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2020年9月10日 (木)

音楽備忘録400 音楽を演る人にとってのリファレンスヘッドホンⅧ

つい興味を引きたくて「ヘッドホンの魔法」だなんてブチ上げたけど、要は長所と短所の両方があるって事だす。
良い方に関しては分かり易いから良いんだけど、問題は短所の中で把握し辛く失念し易い部分で御座るよ。

先ずは一応公平!?に分類から始めるが、長所の筆頭は自分以外に大きな迷惑を掛けずに自由な音量で聴ける処だ。
求める音量に対して遮音性が足りない時は要注意だが、外部雑音を減衰してくれるのは有難い。

これオープンエアタイプだと遮断は一切しないから、ご利益が無いと思ったら間違いだ。
凄く原始的な話しではあるけれど、大抵の場合他の方法で聴くより音の出処が圧倒的に耳に近くなるわね。

するとどんなに少なく見積もっても例えば音源と自分の間に誰かが居て遮られて、その分ダイレクトの高音が減って少しボヤけたりなんてのは避けられる。
但し環境音が通常時より低下するって事は、自分の聴いてる音量がどの程度なのかの判断を鈍らせたりもしているが。

随時頻吠えしてる通り音楽や音の判断・判定って、人間様は通常天然では絶対的尺度を殆ど持合せていない。
無意識でも常に何か他のと比べてこれを行ってるんで、比較対象が曖昧になるのはどっちかってば良い方には作用してくれないもんだ。

それは兎も角細かい所迄聴くのには被ると断然有利だけれど、下手に聴こえ過ぎると演者にとってはとってもヤバイのだ。
例えばStudio録音されたのをヘッドホンでなら聴こえたのが、Liveでアレンジとか一切変えて無いのに全く聴こえなくなっちゃったなんてね。

それがもし秘密の隠し味とかってんならまだ良いんだけど、小さくてもずっと聴こえてるつもりで演ってたら悲劇ですがな。
誰にも聴こえない(演ってもほぼ何の効果も無い)のを延々ととは、全くご苦労さんな事ったね。

そりゃLiveは言葉通り生モノだから状況は刻々変化し、全てを事前想定で対処なんて出来ねーよ。
それでも「この音は埋もれる危険度が高いかも」なんてのを知る機会を損ねるより、程度が違っても自然と体験出来る事は大事だし必要なんじゃないかな。

生楽器の正規の練習方法なら起き得ない事象で、こんなののせいで生よりエレキとかの連中は下手クソが多いなんてなってたとしたらワシャ勘弁して欲しいぜよ。
又練習のモニタでは無く達人の分析等に使うにしても、実際より聴こえ過ぎるデメリットを忘れてはいけない。

本家はわざとさり気無くサラッと演ってたのが、俺言い「聴こえ違い」のせいで誤認する可能性なんかもあるよ。
録音状態の酷い中でさっきのはドなのかミなのかなんてのを確かめる為なら助かるが、強弱や目立たせ度等はそれで聴こえたのは事実とは少し違っちゃってんやさかいな。

故にヘッドホンをタイプ違い(用途違い)で最適なのを複数持ってて、完璧な使い分けが出来るってんなら何も言わんよ。
でも俺みたいに長年散々やって来てても、しまったをゼロにするのは難しい。

ドかミかを聴こうとして被っても「あれっこんな処でハネてたっけ」なんて、聴き出してから急に湧く疑問は常にある位の方が好ましい。
聴く事により集中するとか一寸だから臨時だから仮だからとなる中、疑念に応じた「被り変え」を常に遂行出来る人居たら手を上げて下さいですよ。

これからしたら優先順位ってもんがありそうで、先ずは演った・記録されたままに聴こえるのの確保推奨でゲス。
概述の如く被るだけでも周囲雑音の影響は減らせて、その分聴き取りは向上してるんやし。

それでどうしても足りなかった時、初めて実際より聴こえちゃうののニーズが生じるんよ。
何時でもより高品位に感じられる状態で聴きたい気持ちも分かるけど、高級なだけが全てに素晴らしいもんでも無いからねぇ。

<つづく>

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