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2020年9月 8日 (火)

音楽備忘録398 音楽を演る人にとってのリファレンスヘッドホンⅦ

今度こそ用途別の必須条件に進めてくが、敢えて最初はとってもワイドにしときますね。
聴こえなきゃ困るのって音楽なんかより、言葉だとか意思伝達の方がもっと重要で深刻だったりもするでな


①難聴必至の騒音下でも聴き取れる
②聴力補完
③ソースに入ってる物は全部聴き取れる
④被ってるのに被って無い時にとても近く聴こえる

音楽に限定しなきゃ概念としちゃこんなもんかと思うが、①②と③④は夫々正反対を向いている。
①は現代なら遮音性命ってなもんで、兎に角外部騒音の遮断と減衰を至上命題としたタイプのだ。

俺愛用のKOSS PRO4AAなんて化石級のだと、今のレベルからしたら単純な遮音性ではもう表彰台には乗れなさそうだ。
だがそれも低域に限るとQZ99と共に未だ最高峰かもで、低能率で無演出(低域の盛りが皆無)なのに聴き取れる事でもこれが証明されてると言って良い。

尤も全帯域での遮音性は現代のの方が優秀で、昔だったら考えられない位小さく鳴らしても全く普通に全部楽勝で聴き取れる様になった。
このタイプの最大の利点は誰でも心の平静を保てる点で、普段大きな音に無縁な人でもストレスフリーな処。

それに対し②は所謂補聴器が代表格で、ヘッドホンってよりゃインナーイヤータイプが主流ではある。
しかし俺みたいに外で鳴ってるバスドラは良く聴こえた上で、自分のBassも大きく聴こえなきゃヤダなんて思うとインナータイプでは苦しい。

希少なケースだし健康上特段の配慮も要すが、こんな場合は遮音性以上に低域爆音を楽に鳴らせると助かる。
幾らインナータイプよりゃ大きいったってヘッドホンはスピーカより全然ちっちゃいから、歪み等余計なオマケ無しにこれを実現するのはかなり難しい。

続いて③の代表が音響技師用のモニタで、入ってたら聴こえる為には非音楽的でも一向に構わなかったりもする。
音楽用途のですら何でそんなのが許されるかってば、「非音楽の音」(つまり雑音とか)を洩れなくチェックしたいからだ。

近年は欲張って粗探しと仕上げの両方に対応させたのがスッカリ主流になっちまったが、俺としちゃ何とも中途半端でいけねえや。
ってのも音自体には音楽と非音楽の明確な境界線なんて存在しないし、奏者は演奏音と言い張りプロデューサは雑音だと意固地に断定したりする事だってあるからだ。

更に突詰めてくと例え雑音であっても人が動いてるから出た様なヤツは、リアリティにはある程度必要だったりもするかんね。
この判定には結局は個人差があるけれど、先ずは純粋な音楽用で聴いてみてるべきだ。

その上でアレはやっぱり余計なノイズにしか聴こえないよと、皆が同意出来るかどうかなんてプロセスが要ると思うんだけどな。
粗探し専用に作ったからってその音が雑音かの断定迄してくれる訳じゃ無くて、飽く迄疑いのある確認すべきモノを洗い出してくれるってだけなのよ。

なのでそんな時には④みたいなのがあるか無いかは大問題で、生耳やスピーカ聴取に近い程良いんですわ。
リアルの演奏現場では奏者や観客の出す呼吸・動作等の必帯雑音はある方が自然で、度が過ぎりゃ迷惑だけど無音だったらきっとかなり気持ち悪い筈だよ。

特にそれが大会場で大勢居たら全員がゾンビのコンサートじゃあるめいしって、故に俺言い「ヘッドホンの魔法」に騙されない様に気を付けにゃアカンですぜ。
これについては次回徹底的に掘りますけんども、あまりにも気付かずに居たり失念してる人が多くてやんなっちゃうなもし。

<つづく>

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