だが、仮に部品のムラが大きくても影響の出方も真逆になるのである。

つまり計算上では例えば1段につき10V毎に電圧が上乗せされるのが、問題児君の処では7Vしか稼げなかったとかになるのだ。
勿論あまり設計値を下回られては困るが、オーバーさせる心配は無いのだ。

尤もメソッドはしっかりあるのでそれへ進めるが先ずは各部品の耐圧で、現代の一般的な音響の半導体電圧増幅回路では電解コンデンサ以外は幾らも気にしないでいられる。
それが昇圧整流回路では真空管を使って無くても、球回路の感覚が必要とされるとでも思って貰えれば良いかも知れない。

尚先に耐圧の共通事項としてこの回路に限らんが、電圧は「ピーク」の方なのを念押ししとくぞ。
交流ってのは+-の極性が入れ替わる途中で必ず0Vになる瞬間があり、それで平均値とピーク値の両方が存在している。

電灯線の100Vってな平均値で、安全面からしたらもっと高くなるピークの方になってないのは不親切?。
少しはそうだが平均の方にしたのは、使う立場の実情に近い方を選んだのだ。

消費電力計算等にその選択差は顕著で、平均値なら単純な掛算だけで算出出来る。
ピークのでも不可能じゃないが、そのままでやろうとしたら関数計算になっちゃうんだよね。

3-①
.ダイオードの耐圧
この回路で使う全てのダイオードは、計算上の瞬間最高電圧(逆電圧含む)に耐えられる必要がある。
なので楽器用球Amp等には「耐圧稼ぎ」の為に「1セクション内で直列」にして使ってるのもあるけど、この方式の昇圧整流回路(原典はコッククロフト・ウォルトン回路)でそれは無しでゲス。

現況のシリコンダイオードで価格に反映するのは主に電流容量なので、危険を冒して耐圧をケチる意味は殆ど消失している。
上出のは最近のでも時々見掛けるがその目的は節約じゃなく、それが使われてた古典回路の動作になるべく似せる為だ。

3-②.電解コンデンサの耐圧
これはそもそもが乾電池の直列の擬似みたいなもんなので、出力電圧よりは低くて平気なのは少しお財布に優しい。
だが図中のaのだけはトランスの出力電圧対応で良いが、それ以外のb~fのはその更に倍が必要だ。

図ので例示すれば10Vは平均値なんでaのは10
√2≒15V、b~fのは10√2×2≒30Vとなる。
より現実的には6段で300V位を目指すのが多いので、aは100V・b~fのは160V耐圧程度となるケースが多い。

この程度でも耐圧を上げた分価格もコストも少し嵩みはするが、これ以上の高耐圧のと比べると特にコストに割りの良さがあるのがミソだ。
ここでピーク電圧を念押しした第2の効能が出て来るんだが、電灯線AC100Vののピークは約141Vある。

すると耐圧160~200V程度迄の物はそれ以上のより格段に消費量が多いので、量産効果に依るコスト圧縮の分水領がこの辺にある訳だ。
電源トランスにしても一般用途では欧州の電灯線240V程度が最高値なんで、その辺を境にお値段の他サイズや容量の選択肢に随分な差があるのだ。

<つづく>

※2020/10/30(金)-16:24 緊急追記
詳細は後日記すが、なんと驚いた事にネットがダウン。
その為普段より投稿が遅れましたが、只今漸く復旧しました。

2020年10月29日 (木)

音楽備忘録449 楽器の機械的雑音の話し⑩

では予告の通り今回は電子式切替えスイッチに特化させてくが、無いよりあった方が助かるのは確かだ。
前回書かなかった中に必要配線の数の違いってのもあって、Ampみたいに本体とフットスイッチが独立してる場合は大きな影響がある。

先ず純然たるスイッチにしてしまうと、Ampとフットスイッチ間を音声信号を回り道させる事となる。
のでかなり昔のアナログ式のでも、極力そうならない様な工夫は既にされている。

しかし何を切替えたいか次第では個別に配線を設ける必要性が増えるので、切替え対象数も少な目になりがち。
それを電子式すると解消出来るのは、たった2本の線に幾つかの指令を同居させるのも可能になるからだ。

コントロール部がデジタル化すると飛躍的に指令数を増やせ、これは一部の宅内電話線とPC等のLANケーブルが外見上は同一なのからも察せられるだろう。
実際には線の規格に違いがあるからそのまま転用するなんてな無理だが、同じ4本線で通話だけなのとそれ以外の何でも出来るのの差は歴然だ。

けれど電子式にすると前述の如く経路が長くなるし、設計が杜撰だと俺言い類似クリックノイズが出易くなる。
ここで電気的に切替える際何が雑音をもたらすかを記しとくが、端的に言えば乗り物で急停止すると反動が来るのと同等な現象が起きている。

それがクリックノイズの原因だが、ここ迄は音が何も出て無い状態での話しだ。
オーディオ用の機械式のには「接点が開放状態にならない」タイプのも昔からあり、これから繋ぎたい方へ繋がってから今迄繋がってたのが途切れる仕組みのもある。

これが無音時であれば理論的にはどっちも0Vと同電圧なんで、差し詰め機械君には切替わったのが分からなかったと云った感じだ。
電子式でも基本的には上記を参考に、急激な変化(切替わり)にならない様にしてある。

それがどっちでも音が鳴ってるままで切替えると、もっと遅くしてやらないと段差感が残ってしまうのだ。
と云っても純然たる機械式でそれを可能化させられるとしたら、スイッチでは無くフェーダ若しくはポット2つにするしか無い。(これDJ Mixerとかではお馴染みの光景)

これ等はどっちも所謂ボリウムつまみだが、動く向きがフェーダは直線・ポットは回転と違ってるだけだ。
更に日本の部品名では可変抵抗器と呼ばれてるが、これで静かになるのは馬が蛇になったとでも考えて。

雑音を足音とすると馬はパカパカなるが、蛇には足が無いから足音が出ないってね。
けれど蛇だって枯葉の上なんかを移動すりゃ、足音は皆無でも葉っぱがカサカサいって動いてるのがバレたりもする。

これをスイッチの方へ戻すと鳴ってる音が枯葉に値し、かなりゆっくりにすると誤魔化せるのである。
何かが変化する以上決して不変では済ませられないが、カサカサが簡単に認識出来るのは連続して鳴っているせいもある。

最初の「カ」が鳴ってからもし次の「サ」迄
1分とか間が開いて、更に次の「カ」迄もっと間隔が長くなったりしたらどうでしょう。
何か音がしたと思って暫く聞き耳を立ててもし~ん、気のせいだったかと余所耳してる内に次の「サ」が…。

これMixing観点からだとほぼ所謂クロスフェードで、その中の短い若しくは早いのに相当する。
それをストンプでは当然両手で弄ってなんていられないから、電子回路で自動的にやらせている。

処が切替えスイッチでは折角これが分かっても、常に「理想の遅さ」には出来ない事情がある。
曲のテンポや休符等の長さに際限が無いんで、どう頑張っても最大公約数止まりに大抵はなってしまう。

デジタル化以降ではモーフィングなんてのも開発されて、以前よりゃかなり使い易くはなった。
しかしそれでも状況対応が完璧には持ってけず、果ては人間様の気紛れには非対応だ。

なるべく雑音は出難く出ても小さいのが望ましいけど、結局は人の使い方次第なのだ。
その点普段静かなスイッチの方が一寸要注意で、慢心してると痛い目に遭ったりするかもね。

<つづく>

2020年10月28日 (水)

音楽備忘録448 魔改造悲喜こもごもⅡ-④

例に依って順番がおかしいけど、この辺で一寸法令順守についても言及しとこう。
個人としてはほぼ完全なアウトローの俺だけど、万一火災等を起こす様だと社会問題になるからね。

拙ブログには公式も非公式も無いから、特に他人にどうしろとは不要な限り一切注文は付けません。
けれどどんな犯罪者さんにしたって、事故多発では折角の苦労も水の泡ってもんよ。

因みに筆者は最低限且つ今では殆どご利益も失せてるが、一応ラジオ音響技能検定の資格は持っている。
つったって最早丸腰よりゃマシって程度だけど、意味のある法律から知恵を学ぶのは成功率の向上にも大いに資するから。

そこで様々なレベルをない交ぜで記してくが、無資格でも安全確実なのは電灯線系統には触れない事だ。
電池駆動のストンプなら感電の心配は皆無だし、って位だから駆動中に火災を起こす危険性も先ず無い。

とは云え少しでも規模が大きくなって来ると、電源が電池じゃなきゃ駄目では心許なくなって来る。
だからリスクを顧みず無理して作らなきゃなんない…とは限らず、そこの部分だけ廉価で種類豊富な市販のACアダプタを利用しちゃえば良い。

因みにここでの「そこ」とは電灯線のAC100Vの部分の事で、これの最大の危険性はブレーカが落ちない限り供給量が無限に等しい処だ。
なので例え外見上は見当たらなくても、電灯線を扱う経路には必ずFUSE(ヒューズ)若しくはブレーカ(遮断機)が入っている。

昔はFUSEったらこんな感じ「⊃~⊂」の剥き出しので直接ネジ止めするヤツか、機器内蔵のだとガラスの筒の中に細いのが入ってるのの大抵はどっちかしか無かった。
のが今ではとてもそうとは思えない格好をしてるの迄、恐ろしく種類が豊富となっている。

例えばその容姿から抵抗器かなと見えたのが、実はFUSEだったなんてのも良くあるケースだ。
なので一寸見当たらないからって、付いて無いのがあるなんて勘違いしてはなりませぬ。

それに仮に悪意満載のメーカがあったとして、それでも別の理由からこれが省かれる事は無いのだ。
それは何らかの不具合が生じた際にFUSEレスでは、たちまち部品を破壊してしまうからだ。

どんなに人の迷惑を無視しようと簡単に壊れては、作った自分が損をする。
要は聖人君主だろうと極悪罪人だろうと眠くなったら寝たい、腹が減ったら食べたいってのと同レベルの案件なのだ。

そやさかい電圧に無関係に、回路ブロック毎にFUSEが付けられてるのなんかも幾らでもありまっせ。
特に「親切設計の真空管回路」等では球代とFUSE代の差からして然りだし、貴重なデッドストックを使うのなんかだったらもし無かったら死活問題に直結だ。

処で実は12Vなんて低電圧でも極端に電流量が多いと感電する場合もあるんだが、車のバッテリ等以外ではその心配は無い。
因みにⅡで車のがどうしてそうかったら、エンジン始動モータを回さなきゃなんないからだ。

理想としてはもっと高電圧なら電流量を減らせるが、燃料への引火を極力避けるには低圧の方がマシだからね。
それってのも極力配線(電線)を減らすのに、車体が金属製なのを活用してこれをアース線の代用にしてるからだ。

それで「マイナスアース車」なんて呼称がある訳だが、これをしなかったら配線数は倍増するんだからえらいこっちゃでぇ。
深堀りの因みにⅢだが、仮にアース代用にしなくったって鉄等導電性の金属には電気は流れます。

オーディオ系統や今や必須の制御CPU系統の回路では、雑音や誤動作防止の為に電磁シールドが必須だ。
そうするとそれらの入れ物の金属部は、どの道電源のアースラインに繋がなくてはならない。

それをしっかり固定するのに普通は車体の金属部へマウントするんだから、その気が無くたってどうせ代用アースしたのと同じなになっちゃうんだわ。
てな事って色んな事情があって、今回述のどちらも半ば必然的にそうせざるを得ないだけなのだ。

<つづく>

2020年10月27日 (火)

音楽備忘録447 魔改造悲喜こもごも⑳

前回からの2段構え式を踏襲するつもりが長くなりそうなので、今回は電子回路図のシンボルマークの特集にしちまった。
本式に回路設計等を手掛けるなら些細な違いも見逃せないが、大凡の構成を知るだけならそんなの端折ったって全然へっちゃらなのだ。

だからって興味も無いのに回路図が読める必要なんて無いけど、片言の外国語をマスターするのより遥かに簡単。
回路図って鉄道や高速道路の路線図と同じ存在でしかなく、デフォルメされた地図の1種でしか無い。

他との違いったらせいぜい判読を必要とする人が少ない処位で、ストンプのは未だしもエレキ本体内蔵のTone回路のコンデンサ交換程度は慣れれば素人で充分な技術レベルだ。
但し一寸気になるのは普段どの程度迄を「自分で始末を付けてるか」の昔との差で、今一般家庭でハンダゴテがドライバやペンチと同様に常備されてる家庭はとても減ってそうだ。

その分初歩レベルの勝手すら知らない・未体験な人が増えてれば、昔の始めの1歩は2~3歩になるかも知れない。
けれど老年に至っていよいよスマホから逃げられなくなって携帯ショップで列をなしてる人達が、簡単なハンダ付けならOKなのが多分結構居たりするのだ。

そこで先ず必要となるのが主に抵抗器とコンデンサのシンボルマークで、「抵抗はギザギザがあるヤツ」なのを知ってるとその派生形の可変抵抗器(ボリウムやトーンツマミの中身)のも察しが付き易い。
残るはコンデンサだが基本はくっ付いて無い2本の線若しくは四角が向き合ってるヤツなんだが、百聞は一見に如かずなのでそろそろ視覚に訴えよう。

Photo_20200924162501
では何時もの様に概念図説だが1は抵抗2はグランド(アース)、3がコンデンサの色々だ。
そして各項目の下のアルファベットが所謂略号で、英語呼称の頭文字や短縮形。

各々の詳細へ進むが先ず基本となるのはそれこそ基本的なシルエットで、矢印や斜線等の細かい描写は後回しにするのだ。
そして共通事項を抽出すれば抵抗の類には兎に角ギザギザがあるとか、コンデンサ系には電線路とは90°向きの違う平行線が必ずあるのが分かって貰えるんじゃないかな。

更にこの発想を応用すると矢印が付記されてるのには、何れもその呼称に可変や「バリ」(バリアブル:可変の英語版なだけ)が付いてるのに気付くかな。
こうされてるのは機能の可視化に基づいてるからで、抵抗なら「唯の電線より電気には通り難くなる」のをギザギザで表してるんだ。

それが感覚的に掴めればコンデンサ系の所に、何故電池なんかを同居させたかも分かるかも知れない。
これ等は用途としては全然違うけど、どっちも電極の間に電気を電子の形で溜め込める物だ。

図では水平で平行になってるのがその電極で、電解君のにだけある斜線は電解溶液のつもりなのだ。
何れにしてもその平行の間の空間に、電子が溜るってイメージとされている。

そして現代人ならスルー不可なのが2の3つで、概述の如く非常口やトイレのピクトグラムと同レベルの必然性がある。
特に2-b.のアースは絶対で、万一無視すれば感電死のリスクを負う事になる。

生れてこの方見た記憶が無かったとしても目にして無い可能性は限り無くゼロに近く、今これを読んでるって事ぁ(現在生存中)今後必ず死ぬ可能性を持ってんだら今からでも良いから覚えといとくれ。
例え自分で線を繋げられなかったとしても、湿った素手で触ったりはしなくなれるだろうから。

