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2020年9月28日 (月)

音楽備忘録418 楽器の機械的雑音の話し①

先程某所某記事でSpeedkingの雑音に対し誤認があったのを目にし、居ても立っても居られなくなって本稿の割込み緊急開設だぁ。
現実的には高経年の中古品が主体だと、摩耗が最大原因でも実際結構カチャカチャ鳴っちゃったりするけどさ…。💦

俺はSpeedkingは買った時点では新品のと、持出しと予備兼用で新古品のを持ってて常用してる。
が他のペダルと比べてそんなにカチャカチャなんて言わないぞっで、冒頭の持ち主が披露してた動画のは案の定全体が銀色の高年式のだった。

その人にとっての現状としては確かに嘘じゃ無いんだろうけど、新製時の具合を知らない人に誤解を与えそうなのが俺には我慢ならなかったのよ。
同じ金型で作られてたって後年のになる程、幾ばくかは多分加工精度等が上がってるんだろうし。

そもそも昔になる程演奏音量が小さ目だったんだから、新品でもしそんなに酷かったんなら大問題になってちっとも売れなかった筈だ。
そこで雑音発生と関係しそうなペダル構造の変遷を考えてみるが、大きな変化があるのはフットボードとビータを取り付ける所の連結部分位しか無い。

特にSpeedking以降はそうで、近年のでもフットボードのヒール側のヒンジ等可動部全てがベアリング化されてる実機に触れた事が無い。
少しはありそうなあった様な気はするけど、俺みたいなのでも簡単に出逢える位じゃ無きゃ一般化してるとは言えないからね。

そうなると動作時由来の雑音は、加工精度に差があったらそのせいって事になる。
俺知りでは一般用途の金属部品の可動部の遊びが減り出したのは、どの分野でも’90年代以降だった。

これは多分特に量産品の場合、加工機器の制御がコンピュータ化されたのに依っていると思われる。
制御系統がデジタル化されるとエラーが激減されるので、その分誤差余裕を減らしても品質が維持出来るからだ。

そこで他の高名なペダルの基本設計年次が次の鍵になるが、機械屋的観点からだと是又Speedking以降ではこれといった進化は皆無に等しいのだ。
例えばAXIS等の片持ち軸受だが例の如く微かな記憶に基づきプチググれば、軸受の付く柱は2本のの方がやっぱり後発だった。

詳しくは http://www.vintagedrumguide.com/pedals.html 等こんなのを見て回って貰うとして、ペダルに大きな変革があったのは寧ろSpeedking以前なのよ。
なので摩耗に依る変化しか主因が考えられず、けれど2つの要因で古いの程この影響が出易いのは確かだ。

1つ目は使用時間の長さでこれは必然だが、2つ目の材質強度の違いもある程度は考えられる。
後者も私的体感では大きな変動があったのは上記「遊び減少」と同時期だが、悲しいかな本件に絶好の証拠物件を俺は持ってんだわ


それが’70年代後半製造の、従兄から譲渡して貰ったYAMAHA FP-702だ。
オリジナルオーナーもLive等で5年程酷使したが、当時ド下手な癖にゴリ脚の俺がSpeedkingを買う迄超酷使したんだから減り具合は半端じゃねーぞ。😅

これで一番摩耗が感じられるのは、フットボードヒール側のヒンジ部だ。
もうねえ凄いよ、横から眺めるとシャフトの通る穴が露骨に「楕円形」なってるのが明視出来んだから。

しかし程度は俺が著しく進行させたとしても、偏摩耗はもう貰った時点で既になってたんだ。
して核心たる演奏時の状況へ進めると、真っ直ぐ踏む分には違和感も異常な雑音も未だ特には御座居ません。

俺がスイベル奏法不使用(出来ないだけとの声も…)なのでそれもあるかもだが、速度と打数を稼ぐには無駄はおろか必要最低限の動作にしなくてはなりませぬ。
それには外見上足が斜めになったり左右に動いてても、フットボードへ働かせてる力のベクトルはほぼ真っ直ぐになってる筈でやんす。

差し詰め歩きスマホでも色々ぶつかったりするってのに、F1のハンドル握ってて余所見・脇見運転出来るんならやってみろってなもんだい。
だからもし遊び由来の雑音が凄く気になるんなら、ホントに深刻なのはきっと踏み方なんだよ。

昔ならそんな方々をFuck Youとかざまあみろなんて思ってただろうけど、齢取った今はひたすら老婆心的に心配でゲス。
演奏の可否は自己責任で済ませたとしても、誰かが少しでも怪我とかをし易そうになってるならね。

<つづく>

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