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2020年9月16日 (水)

音楽備忘録406 音楽を演る人にとってのリファレンスヘッドホンⅪ

今回は音色演出が無い或は僅少と云う意味での、ナチュラルサウンドを堅持してるヘッドホンに言及しとこう。
その判断基準にはやはり歴史が絡んでしまい、それもあって直ちには同調出来ない方も多いとは思うが…。

しょっちゅう一々「歴史がどうの」ってのは流石に年寄りでも少しは抵抗感があるが、深い訳がある。
近年では技術の向上で攻めるも守るもかなり自由に音質を作れる様になったが、廉価版でもそんな芸当が可能となったのは大凡21世紀以降になってからだ。

それより以前は派手な音色演出を意図的に加えられる様な余裕は無く、一部で無理してやったものは全体としては何とも「変な感じの音」にしかなってなかったのだ。
どんな方向性を目指すにしても一般向けはスピーカでも何でもそうだったが、先ず可聴帯域全域の再生すら成し遂げられて無かったからね。

そんな状況下で俺が何時も不満だったのが、低域限界の高さとローエンドの量不足だった。
これを端的に例示すると要するに、実際よりバスドラやBassが小音量になったり軽くなってしまうのが残念で嫌で仕方無かった。

まだ自分がプロのBassistになるとは夢にすら思っても居なかったが、それだと洋楽系のだけ肝心な魅力を削がれるので困ったのだ。
俺はかなり幼い内に邦楽系より洋楽系に興味が移ったが、その最大要因はそっちの方がリッチに聴こえたからだ。

当時のアホガキな俺にジャストフィットしたのにT・REXがあったが、内容が単細胞なだけに意外と高品位だったBassやDrumサウンドの再現性が悪いと楽しむのに命取りになる。
最初はFMラジオから聴こえて来て存在を知ったが、なけなしの小遣いで生まれて初めてシングルを買う決心がついたのはレコード屋での試聴音質のせいだ。

その頃はローカルでマイナーだった下北沢如きの今は無きレコードとオーディオの店に、伝説の名器たるMcintosh MC275やTANNOY Super Red Monitorがあって試聴室に鎮座していた。
今の感覚だとそんなのミスマッチでしかないが、良く考えてみると洋楽レコードを売る為のツールだったんだろう。

それは兎も角そんな事情から今でも通用する真実の音を知ったが、この体験を基準にその後秋葉原でヘッドホンの試聴を片っ端から遂行した結果あるブランドが唯1つだけ残った。
それが激推ししてるKOSSで、KOSSの中でも四角いヤツ(PRO/4X http://20cheaddatebase.web.fc2.com/koss/PRO4X.html )だけが唯一スピーカに負けない低音が出せていた。

当時の他のは低音の量は近い位出せててもローエンドは全くお留守とか、明瞭度が極端に悪かったり高域限界が低過ぎたりと無理してるのが子供でも即座に分かる有様だった。
今となってはこのタイプのユニットの設計は旧態化を免れないが、演出の無さの点では他に類が未だ見つからない。

多分そのお陰で少なくとも海外では一定のニーズがあるらしく、化石級のPRO/4AAを筆頭に同系統の音質のPORTA PROやSPORTA PROが生き残ってるのだろう。
一面でそんな唯一無二の武器を持ってるのに何で近年は二軍並の扱いをされる様になったかってば、音質維持の為に高能率化が困難だからだと考えられる。

他にもPRO/4AAは爆音専用設計なので、一般的聴取音量では周波数的に所謂「カマボコ特性」になる。
後者2つは普及型・ポータブル・オープンエアータイプなので、厳密な性能を求めるのは厳しい等々。

これ等は現代一般基準では看過し難い弱点になろうが、過度な利便性要望が音質の自然さを破壊して行ったとも読み取れる。
だが定番のSONY CD-900STにしても、最早歪み率の悪さは本来なら今は圏外の筈だ。

娯楽に用いるなら何のお陰だろうとより気持ち良けりゃそれが一番だが、比較の為の物差しは変わられては困るのだ。
この点に絞って選択するなら、なるべく昔から長く不変なのがリファレンスとなるのである。

俺が言い張る理由はこの長く不変なのに加え、歪みの点ではKOSSの方がCD900より遥かに勝ってるから。
そしてCD900は音質に演出を加えるのが業界内で当り前なって以降の開発だしで、従兄宅で仕事に借りる場合はあるが雑音検出等以外の用途には使っていない。

<つづく>

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