因みにグランドとアースの2つあるのは厳密には意味が違うからで、グランドの方は言葉としては大地とか地面も含まれてんだけどそれがケースであればそれでも良いって意味がある。
つまり感電の危険は無いが電磁的にシールドしとかないと「ブーン」で困る場合ので、区別の為にそうじゃ足りない方のはアース「地球」だなんて大袈裟に出てる訳だ。

<つづく>

2020年10月26日 (月)

音楽備忘録446 魔改造悲喜こもごもⅡ-③

お題からしたら音楽Fileの保存方法が魔改造とは変過ぎるが、侮る事無かれで御座るよ。
それに依って再生方法が大巾に変わったりするんだから、これって楽器を弾くのに防音室があるか無いか位の影響力を持ってっかもばい。

俺は現状支払い手段の都合でダウンロード販売は未活用だが、これとて実店舗が遠かったり在宅時間が少ない人にとっては大変な革命だ。
無かった時代には最低でも必ず何らかの「お預け」を喰らってただろうし、予算の方にも交通費や配送料が含まれるのが当り前だったんだしね。(その為だけにネット接続するならその費用は掛かるけど💧)

それ以上に影響を受けるのが再生装置の種類で、比較の為一寸した極例を提示しとこう。
それはレコードやテープの再生速度の誤差とかで、惜しいのは微調整機能が付く様になったのが精度が上がってからだった処だ。

これが色々重なって最悪になると、曲のコードを拾うのに半音ズレたりしても分からなかったから。
更に上を行くのが概述だがテープレコーダの所謂アジマスで、音質劣化だけなら未だしも最悪テープを痛めたりしてたんだから凄いよねぇ。

んでそんな体験をしてると尚更だがそうで無くても近年だと音楽Dataは、多分スマホ経由のメモリかPCにしまっとくのが主流なのかな。
レコードやCDとかみたく実体のある物の価値は減りゃしないが、予算や場所と相談すると欲しいのが沢山あったら中身だけに絞ってくのも自然だよね。

それ等で宅ではPCが中心になって久しいんだが、次なる課題はそのフォーマットをどうしとくかだ。
聴けるだけと汎用性を優先すればmp3一択かも知れんが、流石に仕事で録ったお客さんのDataをそんなにしとく訳にゃ行かない。(必要時は無料で変換しますがね)

それと前回書いたCD掛けるのすら億劫と合せると、無劣化な範囲で小さく纏められるのが吉と出た。
と言いつつPC歴の浅い内は無知だったから律儀にWAV扱いにしてたっけ、瞬く間にストレージが満杯になっちゃって当初はHDDの増設や大容量化ばかりに腐心してた。

そんな中でFlac等の存在を知り、コーデックを追加すればそけだけで扱えるフォーマットが激増させられるのを知った。
ほんでそーなって来っとサイズ的に大差無いヤツは、変換の手間を惜しんでそのままにしとく様になっちゃったのよ。

又俺の場合世間標準と一寸違うのが欲しいのに多いからか、ダウンロード化はおろかCD化されてないのなんかもそこそこあった。
こんな状況では小奇麗に規格統一をするのなんて遠い話しで、しかし今回みたいな事態が生じない限り特に不便は無かったのよ。

因みに仕事で録音したのをお客さんへお渡しする際は、CD-Rへ焼くのが標準ではあった。
けれど途中段階でのメモなんかだとお客さんの事情で、昔はテープやMDなんかの要望もそれなりにあったんだ。

今でも特に公立の舞台みたいな所を借りた場合だと、上出のはOKでもUSBメモリとかへ落せない場合もまだあるらしい。
世代その他諸々も加味すると今更感もかなりなものの、汎用性ではまだCDが筆頭だからなんだろう。

斯様に再生装置は所詮元Dataの種類で使えるのが決まっちまうんだから、今どんなのを持ってるのかの影響も大きいんですよ。
カーオーディオで俺が物理媒体を避けたのは場所取りの他、エラーや故障の頻度も考えての結果。

それにやっぱり保管コストは大問題で、SDカードがこれだけ安くなるとねぇ。
空CDが1枚¥10程度で済んでも32G分だと46枚は要るから、ケース代を加えたらSDカードの最安とどっこいどっこいなんだわ。

ホントはフォーマットもメディアの種類もなるべく増やしたく無いんだけど、これじゃあそうも言ってられんがな。
おっとそうだった、但し偶然PCにカードリーダーが付いてたってのも大きな原因になってっけど。

<つづく>

2020年10月25日 (日)

音楽備忘録445 魔改造悲喜こもごも⑲

いよいよ今回は2段構え後半の深堀りとなるので、狭ヲタ限定となりそうだがご勘弁を。
そこで折角来てくれた普通のマトモな人向けに、タブ出しとかで図を参照頂き一寸だけ基礎知識の解説おば。

ってか素人も対象にしとき乍ら回路図記号が未説だったのを補遺するだけって噂もあるが、1.抵抗値…の図にあるギザギザ線のが抵抗器のシンボルマークだ。
2.を飛ばして3.のには部品は4っつなのにマークはもっとあるが、その中で最重要なのがGrand(グランド若しくはアース)だ。

図の一番下にある電線路が下が詰まってるのを表す斜線に突き刺さってる様なのがそれで、厳密には用途別に数種あるがこれは何人たりとも覚えといた方が良いヤツだ。
似た様なのの見覚えがある人も居ると思うが、エアコン・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ等のパワー系家電ではアース線は必ず繋いどかないとヤバイからね。

万一何らかの理由で電気が洩れた時、それが地面へ繋いであればそっちへ優先的に流れてくれるのだ。
建物の避雷針や車のドア等の冬場の静電気ショック対策と原理は同じで、夫々の差は電気のやって来る場所が違うだけだ。
…と続けてると本編枠が足りなくなるからこれの続きは次回として、2.の色々に少し風変りのが多いのの説明へ行こう。

俺だけかどうか分からないけど「電気の」っつうと、やはり乾電池での事象が雛形になりがちだ。
抵抗器のそれが電池と一緒だからかもだが、コンデンサの場合は「重い荷物を縛る紐」みたいなもんと思うと心理的にはより良さそうだ。

そして最初が少し面倒になるが、電解タイプのを先に制覇するのがお勧めだ。
それで一般的には只コンデンサの合成静電容量計算のと違って、電解タイプので書いている。

厳密にはどんな部品にも耐圧(使用可能な最高電圧)はあるんだが、それを気にしなきゃいけない程度に大きな差がある。
その中でも電解コンデンサは上位に位置してるが、他にも普通のだと電池同様極性があるのが多種あるコンデンサの中では少数派だ。

尤も極性については乾電池で慣れてるので失念しなきゃ良いだけだが、他の部品と違って電解君だけが何故一々心配しなきゃなんない様なギリギリの耐圧のが多いかだ。
それはコストもだが大きさに大巾な影響があるからで、近年かなり小型化が進んだとは云え大柄な部類だからだ。

実は割と嵩張ってお邪魔な電解君、あれでも同じ容量を得るには一等コンパクトな方なのだ。
他の方式では10倍以上とかの大きさになってしまい、それに伴って当然高価にもなるから特殊用途以外のは作られなくなったのだ。(電解君で実現可能な分は)

それ処か電解君登場迄は全てを度外視しても、あんな大容量のは作るのが技術的に不可能だったのだ。
それ位どっちかったら難題に挑ませてる物なんで、2-bみたいに要るのはコンデンサだけなのに抵抗付けなきゃなんない様な事態も訪れるのだ。

コレ絵柄的景色としては、Fenderの昔の真空管Ampの回路図を見た事があったら見覚えがある筈だ。
電源回路でのコンデンサの主務は「リップルの減少」と言って、直流電流に混入してもうた交流成分を減らす事。

具体的な効能としてはハムノイズ「ブーン」の低減で、それには本来ならGrandとの間に抵抗器なんか付かない方が高効率だ。
のに付けなきゃ危ないのは、耐圧余裕の少ない部品を壊さない為だ。

もしこの分圧抵抗ってのが付けてないと、最悪は電圧負担が上のは70%・下のは30%なんて勝手に偏ったりしちゃう可能性があるからだ。
特に流す電流が多い時程そんな不始末が起き易く、球回路のは電圧も高いだけに慎重になって然るべしなのだ。

なので音質調整等の場面では殆ど出番無しで、しかし球機器のジャンク部品を持って無い時等にはこれでしかお試しすら出来ない。
のを裏返しゃ「そんな高耐圧部品なんて持って無いから試せない」等と、最初から諦めなくても良くなっちゃうのだ。

<つづく>

2020年10月24日 (土)

音楽備忘録444 楽器の機械的雑音の話し⑨

では本題へ接近してくが、今回はストンプフットスイッチの方式案件だ。
これ雑音的に大別すると外部へのと、内部音声Lineへの2種類がある。

元は機械式のしか無かったのへ途中から電子スイッチが登場したが、機械式のでも外部雑音の大きさは様々だが限界値としては内部へのも含めて電子式には及ばない。
だが奏者の操作フィールの観点からだと、静かは良いが動作が分かり難いのは喜ばしくは無い。

インジケータランプ等で目だけでも確認可能な工夫がされたりしてるのも多々あるが、切替えたい時に見てられるとは限らない。
又僅かな変質をも嫌い絶対的必須では無い回路の追加をせず、電子式を避けた機器も散見される。

そうすれば機械式の接点部に依る劣化は避けられなくても、雑音が新たに付加されるの等は回避出来る。
けれど真の狙いはスルー(Effect Off)時の、インピーダンス変化が無い事だろう。

何れにしても最終的には用途次第で選択するしか無さそうだが、希望的には更なる機械的進化を期待したいが厳しそうだ。
デジタル化の進展に伴ってタッチパネル等、最早物理的スイッチの存在すら減って来てるからなぁ。

それと故障率でも電子式の方が低いんで、尤も分かり易さの為に電子式の癖にウルサスイッチを付けとくのは本末転倒だ。
ここで一旦両者の得失を深堀りしとくと、切替ショックの大きいのは振動に依る内部への影響も留意すべき点だ。

もし増幅素子等を一切含まない機器だったら影響は小さいが、感度の高い素子(増幅率)等は往々にして振動に弱いもんだ。
それでもドラムペダルなんかに比べりゃ影響は小ささそうな気がするが、必ずしも楽音とは同時ではないせいか結構目立つもんだ。

因みに操縦者本人は無意識な事が大抵だが、極僅かでも早目に操作し始めないと間に合わない。
コレってドラムペダルだって一緒なんだけど、タイミングの違いからスイッチのは割と楽音から孤立し易いのだ。

ペダルがバスドラのだったら、盛大に雑音を発して楽音はピアニッシモなんて事ぁ先ずあり得ない。
小さく鳴らそうとそっと踏みゃ、雑音だって大抵は小さくなるしね。

でもストンプの方ってば鳴らす方も様々な状況が考えられるし、スイッチ自体の雑音音量は殆ど加減なんて出来んのよ。
電子式でこれ等を凌駕する利点があるとすれば、ミクロFade In・Fade Out動作をしてくれる様なヤツだ。

だが残念乍らそれをしても諸事情で万能には出来ないので絶対的な存在では無く、これは詳しくは長くなるから次回にしとく。
して具体例を覗いてみると大音量・業務用のは機械式が、一般用のは電子式が主流になってる印象を受ける。

本格的なAmpのだと古めかしいゴツめのが未だ案外多いが、楽音が大きいのと緊急修理時の部品互換性等が原因と思われる。
楽音対雑音の比率が元から大きいのもだが、お客さんからの距離を取れるのもあるだろう。

但しそれを録音時にLiveと全く同じ様に使おうとすると歓声皆無で部屋は静かだし、収録時の残響を嫌って狭目の部屋だと厳しくなってしまう。
そんなで何故あまり文句が出ないかってったら、そんな状況下では殆ど録ってる最中に切替えなんかしないからだ。

コレ雑音だって困るけど別の懸念もあり、折角の名演が切替えタイミングの失敗で没になっては勿体無いとかそれで何度も録り直して時間や労力が増えるのは旨く無い。
なので即興の合奏等以外では、そもそも切替え自体を無くしてしまうのが得策な訳。

今の世相では昔より豊富な音色変化が求められがちだが、より演奏内容へ注力させるとか付帯ミスを減らすにはLiveは録音と別物とした方が潔いのは今もそのままだ。
別段切替えの早さ多さを売りにしても結構だけど、どうしても安全度が下がるのだけは覚えといた方が良いかもね。

<つづく>

2020年10月23日 (金)

音楽備忘録443 魔改造悲喜こもごもⅡ-②

では逡巡サブウーハの件はブログでも棚上げして、音源供給案件を先に書いとこう。
旧車より5年新しい(と言っても所謂10年落ち)機器は、読込めるDiscの種類が増えたのなんかは朗報だ。

ここで車載音源の遍歴を参考提示しとくが、俺の世代では時代が時代だっただけに当然カセットテープからのスタートだった。
しかし極端に車の更新頻度が低いせいで、その後CDでずっと止まったままだった。

しかもCD-RWはおろかCD-Rすら読めない機器だったのが、今回一気にSDカード迄進んだのだ。
かつては元が元だけに手間や荷物になるのを気にも止めなかったが、近年は加齢のせいかそれが億劫になって音源の持ち込みを殆ど諦めていた。

その他にも今度のは持ってればipodなんかも直接繋げるんだが、持って無いし乗る時に忘れれば聴けない。
そこで普段の分は全部SDカードへ押し込むのを画策したが、如何せん10年落ち機器なので最大容量が32Gがしか無いのである。

USBメモリも繋げるがこちらは16G止まりで、併用しても増加量が半端なのでこちらは多分随時用となるだろう。
さて32Gもあれば音楽Fileだけならそこそこ入る訳だが、俺の用途には理想からしたら全然足りなかった。

職業柄もあって極力音質無劣化な形式で保存してるが、だからって丸々全部をモロに場所取るWAVにはしていない。
現行中心になってるそのフォーマットはFLACで、少なくともPCで再生する分には音質はWAVと完全に同一だ。

それでいてData量は半分位で済むからそうなってるが、その程度の圧縮率では網羅するには256Gは無いとどうにもならない。
仮に全部載せは諦めるにしても全然容量不足だし、SDカードの差し替えも出来れば避けたい。

何せ今後今より色んな事が億劫になるのは、年齢的に目に見えて既定路線だかんね。
そこで機器と環境のチープさに合せてmp3で入れとく事としたが、上記の如くでmp3で保存されてるのは僅少だ。

まあそれでも単純に変換するだけだからと、軽く見たのが甘かった。
そりゃ一度に全部やろうとしなきゃこんなにならずに済むだろうけど、実際にどれ位押込めるかが計算だけではハッキリしないからなのだ。

そもそもストレージからして32Gっても、実際に機器に読ませると28.8Gとかしか容量が無いし。
元Fileの形式も無劣化圧縮の中心とて、Flacの他apeだのWVだのと多岐に渡っている。

もし元のフォーマットが統一されてたら一括変換出来るソフトもあるけど、これではオートマチックって訳には行かないやね。
んでここ2週間程格闘してるけどまだ半分も終って無くて、これを書いてるのってほぼそんな現実からのプチ逃避って有様ですわ。

これと雨が多い近頃の天気の関係もあって、車の車内は未だバラしたまんま。
変な話し億劫も掛算になると中々複雑なもんで、本来なら個別対処可能なのが全部一緒になったりするんだわ。

今の状態ならどんな加工にも即対応可能だけど、一旦戻しちゃうと2度手間になり兼ねないからそれが億劫。
棚上げサブウーハの処遇を決めるのに、色んな曲で試聴してからにしようなんて
思ったりもしてるし。

それした処で決心着く確証も無いんだけど、後で後悔するのは嫌だしなあ。
要はどれもが俺的には体験量が不足って事なんだろうけど、どれも片付けなきゃなんないのは確か。

引き続き地道に行くしか仕方無いが、処でどうして音源がそんな雑多な保存方法になってるのか等を次回に披露しとこう。
最近はCDを出して持ってっ来て入れるだけでも、PC前から席を立つのすら面倒になっちゃってるが…。

<つづく>

2020年10月22日 (木)

音楽備忘録442 魔改造悲喜こもごも⑱

そろそろ文字だけじゃ限界っぽいんで、何とか用意出来たから久々で概念図の登場だ。
今回は昇圧整流の他抵抗器とコンデンサの合成値を図示するが、何時もより専門度の高いのも含むので各自の状況に応じて不要ならその分はパスしておくれ。

それでも一通りを載せてしまったのは、実際に計算に使わなくても様子が分り易くなるかもと思ったからだ。
依って既に理解済みの人は対象外として、敢えて増える・減る・そのまま等の表現も
付記してみた。

Photo_20200923071201
早速図説へ進めるが冒頭の趣旨を踏まえ、今回は各項目2段構えとしてみよう。
1.と2.は普通は合成値とするのを独自呼称で「調整」としたのは、使う目的の観点に沿わしてみたつもり。

この2つのを最単純に言うと直並列に対しての結果が、抵抗とコンデンサでは正反対になるのが第1ポイント。
単細胞心情的には数が増えりゃ何でも増えそうなのが、増えないパラメータもあるのが第2ポイントだ。

使われる電圧・電流が小さい箇所なら、電解コンデンサ以外は夫々に最重要な合成抵抗値と合成静電容量だけ気にしてて構わない。
そして脳負担を最低限にしたかったら、分数計算式の出て来る方式は候補外にしちゃえば良いのだ。

つまり最大限に端折ると足し算が出来て、それが使える繋ぎ方をするだけでもう試せてしまう訳だ。
とは言っても肝心の値に大抵はキロ(k)だのマイクロ(μ)だのが付いちゃってるから、この部分に限っては文系小学生の算数力ではチト厳しいかも知れないが…。

処でコンデンサは一応電解タイプの表示にしてあるが、他のどのタイプのでも容量計算に関しては完全に同一だ。
又直列のにだけ点線で抵抗が繋がってるが、これが要るのは1個では耐圧が足りない場合の補填策だ。

これ電源回路等以外では大抵は耐圧余裕が大きいし、音声経路では電解タイプは敬遠され気味だ。
なので所謂音質調整等の場面では、ほぼ無視しても問題は無い。

因みに参考としてそれが部品本体に無表示なコンデンサの耐圧は、余程奇特なの以外は規格に依って50Vと定められている。
電解タイプの場合でこの抵抗を省きたかったら如何すりゃ良いかは、4行上に書いたのがダイレクトなヒントだ。

3.の方は1.2.よりそもそもが裏技だし、高い電圧を扱うのでハードルは上がっちまう。
取敢えず基本概念に絞ると図中の丸囲み数字が段数で、トランスの出力電圧に対し段数と電圧の倍数が比例関係にあるのだけ分りゃ上等だ。

これが分ると電気的仕様の合うトランスだと大きくてケースに入らない、入るのだと電気的仕様が合わないってだけで諦めるのはまだ早いってのに気付ける様になる。
公開されてる図面にこれが書かれてるのはとても少ないが、それはパターンが複数あって網羅し切るのが困難だったりするからだ。

実際は様々な要因でのロス等で計算理論値よりは大抵低くなってしまうが、図の状況ではトランス出力10Vだけでも約10V刻みで60V近くまで高められるのだ。
基本的留意事項としては電気の量(つまり電力)自体は変えられないので、電流は1/段数に減るがそれは以下の関係性に依る。

これは流石に消費電力とかで誰にでも関係あるので、直に思い出せる人にゃ余計なお世話だか電力の計算式を提示しとこう。
電力[W]=電圧[V]×電流[A]でこの内電力はここでは固有固定値となるから、要するにどっちかを何らかの手段で増やしゃもう片方は必ず減るって事ね。

因みにⅡでこれって図のトランスでは出力は1Aになってるが、100V側ではそんなに沢山電流が流れて無いのにも繋がっている。
トランスって変換効率が良くないから単純計算よりゃ多く流れるが、図みたいなのだと大凡平均で100V側は0.15A程度になってるよ。

<つづく>

2020年10月21日 (水)

音楽備忘録441 楽器の機械的雑音の話し⑧

今回から毎度乍ら一寸お題から逸れるが前回後部を受けて、雑音の種類仕分けなんかをしてみよう。
見方次第で存在意義の変化があるかどうかで、それに依っては安易に親の仇と駆逐しては後で困る事だってあるのよ。

過去の録音で分離度・明瞭度確保がとても困難だった当時、Drumの各楽器にGateを掛けたりしてた例は少なく無い。
実際突詰めるとそんな余計な事をすれば別の欠点が出て来るもんで、例えばBackbeatのSnareの入る時だけHatの音量が増え音像定位が移動してるのなんかが結構あった。

尤も分析耳で聴かなきゃそんなに音楽自体は阻害して無かったからか、意識しなけりゃ困る程では無い様だ。
しかしホントの達人が余計なプロセス無しで録ったのと比べると、何処となくギクシャク感があったのも確かだった。

さてここで一考すべきと思うのが、過去当時の分離度・明瞭度が低かった原因だ。
録音・音響装置の方式や性能差が原因なのは言う迄も無いが、意外と見落とされてるのがMicの指向性能や収録場所の残響度合い等だ。

今のよりゃ遥かに鈍い指向性のMicと良く響く部屋のコンビだったりしたら、これだって機器性能に負けず劣らずかなりの影響があるのだ。
本日の第1ポイントとして残響のもたらす内容なんだが、響く程音源から離れても音量減衰が少なくなる。

ので良く響くと単に余韻が目立つとか全体像がボケ易くなるだけでは無く、他の楽器用に構えたMicへの混入度合いが高まるですよ。
その為過去の状況だとGateを掛けてても、今よりは他楽器の共鳴音等の混入が多かった訳だ。

又記録媒体がアナログテープ以前のだと、そもそもクロストークなんてのも中々のもんで御座居ました。
かいつまんで云うと例えば完全に左にしか音を入れてないのに、右へも漏れて記録・再生されてしまうとか。

音響電子回路もアナログオンリーの時代は記録媒体よりゃ大分マシでも、漏れゼロってなあり得なかった。
だからスッキリくっきりの為には、ひたすら分離・隔離に明け暮れてたんだ。

でも今は例え生楽器を使ってもとてもデジタル率が格段に上がったんで、昔に確立した手法を
下手に流用したらロクな事は無い。
例えばSnareは土星でTomは火星で鳴らしてるみたいにもなり兼ねず、つまり意識がテクノロジーに遅れてる人がかなり多いのよ。

この様にかつてはずっと雑音でしか無いと思ってたのが、いざ完全排除してみたら実は間違ってたみたいなのが中々終息を見ていないのさ。
そしてこれは歴史面由来のであるが、もっと影響力のあるのが所謂「状況」だ。

今は人力で機械やロボットのフリをするのなんて滅多に無くなってるだろうが、極端に分離度を上げたり均一化させる事でその代用とされてたケースもあった。
登場時のYMO等がその好例と思うがあそこ迄のアンサンブルを組立てるとなると、当時は人力の完全排除なんて到底無理だった。

尤も個人的には今の対策不足の打込みより、未だに彼等のの方がそれっぽく感じられる。
随時頻述の如く相手が実際はどんな存在だろうと、聴き手は印象でしか判断出来ないからね。

なのでもしかしたら世代が違ったら違って受止められてるかも知れないけど、○○っぽさの演出から来る影響力は絶大だ。
故に個人的Ⅱに過ぎぬが、今は如何に人間臭さを音に込めるかが大きなテーマになったと考えている。

これには昔より雑音が目立ち易くなったのも災いしてて、実際雑音に悪目立ちされては敵わない。
と云って単に排除すれば「空気の無い宇宙空間」みたいになっちゃうし、楽器毎の「空間感」の差が過去より拡大して現れるのも充分配慮しなきゃなんなくなっちまった。

<つづく>

2020年10月20日 (火)

音楽備忘録440 魔改造悲喜こもごもⅡ-①

魔改造なんて名乗るからにはヲタ性排除は困難だが、一寸用途が狭いのが続きそうなので別枠を設けてみる。
それでも所詮はたかが知れてそうだが、極力専門性の低いのはこっちへ収めてこう。

新枠第1弾は今苦慮中の車のサブウーハ等の話しだが、最近15年乗り続けたのを最安中古へ買換えた。
こう云うのって部屋の引っ越しと似た様な手間が付き纏うもんで、幾ら周到に用意しといても後から色々出て来るのが常だ。

宅の場合資金や車庫サイズの関係もあって同一車種の年式だけ新しいのだから、新味に乏しい代わり件の手間は最低限で済む筈だった。
処が車載オーディオが全く別のタイプになったのが仇で、かなり大掛かりな事態を招いているのだ。

前車は普通のだったのが今度のは一体型ナビのヤツで、それに伴い内部回路のデジタル率が格段に上がったのが不味かった。
それに拍車を掛けたのがサブウーハ用出力の付いて無い処で、一般的にはそんな場合ハイローコンバータってのを使うんだそうだ。

しかしここで一寸疑問が出て来たのがサブウーハの使い方で、前車のみたいに単純に足りない低音を補う目的だったら無問題だ。
処が今度のはそこそこドアスピーカから低音が出るので、理想的にはドアの低音は減らしてその分をサブへ振り分けたい。

のが上記ハイローを使うんだとドア行きの低音を減らせば、サブ行きのも減っちゃうから困ったよ。
ハイローってスピーカ出力から、サブウーハ用の音声信号も取り出す仕組みだかんね。

そこでサブウーハを止めちゃう妥協案も考えられるが、それだと以下の懸念が生じるのだ。
例に依って人次第だろうが体験からすると、ドアスピーカって低音を出すのは複数面で不利
だからだ。

その①は音漏れ懸念で窓の隙間から侵入した雨水対策で、ドア本体内と外部間に穴が付けてあるから。
オマケにこれだと所謂バスレフポートが外に向けて付いてるも同然なんで、車内より車外へ重低音は良く出る形になっちまってると言える。

その②は不要共鳴抑制問題で、キャビネット(ドア)の剛性が音響用としては絶対的に不足な処。
衝突時の安全性確保には固過ぎては駄目なので、幾ら吸音材を貼り詰めたりしても超低域には幾らも効果が無いのだ。

その③はスピーカの向きで今時ステレオ仕様が普通だから、当然左右ドアの両方にスピーカは付けられている。
けど正反対で向き合ってる訳だから、これは見事な「逆相」配置なのだ。

これが音波の波長次第で影響度に差があるもんで、中高域でならそんなに酷くは無い。
だが波長の長い低域では露骨な影響が出て、要は車内では実際スピーカが出したのより少なくしか低音が聴こえなくなるのだ。

それ故ドアスピーカだけで充分な低音を得ようとすると、漏れは盛大・音質は変態的になりがちなのだ。
変音質については逆相に加え2つのスピーカ間に大抵は、音響的には中途半端な遮蔽物があるのが又よろしくない。

その正体は所謂センタコンソールだが音の為に付いてる訳じゃ無いから、周波数次第で逆相を緩和したりしなかったりしてくれるのだ。
結果的にこれが「定在波発生装置」として機能してくれちゃって、電気的加工だけで対処するにはとても大掛かりな装置が必要だ。

仮にそこ迄やったとしても車内の着座位置が複数あるから、何とか特性を合せられるのはその内のたった1人だけだ。
そんな状況だから車室内の低音は捻くれ易い上、エンジンからの妨害も多いから元々低音に対しては最悪の環境なのだ。

それで納車から3週間も経ったのに今でも迷ってるが、更に新たな問題も生じて奮闘させられている。
それは音源の供給方法なんだが、次回へだ。

<つづく>

2020年10月19日 (月)

音楽備忘録439 魔改造悲喜こもごも⑰

さてさて「昇圧整流」なんて独自呼称にした訳を、これから紐解いてきまし。
色々欠点弱点も御座居ますが、昇圧する電圧をそこそこ選べるのが最大のメリットだからでごんす。

今日は欠点の方から始めるけど、それは普通の整流回路(交流を直流に変換)よりダイオードやコンデンサが沢山必要となる処。
なのでもしか大昔だったら、トランスの方が安かったりする事もあったかもね。

それが技術の進歩でダイオードやコンデンサは安く小さく出来たんだけど、トランスの方は原理的に無理があった。
部品点数の増加はスペースにも悪影響を及ぼしはするが、現実的には体積だけで考えちゃ拙速なんだ。

部品も細かくなると「並べ方」の自由度が高まるから、一塊の大きいのが減れば隙間へ納められるねん。
故にケースの絶対的体積が至上命題なら別だが、一般的には細切れになる方が小さく纏め易くなるのだ。

とは云え不必要に昇圧させる段数を増やすと色々と効率が落ちるんで、流石に12V→300Vなんてな幾ら奇特な俺でもまだ試した事無いけどね。
でももしそんなんしたら出力が12Vのだけしか無いトランスでも、電流容量さえ足りれば球用電源に使えちゃうんだ。

とは云えⅡでコレって魔法的だが決して魔法では無いので、電圧を倍にすると電流は半分に減る。
例えば4倍圧にすれば取り出せる電流は¼になるんで、電流が沢山要るヤツには向いて無い。

加えて「ブーン」って所謂ハムノイズの元凶の「リップル成分」が上記例なら4倍になるから、その分コンデンサの容量を増やさなくてはならない。
これ等から高電圧は欲しいが電流は僅かしか要らない、そんなのにしか向いてない方式だ。

それでもこれを筆頭に普通なら1個で済ませるべき部品を、複数の組合せで賄うのには色々な意義もあるのだ。
例えば設計計算から導き出された抵抗値のが売って無い場合、半固定抵抗器が使われる事が多い。

だが只の抵抗器よりゃ大抵は場所を取るし、動かせる物を使えば何かの拍子で値が狂う可能性もある。
又抵抗器の値の種類が高価なのは多いのに廉価なのだと少ないってのがあるが、所望値だけの為にオーバースペックなのを買うのは最善じゃ無かったりする。

性能が足りない訳じゃ無いんだから良いじゃんって、そっちはOKでも少し大きかったりする事もあるからね。
又Ⅱでこれがコンデンサなんかだと元々値の種類が少な目で、昔のラジオで使われてた値を自由に設定可能なバリコン(可変容量コンデンサ)には音声信号には値が小さ過ぎて代用が利かないとか。

勿論様々な面で部品点数を減らすべく、特に量産機では設計者は「ある物だけで回路を組む」努力をしてはいる。
しかしシンプル過ぎて古典的なのが多くなり易い楽器系のでは、僅かな部品の値ズレだって音を台無しにするのなら許すべきではないのだ。

この手のともすれば胡散臭い技は不格好で怪しげなんで、近年本邦の大手メーカ等はかなり嫌がってる様だ。
しかし一見小奇麗に纏まったのを喜ぶのは見当違いで、もっと「音だけ」に忖度しなかったら意味が無いのよ。

そんなの超イケメンの人殺しとか超美人の大泥棒と結婚する様なもんで、それでマトモに生活出来っかよっての。
とびっきりのブサメンやおブスさんは流石に一寸願い下げだけど、婚活サイトでそんなんしたら営業継続が困難になる処か裁判沙汰ですぜ。

まあアレだな、どうしても小奇麗なのだけで行きたいメーカさんは、だったらFuzz作って売るの禁止ね。
原形のFuzzって電気理論的には、禁忌事項だけで作られてる様なもんなんだから。

要は目的次第で敵味方は入れ替わるのが当り前ってなもんで、只のオーディオと楽器音響ではホントは正しい理論にかなり違いがあるってだけなんだよ。
これってそもそも聴く側と聴かせる側で正反対の立場なんだから、もっと誰でも簡単に気付けそうなんだけどなぁ。

<つづく>

2020年10月18日 (日)

音楽備忘録438 楽器の機械的雑音の話し⑦

楽器でも古典的なのの一部を除くと、今ではメカニカルな部分を持ってるのが普通だ。
そうなると雑音発生源を持つ事になるが、避けられない事情もある。

そこで今回は改善の可否の仕分けでもしてみようと思うが、Drumスローンの出すグググとかギシッなんてなとっとと駆逐すべき案件だ。
けどそれには調整の自由度を高く維持させようとすりゃ困難で、使用者側にも割切りが必要かも知れない。

只私的に残念に感じてるのは幾らこっちが妥協しても、近年だと「動く処が少ない」のが売られていない処だ。
尤ももっと追及すりゃ他用途のを転用出来る可能性もあるんで、これは一応改善可能サイドへ入れとこう。

そんなのより静音化が困難なのが例えばエレキのアームとかで、例としてStratのSynchronizedタイプので考えてみよう。
原形では木ネジとアンダープレートが擦れる仕様で、これは近年本家でも2点ナイフエッジ式等とされて改良されている。

だが私的にもっと問題にしてるのは、非フローティング設定にした時のアームが戻る瞬間の衝撃だ。
因みに何故それ↑なのに俺は滅多に浮かしとかないかってば、弦が切れた際のチューニングの狂いを最小限に留めたいからだ。

最近じゃスッカリ億劫がって弾き乍ら歌わなくなってるが、俺本来の基本スタイルとしては楽器と歌の掛け持ちだ。
すると歌ってる最中の弦切れに対しては、ズレた音程を手加減で合せるのの限界点が低くなる。
それに加え個人的に合計4音以上の同時ピッチアップをあまり必要として無いんで、上げる方は左手(右利き)で賄えるのでアームで出来なくても困らない。

そんでこの非浮かしセッティング、他のタイプのアームでだって戻る時は突っかえて止まるのは一緒なんだ。
が構造的な相違からかSynchronizedタイプのだけが、接触時の衝撃音が大き目になるのだ。

ブリッジ自体を動かしてんだから仕方無いっちゃそうなんだが、こう云うのは普通ならゴムか何かの緩衝材でも貼って軽減させるもんだ。
処がそれをやっちゃうとアーム非稼働時のサスティーンが劣化するから無理なんで、これは改善不可能側に分類される。

これアームのアンダープレートがボディから浮いてる限りは、基本的には支点部のネジだけで弦振動が伝達されている。
のが非浮かし非稼働時だけネジの他に、そのべったりボディへくっ付いたアンダープレートからも伝わってるからだ。

尚且つ緩衝材が押された時の縮み加減が厳密に一定でいてくれないと、それだけで毎回微妙に音程が変わってしまう。
因みにかつて日本等で金属バネを使ったストッパー等の付けられてるのがあったが、体験的には大した静音効果は無い上チューニングの安定度は付いて無いのより劣っていた。

将来何か革新的技術でも発明されたらどうか分からないけど、構造原理的には無くし難いのは変わらない。
なのでこの手のを使いたきゃ、使う側の工夫で対処してくしか無い。

これ慣れさえすりゃそんなに大変でもないんだけど、雑音を完全には無くせないのも確かだ。
けれど逆転の発想でこの弱点が魔活用される事だってあるから、「雑音も含めて」それが「Synchronizedタイプの音色」と考えた方が得策かも知れない。

もっと開き直りゃDrumスローンのギシッだって、そこに人が座ってる証拠の音と捉える事も出来る。
俺知りの限りでは打込み音源にそんなのは入って無く、エレキの弾いて無い時の「ジー」なんてのもそうだ。

雑音だけに耳を傾けりゃ無い程結構ではあるが、うっかり追及し過ぎるとそれはそれで不自然な音場の元にもなり兼ねない。
差し詰め「口の無い顔」みたいな様相を招くってもんで、あるべき物が無い弱点ってのもあるのだ。

例えば現状の生太鼓音色の電子Drumなんかが典型的で、本物の音を高度に収録してるのに残念な結果になっている。
それは生のDrumsetでの他太鼓の共鳴が省かれてるからで、明瞭度に優れる反面響きが単調になり過ぎて従兄なんかを筆頭にケチを付けられたりしている。

<つづく>

2020年10月17日 (土)

音楽備忘録437 Hi-Hat「踏み叩き」の効能⑦

今回は本題からは逸れる部分も含むが、基本的なリズムパターン内での個性の出し方へ言及しとかせて。
普通の8Beat用としては’70年代いっぱい位で、一通りのバリエーションが出尽くしてるのは確かだけど…。

いきなり攻撃的に出てスマンがもし既存のを完全否定したいなら、今更ズツタツ ズツタツなんて絶対叩くなよ…なんてな。
は兎も角として楽曲の都合へ合せるには、パターンのページック自体はそんなに弄れなくても当然だ。

リズムのノリにしたって曲想に合う範囲を逸脱する訳にも行かないし等々、厳しい制約に愛想を尽かしてオカズだけに個性を凝縮させようって人も居るかも知れない。
でもその瞬間を聴き逃されればお終いで、他の誰が叩いたのと殆ど同じにしか聴こえないかも知れない。

それじゃあ打込み全盛!?の今となっては、人間Drummerと云う職種の存在価値は最早無いのだ。
それからすると昔の演奏技術レベルの低さを補う為等のプチ工夫って、今こそホントはもっと必要なんじゃと思うんだ。

今の場合テクが上がったってったってポピュラー音楽が皆プログレッシブになったでも全然無いんだから、小難しいのだと披露の場はちっとも増えちゃ居ない。
踏み叩き自体はそれには余り含まれてないと考えられるが、例えばBackbeatのSnareが入る時だけ同時にHatも開くのなんかが印象深い。

これはその当時主にHard系の処で頻用されてたが、どんなジャンルでも今より遥かに殆ど同じ楽器しか使え無かったのの対策でもあった。
でも突詰めてくと今は例えメタラー御用達のセットを使っても、他のメタラーだってきっと皆そんなのがあったら使っちゃうよね。

そしたらPopsの連中なんかには簡単に勝てるけど、それって大の大人が子供を泣かせてるだけやがな。
勝負すべき場所は同業者に対しての優越な筈で、結局幾ら道具が進化したってそれだけに依存なんて出来ねんでさぁ。

なので逆に例えばおしとやかさを売りにしたいなら、他の誰もがHatのEdgeも叩くのを止めてしまったって良いんじゃない?。
それするとHatの音の通りや存在感では劣るけど、「絶対下品にはならない」点ではそんなのも大いに価値があるですよ。

そう云や今時Crashってばもっとどんなので誰でもEdgeしか叩かない感じだけど、状況次第じゃそれってわざわざ鳴らす効果が殆ど無くなっちゃうんだ。
それがCymbalじゃなくSE(サウンドエフェクト)の代用だってんならいいけど、Edgeじゃ弱く叩くとアタックが無くなるからね。

オーケストラで小さくトライアングルが鳴ってるのなんかを参考に考えると、余韻不要・一瞬だけ何かがキラッとなんてのが欲しい場面だってかなり多い筈なんスよ。
まあ尤も近年本邦のお下品J-POPじゃ、そんな高貴な編曲のとか無い様な気もするけど。(かなり失礼!?😅)

けどこう云うのだって特に「Band音楽」だと、鶏が先か卵が先かってなもんだと思うのよ。
チィンが無くて何時もパシャァンばっか耳にしてると曲作るヤツがDrummerで無い限り、チィンが要る様な曲作るのを何となく避けちゃってたなんてな。

自由と言いつつ案外それらしく聴こえる為には制約の意外と多いRock系、Closed Hat1つでもなるべくバリエーション(その中間領域も含む)が出せないと苦しいがな。
今日も最後に風変りな例示をしとくけど、それは甲斐バンドの松藤英男の「目一杯叩くチップサウンド」だ。

大昔学校の先輩のやってたコピーバンドに入れて貰った絡みで、甲斐バンドのLiveを見に行ったとですよ。
そしたら俺ならここはDouble StrokeでEdge・Chip交互だろうと思った処を、Singleでフルショットでいて全部Chipだけで鳴らしてたんだ。

普通に考えるとそんなの不思議だったんだけど、実際歌の子音を邪魔しないって点では流石だったんだよね。
それが採用の真意かどうかはこっちは当時から杜撰大王ですから、勿論知りませんの分りませんのでゲスが。

でも失礼乍らリズムやオカズに独特なパターンの少ない彼でも、只の「ズツタツ」の時点でそれだけ違えばそりゃ印象にもずっと残りますわね。
しかもこれで大きいのは聴き手に、個別楽器のフレーズの知識なんて全く不要な処ですわ。

ここ迄では一般性を持たせて「ズツタツ」って表現したけど、松藤氏のはちっとも弱くない「ツツタツ」ってのが実態だ。
何だい「ズ」が「ツ」なだけかいっちゃそれ迄だけど、これって穿いてるのがズボンかスカートかって位の違いはあるんじゃないかな。

<つづく>

2020年10月16日 (金)

音楽備忘録436 魔改造悲喜こもごも⑯

球歪み系TD-1・TO-2のは実際色々保留状態なんで、何れ気が向けば回路図等でも披露するか?。
…として、前回登場させた「昇圧整流」の方へフォーカスさせまし。

原理等は必要なら敢えてWiki等の方をご参照願うとして、こっちではより実戦的な方で攻めさせて貰うよ。
これ一般的には○倍圧整流だとかコッククロフト・ウォルトン回路等で紹介されてるが、一般用途での実例は殆どが倍圧整流位しか見掛けない。

先にニーズから列挙。
 ①電圧がフィットするトランスの手持ちが無い
 ②トランスの大きさがケースに対して惜しい処で入らない若しくは所望サイズのが売って無い
 ③電流はそんなに要らないがもっと高い電圧が欲しい
凄く大雑把に云やこんな感じで、実例の方が多分理解し易いのでとっとと行くぜい。

1.1Uラックの球機器(②の1例)
放熱やスペースの関係から決して球に最適とは言えないが、太い古典管とか大柄な電力増幅管を使わないなら球自体はそんなに無理無く入れられる。
俺の処では楽器用球プリを作る時、不要になってバラした石の1U鉄ケースが遊んでたのでそれを活用した。

これがトランジスタやICのだったら、大規模なのじゃ無きゃケースはプラでも木でも作れなくは無い。
だが何せ球は熱くなるのが分ってるし、インピーダンスの高さ等からもケースにはしっかりシールドして欲しい。

それで薄っぺらい電源トランスを探したんだが、当時ですら唯一あってもバカ高いと俺には無いも同然だった。
しかもその電圧等の仕様もこっちにはピッタリでは無かったので、次に複数に分割するのを考えた。

これに使う球はヒータ電圧が全て6.3Vか12.6Vで揃って居り、この電圧帯のは石の回路で頻繁に使われるので選択肢が膨大なのだ。
だから高圧の方さえ何とかして編み出せれば、トランスの厚み(高さ)で悩むのから開放される。

2.現在作製中のポータブル球プリ(①と③の1例)
こちらもケースは流用だがそのシャーシ迄含めようとすればサイズ制約もそれなりで、しかし1Uよりは厳しく無かった。
が苦しい予算事情は勿論だが僅かしか要らない電流に対し、フィットするのが全く売って無いのだ。

トランスは容量に余裕があって困りゃしないが、少しでも大きくなればその分磁束洩れは多くなる。
必要より余計に金掛って場所食って、その上磁気対策が大変になるんじゃどうにも割りが合わない。

そこで昇圧整流方式を再度登場させて、って何だかウチのプリではそれがデフォみたいになって来ちゃったなぁ。
理想は飽く迄こんな裏技じゃ無い方が良いんだけど、低圧駆動や部品の方に機器仕様を合せたくは無いんでね。

そう云う風潮って今本邦の家電品とか電車が外国で売れなくなったのと一緒で、ニーズ合致度が足りないと道具としての価値は下がるんだ。
特に超性能だから高価格を我慢しろってのが愚の骨頂で、金に糸目を付けなくて良いなら家電なら一般用じゃ無くて業務用の方がもっと凄い。

電車なら新幹線にもメリットはあるけど、もう鉄道なんかより飛行機とかでも良いじゃんさ。
確かに低公害だとか一遍で大勢運べるとかあるけど、比較対象とか運用上の都合とかへの配慮が圧倒的に欠けてんだよな。

最近しきりに従兄とかにも言ってんだけど、齢取って先が見えて来るとある程度早くにゲット出来るのもかなり重要になって来るんだ。
最高の道具が手に入ったってそれが何十年後じゃ、こっちがヨレちゃって殆ど無意味になるかも知れんでしょ。

若い人にはそこ迄じゃ無いけど、でも試せるのが遅くなって得する事は無いと思うんだよね。
それが採用になりゃまだ良いんだけど、不採用が分るのがずっと後になったんじゃさ。

判明するまでずっと将来無益になるかも知れないものに、縛られたり何らかのエネルギーを食われ続けるんだもの。
借りられる可能性のあるのだったら関係無いが、独自の試行となると基本は自力本願で行くしか無いからね。

<つづく>

2020年10月15日 (木)

音楽備忘録435 楽器の機械的雑音の話し⑥

引き続き「機械」とするには一寸可笑しいが、実体のある物固有の雑音発生メカニズムのを掘っとこう。
して今回は、エレキのストラップとボディ由来の雑音から。

エレキってストラップで吊下げてると常時出るでも無いが、時々「ググッ」とか擦れて雑音が出る事がある。
これはロックピンみたいにストラップエンドとボディ間が離れ気味になってると、その頻度は下がる様だが。

最悪時はボディでは無くストラップエンドとエンドピンの擦れでも発生するが、なまじAmpで高感度になってるから実際より大きく出てしまう。
特に余韻を長く引っ張ってる様な時には要注意で、アコギでもMicを構えてると奏者本人より大きく聴こえたりするのが難点だ。

これってある程度以上の摩擦係数があるのが原因だからロックピンにベアリングを付けるだとか、ボディとストラップが全く触れられない様に設計すれば良さげだ。
が体験からするとそれに近いのは意外と弾き難いもんで、それは楽器位置の安定度が下がるからだ。

人は弾こうとしたら体を動かすが奏法等にも依るものの、手や腕以外を使って無くても完全固定なんて出来ない。
そもそも呼吸してるだけで腹から上は、無意識でも常に少しは揺れたりしてるんだしね。

なので楽器だって人が吊ってる限りは必ず動いちゃってるんだけど、体との位置関係が急に変に変わると具合が悪い。
その内動いたのがハッキリ分かるのだとまだ良いが、知らずに微移動してたりすると面倒だ。

それには上記みたいな工夫がされてると却って不都合で、これはストラップ関係に限った事じゃ無い。
アイデアとしちゃ当時は秀逸だったFenderの、ボディ裏のコンター加工が本日の生贄!?だ。

フィット性の高さと体に触れる部分に角が無いのは痛く無くて良い筈なんだが、体形や構える位置次第では却って仇になる事だってあるのだ。
ボディ裏が平らなのと比べて、ネックを軸とした捻り方向に動き易くなり過ぎたりする場合もあるからだ。

要するに弾く度に楽器表面の角度がグラついたりするのを指してるが、揺れない方が弾き易いのは言う迄も無い。
この懸念を無くすには楽器自体が加工されてるより、奏者の服装等で補った方が無差別で良い。

私的具体例としてはPrecisionでのスラップ時に顕著で、奏法的に上側を叩いて下側を引っ張って弾くだけにこれが最大化しちまうのが悲しい。
かと言ってリッケンでは半袖だと表面の角(ボディ肩部)との接触部が痛く、暑がりとしては悩ましい処だ。

それでも全ては音優先で現況の選択に至っているが、幾ら肉体的に楽でも不意な出音タイミングのズレが無い方が努力が報われると感じられる。
こんなん言うとTomやCymbalなんて半ば揺れっ放しなんだから、Drummerからは贅沢と糾弾されるかも知れない。

しかし物もアクションも格段に小さいだけに、こっちの方では僅かな差が拡大して現れるのは確かだ。
Drumの方でしばしば悩まされるのは寧ろスローン等から出る雑音で、それが問題になるのは主に録音時の静かな時にだから前回Rims等のとは毛色が違う。

それでもClassic系のPianistよりは、相当マシなんだとは思うけど。
Liveなら未だしも録音だと、元の出音が小さい楽器程目立っちまうからねえ。

これは俺みたいにマルチプレイヤだと公平な比較!?がし易いが、「静かな時に出ちゃう雑音」は場所が違うだけで割とどの楽器にもある様だ。
その中で一等厳しいのはどの楽器のでも、僅かな姿勢変化で出てしまう類のじゃないかな。

これが曲の最後部だってんなら我慢比べで凌げるかもだが、一旦止めただけで次を鳴らさなきゃなんない時だとね。
だからって変な不適切な姿勢から無理に鳴らして、再開一発目の音が変ちくりんになったんじゃどうにも恰好付かないし。

中々手に負えないのか分からんけど、この面では意外と対策が進んで無い気がするのは俺だけなのか?。
どんな楽器でどんな奏者だろうと、等しく皆が苦労させられる処なんだから。

<つづく>

2020年10月14日 (水)

音楽備忘録434 Hi-Hat「踏み叩き」の効能⑥

前述エレキのハンドミュートのCymbal版となると、実際の加減のし方はどうなるのかが今回のお題だ。
現代本邦じゃ完全にヲタ扱いだろうが、Cymbalにだって名実共に手でミュートするのもあるからそれにも触れとこう。

希少な実例から始めるが昔々ある処でのボランティアLiveで、従兄が必然性に迫られて咄嗟にハンドミュートを駆使した事があった。
その時の機材は借り物だったが輸送時にトラブルが発生し、何とHi-Hatが無い状況で本番を迎えてしまった。

とは言え8Beatの楽曲主体だとそれで乗切れる場合もあるが、演奏曲目にThe Monkeesのテーマがあっては致命傷だった。

この曲のIntro部のHat開閉でのリズム、元ネタのJazzでは結構ポピュラーなパターンだ。

本家の方ではHatでもハンドミュートを使うのなんかもあるが、それだって飽く迄Cymbalが「2枚」あっての話し。
それを従兄が咄嗟に機転を利かしてRideのハンドミュートの開閉で代用、流石ではあるがトライアングルだったら幼稚園児だって皆演ってるっけね。

今Rock系では金物のハンドミュートってばShort Crash位(鳴らして直ちに止めるヤツ)でしか使われないし
、この昔話のはアブノーマルの極致だ。
けどDrum Set内では飛び抜けて余韻の長い金物系で、その長さを自在に操れたり部分的に音色を変えられるとかなりインパクトが大きい。

尤もホントに片手がそれに占拠されてはリズムパターンの途中でとか、音数が減ったら困る場面では使い辛い。
多分それで廃れ気味になったんだろうが、元々使ってた足を緩める程度で良いならそんな心配も無い。

尚且つエレキでのハンドミュート同様、その加減のし方は抑えたい分だけ押え(踏み付け)りゃ良いと「リニア」なのが特徴だ。
或はエレキでもWahやVolume pedalなんてモロに足操作な訳で、Drumは手だけでも加減出来るからって軽視されるのは残念だ。

手で演るのと足での違いに着目すべきで、手だけじゃ基本的には音量と音色は正比例のしか出来ない。
音量と余韻長さに関しても同様なのが、踏み叩きだと逆転させたりも可能になるのだ。

只普段全く使わないで来てると最初戸惑うのが、手足の継続的連動動作だろう。
Drumには所謂4Wayの訓練は必須なんで、ある程度叩けてる人なら誰でも「下地」は既に整ってると言える。

でも同期・同調のさせ方に少し違いがあり、4Wayよりも更にシビアな精度が要求される。
その原因は操縦する音源が別のか同じのかの差で、踏み叩きでは僅かなズレが音色にモロに反映してしまう。

本来なら例えばバスドラとSnareだって合せるべきは常にピッタリな方が良いが、各音源の音色に変化が無いと耳にとっての許容範囲が広くなってるのだ。
だから聴感過依存でなくキッチリ4Wayが身に付いてたなら、覚えるのは「足加減」オンリーで済む。

のが俺みたいにいい加減な取り組みで不完全だと、踏み叩きをしようとしたら初めて粗が露呈した訳だ。
「Drum耳」が高度に訓練されてたらそうはならなかったかも知れんが、どんなに呆けっとしてても即座に明確に粗が聴けるのって他にそんなに無い気がするな。

なので手足連動の基礎に不備があると直には思った様に行ってくれないが、これを差置いて踏み叩きなんて面倒だと思ったらアカンよ。
そんな状態のままでは踏み叩きなんかしなくったって、分かり難くったって聴く人に聴かれたらボロ丸出しになってるんだからさ。

4Wayの完成度確認には踏み叩きの次点で、コンビネーションフレーズってのもある。
実際踏み叩きで確認可能なのは片足に限定されてはしまうが、これ以外のはたった1つの物を弄ってはいない処に大差がある。

<つづく>

2020年10月13日 (火)

音楽備忘録433 魔改造悲喜こもごも⑮

今回はTO-2の改良に際し「付いた知恵」で、真空管回路に必要な電灯線より高い電圧を得る方法について記す。
これも理論のみなら他所様の電気ヲタ系ブログ等
でしばしば散見されるが、実使用例やその実態に触れた物は少ないので。

前述の如くTO-2ではわざと容量不足気味のトランスが使われてたが、それにしてもTD-1に比べて妙に小さいのが気になっていた。
それを可能としたのが所謂「倍電圧整流回路」ってので、最終的な回路への供給電圧は大差無いのにトランス自体の出力電圧は何と100Vのまんまなのだ。

それならトランス要らんだろって話しだが、実際に過去の普及版ご家庭用真空管機器にはそんなのも多かった。
一寸待った球だってヒータ用の電源はもっと電圧低いんじゃってその通りなんだが、昔のそれ等は球のヒータ全部を直列にしそれでもし合計が足りない時は抵抗器を入れて対処されていた。

これは道路上を走るのしか無かった時代の電車等でも一緒で、車上のあらゆる電球を全て直列にしてなんて調子で。
それだとたった1つが切れたらもう全部消えちゃって不便なんだけど、それ位インバータなんて無い昔は電圧変換は大変だったのだ。

感電の危険だってそれじゃ高まるのにそっちを選んだのは、やはり高価で重たいトランスを電車に乗せたく無かったからだ。
モータの力だってその頃のには全然余裕が無いってか、そもそも理想通りの力強いのなんて夢の話し・動いてくれさえすりゃ御の字状態だからね。

この辺で戻すがそんな太古の裏技!?が、ストンプには意外と有効手段だったとな。
TD-1の頃だってもうそんな需要は他に皆無だったが、最初は余計なリスクを避けるのに特注でトランスを作って貰ってたんだろう。

ではトランスって別名に「電圧変換器」ってのがある位なのに、何故100V→100Vのなら今でもニーズがあって割安に入手可能なのかだ。
それは雑音や雷が直接回路へ入ってしまうのだとか、極性不一致に依る感電事故を無くす用途があるからだ。

実例としては以前述の管球式一体型ステレオ等が該当し、単体だと問題無く使えるのに繋ぐ相手に依っては動かなくなったりなんて体験がある。
そして危ないからお試しも禁じた上で話すがコンセントは両方繋ぎ両機器間は何も繋がず、両方を同時に触ったら見事に「ビリッ」と来てくわばらでしたよ。
(なので相当前述の通りそうならない様に改良した)

尤も折角この部分で秀逸設計でもこっちのニーズに対しては、これの改造にはどちらかってぇと障害になっちまった。
しかし後になってこの方法とそれで実用になるのを知ったのは、魔改造道には大変役立っている。
厳密には改造ってよりゃ作り直しとかそう称した方が相応しいかもだが、何てったって球用じゃ無いジャンク部品で球回路を組める様になるのだ。

近年は一段と電子部品の一般販売自体が希少化しつつあるが、球用となれば限られたオーディオヲタ様用の以外特に新品は手に入らなくなった。
すると電圧増幅のみでもオーディオ用Preampみたいなある程度以上の規模のだったらトランスもまだ僅かに残ってるが、ストンプみたいに「ほんの一寸だけ欲しい」のに向いてるのなんて既にとっくに絶滅してるのよ。

加えてヲタ様用のは価格を筆頭に、こっちの用途にはオーバースペックで敵わんがな。
これも低圧駆動移行の一因なんだろうが、音質や音色が問題になる分野では最も不向きな方法なんだ。

だいいち球本来の持ってる性能を著しく低くしか発揮出来なくなるので、今では割高な真空管への費用対効果は最悪。
それを今でも何とか出来るこの昇圧整流方式は、とても大きな意義を持っているのだ。

私的には貧対策としても効果絶大で、全然違う用途の機器に入ってたトランスを球のへ転用出来ちゃうのがミソなのだ。
壊れた機器の生き残りを使えば手間は食っても出費¥0、特にお試しの際にはこれは生死を別ける位重大だ。

<つづく>

2020年10月12日 (月)

音楽備忘録432 楽器の機械的雑音の話し⑤

狭義では該当しないが折角なんで、ついさっき体験したのから行ってみやう。
下ら無さ過ぎるかも知れないが、時には異音のお陰で助かる事もある…なんちゃって。

数日前からFloor Tomを叩くと、何やらじりじりビリビリってな異音が出ていた。
が是迄宅実績では凡そ9割方それはRimsのせいで、緩衝ゴムが健全でもボルトとの接触の具合でそんな雑音を出していた。

気付けば発案者たるJeff Porcaroが逝去して早28年、なので極簡単にRimsの説明も付記しとこう。
それ以前の殆どの太鼓のホルダはシェルに直接付けられていたが、ハードウェアが年々ゴツくなるにつれて胴鳴りの阻害が増していた。

その為Snare Standみたいなのに載せるとか、リムを手で持って叩いた時との差が拡大してたのである。
最近じゃシェルの標準的な厚みや強度が一時期程で無いにしても増加してるので、Tomでは類型のが使われててもFloor Tomでは不使用なのも多い。

でも原典のはFloorも含まれてたし、特に宅のは3Plyレインフォースメント仕様なのでそうしといたのだ。
正直言うと効果の程は?だが、超年代物の胴を守る効果だけは確かにありそうだ。

しかし何分この手(Rims)のでは初期型な故、最近のと比べると特に雑音性能に関しては不完全だった。
してTom用の方は打面側リムで保持してるが、Floor用のは共鳴側リムボルトのラグの部分で支える構造となっている。

何れも自由度Maxな代わり「動けてしまう」ので、状況次第で一工夫足さないと雑音を出し易い構造だ。
しかしⅡで俺は特にFloorは口径に対してローピッチにするのが多いので、万一の悪影響が怖くて一工夫も現況では躊躇したままになっている。

んでだから今回のも又何時ものだろうとタカをくくってたっけ、何時もとは雑音質が微妙に違う気がしたのでまじまじと観察してみた。
したっけ単にボルトが1本緩んでたのが雑音を出してただけで、それを見逃してた俺が真犯人でしたっと。😢

ねぇホントにくだらなくてしょーもないんだけど、開き直るじゃ無いが物は考え様で御座居ます。
もし雑音が出なくて更に気付かずに居たら、ボルト紛失したりその内リムを変形させてたかも知れんのよね。

それからすると幾ら無雑音が理想でも、異常時迄無音だったらその方が大変かも知れない。
機械みたいに必ず実体の存在する物だと上記の完全分離は無理で、その分それは平時の弱点になってしまう。

けれど近年の半導体集積回路みたく全く何の兆候も無く、ある日突然さようならよりゃマシかも知れない。
それからするとⅡで楽器系の機械的雑音の最善は、実質的には「出ない」じゃなく目立たないとか楽音に無支障なら取敢えずはOKなんじゃないかな。

それより問題視すべきと最近痛感してるのが扉の開閉音等で、乗用車のが特に気になる。
その殆どが基本的に勢いで密封させる構造なんで、半ドアにならずに静かに閉じるのはとても大変だ。

確かにドアの鉄板の共鳴で安っぽく聴こえる様なのは無くなり音質は良くなったが、昔より気密性が上がったからか案外衝撃音は大きくなったみたいだ。
これが近くでは平気なのが少し離れた方が目立って聴こえるから、開閉操作をする人には分り難いから厄介だ。

もしや気密性の向上で新幹線のトンネル「ドン」宜しく、急激な気圧変化のせいなんだろうか?。
車って室内吸気口の方は選べば閉鎖出来るけど、排気口の方は完全閉鎖は出来ないんだよね。

そもそも何で何時迄も半ドアになる様なメカにしてるのか大いに疑問だが、楽器でそんな風に「静かには出来ない」構造だと大変だ。
普段の低騒音を追及するのは結構だけど、必要時必要なだけより静音化出来る事の方が大切なんじゃい。

<つづく>

2020年10月11日 (日)

音楽備忘録431 Hi-Hat「踏み叩き」の効能➄

キレに有利な13inchのHatと前回出しといて、15のでも抜群のキレを発揮する達人だって多数居る。
なんて隣接回で一見正反対みたいな事を頻繁に言い出す拙ブログ、別にドラマチックに演出する意図は無いが…。

単刀直入に結果的にそうなる訳をバラせば15の方が「叩け方」の依存度が高いだけで、楽器自体の「小回り感」ではやはり小さい方が上で叩き損じた際の音が違う。
15では途端にだらしなさが顔を出すが、13ではキレは失せるがだらしなさ迄は出ないと云った感じだ。

けれど環境にも依って15では音量的に余裕がある面等でムキになる必然性が薄れる!?結果、13や14の使用時より自然と最適な叩け方が成立し易い可能性はある。
とか言いながら現状俺自身は13や15の導入予定は皆無だが、これはやはり専業と兼業の予算配分の差である。

けど標準的な14しか使わないにしても上記知己の有無差は大きく、例えば14ならある程度マトモな叩け方が出来てたら15より必ずキレが出る筈だとかね。
そして本来のお題「踏み叩き」をするのに、サイズはどの程度影響するか等が今回のテーマだ。

体験からすると無関係じゃないが、最も影響するのは口径じゃ無く重さだ。
重過ぎるとどうしたってTop Hatの慣性モーメントが大きくなって、素早い挙動は苦手になって来る。

踏み足を動かさなきゃほぼ差は無いが連続して動かしてると、大きい程Close時の「位置が定まる」のに時間が掛るのが安定度に影響する様だ。
この奏法では踏みの強弱で明瞭度にも変化が出るのが普通だが、その差が最小となるのは口径は小さ目で硬目のになる。

なので頭だけで想像すると小柄マッチョなのの方が良さげだが、実情は却って明瞭度の差が大き目になる方が良い感じになるのだ。
おっとこれには「踏み叩き」の叩き方自体の説明が要るのに、つい失念してたから遅ればせ乍ら改めて明示しとこう。

踏み叩きってぇからには手も足も動かして音を出すのは分かるだろうが、Ringoが演ったタイプの等以外では踏む方では音を鳴らしてないのが第1ポイントだ。
つまり前回述エレキGuitarのハンドミュートと近似な効果を得る為に、それを手の代わりに足で加減させる。

そして実現させるのに必須の第2ポイントが、通常は「緩めるのはDouble Strokeの弱い方」若しくはリズム的に裏拍の時にするのだ。
何故って試せば即分かる単純な話しで、表拍で緩めりゃ唯のOpenの出来損ないみたいにしかならないからよん。

普通Hi-Hatで強拍を表現するにゃバチの肩でEdge部を叩くからこの時露骨に閉めが緩いと、奏者にその意識が皆無だって「手(バチ)依存度の高いOpen」にしかならない。
因みに俺は足は速いのとそれ以外の不安から以下の方法は意識しては先ず使わないが、極端に短時間のAccent Openを要す際等に奏者に依ってはこれが活用されている。

具体的にはバチが当たって押された時だけOpen状態同然にしようってので、足は圧(若しくは重さ)は掛けっ放しだがバチから来た反力に対しては柔軟対応させるってのだ。
差し詰め従兄提唱の「閉じた柔らかい手」の足版ってなもんで、しかしTop Hatの健康には余程加減が上手じゃないと危険を伴うのが相違点だ。

して戻ってくと俺仮言い「裏プチOpen」時の明瞭度が下がってOKなのは、普通のClosed時のそれより音量が若干上がるのと鳴ってる時間が長くなるからなのだ。
閉じたままのをチップで叩けば、正に金物版「舌打ち」みたいな音になる。

加減次第でそれより大きくも出来るし弱過ぎると聴こえ辛くなってやった意味が薄れはするが、コレって配役としちゃSnareのゴーストノートと同系統と考えて良い。
Single Strokeでは速度が間に合わないからってな後ろ向きなDouble採用もあるけれど、本来は音数が倍増してもウルサくて迷惑を掛けたりせずに済む利点があると云える。

個人的には小さくなり過ぎて無効化するケースが気になってるが、踏み叩きにするとこの面は簡単に解消出来て助かるのだ。
因みにⅡで「若干音量Up」の理由は「鳴りが良くなる」からで、でも実質的にはそれより時間延長の効果が大勢を占めている。

時間延長で「聴き洩らし難くなる」ので音量や強弱の他、明瞭度に対してもかなり無頓着で居られる様になる。
尤も絶妙なニュアンスを出すには手も足も高練度を要すし、手だけで音を出せるのにわざわざずっと足も動かなきゃなんないのにだけ着目するとエコに反してるかな…。

<つづく>

2020年10月10日 (土)

音楽備忘録430 魔改造悲喜こもごも⑭

今回は本筋へ復帰させて、望んだ歪みの具体的な獲得の仕方についてだ。
余剰低域を削るのだけ概述だが、それだけだと大抵は超高域が過剰になるからもう一工夫だ。

そうなる最大原因は単純なパッシブ回路で達成しようとするからで、具体的には信号経路へコンデンサをたった1個挿入するだけ。
もし半導体を使って構わなきゃオペアンプICなら2回路入り1個で、簡単なアクティブフィルタが組めるからこの限りでは無い。

ここでオペアンプICのプチ予備知識だが、オペアンプの増幅器は単体でも既に演算増幅器って回路になっている。
これは真空管でも組めなくは無いが、演算増幅器には増幅素子が2個必要だ。

なので上記の2回路入りを球で構成するには定番のでも2本必要になるし、それが又唯2本にするだけじゃ済まないのが厄介だ。
所謂マッチングをして2本の性質を揃えないと演算回路としてちゃんと働かなくて、尚且つパワー段より更に厳密に合せないと駄目。

そうなるとコストも手間もだが、制約の多いストンプには不向きな事この上ない。
それもあって近年は球でもハイブリッドのが多数派を占めてるんだろうが、エレキの原典Ampの時代にICなんて未登場だったからやはり音のニュアンスには有難く無い変化をもたらしている。

アレも駄目コレも駄目ってじゃあどうすんだってば、今度は超高域の余剰分を又コンデンサで削ってるのだ。
プチ予備知識Ⅱで基本的にコンデンサは、音声信号だと高域程流し易い性質を持っている。

それを回路に直列に挿入すればLow Cut、信号経路とGrand(アース)の間に挿入すればHi cutが出来るのだ。
どうしてってば高域だけコンデンサをすり抜けて、信号経路より電流が流れやすいGrandへ全部逃げてっちゃうから。

因みにエレキ本体のTone回路は電池不要のパッシブタイプなら、ほぼ全てこの方式だ。
尤もエレキ本体は純粋な・球回路の方はフィルタ部だけがパッシブな差があるので、効き方はエレキの方がより大雑把だ。

ストンプで割と早期にグライコが登場したのもこの辺の事情のせいで、本体Toneだけでは要らん処を減らそうとしたら残したい処まで削れちゃったりするからだ。(勿論逆も又然り)
俺自身それでグライコも早期に購入したし、ウーマントーン以外ではすっかり本体Tone使用を敬遠する癖が付いちまった位だ。

因みにⅡでフィルタ回路(楽器では主に音質調整に使う)の正確さの順位を提示しとくと、完全パッシブ→フィルタだけ→アクティブの順で出鱈目いい加減だ。😵
今時普通なら性能の良い順番に並べるもんだろうが、俺の性格や趣味でひねたんじゃないのよ。

随時吠えだが音楽的実態と電気のそれが比例しない方が多いからで、音楽的には出鱈目なのの方が効果が大きいからなのだ。
しかしそうは言っても回路設計自体は純粋に電気なんで、この辺が測定器だとか純然たる機器より却って面倒になる点だ。

は終わらせてストンプではコンデンサ2個追加だけで済ませられるのは大変結構だが、要らん処っても2つも「削るばかり」となるからトータルの出力や歪みの深さは減ってしまう。
なので生粋のメタラーさんには音色的に元々不向きだが、件の機種では余計歪みが不足してしまう。

俺の場合は普段は歪みは必要最低限の深さとなってたからここは問題とならなかったが、コンデンサの値決定にはかなり手間暇を要した。
上記の如く理屈より実際がかなり出鱈目になるので、事前計算をしといても極大雑把な目安にしかなってくれなかったからだ。

音楽用とか楽器となると電気・電子回路でも実情はどれもこんなもんで、これを典型例に今でも頭脳より体力・要領より根気が重要な世界だってあるのだ。
その意味では良い音がゲット出来るのは、根気のある人って事になるのかな。

<つづく>

2020年10月 9日 (金)

音楽備忘録429 楽器の機械的雑音の話し④

ぼちぼちドラムペダル以外の方へも広がりを見せつつ、今回は出なさそうでそうとは限らない雑音をお題としよう。
摺動部があれば擦れるから分からなくも無いが、現実にはベアリングでも案外雑音が出たりするもんなのだ。

流石に新品時から盛大に出るのにはお目に掛った事は無いが、摩耗が進むと平軸受(穴と軸だけになってるヤツ)より却ってガタつきによる騒音や振動が大きくなったりしている。
個人的には換気扇や送風機のでそれを沢山体験し続けてるが、平軸受の50年以上使ってる扇風機2台の方が未だにこんなのが出ていない。

尤も考慮すべき部分もあって、クーラーの無い時代は扇風機が最後の頼みの綱だった点だ。
効率や消費電力では近年のにかなり劣るが、耐久性・信頼性等が恐らく設計段階から違っていたんだろう。

加えて最近の程短命になって来ると幾ら高効率で低消費電力でも、製造・買換え・廃棄の費用等はかなり増加してしまう。
それからすると「売る為だけのハイスペック」と断じても過言でなく、買う側の知恵に昔には不要だったこの問題等を持っとかなきゃなんなく不便になったもんだ。

ドラムペダルでは打込み全盛となっては日がな踏み続ける者も僅少になってそうだが、上記の様な世間からの悪癖に看過されてないかは一寸気になる処だ。
それで無くても「わざわざ高価なベアリングを使う意義」みたいなのに意識変化はありそうで、有効活用度に差がある様な気がしてならない。

故に個人的には特に半端に「新しがった物」に対して疑心暗鬼になりがちだが、自分でこしらえられない部分・物に関しては妥協するしかない。
そこで違いが出るとすりゃ使い方やメンテナンスの部分で、そんなに神経質になる必要は無いが無視同然となってたらそれは危険だ。

近年は人件費の高騰もあってメンテナンスフリーが一層全盛だが、本来摩耗がある物に対してはそんなのは夢でしか無い。
そこで先ず留意すべきが「メンテ…の前後に付くべき条件」で○万回・□時間・△年等、どんな想定に基づいてだったら放置が可能なのかだ。

次に検証すべきなのがその想定の妥当性で、上記の内○万回の以外は試験期間の完璧な圧縮は不可能だ。
それからすれば発売期間の長いの程、想定外の不具合に悩まされる可能性が低い。

つまり新しいの程夢は見られるが将来は不透明、古くから存続してるの程テンコ盛りになった欠点は目立つがそれ以下にはほぼならない信頼性が確立してると言える。
これに基づくと少し意外だが長く続ける人より、期間限定の人の方が新しいのを持つと後で泣きを見る可能性が高くなってしまうのだ。

何でってったら止めてすぐに売りに出せば平気だが、時間が経つと誰にも買って貰えないなんて可能性も出て来るからだ。
色んな人の使用体験が積算してけば、当然欠点や弱点もどんどん洗い出されて来る。

そうすると自分が昔買って使ってた当時の感覚は、後の世のそれとは段々乖離が進んでても何の不思議も無い。
なのに売りたいこっちとしちゃあんなに大枚叩いたんだし、凄く大切に保管してきたのに…ってったってそれが浦島太郎化しちまってんだわ。

これが使い続けてたら欠点に対しても知ってた方が便利にもなるが、それなりに美化されてそうな思い出にケチが付く様なのには誰だって目を背けたくなるからね。
依って何時迄続けるか不明な時点での最安は何時捨てても惜しくないの、さもなくば初期投資は少しだけ本格化してまうが長年に渡っての定番品で揃えるのが安心となるね。

<つづく>

2020年10月 8日 (木)

音楽備忘録428 Hi-Hat「踏み叩き」の効能④

所望に対して薄過ぎHatだとどんな支障があるか、先ずはここから行っとこう。
もしかしたら
当時の俺はその認識が不十分で、無茶踏みにまで至ってたかも知れない。

では薄過ぎるとから参るが元来ウルサイCymbalであるから、音色の柔らかいのは必ずしも悪くはない。
只それが余韻に対してアタック音が小さ目でそう感じられる分は、爆音下だとリズムの主張を弱めてしまう。

ここで俺と違って信頼出来る従兄の例を再出させとくが、兎に角彼はHatは柔らかい音色が好きなんだそうだ。
そこで彼手持ちので裏技的コンビを見付けてそれを使ってるが、ベテランの太鼓の先生だけあってキレ等には何の問題も出ていない。

一寸念押ししとくが「柔らかい音色」でキレを出すのって一番難しい処で、それが出来てる位だから叩き方はほぼ究極の域に達してると言え様。
しかし幾ら上手くったってどうにもならないのが最大音量で、音色やキレ果ては楽器の寿命を無視でもしない限りこれは腕で補えるもんじゃない。

なのでDrum単独ではOKだったのが、それでは皆さんご一緒にとやったら聴こえねーでやんの。
のでその後その彼のお気に入りコンビは、Bandでは半ば録音専用と化している。

今上記で音色・キレ・寿命を犠牲にすりゃ少しは音量Up可能と書いたが、実際のアンサンブル内ではそれをしても効果は薄い。
だが誤認君当時の俺は単独か人と演るにしても割と大人し目な人達が多かったから、所詮は「焼け石に水」なのを気付くのがより遅れたのかも知れない。

元から足りない音量を補う手段としては、アタック音の長さを若干長くするってのもある。
低次元の発想だが他と同時に鳴らした際他のより「後まで聴こえる」事で、余程強く鳴らしたから余韻も大きいんだ等と騙す戦法だ。

薄過ぎ君を叩いてた当時俺にそんな意識は皆無だったが、溺れる者は藁をも掴む式で少しそうなってた様だ。
しかしそれじゃアタックがだらしなくなるので、それを強く踏んで解消しようとしてたんだわ。

しかしⅡで強く踏み過ぎればミュートしたも同然なので
、更に暴力的に汚くても強く叩かなきゃなんなくなる。
しかしⅢで鳴らぬ様にしたのを幾らぶっ叩いた処で増えるのは衝撃音ばかり、その上普通に何かをぶったのより「押えてる」分倍音も出ない。

結果的に「欲しい音」の音量は幾らも大きくなってはくれず、そんな無益な苦労をする位だったら変態的でもTop Hatのカップでもカンカン叩いた方がまだマシそうだ。
こんなの苦しい言い訳の最たるのにはなるが、カップは他の場所よりアタック音に対し元から余韻が小さ目なんで無理踏み不要だ。

又別面で少し気になったのがHatのピッチ(音程)で、音程は低くなる程音量が無いと聴こえなくなる処。
これがサイズが同じなら薄かったり柔らかいの程音程は低くなる傾向で、爆音系で薄手とか柔らかい音色のが欲しいなら最低でもインチアップが必要だろう。

けれど困った事に大きくすれば更に音程は下がってくし、余韻は同じタイプの14より15は長目になる。
かつてStudio Drummerの間で13inchがデフォになってた時期もあった様だが、一発録りでもブースに入れば音量問題からは開放されるからだ。

小柄にした分ピッチが上がると録音されたアンサンブル内ではその分目立つし、余韻短縮でキレが増したのと同等の効果がある様だ。
録音でコンプを掛けると相対的に余韻の音量と長さが増加するので、実質的には14の生≒深コンプ13と却って同じ位の感じになり易いとも言える。

この点では従兄曰く14は半端で、例えば録り13・生15の方が良いんだと。
彼は普通より厚目なのは音色の硬さが嫌だそうで、最大限柔らかさを堅持させて最適化を図ろうとするとそうなるそうだ。

なので俺の過去の薄過ぎ君常用はニーズが合ってりゃ万能兼用タイプだが、合ってなかったから帯に短しタスキに長しだった訳だ。
そのせいか興味はあったのに「踏み叩き」を試す意欲があまり湧かず、試さないから「正しいキレの得方」からも遠ざかってしまったらしい。

<つづく>

2020年10月 7日 (水)

音楽備忘録427 魔改造悲喜こもごも⑬

球歪み系の試行錯誤の続編に戻ってくが、今回は試行はしたが最終的には止めてしまったのについてと貴重!?な話しだ。
失敗迄行かなくても成功に足りなくてそうなったのって、ドキュメンタリとかじゃないと記録に残り難いですからね。

これの発端はその頃の流行やLive環境の兼合いで、Guitar本体にBuffer Ampを内蔵させたのだった。
そこでどうせならと欲を出し、Booster機能も盛り込んだのがこっちでは仇になった。

Buffer自体は主にLiveの為だが、Boosterの方は録音時の対策なのだ。
意図的に歪ませられる様になる前の古いAmpしか持って無かったから、Single Coilでは浅くしか歪ませられないのが不便だったからさ。

これでLive時にBufferをOnにしてると新たな不都合が生じ、それは生音バッキング→球ストンプOnでリードプレイって時だった。
バッキング時の音量増加に対して、球ストンプの音量が所望迄大きく出来なかったのである。

その原因が又問題で特殊な歪ませ方をさせてるが為に、音量を上げるとその分歪みの深さが軽くなる回路構成だったのよ。
Liveで派手にFeedbackも使うにはそうなっちゃ困るので、ストンプへ別回路の追加を考えた。

しかしケース内は狭いし電源にも殆ど余裕は無いので球の追加は無理、だからって折角球のなのに変なの付けて「石の音」になっては元も子もない。
そこで真に珍妙だが石で一番音色改変の少ない、Bufferをストンプにも追加してみたのだ。

これの球回路の出力は特に高インピーダンスなのでとても減衰し易く、その目減りを無くしたら何とか足りる様にならないだろうかって作戦だ。
この目論見第一弾のTD-1では辛うじて目標達成出来たので、TO-2の方でも同じ事をしようとしてみた。

ら第3の問題がこんにちはしやがったが、それは既存の電源では容量が全く足りないってのだった。
TO-2のこの部分は良く言えば本来は秀逸で、より柔らかい歪みを得る為にMarshallのを手本にわざと電源トランス容量が不足気味にしてあったのだ。

色々格闘するも結局内蔵電源だけではどうこねくり回しても駄目だったんで、更なる珍妙パートⅡでなんと電池を内蔵させちゃった。
それで数年間は2つ共その状態で使ったけど、コンセントに繋がなきゃなんないのに電池切れの心配もなんてのはやっぱ長続きさせられんね。

機器の方より俺の神経の方が、その煩わしさに耐え切れなくなっちゃったのよ。
これの総論としてはコンパクトで簡便なのを堅持させるには、限界だったって事だね。

それで本項最初の方で述べた如く「半分作り直し」みたいな案が浮上したが、流用を前提とすると電源トランスだけで既存×2+新規×1=3個になるだなんて非効率もいい処。
なのでやるなら全部新製するとして、1つ前の状態へ戻す事になったんだわさ。

余談だがこの電池内蔵も単一(notたんいち→たんいつ)では無く、最初は単3×2・後に9Vの006Pへとって変遷があった。
本来なら最初から9Vの方が良かったんだけど、何処へどんな向きにしてもギリギリで入らなかったんだ。

けどやはり低圧仕様のオペアンプICじゃ音質に難があったんで、電源回路基板を作り直したりしてその空間確保に努めた。
普通ならこんな非効率なのやらないんだが、全ては「お試し」ですよ。

処で因みにGuitar内蔵Bufferの方も何度か変遷はあったけど、そっちは当初から切替SWを設けてバイパス出来る様にしていた。
元のパッシブ時の音色を失いたくないのもだけど、最大の理由はトラブル対策(電池切れ)でね。

<つづく>

2020年10月 6日 (火)

音楽備忘録426 歪み系Effector②

前回のに沿って歪み系の選び方へ進めてくが、敢えて音色や機能以外の面で考えてみよう。
これは資金の有効活用に対して大問題だからで、且つ単にコスト圧縮を狙うばかりでは無いのだ。

何らかの理由で使いたい音色が固定してれば効能は低くなるが、それでも気紛れな人間様だから何時違う音が欲しくなるかも分からない。
それには現実的な妥協点に収めといて、資金はあってもプールしとくのが利口ってもんだ。

では本編へ話しを進めてくが、選ぶに際して各自の環境が先ず無視出来ない。
それは各自の中で本格的に演る時に、歪みをAmpとストンプのどっちに依存してるかが出発点だ。

Amp主体の人にとっちゃ歪み系ストンプはお便利グッズとかバリエーションになるから、小型で電池駆動の可能なのが優先事項になる。
対してストンプ主体の中でも本チャン用のAmpを持って無かったりしたら、ストンプがその人のオリジナルサウンドの中核を担う事となる。

それであればなるべく納得の音質に加え、Line録りにも満足出来るのにしとくのが望ましい。
又練習も録音も同じ所を借りてしかしないからって、甘く考えるのは一寸危険だ。

自分の音色を作り上げる作業って、究極的には時間無制限のものなのよ。
一度徹底的に試験して例えばAmpのツマミの位置を押えといたとして、曲や周囲の音が変わって一寸違って聴こえてもずっとノータッチで我慢出来るか大いに疑問だ。(本来我慢なんてすべきじゃ無い!)

仮に弾いてるその場での本人として平気でも、聴き手に対してこちらの思惑通りに伝わってるかが怪しくなる。
こう云うのは事後暫くしてからじゃないと全部の結果が判明しないので、長時間使い込む事でこっちが機器に精通してる程思った通りの結果に結び付け易いのだ。

もし家ではこれっぽっちも練習しないなんてんなら別だけど、試せる機会が減る程ゴールは遠くなる。
音色の骨格だけですら、何年後に完成するかってな調子になり兼ねんよ。

処でここ迄のは割と本格的に演りたい人には適すが、軽く楽しみたい人には合わないかも知れない。
純粋に遊ぶのであればよりお手軽なのが良いが、それでも内容に依って最適解は大略でも二分する。

例えば代表的なパターンとして特定の誰かに憧れてバーチャル本人化しようってのと、広く浅くでも制限無しで気の向くままに遊ぶのでは真逆に近いのが必要だ。
前者みたいにターゲットが絞られてたら、憧れ対象の音色的再現度が鍵になる。

只でさえ腕前の差で音が違っちゃったりするんだから(かも)、1000回に1回だけでも偶然上手く弾けたらそのものの音が出るアテでも無くちゃ面白く無い。
その中で環境や経済状況次第で更に分化しては行くが、他のはどうでも良いから求めるのに少しでも合致してるのが前提になる。

これに際し他に1つだけ注意を要すのが、カリスマさんの音でもLive或は録音のとか時期等だ。
常に同じ機材の人も居るにはいるが、大御所になる程目的最適化等の為に機器やセッティングの違うケースが多々見られるからだ。

一方で自由にプチごっこをするには何でも出来るのが決め手で、そんな場合はオールインワンタイプも悪くない。
但し多機能なのはその分操作が複雑になり易く、それにはせめてプリセットプログラムの多いのが良い。

尤もそうしたってプログラムを探すのと切替の手間が掛るし音色に難がありがちなので、私的には音は良い只の小型真空管Ampの方がお勧めだ。
オールインワンタイプの方がエコー等の所謂音響処理の分迄味わえるが、原典の通りに調整したり曲中で弾きながら絶妙のタイミングで切替えるのにだって少しはスキルが要る。

その手のはLiveだと本人だけでやってる場合があっても、基本的には専門スタッフと協力して成立させてる方が圧倒的に多い。
個人で楽しむには人手が無いのを思うと、折角付いててもどれだけ活用出来るかが微妙なのだ。

<つづく>

2020年10月 5日 (月)

音楽備忘録425 音色の過剰演出とはⅤ

本題からはかなり遠のくので番外編とでも思って貰うとして、Beatlesのお客の半狂乱のお嬢さん方の音量が何dB(デシベル)かの推定計算でもしてみよう。
安直ググりだしそもそも結構人声の最大音量は巾が広く、100~120dB位らしいがどうなるやら…。

上記はコンテストのチャンピオンのとかなので、取敢えずは一番低い方の100dBを1人分としてみよう。
観客総数も巾が広いので是又取敢えず1万人とすると、単純計算では何と140dBにもなると出た。

尤もこれだけの人数になると場所的にかなり分散するので、実際には全体のエネルギー量は膨大でもピークはもう少し小さくなる。
そこで1m四方に入れそうな人数を基に計算してくとして、4人として106dBだ。

1m四方としたのは音の距離減衰との兼合いからで(後述)、1m離れると6dB音源より小さくなるからだ。(この場合だと音量は丁度半減、増加の場合は倍増)
つまり1m離れると4人居ても隣接ブロックのは100dBとなり、ひたすら大雑把だが真隣にたった1人居るのと同程度になる。

するとこの1mブロックに全方位囲まれてたとして、周囲8ブロックからは夫々100dBの声が押し寄せている。
6dBの差があるのを1つだけ足し算すると、デシベルだと1しか増えないから107dBとなる。

それが8つあるから合計するとお嬢さんキャーは、ざっと114dB程度って事になったよ。
厳密には4人だってその間に距離はあるけど、概算だし面倒なので端折っちまったい。

ってのも50cm(0.5m)では3dB減衰するが、音量としては半分迄小さくはなってないのを加味しての事なのだ。
半分とか倍位に変化しないと「確固たる比較対象」が無き時は、人は音量差を明確には認知し辛いんでね。

さてとなるとお嬢さん方に楽器の音がPA無しで最低限聴き取れる為には、これ等に依れば114dBより6dB上回る120dB必要って事になる。
ここで注意すべきが音源から観客の耳迄の距離で、1万人収容となると会場自体も広いが舞台の奥行きだって大抵は結構なものになる。

これを最短に見積もっても楽器から舞台前端迄3m、そっから客席前端迄2m位は確実に要すだろう。
けどこの値はアリーナ最前列の場合でパフォーマーとの間に誰も居ない特異なケースなので、取敢えず3+2=5mへ更に2m追加して都合7mの想定としてみよう。

7m離れると約17dB減衰するので、客耳120dBなら音源からは127dBは出せないと楽には聴き取れない。
物にも依るが楽器Ampのスピーカトータル能率を大凡105dB(1W入力時)として、不足の22dBはヘッド出力で稼がねばならない。

これが出力100Wを持ってして上乗せ出来るのは20dBなので、番町皿屋敷じゃないがまだ2dB足りない。
dBとWでは比率(dBは対数・Wは唯の掛算)が異なる故、たった後2dBでもなんと約160W無いと到達出来ないのだ。

せやさかい折角100Wを登場させた処で爆「キャー」の前では、ギリギリで聴こえてせいぜいコードのルートが分るかってな程度だった訳やね。
Beatlesより少しでも後のCreamで200W Marshall、The Whoは400W Hiwattにしたのも客層を考慮すれば(前者様失礼仕った💦)妥当な処。

そこ迄して静かとは程遠いにせよ、PA常用の今みたいに耳を手で塞いだって聴こえる様な音量では無かったと。
但し元音が今みたいに過大じゃ無いとなれば、会場の残響等は今より実感し易かったのは間違い無い。

聴き取り易さでは当時のは今より格段に劣るけれど、演ってる場所の音(響き)はより堪能出来てたと言える。
その部分こそが音楽にとっちゃ「天然の演出」で、会場毎の特質が丸々お客に届いてたと考えられる。

今PAのお陰で何時でも何処でも同じ音が聴けるのは公平ではあるけれど、小規模Livehouseとドーム球場での音場的な差が少なくなり過ぎるのは微妙な処だ。
有るべき天然の演出を完全に無くすのも不可能なのに、無理に減らした結果「物足りなく」なって何か余計な演出を追加しなきゃなんないんじゃなぁ。

これからすると音色過剰演出には、あるべき物を減らし過ぎたのも一因なのかも知れないと思った。

<つづく>

2020年10月 4日 (日)

音楽備忘録424 楽器の機械的雑音の話し③

古い物と新しいのを正しく比べるには、環境や習慣等の条件の差も加味すべきなのです。
ドラムペダルでなら定期的な給油なんかがそれで、昔はするのが当り前・今ならしなくても普通だとかさ。

これは他の色々でも特に調整作業なんかに顕著で、運転免許を取ったのが近年の人はエンジン始動前にゃ一寸だけアクセルを踏んどくもんだなんて言って分かるだろうか?。
これはエンジンの所謂チョークって機構に関するのなんだけど、もっと古い車だとノブを引っ張って動作させたりしてたんだよね。

知らない人向けに少し書いとくと、エンジンって掛けてたら当然熱くなるよね。
それで各部の調整が「熱い時用」に合せてあるから、止まってるのを掛けてすぐだとそれがズレちゃってるのよ。

そんで合って無いからって止まられちゃ暖められなくて困るんで、「冷めてる時だけこれで合せて」ってのが付けてあったんだ。(具体内容としては燃料と空気の混合比を変える)
今は何でもコンピュータ制御でセンサからの情報に応じて自動調整されていて、だから「チョーク」なんて付いてるのが殆ど無くなったんだ。

つまりは色んなので「使い方の常識」が変化していて、新旧の正当比較をするにはこう云う要素を加味しないと不正確になっちゃうんだ。
上記エンジンのでそれを例示するなら、チョーク使用が当然の時代にだと付いて無い方が不親切になるのよ。

電子頭脳(コンピュータを昔はそんな風にも呼んだ)付いて無いのにチョークも無いんじゃ、何回掛け直してもすぐ止まるけど頑張ってねって事になっちゃうんだもの。
それ位状況に違いがあると、ひと手間増えるより省くともっと大変になるのもあったんだわさ。

んで「キコキコ」だったら、油が乾かない様に密封するとかは当時の技術レベルでは不可能だった。
なので次善レベルにはなっちまうが、給油のし易さに充分な配慮がされてれば一番親切だった訳だ。

部品に関しても同様で擦り減らないのが一番だけど、それが無理なら交換のし易さと入手し易さが評価点になるのよ。
して今更乍ら件の動画にケチ付けると、踏む時と全然違う方向に手で揺すってカチャらせてたのが許せんですねん。

最大でどれ位遊びがあるのか、最悪でどれ位雑音の出る可能性があるかではそれでも分かるさ。
けど実際人並みに踏んでてどうかはあれじゃ分らなくて、もしかしたら動画投稿者は演奏よりメカの方に興味が強かったのかな。

確かにどんな失態をやらかしても余計な雑音は出ない方が良いけれど、奏者としてなら雑音以前に踏み損ねの方が不格好で恥ずかしいんじゃんか。
この点で物余り傾向の近年のになる程、実用時の使い易さは劣化してると感じるのよ。

冒頭の車の話しで追加例示すると、今は殆ど全てが電動化されてオートマだからバッテリーを上げちゃうと昔より遥かに大変になった。
これ宅の狭隘車庫の関係で数回煮え湯を飲まされてんだけど、電動化の弊害でリアルの鍵で手動で開けられるのは運転席のドアだけになってる。

そんでドア開けられないとボンネットも開けられないから、充電出来なくて行き止まりになるわね。
それが車庫に隣接して家の柱があるもんだから、運転席が開けられない塀の方に行く向きにしか泊められないのよ。(とても疲れるが助手席から乗降)

これがセーフでも家(=コンセントから電源取れる)じゃ無い所で上っちゃったら、マニュアルトランスミッションのと違って「押し掛け」が出来ない。
纏めると要するに普段は格段に楽で便利になったけど、いざ鎌倉となったら死を覚悟せいってなもんなのよ。

だから例えば仮に
Single Stroke専用ペダルだとか、用途限定をちゃんと謳っててこんなに静かになってますならOKなんだけどね。
対応力とかが落ちててもそれを謳わず気付かずに、あっちの方が優れてるなんて言われてもなぁなんだわさ。

<つづく>

2020年10月 3日 (土)

音楽備忘録423 歪み系Effector①

現代基準で電気的に厳密に分類すると、今日音楽制作で使われる真空管機器は全て歪み系に含まれる。
んだけどそこ迄広義にすると散漫になるので後回しにして、先ずはGuitar用ストンプのから綴って行く。

とは言え俺は最近のには疎い方だし拙ブログなので、独自の視点からのにしておこう。
先ずは意図的に歪ませるメカニズムから分類し、夫々の音色的特徴へ進めよう。

①ダイオードに依るクリッピング回路
②増幅素子の動作をわざと正常範囲からずらす
大枠の基本は球かディスクリートの石かICか等増幅素子は不問で、なんとこのたった2つしか無い。

して①と②を比べると前者はジェントル、後者はワイルドとなっている。
エレキの原典に含まれる球Ampでの歪みは、回路原理的には後者の方が近い。

だが通常ストンプには電力増幅回路・音声信号トランス・スピーカ等は当然含まれて無く、この分の違いは大きく出てしまう。
これ等の役割を比喩例示するなら、コーヒーに入れるクリームや砂糖と同じだ。

人にも依ろうがブラックコーヒーじゃ濃いと苦過ぎて大変で、これを歪み系へ戻せば深く歪ませるとエグくなり過ぎる嫌いがある。
歪み系ストンプは球Ampが殆どの所へ登場させたからか、他と違って珍しくディスクリート石(非集積回路)の方が歴史が古い。

のでそれから行くがAmpが歪む原理をそのまま用いてたので、上記のと併せて結果的にFuzzとなった。
その当時は使えるトランジスタはゲルマニウムのしか無く、今のシリコンのよりそんな使い方をした際の音色は少しマイルドだった。

それが性能及び入手難等でシリコンので何とかせにゃならなくなって行き、①の方法が編み出され主流となった。
①は歪みの安定度の高さでは重宝するが、裏を返すと画一的に過ぎる弱みがある。

そこで近年は両者のハイブリッドも増えた様だが、音色に反して電気的には①の方が強い変化をさせている。
なので回路の何処かで(特に最終段)①が用いられていると、②は使ってもその効果は原理的にはかなり薄れる。

では②だけでは安定度等を上げられないかってば可能ではあるが、それには増幅回路の段数を二桁とするなどかなり多くしなきゃならない。
歪みの深さだけならそこ迄要らないが、音色を整えたり原形を一定以上保たすのに「徐々に」歪ませている。

結果として回路規模が大き目となり石ならサイズは未だしも、コストが割高・消費電力も多目となってしまう。
ので一部のワイルド寄り歪みヲタさんには重宝されるが、電池駆動が困難化する点で石のストンプとしての利便性に劣っている。

因みにこれとの比較目的で球Ampの平均的な増幅段数を提示しとくと、全部で5~7段程度となっている。
これからすると二桁にする位なら増幅素子を基本的には全部球にする方が有利だが、コストとサイズの関係でストンプでは無くもうPreampの体を為してるのが殆どだ。

道具としては楽器用ソフトケースのポケットに入れられると便利だし、価格は安い程良いがそれだと②の方法では音色の質には大きな期待をするのは苦しい。
それで数を買う事になればコスト面での優位は無効となるが、Ampが好みにあまりに不向きなのしか無いとかストンプとの相性等を考慮すると音質追及にも微妙な面が出て来る。

<つづく>

2020年10月 2日 (金)

音楽備忘録422 Hi-Hat「踏み叩き」の効能③

前2回はいきなりゴリ押し気味に出ちゃったけど、実は今回からがこのテーマを持出した真相へ進むのであった。
従兄曰く「Black Music系が好きな人はHi-Hatへの拘りが強い」そうだが、それって彼命名の「チーチキ病」重症者の俺の事でもあるらしい。

今でもお説の通り俺はHatでのリズム刻みではキレがとても気になってるが、つい最近迄は柄にも無くそれなりに深刻にもなっていた。
自分で演奏する方でこの病が発症したのは、ニーズより薄いHi-Hatしか持って無かったのからだった。

一寸前にも従兄のTwitterでキレの為に強く踏み過ぎて壁に当たってる生徒さんの話しが載ってたが、全く同じド壺に嵌った事があった。
これの原因は「出音が短い」=「キレが良い」との誤認で、叩いてる本人にとってはそう感じられ易い処がある。

拙ブログは別名クドイ劇場かもなんで更にその原因を掘ってくと、とどのつまりはDrummerだけが他の奏者や観客より極端に近くで聴いてるからの様だ。
要は他の誰にももう聴こえなくなってる、俺言い「余韻の残り」がDrummerにだけ聴こえてたりするからだ。

齢取ってから自宅に生Pianoを置ける様になったが、Pianoでも爪切りを不精してたり指の角度が悪いと鍵盤と衝突する音が聴こえた。
但し露骨に何時もそうなるのはどうも「弾いてる本人だけ」らしく、これも奏者だけが鍵盤の至近に居るからだ。

だからって繊細なのを弾くのにぞんざいに扱っては駄目だが、何処かを動かして(人)動かさないと(楽器)音は出せないから完全無音は無い。
少しは出ちゃうからこそなるべく目立たぬ様にとか、邪魔にならない様にしてるだけなのだ。

それは兎も角Closed Hatは出音はある程度迄だったら短い方が確かに歯切れは良くなるが、それだけに依存させると単に聴こえ難くなるだけなのだ。
これは「高域主体の音源」なのがポイントで、耳に同音量でも音域が高くなる程ピーク音量は小さくなってるからだ。

そしてその具体的証拠の典型が例のJohnny 吉長氏の「踏み叩き」で、Hatの閉じ具合が緩む瞬間が常に訪れてるにも拘わらず滅法キレッキレだからだ。
って高1の時から知っててずっと気付かないなんて流石は杜撰大王だが、氏はFlat Hatsを使ってるって噂!?もあってそのせいだと勝手な思い込みが強過ぎたか。

それが概述だが後年になってSound Edgeを使い出して1?、Standのフェルトとかの消耗部品を交換して2?となった。
それでも専業じゃ無くて下手だからとか、生では今一でも録ったら平気なんて体験は重ねていた。

ともあれずっとキレ重視で叩いてる中でもう1つ気になったのは、厳しい速さで叩くと音色が普段よりだらしなくなる処。
本人としちゃ叩き方は全く変えて無いつもりだったんだけど、どうもバチの軌道がおかしくなってたらしい。

テンポ的に余裕がゼロになると死にもの狂いで「付いてくだけ」になるが、無理に間に合わせる為に体が勝手に変な小細工をしてたみたいなんだよ。
んでこの時どう踏んでようと「バチの当りがおかしい」んだから、どんなに強く踏んでも全然駄目でしたっと。

このHat刻みの速さって点では絶対的な覇王が居るんだが、今更乍らかのRingo Starrその人だ。
それ以外だとCountry系の人なんかは誰でも平然と恐ろしく速いが、今本邦では本来「縁が深い」のにポピュラー系全般であまりにもこんなのを無視・軽視してるからいけないのだ。

Ringoの場合普段はキレより存在感を意識してるらしく、それで見落とされがちなんだろうね。(その筆頭俺!?😅)
彼で面白いのはテンポが速まる程にわかにキレが増す処で、それからすると速さとキレはどうやらセットになってる部分があるみたいだ


Hatを踏みつける強弱は音の長さには関係するが、予想に反し実はキレとは縁遠かったのね。
ダメ押しの証拠としては全盛期のIan Paiceなんかが挙げられるが、Hard系故Hatは静かな部分以外では何時も開け気味だ。

この人に関してもSound Edge使用が有名なので、キレの良さはずっと道具のせいと勘違いしていた。
次回は何故俺が「薄過ぎHat」から誤認に繋がったかを記すが、音色や音量とキレを混同若しくは捉え違えていたらしい。

<つづく>

2020年10月 1日 (木)

音楽備忘録421 楽器の機械的雑音の話し②

今日日Speedkingと言えば「BONZOのキコキコ」を筆頭に、雑音の方でもかなり有名な様だ。
前回は敢えて言及を避けた「キコキコ」について、正しい!?情報をお届けしたい。

先に「キコキコ」の方から始めるが、あれはベアリング不使用部分の潤滑油切れに依る摩擦雑音だ。
まつわる逸話としてローディが補給油しようとしたら「弄るな」と命じられたそうだが、多分操作フィールが変化するのを嫌っての事だと思っている。

以前にも触れたが奏者としては「動作終了」としたのに、ペダルの終息が悪い(静止迄に掛る時間が長い)のは気持ちの良いものでは無いからだ。
止まり切る前に次を踏もうとした時、踏み始めの位置がニュートラルからズレやしないかってさ


実際がどうであれ俺自身も、特に限界に近いSlide奏法の開始時等は心配にならざるを得ない。
これは手のリバウンドStrokeの1打目と一緒で、これに不備があると後の全部にモロに悪影響が出るからだ。

殆どの方には2打目・俺みたいな選ばれし民!?にとっちゃそれ以降も、Slide Doubleは1打目の反動で鳴らすのだから。
これを俺の場合は苦手な手の方でより実感したんだが、それは指アシストを利用した速いSingle Strokeの連打が上手く行かないのからだ。

大昔から従兄がこれに対して天才的で、相手が体の¼は同じ部品で出来てる人なだけにずっと気に病んでいた。
未だロクに追付いちゃ居ないが、その中でも最も気になったのが奏でる時の楽さの違いだ。

従兄本人に訊いても寧ろ他のどんなのより一番無造作に出来る技、なんて言うから全く穏やかじゃ無いよコリャあ。
こっちは全神経を集中させてあんな体たらくにしかならんってのに、やり方だって教わった通りに…。

真剣に取り組み出して随分経っちまってるが、今更にして最近にわかに浮上して来た瑕疵があった。
それが1打目開始前のバチの位置で、本人につもりは無くてもどうも開始前の位置が低過ぎたりしてるみたいなのだ。

ある程度以上の高さから落っことさなきゃ跳ね返りが悪いのも当然で、足りない分を全部指だけで補おうとしたら草臥れるしスピードも稼げる訳ゃ無いよね。
なので叩いてる最中も決してどうでも良か無いが、打楽器系では叩く寸前の状況も恐ろしく重要なのだ。

Speedkingの動作の軽さは今でもタイトル争い中なレベルなので、時としては動け過ぎるのが仇になる可能性もあるのである。
手の場合はバチと皮膚の摩擦具合を握力等で加減出来るが、ペダルの場合にはせいぜい上から抑え付ける程度以外何も出来ない。

それに加え大それ過ぎた比較になっちまうが、俺とBONZOでは普段が裸足と革靴って違いがある。
足の裏って皮膚からして他よりゃ硬いけど、それだって革靴の底よりは断然弾力がある。

すると「軽く触れて止めよう」とした際の挙動に大きな差が生じ易く、要するに革靴底の方は生足裏より格段にバウンドし易いのだ。
手だったらバチのリバウンドを全活用する為の脱力の方が難しいが、それだけ人体直だと跳ねさせるのは大変だが止めるのは楽って事なんだよね。

最近はバチを持つ手にグラブとかを嵌めて、必要な摩擦を得てる例も多く見掛ける様になった。
これを足へ適応させると厚底スニーカなんかが該当するが、Slide奏法を主軸にする者にとっては滑らせ難くなるからこれは使えないカードだ。

これ等を纏めると随分我儘な要望になるが、「動かそうとしたら超速」なのにそれ以外の時は勝手に動かないで欲しい。
俺的にはそれが「キコキコ」の正体なので、所謂動作雑音にはそもそも該当しない案件だと思うんだよね。

故に楽しむ為の盛られた!?噂と真実を、せめて関係者にだけは見抜いて頂きたいのであります。
あと次回綴るけど買って来ただけで駄目だから駄目ってんなら、今下手ならDrummer止めろよって言われるのと同じになるけど構わないかいとだけチラ見せしとこっと。

<つづく>

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